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平安中期のことです。
ある時、小式部内侍は、大変重い病にかかりました。 そして命も尽きるかと思われたのです。 もはや小式部には、人の顔を見分けることもできません。 小式部の母である和泉式部は、かたわらに付き添い、 小式部の額をおさえながら泣いていました。 その時、小式部は僅かに目を開き、母の顔を見つめ震える声で 一首詠みました。
すると天井の上で、あくびをかみ殺したような声がしました。 「ああ、なんと素晴らしい歌だ。」 それから、小式部の体の熱はさめていき、病から回復したのです。
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