日本人としてのアイデンティティーが持てる本
─神道、戦争、教育から日本を見直す─
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日本人としてのアイデンティティーが持てる本
─神道、戦争、教育から日本を見直す─
発行:本の風景社、発売:株式会社ブッキング(オンデマンド・自費出版)
A5版257ページ、¥2400+税
ISBN4-8354-7148-2
2003年3月30日発行
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目次
第一章 日本の宗教史──神道を中心として
第二章 神道について
第三章 神道を中心に諸問題を考える
第四章 日本の近代史──戦争を中心として
第五章 日本の近代化から敗戦に至るまでの問題点
第六章 非武装中立か武装中立か
第七章 教育について
第八章 教育荒廃について
第九章 教育改革をデザインする
まえがきより
この本は、独立した本だが、私が最初に出版した「共生への道─その解決のロゴス」の続編とみなすこともできる。そこでは、仏教、キリスト教、イスラム教などについては述べたが、神道についてはほとんど何も言っていない。しかし、日本人は仏教を信じようと、キリスト教を信じようと、あるいは特に何も信じていないと言おうと、神道的なものが日々の生活を支えるこころとかたちの中にしみ込んでいるのである。それが故に、仏教にしてもキリスト教にしても、日本的というか神道的というか、日本人の感性に合うように変容したものになっている。キリスト教が、先進国では珍しく人口の1%程度の信者しかいないのも、日本人の感性から直感的に異質なものを教えや儀式に感じるからではないのか。神道は一神教を包含し、共存しうる、おおらかな多神教である。この考えは、様々な宗教を信じる世界の共生に参考になる考えではないかと思われる。そこで一〜三章で詳しく神道について述べた。
四、五章で、戦争を中心とした日本の近代史と、その問題点について述べたが、それは今問題となっている自衛権をめぐる憲法改正論議の参考になると思われる。人類の共生を目指す過程で、いきなり軍備を無くそうとするよりも、しかるべき軍備をこのまま持ち、相互査察し合って軍備拡張を防止し、戦争を回避する方策を考えながら、各国別の軍隊を何らかのかたちで縮小していく戦略を考える方が、当面現実的であると思われる。また全く別の考え方もあることを簡単に六章で紹介した。この問題も前著では扱わなかった。
七〜九章で今盛んに論議されている教育問題を扱ったが、前著では古い資料に基づいて書いたため、陳腐な議論が多かったのを反省して、新しい資料に基づいて論じた。大体、今議論されていることはカバーされていると思うが、結局人の問題に行き着くのである。つまり、時間がかかるということであるが、やっぱり時間をかけてやるしかないだろう。
それと教育の荒廃は複合汚染によるものであり、人により見方は様々で、互いに矛盾した考え、対策などあって当然であり、それぞれに一面では正しいわけである。そして、多様な考え方にのっとって私立学校を設立して、最終的には市場原理に委ねればよいという考え方をとっている。したがって、七〜九章の中に矛盾した考え、対策などが混在しているが、余り神経質に矛盾を無くそうとはしていない。
ではこの三つのテーマの理解が深まったとして、読者は日本人のアイデンティティーが持てるようになるのであろうか。ところでなぜ、神道、戦争、教育なのか。次のような歴史でつながっているのである。つまり日本人がアイデンティティーを持って独自の、当時としては落ち着いた高い文化を維持していた時代、欧米列強が次々と植民地を増やしていく過程で、自らの文化を否定し、欧風化することにより欧米列強に追いつき追い越せと富国強兵に邁進した時代、やがて軍部が日清日露の戦勝によるおごりなどにより独走し、中国と戦争を始め泥沼に入っていく時代、中国の利権をねらっていたアメリカと利害が対立し、アメリカの仕掛けたわなに見事にはまって、勝つ見込みのない全面戦争に突入し、やがて当然の如く敗戦し、日本のばか力を恐れたGHQによる、日本の過去の伝統・文化を全面否定するマインドコントロールにまんまとはまった戦後の時代、それによって教育がじわじわと荒廃に向かい、やがて崩壊という局面を迎えた今日・・・・。この歴史を知ることによって、この方面に詳しくなかった人は、アイデンティティーを持てる入口に立ったといえる。生涯学習の時代であるし、更に独自の考察を進められ、日本人としてのアイデンティティーをそれぞれ持たれることを切望する。歴史をふりかえって、それをふまえた上で、一気に現代の問題にまで戻ってきて、現代的視点を加えて考える、そのことを通じて独自のアイデンティティーを持つことができるのではないか。国際化、グローバリゼーションのすすむ世の中で、信念を持って人類自然の共生への道を進むには、それしかないからである。そのとき、あなたの自己実現がともなう、楽しく心豊かな人生が送れることは保証できる。
読者の書評、意見
鹿島啓夫氏(予備校講師)
内容が余りにも右よりで、正直な所、もしある右翼団体の人があの書物を読むと先生に誘いの電話が掛かるのではないかと思いました(笑)もしあの書物をN先生が読まれると憤りの余り先生に抗議の電話をされるのではないかと思ったくらいです。N先生は終戦の少し前に父親が召集され戦死しましたので「私は昭和天皇を許すことが出来ません」というのが口癖でしたから。
瀧内鳩子氏(中、高、大の同窓生、内科医)
少しずつ読ませて頂いていますが、落ち込み気味であったところ元気が出て来ました。友達にも神道の解説などしてみたりしております。貴兄のエネルギー、能力にはいつも瞠目させられていますが、多くの人に読んでもらいたいものです。これからも元気が出る本を書いて下さい。楽しみにしています。
矢野満明氏(大阪工大、電子工学)
ずいぶん広い範囲にわたって、歴史から現代教育論まで、貴殿の考えを纏められていることに敬服いたします。多くの参考図書と資料を集めて、そのエッセンスを解釈しなおす作業は、大変なものであったろうと存じます。また、64頁には小生の拙い解釈を紹介してくださり、有り難うございました。
この本が想定する読者は何歳ぐらいでしょうか? 小中学生の子どもがいる30歳台から40歳台前半といったところでしょうか。本来ならば、議論のベースとなる一次(二次?)資料としての数値データ等が添付されていると非常に説得力があるのですが、膨大な数となってしまうので除外されたことは当然と存じます。もし、内容に関連する事柄の年表くらいを巻末に纏めていただけると、読者にとって(少なくとも小生は)便利と感じました。
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