数学的質問を原則としてメールまたはFAXで受け付けてメールまたはFAXで返事をします。このコーナーにはそのやりとりの簡単な記録を残します。個人名は出さず、大学名のみ出します。メールで質問が有った場合、手書きの返答もスキャンしてメールに添付します。記録する主たる目的は、直接よう質問せんが皆もやってる、私も・・・となってくれることにあります。そして一般的なものは、個人同士のやりとりにとどめずに、講義に反映したいということです。よろしくね。
★05.10.11〜12.
神戸大学工学部 Aです.
僕は月曜日3限のフーリエ解析を受講しています.
教科書「応用数学概論」において理解できなかった箇所があるので,説明をよろしくお願いします.
教科書P77 1〜4行目について
不連続点において区分された区間内では連続のため,閉区間内すべてにおいて連続であると仮定して良い.
とありますが,なぜこのように仮定できるのでしょうか?
(足立回答)
積分ですから、有限個の区間([a,\xi_1][\xi_1,\xi_2] ,・・・, [\xi_k,b])の積分
の和になります。
各区間ではf(x)は連続と考えてよいです。
(足立回答終わり)
教科書P77 10行目からの数式の展開において
展開における3行目,「ここでmaxmax...とおくと」の箇所から何故次の式のように展開できるのかがわかりません.
(足立回答)
その前の式でsin \nu x は原始関数が求まります。(-cos \nu x )/\nuと。
|∫杷_k dx | \leq ∫培f_k| dx (1) は常に成り立つ式です。
|cos a - cos b|\leq |cos a| + |cos b| \leq 2 です。
それ以外はわかりますか?
分からなければ再質問して下さい。
講義中には説明したのですが・・・。
Tex はご存じ無いかもしれませんが、大体見当はつくと思います。
(足立回答終わり)
(Aです.)
ただ,もう少しわからないところがあるので再び質問させていただきます.
教科書P77 10行目からの数式の展開において
展開における3行目,「ここでmaxmax...とおくと」の箇所から何故次の式のよう
に展開できるのかがわかりません.
という質問に対し,
上の説明をいただきましたが,\leq と\leq 2 の意味がわからず,説明を理解することができませんでした.
∫(f(x)-f(xj))sinνxdx が,次の式において∫|f(x)-f(xj)|dx
と何故展開できるのか?
申し訳ありませんが,説明していただきたいと思います.
(足立回答)
\leq はTex で <= のことです。
(1)は評価不等式なんです。展開しているわけではありません。
|∫(f(x) - f(x_i)) sinνxdx|<= ∫|f(x)-f(x_i)||sinνx|dx
<=∫|f(x)-f(xj)|dx
ということです。Tex をご存知なかったのですね。申し訳ありませんでした。
また分からなければ何回でも質問して下さい。
(足立回答終わり)
(Aです。)
説明ありがとうございます.やっと納得できました.
また質問を送らせていただくことがあると思うので,その時はどうぞよろしくお願いします.
★05.7.9
> 兵庫県立大学電子情報電気工学科のAです。
> 解析についてひとつ質問なんですが、この大学のカムキュラムでは、解析2のほうで線積分とグリーンの定理をやらないらしいのですが、私は、グリーンの定理については高校のころから、非常に興味があり、とても楽しみにしていました。でもあの教科書の解説だとわからないのですが、どうすればよろしいでしょうか?わかりやすい本があったらお勧めください。あと、解析1の授業を今日、受けさせていただきましたが、かなりスピードが速くてよくわかりませんでした。ここは、教科書の演習だけで大丈夫でしょうか?なんか不安で不安で!
A様
グリーンの定理は、その発展のストークス、ガウスの定理と共に電気では基本的定理だということはご存知なんでしょうね。グリーンは物理数学の大家(特に電磁気学の)です。大数学者で私も教わった溝畑茂著「解析学小景」岩波、は面白い本で一応グリーンの定理もでていますし、持っておかれると良いと思います。
グリーンの定理はあの教科書はかなり分かりやすく書いてあると思います。もっとかみくだいて紙に書いて次回の講義の時お渡しします。あれ以上分かりやすいものは知りません。ベクトル解析的にやっているベクトル解析の本がいっぱいありますが、まだかえってむずかしいのではないかと思います。
今日の講義は早過ぎたようですね。私が夢中になるとどうも凄いスピードが出ているようです。プロのゼミでもそういう時は早過ぎるといわれます。従ってあなたがついていけなかったのは無理なかとです。他の人も多分・・・。来週の準備になるので、来週は極めて重要なところなので、昨日やったところは教科書で自習しておいて下さい。私の考えるスピードはあなたがたとは比較にならないので、(それは当たり前で、いつかあなたもそうなると思いますが)私が気合いを入れて講義をしている場合は聞いてて全て分かるはずはありません。ノートに要点を書き取るとか、教科書に書き込みをして、家に帰ってから復習するというのが大学の勉強の仕方のフツーのパターンです。演習をやりながら教科書の本文を参照して理解するというのでもいいわけですが。理解するということにおいて深さに限りはありません。電気でもそうですが、最後は誰も分かっていない理解をすることが大事になってきます。ただ千里の道も一歩からです。
★05.5.5
県立大工学部応用物質科学科の学生さんからの質問のメールと回答。
>解析学は今使っている教科書(入門微分積分)の章末問題を授業でやっていますが、確 実にマスターするには何度も繰り返そうと思っています。
それはなかなかいいことです。良問が多く、量も適当だと思います。
>あと「エクササイズ微分積分」はどうすればよいでしょうか?
どうもやさしい問題がほとんどみたいですね。ぱっと見て分かりそうな問題はほっといて、それ以外をやってみると良いと思います。多分数学の不得手の人をフォローするためのものだと思われます。
大学では高校みたいに練習問題を沢山やる必要は無い、理論が理解出来る程度でよい、と講義中に言ったかと思いますが、むずい問題を好む人には「基礎数学7 解析演習」東京大学出版局、「詳説演習 微分積分学」培風館、があります。図書館で一度眺めて下さい。前者は東大、後者は京大、阪大向けに書いてあります。後者のまとめ(証明抜き)と例題だけを見ておくと損はしません。(分量的に少ないのでテスト前に見るのも良いでしょう。)大学の教科書は高校と違って検定などなく、かなり内容にばらつきがあります。そういうものを補うために役立ちます。時間が余ればでいいです。そのほかにも大型書店で現物を見て良いと思ったものを買うのもいいでしょう。なお数学を使いまくる恐ろしい?分野に進む予定の人で数学好きの人は、シラバスを見て次々自習していかれることを勧めます。むずい問題に頭をひねるより基礎数学をマスターし応用数学関係に進んでいくのが工学部の人には良いのではないかと思います。
★05.4.18
県立大工学部応用物質科学科1年生の4/15(金)の講義中に私が、現在使用している教科書(入門微分積分:三宅敏恒著、培風館)よりも少し上のレベルの教科書を併用して自習した方が良い、などと口走ったので、早速バイオ研究者志望(当然、院を目指している)の学生さんからどういうものが良いか当日中にメールがありました。阪大では少しむずい教科書を使っているので、木を見て森を見ないことのないように、前記著書を推薦したのだが、県立大では応用物質というのは物性など物理関係を勉強することを念頭においていたので、ちょっと出過ぎたことを言ってしまいました。基本的にはあの教科書をばっちし理解していれば問題は無いと思います。物理関係の方をやる人で、物足りない人は「微分積分読本:小林昭七著、裳華房、1変数、多変数共に2200円+税)」「自然科学者のための数学概論:寺沢寛一著、岩波、5460円」等があります。図書館や生協やジュンク堂などの大型店で眺めてみて自分に合ったものを見つけて買うか、図書館で借りるとよいでしょう。ただし私は本に赤で書き込みをどんどんするので、そういう点から言うと買う方がベターと思いますが。
ところで私は昔人間でバイオ研究にどんな数学を使うか知らないので、バイオ専門の先生にメールして数学はどういう風に勉強すればいいか聞くことを勧めたのですが、この人はかなり偉い人で、バイオの専門誌等を読んでいるそうで、その点心配することはありませんでした。大体は大学が用意した科目を良く勉強すれば大丈夫なようにシラバスは組んであると思います。しかし独創的な研究を目指すとなるとプラスアルファーの勉強をやることが望ましいと思います。まずは好きなことを突っ込んでやるのもいいですね。関係なさそうでも面白いと思えばどんどんやると良いのです。将来何が関係してくるか分かりません。大学の用意した科目はそういう意味では最低線と考えられます。
MY・HPのリンク集の最後に学会、就職関係があるのですが、その最後から2番目に研究者人材データベースというのがあって、私はお気に入りに入れてしょっちゅう見ているのですが、数学で検索すると丁度タイムリーに理化学研究所の情報伝達システムバイオロジー研究チームが研究者を募集していました。細胞内情報伝達系を生物実験だけでなく、数理・情報解析を用いて理解することを考えているそうです。反応速度論を元にした数理モデル作成、遺伝子発現解析(制御解析・多変量解析・ネットワーク解析)を行うことを期待しての募集でした。そういうバイオの分野もあるんですね。何かの参考になるかもしれないので、ちょっと見てみるようにメールをしました。本人は足下を固める段階にあることを自覚して、少しでもやりたいことに近づけるように頑張るそうです。こんなことをいっちゃーなんですが、大学院は活発に研究している行きたいところがあれば、別の大学の院に行くのもかまいません。
★05.2.9
神戸大の後期最後の講義を終えて教室を出ると、何かヨーリョーの悪そうな学生が話したそうにしていた。電気電子の2回生だそうである。話を聞いてみると、どうもその方面の大学研究者になりたかったらしいのだが、むずそうだし、かといって会社には行きたくないし、どうしたもんか・・・ということらしい。一通りの話をして、メールアドレスを聞いて後で詳しくメールする約束をした。「本を読むのは嫌いみたいですが、万遍なく一通りのことを知るのには結構なものです。先ほど話した「新・技術者になること」飯野弘之、雄松堂、は2004/08版が今のところ最新です。amazon では4〜6週間以内に発送となっているので、多分ジュンク堂等に置いてあると思うので立ち読みして、本当に読みたければ買えばいいわけです。ちなみに2100円です。会社の人的関係がいやだそうですが、会社にも色々で大きいところ、小さいところ、大部屋的なところ、個人主義的なところ、と色々あります。もし経験したいならインターンシップという手もあります。MY・HPのリンク集の最後の方に「Bi助っ人」というサイトが紹介しています。ライブドアについて知りたければ yahoo や nifty 等で検索するといいです。この検索機能は上手に使うと便利で甚だ面白いです。ご存知でしょうが。」という意味のメールをした。 上記の本は「気まぐれ何でも館」で取り上げたのだが、もう削除してしまった。技術者になりたい人が知りたいことは、ほぼ何でも書いてある。その後「メール有り難う御座いました。自分の将来像について全くイメージが湧かないのは、物事を知らないせいだと感じたので、知識を増やすためにとりあえず色々な本を読もうと思いました。」というメールが届いた。どうやら解決の方向に進んでくれたようだ。その後のメールで知ったのだが、上記の本が古い版だが図書館にあり、読んだそうである。
★04.6.25
県立大の学生からrot(ローテーション)の意味を聞かれました。偏微分の講義をやっているので、聞いたら分かるとでも思ってくれたのでしょう。前には微分方程式の問題を簡単に答えた実績があるもんで。阪大でストークスの定理をやった後、サービスでベクトル解析の話を1回するんですが、rot の直感的意味の説明は前の頃分からないながら説明していたのですが、最近はさらっとながしています。本にはあんまり書いていないし、人に聞いても良く分からないんですね。だから独学の私には手におえないわけです。しかし何らかのヒントになりはしないかと「物理数学の直感的方法」長沼伸一郎(通商産業研究社)と「電磁気学ノート」藤田広一(コロナ社)に書いてあることをFAXしておきました。今メールがあって考えても分からないときは、来週の講義の後で聞くとありました。これはちーとやばい。簡単に言うと、まずrot はベクトル場です。各点でのベクトルは流れの場で考えると、渦が有る場合があるのですが、その点に小さな水車を置いたら回転しますが、rot のベクトルの方向は渦に対して水車が回転する右ねじの方向、ベクトルの大きさは渦の大きさ(流れの場の線積分と渦の面積の比の微少極限で定義する)なるものです。あーわかんない!!!ご勘弁を!!!
その後何気にロッキングチェアーに座って横の書棚を見ていると「電磁場とベクトル解析」深谷賢治(岩波講座・現代数学への入門)が目についたので、rotの所を見るとばっちし書いてありました。さすが大数学者(私より一回り若いが)。早速コピーしてFAXしました。今日の試験の時聞くと、分かったそうです。目出度し、目出度し。
★03.7.11
「rankA=r ならr次の小行列の中に行列式が0でないものがあり、m(m>r)次の小行列式は全て0」の証明。阪大の演習中に質問を受けた。線形代数のレポート問題らしい。ちょっと反則かもしれないが、かわいこちゃんのためならエーンヤコラ。上の命題をrankの定義にしている本もある。ところで私は1,2回生の頃は数学や物理などはほとんど講義に出なかった。何をしていたかというと、マルクス主義などあんまり関係ない本を図書館で読んでいた。線形代数は「行列と行列式」藤原松三郎(岩波全書)で自習したが、その本を今見てみると、上の命題が定義となっている。昔は線形代数の教科書は2,3種類しかなかったように思う。また今の本のように、掃き出し法というようなコンピュータに関連したものの記述はなく、行列の基本変形による簡約化など影も形もなかった。京都工繊大で教えている教科書では、簡約化した階段の数でrankを定義している。この先生のrankの定義はAの列ベクトルの一次独立な最大個数としている。
さて、張り切って演習の時間内にやろうとしたが出来なかった。トホホ。。。心理的に動揺したのか帰る時老眼鏡を忘れてきてしまった。しまった、しまった、島倉千代子。レポート問題にするだけあってtrivialではないんですね。帰りの電車の中でも分からず、家に帰って書斎で落ち着いて考えると簡単に分かった。ほっ!すぐFAXすべくダイアルすると、おばあさんが出てこられ、こちらの方でスタートボタンを押せばよいことを知らず、おばあさんにスタートボタンを押して下さいと言ってしまって、まごつかせてしまった。20分後にお母さんが帰られるとのことで、再ダイヤルすると当方のスタートボタンを押せばよいとさわやかなお声で教えて頂いた次第。まいった、まいった、マイケルジャクソン!!
★02.12.16
神戸大の学生から原関数をラプラス変換して像関数を求める教科書の問題を、講義後質問された。小問6問のうち初めの3問は講義中にやって、やってない残りの3問を聞かれたわけ。特に最初の問題が分からなかったらしい。その日はめずらしく時間いっぱい講義し、次の講義まで離れた所にある事務室に戻らなくてはならず、しかも恥ずかしながらパッと分からなかったので、FAXで送る旨返事した。私はラプラス変換は習ったこともなければ、使ったこともない。だから公式などほとんど覚えていない。家に帰って教科書の公式というか性質の部分をずーっと見ていくと前の週に講義した公式を単に当てはめるだけの問題であった。残りの問題も同様。そこですぐ簡単なヒントを書いてFAXする。今年最後の講義でちょっとあわててよく考えずに質問したのだと思うが、A問題はほとんど教科書に書いてあるというか、講義した公式をあてはめる問題がほとんどである。解答を見れば大体分かるはず。B問題でやっておいた方がいいものは講義中に解いている。ま、そういうポリシーでやっていることを頭においておいてネ。しかし熱心さには感心してます。がんばってね。
★02.12.3〜5
姫路工大の解析Cを受講している二名から宿題に関する質問のメールがあった。ちょっと複雑な関数の整級数展開を求める問題で、与式を微分すれば簡単な式になり、その級数展開は前問で求めているから、それを項別積分すればよい。講義中に与式を微分するようヒントを言ったのだが、一人の学生はそれを聞いていない風だったので、そのヒントをメールしたのだが、できなかったようで再メールがあり、結局上のやり方を教えた。もう一人は微分の計算を間違えていたようで、徹底して計算するようにメールした。将来指導者からこういう風に実験をやってごらん、と言われたときは先ずそのやり方で徹底してやることが大切です。その上で別のやり方を模索するのはかまいません。ちゅーーとはんぱはいけません。数学の問題にもどると、大学受験対策をやっている時はひねくった問題がままあったと思いますが、大学の問題は理論の意味をよく理解していれば普通とけるはずです。それを良問といいます。がんばってね。
★02.11.11 受付、同日FAXで返送。
神戸大の学生に講義後、教科書6A 3(1)(熱の拡散方程式をフーリエ級数を使って解く問題)の答えが合わないとの質問。解答が合っているとすれば、問題の初期値が間違っているし、それが合っているとすれば、解答は間違っている。多分後者。尚E-mailを私に送ったらしいのだが、どうも何かの関係でデータが飛んだらしい。私は毎日最低2回はメールをチェクしているので、返信がなければ再送信して下さい。見落としということは、まぁありません。
★02.11.2 E-mailで受け付け、同日 E-mail で返送。
姫路工大の解析Cの宿題の質問。ある二つの正項級数が収束すことと、発散することの証明問題。収束級数で上からおさえられたら収束、発散級数で下からおさえられたら発散するということを示せばよい。それに必要な不等式は講義中にヒントとしてだしてある。まだ習いたてでなれてないのかなぁー。それにしても昨日の今日とは・・・もうちょっとじっくり考えて欲しかったです。高校の時は早く解かなきゃいけないようにしつけられていると思うので、大学からだんだんじっくり考える癖をつけて下さいネ。
★02.10.21受付、同日返送。
神戸大の学生に講義後、教科書 6A 1(1) (関数をフーリエ展開する問題)の答えと合わないという質問を受けた。簡単にわかりそうだったが、このサイトに載せたい旨了承をとり、家で調べてみると学生のケアレスミスであることがわかったので、すぐ返送した。問題をやって答えと合わない場合であるが、答えが正しいと信じる必要はないが、まず自分を疑ってみること。そして答えとの違いがどこにあるのか、まとを絞ること。そしてそこを徹底的に考えること。この場合フーリエ係数のb1だけが違うのであるから、それを求める公式を見て計算し直してみること。(この場合は計算の公式も教科書に出ていたから手を汚さないでも間違いがわかる。)しかし間違いをすることによって、色々なことがわかってくるつーか、認識が深まるといえばむずかしそうですが、familiarになってきます。それが大事なのです。そのため、理論だけでなく、適度に問題練習をすることは大事です。高校でやっているのはありゃやりすぎです。むしろ悪影響があります。例題を良く読んで章末問題をやる程度で良いと思います。また何かあったら遠慮せずに気楽に聞いてね。