JPU第63回定期全国大会議案批判
はじめに
6月19日から21日にかけて、JPUの第63回定期全国大会が沖縄の那覇市民会館で開催される。そして、この大会の議案では、@「人事制度・労働条件に関する民営化時の制度」の承認A全郵政との統合の決定が提案されている。2月の第121回中央委員会と比較して、より具体化されているのは、Aの全郵政との統合であるので、Aの方を先に検討して見よう。
1、 統合のスケジュール
議案によると、10月22日に、第64回JPU臨時全国大会が開催され、本大会で提案されている規約に基づく組織統合を機関決議し、同じ日に新組織「日本郵政グループ労働組合」の結成大会が開催される。略称はJP労組。英語名はJPGU(JAPAN POSTAL GROUP UNION)。
先ずここで、早くも疑問が生ずる。というのは、何故、臨時全国大会と新組合の結成大会が、同じ日なのかということである。これでは、新組合の結成大会の代議員が、選挙によって選ばれることは、事実上不可能であろう。また、この結成大会の内容、議案書等の大衆的な討議と言ったものも不可能であろう。議案によると、本大会で、「全郵政との組織統合を決定」し、「大会後速やかに両組織による『新組織結成準備委員会』(仮称)を発足し、具体的な作業を開始する」となっているのであるが、この準備委員会の検討を待たず、最初から、このような非民主主義的な枠が架せられているのである。
2、非民主主義的な組合人事
このことは、新組合の人事についても同様である。新組合の組織は、中央本部―地方本部―支部―分会となる(地方本部内に各府県等に連絡協議会が設立されるが、執行権を有しない)が、中央本部と地方本部の専従役員は、JPUと全郵政から同数となるようにし、中央本部に「人事調整委員会」を設置するとなっている。そして、この調整が10年間も続くとなっているのである。
中央本部役員は全国大会で、地方本部役員は地方大会で選出されるとなっているが、それが調整されるというだけでなく、これらの大会の代議員に関する選出規定が本大会議案にはどこにも無いのである。JPUでは周知のように、全国大会や地方大会では代議員選挙が行われているのであるが、それが無くなる可能性が大なのである。というのは、全郵政では、全国大会や地方大会での代議員選挙がおこなわれていないのであり、新組合の大会代議員選出方法が、そちらに準拠しそうなのである。考えられるのは、支部役員の内、主だったもの(例えば支部長)が地方大会の代議員になり、地方役員の主だったもの(例えば地方委員長)が全国大会の代議員になるというパターンである。一般組合員がその意思を示せる機会が極めて制限されると言わざるを得ないシステムである。
3、支部役員選挙、大会代議員選挙が無くなる!
それでは、組合の基礎組織である支部はどうなるかというと、組合員500名を設置基準として、新組合発足後、地本による指示に基づき編成されるが、それが無理な場合は2年以内に編成されるとなっている。
支部役員は支部大会で選出されるとなっており、ここが現行と大きく違う点である。現行では、JPUだけではなく、全郵政でさえ、支部役員は、対立選挙であれ、信任選挙であれ、一般組合員の無記名一票投票で行われているのであり、当落だけでなく、その得票率や信任率が、その組合役員や執行部全体に対する組合員の信頼のバロメータになっているのである。そして、支部大会の代議員は現行でさえ、選挙で選ばれている例は少なく、新組合でそれが行われる可能性はゼロに近いと言わざるを得ない。
従って、新組合において、一般組合員による無記名一票投票と言うものが全く無くなる可能性が大なのである。これが、「自由にして民主主義的な労働運動を指標とし行動する労働者の結集体」(新組合の綱領の第一条の文言)の内実なのだから、あきれてしまう。
「左右の全体主義を排除し」(同上)というのだが、これでは、右翼的全体主義による非民主主義的支配と言われてもしょうがないであろう。
特に、JPUにおける全国大会代議員選挙は、兵庫を初めとして、数少ない地域で反対派による果敢な闘いが行われているのであり、JPU本部にとっては、この制度自体が厄介なものになっているのである。この組織統合のどさくさにまぎれて全国大会代議員選挙そのものを無くし、反対派の発言の場さえ奪ってしまおうとしているようである。
4、活動家排除の戦略
更に、注意すべきは、先に述べた、「人事調整委員会」や支部編成における地本指導が、単に対等合併を実現する為だけでなく、全郵政の要求する「左の全体主義の排除」すなわち左翼的活動家の排除の道具として活用されるのではないかということである。この人事調整委員会や各地本ごとに設置されると言う「組織調整委員会」の構成メンバーがどういう基準でえらばれるかは不明であるが、どういう基準を採ろうとも両組織の主流派がそれらを牛耳ることはあきらかで、人事調整と称して、組合機関から左翼的活動家が次第に排除されていく可能性がぬぐいきれないのである。現在、近畿などでは、支部役員にはかなりの数の左翼的活動家がおり、地本役員にさえいる。これらのことは、JPU一般組合員の意識の高さを示すと共に、組合役員のなり手のすくなさも同時に示している。しかし、組合役員になることが出世の道具になれば、事情は違ってくるだろう。全郵政では、そもそも結成以来その傾向は明白であり、新組合では民営郵政当局の協力の下、それが一層顕著になるであろう。
JPU近畿地本が民営化に関する支部オルグの際に配布している資料によると、新会社のうち、郵便局株式会社(窓口会社)では、「窓口営業」と「渉外営業」と言う2つの部が設定され、現行の役職の課長が、部長になり、上席課長代理が課長に、課長代理が担当課長に、総務主任が課長代理に、主任は変わらず主任、一般も変わらず一般になるとされている。これだけ見れば、名称変更だけのように見えるが、現行の総務主任と主任の関係を考えるとそれだけではすまない可能性がある。新組織発足後直ぐではないかもしれないが、次第に現在の総務主任と同じ責任と役割を主任が担わされるのではないかと言う疑惑である。現在でも役職と俸給表がリンクされていて、人事評価において、3年連続して70点以下になると、主任の役職を剥奪され、俸給も一級になり、一月あたり約5万円の減給となり、退職金においても大変な差が出る。そして、それだけでなく、70点以上の評価を受けても、役職が一般のままであったり、主任のままであれば、それぞれの級には号俸の上限と言うのがあり、55歳の定期昇給ストップを待たずして50歳前半や40歳台でさえ、昇給がストップすると言う例も出てきているのである。新会社では一層それらのことが顕著になるであろう。郵便局会社では、一般から主任になることが、今以上に生涯賃金に及ぼす影響が大きくなり、それだけ成り手の競争率も激しくなるだろう。(郵便事業会社、郵貯銀行、かんぽ生命保険については、この役職については明らかではないが、遅かれ早かれ、現在の主任のような責任の明確で無い役職は廃止乃至は変質を迫られるであろう)。
組合の役員になることが役職者になるための早道ということになれば(現在の全郵政が多数を占める職場のように)組合主流派や当局のおめがねに適ったものが組合役員に抜擢されるようになるであろう。そして、組合の機関役員から左翼的活動家の排除が完成するであろう。これは、組合役員選出におけるJPUの全郵政化であり、左翼的活動家の機関役員の排除の最も穏やかではあるが、最も確実な戦略であろう。
5、綱領、規約、そしてストライキ
新組合のシンボル・フレーズは「友愛・創造・貢献」だそうである。この中の「友愛」は周知のように全郵政が提示した統合の為の四条件の内の一つに基づいたものであるが、何故全郵政がこの言葉にこんなにこだわるかと言えば、明治の労働運動における「友愛会」に見られるように、日本の労働運動の歴史上、この言葉は右翼的労働運動、階級協調主義を象徴する言葉であったからである。当然この言葉の対極にあったのが「階級闘争」である。JPUの大会議案書から「階級闘争」だけでなく、「闘争」と言う言葉さえ消えて久しく、「50億闘争資金」は「組織活性化支援積立金(現在約43億円)となり、「犠牲者救済基金」は、この全郵政との統合を先取りしていたかのように「ゆう愛積立金」(現在約41億円)と名前を変えている。この「50億闘争資金」にしても「犠牲者救済基金」にしても、もともとは主要にはストライキを想定してこれだけの巨額の金が積み立てられてきたのであるが、今ではその痕跡が見えないようにされ、その用途も変えられているのである。
ストライキと言えば、民営化に伴う最も大きな変化の一つであるストライキ権が合法的なものとして郵政労働者に付与されるということについて、規約には何の規定も無いのである。まるで、公務員組合時代のときのように、ストライキが非合法的手段のような取扱を受けているのである。唯一、ストライキに関して、本議案で触れられているのは、郵政当局との新たな労働協約に関して、「平和条項」と「争議条項」に基づいて協約を締結することを受け入れたと言うこと、スト権の行使に関しては「分単位の給与減額」と言うことを了承したと言うことのみであり、労働組合として、これをどう考えるかと言う主体的な記述は全く無いのである。
綱領においても、「合法的な手段を持って運動」とか「産業民主主義の原則に立って生産性運動を推進する」等の文言に見られるように、全郵政の綱領そのままに右翼的労働運動であることを臆面も無く示しているのであるが、更に、「国の基本政策に対する見解」では、日本国憲法問題や憲法九条問題等についても反動的な見解を表明しようとしているのである。そういう意味では、今回の統合が、単に郵政当局にとっての御用組合としての深化だけでなく、帝国主義的労働運動としての深化をも両組合、とりわけ、JPUについて促すもの(もともと全郵政はそういうものであった)であるのはあきらかであろう。
6、新組合のジレンマ
新組合は、郵政部内において、30万組織を目指すとしているが、大会の3号議案である「2007年、財政方針(案)及び予算(案)」に記載されている「2007年度組合費納入予算人員内訳表」によると、予算案上の組合員数は12万8千940人。そのうち郵政部内の本務者組合員は10万5千人に過ぎないのであり、2006年度の10万7千250人から2250人減らしている。全郵政も公式の組合数は8万7千人であるが、同様に大量退職の影響を考慮して、8万5千人として全郵政の組合員をすべて本務者と仮定しても、両組織の郵政部内の本務者組合員の数は19万人に過ぎないのである。従って、現行の本務者と非常勤の比率を前提してさえ、非常勤組合員を約11万人も加えねば30万人組織は達成できないのである。
2006年のJPU組合総数はこの表によると、12万7千390人に過ぎず、2007年度のほうが、1550人増えているのであるが、これは、非常勤組合員が12000人から16300人へと4300人増えているのが影響しているのである(逆に、5千人と言われていた日逓等の輸送部門の組合員は2480人に減っている)。郵政部門の非正規労働者組合員は、4400人の短時間職員の組合員を加えるなら、2万人700人となり、組合員の構成比率において、両者あわせて、16%、非常勤組合員単独でも約12,6%になっているのである。
これから、本務者と非常勤の比率は、非常勤が高くなっていくことは確実視されており、現行の組合員数を維持するだけでも、非常勤の組織化は新組合にとって避けられないであろう。しかし、非常勤労働者を組織化しようと思えば、彼らの劣悪な労働条件を問題にしなければならず、それは忽ち、当局との軋轢を生じ、御用組合としての立場を危うくせずには置かないであろう。従って、新組合は深刻なジレンマに遭遇せざるを得ないのであって、ますます厳しくなる本務者の労働条件も加えて考えるなら、かって御用組合としてスタートした総評が「鬼の総評」に変わったように「日本郵政グループ労働組合」が変わらないとは断言できないのである。幸いなことに、新組合においても、非常勤組合は本務者組合員と同等の権利を有するとされているからなおさらである。
7、郵政事業の現状分析批判―郵貯の場合
議案の郵政事業の現状分析に対し、郵貯の部分について検討してみよう。先ず、郵政民営化の発端となった郵貯による財政投融資に対する預託金の現状から見てみよう。
周知のように、2001年に、財政投融資に対する郵貯や年金資金、簡保からの資金の預託制度が廃止され、代わりに財投債という一種の国債が発行された。しかし、その引受手がこれまた郵貯、年金資金、簡保であったことから、単に名前が変わっただけではないのかという批判も出て、その推移が注目されてきたのである。
2001年の財投債開始以来、財投預託残高のうち、2005年度末までに、郵貯の部分の財投債から郵貯に返還された金額の合計は、126兆8140億円である。
そしてここから、財投債発行残高に占める2005年度末までの郵貯の引受分、52兆9542億円を引くと73兆8598億円が導き出せる。つまり、預託制度から財投債の引受への変更は、単なる名前の変更に留まらず、財政投融資からの郵貯資金の大量の引き上げをもたらしたのである。
ただし、財投債から郵貯に対する貸付金である郵政公社貸付金に対し、毎年約5兆円が郵貯から財投債に対して返済されているので5兆円の5年分、25兆円を考慮に入れなければならない。先の73兆8598億円から25兆円を引くと、48兆8598億円が導き出せる。これが、実質的に財政投融資から郵貯に2001年度から2005年度の5年間に返還された金額である。
一方、郵貯残高は、2001年度末の約239兆3418億円から2005年度末には約200兆円に減っている。すなわち、5年間で約40兆円、一年で約8兆円もの巨額の引き出し超過があったことになる。この巨額引き出し超過に対し、財投債からの返還金が対応しているのは明らかであり、これが無ければ郵貯はこの引き出しに対し対応できていたかはきわめて疑問である。
しかし、財投債に対する郵貯の預託金の残高は、2007年4月時点で、46兆8835億円までに減少しており、このままいけば、後二年後には、なくなるであろうと思われる。
従って、そのときにも今のような引き出し超過の状況が続いていれば、郵貯銀行は深厚な状況に陥るだろう。従って、今回郵貯が、その年間方針において、預金高の純増を目標に復活させたのには、そういう背景があるのである。
さて、この郵貯から引き出された巨額の資金は一体どこへ流れているのであろう。ここ最近の傾向を見ると明らかにそれは投資ファンドへと流れていると言える。
日経新聞によると2007年4月の株式投信の純資産高は62兆4500億円となり、対前年同月比で37%増となったという。約23兆円の増加である。したがって、郵貯の同時期の引き出し超過分約8兆円がこの中に含まれているのは、直接的か間接的は別にして、ほぼ間違いないであろう。
実際、郵貯自身が投資信託の販売を始め、それが主要な収入元となりつつあるのである。従って、議案が郵政公社の方針をそっくりそのまま掲げ、郵貯残高の維持と約務取引等収益確保の一環として投資信託販売を挙げているのは矛盾しているのである。投資信託販売高を上げれば、郵貯残高が減ると言う状況があるのであって、このまま推移すれば、ますます郵貯残高は減り、投資信託販売高は増えるであろう。(投資信託を販売すれば職員に手当てが与えられるが、貯金を獲得しても手当てがつかないという状況もその傾向を後押しするだろう)。郵政当局は、投資信託販売開始5年で、販売高、販売残高においてメガバンクに追いつくと豪語している(郵政近畿2007年4月号参照)。しかし、投資ファンドは現在、バブルの状況にあるのであって、何時破裂するかも知れない危うさを秘めているのである。「金銭の運用利益」による利益確保(3兆3千億円の投資で1兆2千億円の利益)と言い、この投資信託販売による利益収入と言い、ますます郵貯の収益基盤がギャンブル的、マネーゲーム的なものになっているのであり、こういう状況に対する批判的観点は本議案書には皆無なのである。
8、新大卒であることが新規採用者の基準になる!
「人事制度・労働条件等に関する民営化時の制度について」については、2月の「JPU第121回中央委員会」議案で示されたものとそう変わらないので、先に私が書いたその議案批判を参照して欲しい。しかし、一つだけ書いておかなければならないことがある。それは、新規採用者の採用制度の変更についてである。
本議案では、一号議案(p16)において「(2)正規社員採用」の項で「@新卒者の定期採用等」「月給制契約社員以外の非正規社員からの正規社員への登用についても強く求めた結果、新卒者(高卒者・大卒者等)採用に加え、既卒者も採用を行うことが示されたことで、非正規社員から正規社員への採用機会は拡大されたものとして整理をはかりました。」と書かれている。
しかし、今年3月26日に郵政公社からJPUに示された、「人事制度・労働条件等に関する民営化時の制度について」(JPUのUI−NET、NO532に記載)では、「社員採用(新卒者の定期採用等)として新制度では「総合職−就業場所(本社・支社)、応募資格(新大卒・新大学院卒)」「一般職・カスタマーサービス職−就業場所(郵便局等)、応募資格(新大卒・新短大卒等)」と書かれていて、基本的に本社・支社だけでなく。郵便局の現場でも基本的に新大卒を採用の基準とすることが示めされているのである。確かに、議案が言うように「必要に応じて第二新卒採用、新高卒採用等を実施(別紙)」とあるのであるが、その別紙では「新大卒・新短大卒等を中心に新規採用を行っていくが、一般職・カスタマーサービス職については、労働力確保の観点から、必要に応じて第二新卒(既卒)採用や新高卒採用も実施」と書かれている。
明らかに、ここでは、第二新卒や新高卒は、副次的な位置しか与えられていないのである。最初から、それぞれの枠が設定されているのか、それとも、新大卒・新短大卒で新規採用者のその年の募集者が埋まれば、第二新卒と新高卒の募集は行われないのかも不明である。
そして、何よりも問題なのは、この「第二新卒(既卒)」と言う言葉の解釈である。この文章からも、一般的なこの言葉の使われ方からも、この言葉は、大学の既卒者を指し、高校の既卒者は含まないのではないかと言うことである。もし、そうなら、新卒以外の高卒者は、民営郵政には、全く採用の可能性さえ奪われてしまうことになる。
現在、郵政の新規採用者の受験資格は、郵政一般職では「内務:17歳以上25歳未満、外務:17歳以上30歳未満」と言う規定があるだけで、高卒者なら、年齢制限さえ満たしておれば誰でも受験できる。大卒であることは、郵政総合職(本社・支社勤務)において「21歳以上33歳未満」「21歳未満で大学卒業見込み」とその受験資格に見出すことが出来るだけである。
現在、ゆうメイトと呼ばれる、郵政における非常勤職員の中には、本務者のなるために、毎年郵政の試験を受験している若者が数多くいる。そして、そのうちのいくらかは、JPUに組織され、JPUがその人たちのために、日教組と協力して、受験合格の為の、勉強会を組織してきた経過がある。その若者たちの多くが高卒者であって、民営郵政では、その人たちは、受験さえ出来なくなるかもしれないのである。(郵政公社の文章の中には、「新高卒採用等を実施」とか「第二新卒(既卒者等)採用」とか、「等」と言う言葉を使っており、その中に高校既卒者採用の可能性を残しているのみである)。
郵政公社の提案では、これまで無かった、郵政の一般職における高卒と大卒と言う学歴による区別乃至は差別が採用時から導入されるのは必然的であろう。確かに、郵政の一般職でも、新規採用者の中の大卒者の比率が近年高くなってきているのは事実であるが、現行では、その人たちも、実際の高卒者と同様の条件で、賃金を受取り、また評価されているのである。郵政現場の中に学歴を持ち込もうと言う今回の試みは、ますます本務者が減り、非常勤が増えていくと言うことをも背景としている。本務者を非常勤労働者の労働を監督するものとして、少数エリート化していこうという意図が明らかにその背景に見て取れる。
いずれにしても、新規採用に関する本議案と郵政公社の提案は明らかに違っており、JPU中央本部はその違いを明らかにする義務があるだろう。もし、それを明らかにしないならば、それは、組合員、とりわけ先に述べた若者たちに対する大変な裏切り行為であろう。また、我々は、職場集会や支部委員会そして宣伝活動を通じて、それを要求していかねばならない。
9、今こそ反対する会の活性化を!
以上述べてきたように、民営郵政においては、今以上に郵政の内外において激しい変化が避けられず、郵政部内の闘う活動家の横断的組織としての我々反対する会の役割もまたますます重要に成るであろう。JPUが全郵政との統合でますます御用組合化し、当局のスポークスマンとして批判的精神を失っていき、今回の新規採用制度の変更についての本議案における記述が端的に示すように、事実さえ正しく伝えなくなっていくならば、新組合の規制や制限に制約されず、当局及び組合幹部に対する真実に基づく我々の批判は、多くの労働者の共感を得るであろう。


