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私的『怪獣文学集成』


 こんな企画を思いついたのは、河出文庫『怪獣文学大全』東 雅夫編を読んだ時に感じた不満がその主な原因である。

 この作品集、決して出来が悪いとは思わない。特に「恐怖のマタンゴ四連発」はなかなか凄まじかったし、小松左京の作品にはしっかり笑わせてもらったものだ。しかし、いきなり巻頭を、怪獣を抽象的な存在として扱った純文学系の武田泰淳『「ゴジラ」の来る夜』から始めていたり、全十三作品中、哲学的考察を含む評論が二編も含まれていたりするのは、産まれた時からウルトラマンがおり、ゴジラ映画の大半を休み中のTVで見ていたような人間としては、いまいちピンとこないのが正直なところである。

 どうも日本人というのは怪獣に対して、妙に哲学的・思想的なモチーフを見たがる傾向が強いような気がするが、洞主としてはゴジラに「スキゾ的想像力」を見るよりも、「第五福竜丸事件の騒ぎをアテコんでわずか8ヶ月後に封切られた、いわば王道キワモノ映画と評した唐沢商会の意見の方に深くうなずいてしまったりするクチであり、「評論なんぞの前に乗せるべき作品がまだあるのではないか」と思ってしまうのだ。

 まあ、それもこれもこの本の題名が『怪獣文学大全となっているための理不尽な不満であることはわかっているのだが、ただぼやいているだけではあまりに非建設的な気がするので、思い切って、個人的に「怪獣テイストを持っている」と感じた作品を集めて見ることにした。
 ちなみにタイトルを「大全」ではなく「集成」としたのは、自分自身でも「大全」というタイトルに見合うラインナップを揃える自信が無かったためである(笑)。

 なお、各作品の選択基準については、一応「短編を優先する」という前提はあるものの、はっきり言って洞主の独断と偏見によるものである。
 もしも推薦したい作品などがあるようならメールにてお教え願いたい。
 ただし、推薦された作品を洞主が読めるかどうか、また読んでもここに入れるかどうかは、やっぱり洞主の都合と独断と偏見によるので、その点だけはご了承願いたい。



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