炎帝の娘。東海へ旅をした時、海(一説に東海地方の川)で溺れ死んでしまった。
彼女は死後、精衛という鳥と化し、いつも西方の山から木や石をくわえてきて、東海を埋めようとしているという。
精衛は鳥市、冤禽、志禽、帝女雀とも呼ばれ、その姿は烏に似て、模様のある首に白いくちばしと赤い足を持つ。
一説には、精衛は雌しかいないので海燕と交わって卵を生み、生まれた子供が雄ならば海燕に、雌ならば精衛になるという。
(『山海経』北山経、『述異記』巻上)
『史記』三皇本紀に見える、有媧氏の娘。少典氏の妃となり、炎帝神農氏を産んだ。
『国語』晋語によれば、少典氏の妃は「有蟜氏の娘」とされており、黄帝と炎帝を生んだとされており、おそらく女登のことと思われる。
炎帝の孫。彼の子・互人はよく天上に往来したという。
互人の国の住人は人面魚身であるともいう。
(『山海経』大荒西経)
神農の頃の雨師(雨乞いのシャーマン、あるいは雨の神のこと)。水玉(水晶)を服用する方法を神農に教え、また自らの身を焼いて昇仙することができた。
昆侖山の西王母の石室に宿り、風雨とともに山を上下していたが、やがてあとを追ってきた炎帝の娘も仙人となり、ともに姿を消した。
後、高辛氏の時代にまた雨師となった。
後世、仙人の代名詞となり、漢の高祖・劉邦の謀臣だった張良が引退しようとした時も「人の世のことなど忘れ、赤松子に従って遊びたいと思う」と言って不老長生の道に入ろうとしている。
(『列仙伝』、『史記』留侯世家)
共工とならぶ、上代の覇者。
暴政を行ったらしく、その民に叛乱を起こされて殺され、宿沙の民は神農に帰服したという。
(『淮南子』道応訓)
『淮南子』天文訓に見える、南方の帝としての炎帝の、補佐となる神。
祝融のことであるという。
炎帝大庭氏、諱(いみな、本名)は慶甲。
梁の陶弘景『洞玄霊宝真霊位業図』および『真誥』、段成式『酉陽雑俎』などに見える。
鄷都北陰大帝、北太帝君ともよばれ、羅鄷山を治め、天下の鬼神を支配しているという。
『真誥』の原注によると、
炎帝神農氏は、耕植をつくり、百菜をこころみた。その聖功は、軒轅や顓頊におとならいから、鬼帝になるはずがない。
さらに、黄帝の討伐した大庭氏は炎帝と称した。おそらく、これがそれであろう。神農ではない。
とある。
炎帝・黄帝の闘争説話のバリエーションの一つと、民間信仰の鬼神(この場合、死者の霊を意味する)の支配者が結びついたものだろう。
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