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《 『十洲記』の世界 》



前口上 〜 『十洲記』とはなんぞや

 『十洲記』────または『海内十洲記』とも呼ばれるこの書物は、漢の人・東方朔の書、ということになっている本です。
 「ということになっている」というのは、この本、どうも東方朔の時代から400年はたった六朝時代の作だというのが本当の所らしかったりします。
 そもそも『十洲記』の中身自体、東方朔の著作ではなく、彼が漢の武帝に語った内容を記録したもの、という体裁をとっております。
 そのため、なかには彼の死後になってから「東方朔の言っていたことは本当だったんだ!」と判明した、なんて話しも載っているわけで、この辺は割り切って「そういう伝説を集めたもの」くらいに思っておくほうがよろしいでしょう。

 さて、この『十洲記』の内容ですが、東方朔の見聞した、海中に浮かぶ十の洲(しま)の地理(実は全部で十五の場所を載せているのですが)と、その地の産物を記録したものとなっております。
 洲(しま)といっても神仙のいらっしゃるような所ですから、地理や産物の方もはなはだ神怪なものが多く、さすがにかの『山海経』には質・量・古さともかないませんが、その手のものに興味をお持ちの方には、それなりに楽しめるものかと思います。

 それでは、西王母との会談で、東方朔が世の常の人ではないと知った武帝と一緒に、彼の話に耳を傾けてみることにいたしましょう。
「私は仙者に学んだだけで、いまだ真理の道を得た人間ではありませんが────。」


一.祖洲  ニ.瀛洲  三.玄洲  四.炎洲  五.長洲
六.元洲  七.流洲  八.生洲  九.鳳麟洲  十.聚窟洲
十一.滄海島  十ニ.方丈洲  十三.扶桑  十四.蓬丘  十五.崑崙


このページは、
『穆天子伝・神異経・十洲記・博物誌 諸子百家叢書』上海古籍出版社
に収録された「正統道蔵」本の影印に頼っています。
翻訳などの場合に必要な字句の校勘は事実上全く行っていませんので、そのつもりでお読みください。
また、筆者はあくまで素人であって、漢文の専門家などではありません。
なお、一部文書にunicodeの実体参照を使用していますので、unicode対応フォントの無い環境だと読めない文字が存在します。
間違いの指摘、ツッコミなどは遠慮無くメールにてこちらまで。


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