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↑照葉樹の森入口ゲート 稲尾岳ビジターセンターに通じる林道はアスファルト舗装を施していない。日光による路面の照返しが生態系に悪影響を及ぼすことへの配慮からである。 |
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| 左:稲尾岳ビジターセンター 瀟洒な建物である。 |
| 中、右:9時過ぎにビジターセンターを出発し、清流に沿って登りはじめると、早速この光景に遭遇することとなる。かさばるように続く木立、岩を覆い尽くさんとする苔のみどりが、しばらく続く。 |
| 昨年の暮れにビジターセンターを一度訪ねてみた。下界の景色に目を奪われながら、ふと気付いたことがあった。電線が見えないのである。センターの方に、地中に埋没させているのか、尋ねてみた。環境保全のため太陽電池と風力発電を利用しているとのことである。ちなみにここの電話番号が090で始まっていることを思い出した。最近、市街地でも屋根にソーラーパネルを敷いている住宅を見かけることが増えてきたが、まだまだコスト高で一般的ではない。それに比べて、ここは山頂の山小屋と同程度の環境なので、エコエネルギーの方がどちらかというと現実的なのかもしれない。それでも、ここまで徹底していると、真剣さが伝わってきて妙に嬉しいものである。館内では森の生命の生態系を写真や絵を使って丁寧にパネルにて紹介している。勿論タイムリーな情報は、ここでいくらでも得られる。登頂前の予習を強くお勧めする。予備知識が森の探索の楽しみを何倍にもしてくれるはずである。 |
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| 左:馬酔木(アセビ)つつじ科の常緑低木。葉に毒素があり、馬が食べると麻痺するというので、この名がついた。 |
| 中:岩根から水が滲出しているのがわかる。清流の水源である。 |
| 右:誘導ナンバーを目印に登ることができる。初心者には心強い。 |
| 馬酔木は万葉集に度々登場する植物のひとつである。「三諸は人の守る山、本辺は馬酔木花咲き、末辺は椿花咲く、うらぐはし山そ子守る山(作者不明)」(意味)奈良の三輪山は人々が大切にする山で、麓では馬酔木の花が咲き、山の上では椿が咲く麗しい山で、子守りをするような(そういった大事な)山です。 八世紀後半に成立したといわれる、この歌集のよみ人の清新な心情に共感できるのは、まさに至福という他ない。 |
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| 左:自然石展望台より稲尾岳方向を望む。 |
| 中:モミ、アカガシの巨木群 このあたりは台風の常襲地帯である。立枯れた喬木が、この本土最南端の地の気候のきびしさを物語る。 |
| 右:一時間ほどで三角点に到着。周囲は潅木に囲まれており、360°のパノラマというわけにはいかない。 |
| 清流の水源を過ぎるとやや傾斜がきつくなる。亜高木層にさしかかったとみえて、足下にヤブツバキの花弁が散乱しているのが目につく。それにしても常緑の世界に迷い込んだような感触は新鮮だ。とりあえず自然石展望台にて小休止。春がすみのため、視界はやや難があるが、それでもこの西口コースは山歩きの楽しみがコンパクトに集約されているので、初めての者でもその醍醐味を充分に堪能できる。道標は最小限度に押さえられ、景観に配慮されている。10分ほど休憩したのち、再び登はんを始める。三角点を過ぎたあたりから更にアップダウンが続く。時間的には余裕があるので、無理をせず、しばらく美しい春の花々の饗宴を楽しむことにした。 |