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1972
February 19
- Adelaide, Australia
参考音源 :THUNDER
DOWNUNDER
ソースの状態 :良質オーディエンス / スピード調整が必要
充実した71年も終わり、いよいよ転換期となる 1972年。
最初で最後のオーストラリア&ニュージーランド・ツアーが行われた。
遠征公演特有の奔放な演奏が楽しめるが
「移民」のブレイク前の最高音部分が出切らないなど、
プラントには、休み明け現象も既に顕われている。
「R&R」はレギュラー・メニューから外されたようだ。
「Heartbreaker」ソロ前で、ジミーが珍しく
「Train Kept A Rollin'」のイントロフレーズを弾いている。
「Black Dog」に、お馴染みのエンディングが付加されている。
「天国」にも往年の芳醇さが出てきた。
随所に挿入されるフレーズは「永遠の詩」サントラを彷彿とさせる。
アコースティック・セットは屋外独特のドライな音質が聴きやすく、
繊細なフレーズが詳細まで良く聴き取れ、
「That's The Way」導入部なども、心が洗われるようだ。
「タンジェリン」も良い雰囲気だが、途中でカットされてしまう。
「幻惑」演奏前で、プラントが迷惑客をからかい多少和んだ後
ジミーのジミヘン風フレーズの合間を縫って本編に突入。
中盤では「Train Kept」風のフレーズが再び登場、
その後クロスロード風展開となるなど、なかなか冴えたバージョン。
「胸いっぱい」では「Let's Have A Party」が登場。
直前にテープの編集と思われる箇所があるが、上手く繋げられている。
メドレー後半、途中にてカット。
 
February 20
- Melbourne, Australia
参考音源 :THUNDER
DOWNUNDER
ソースの状態 :良質オーディエンス / スピード調整が激しく必要
プラントの声は、前日よりは向上しており
フェイクも冴えるなど、調子が戻ってきたようだが
「Black Dog」ブレイクにおいて、少々アドリブが過ぎ
全員の入りのタイミングを乱してしまう箇所がある。
なかなか難しいものだ(笑)。
そういった「ご愛嬌部分」もあるが、概ね 71年を思わせるような好演奏。
天候が不安定だったこともあり、全体的に各曲ともスカッと快演。
「幻惑」の後半で雨が降りだし
プラントがアドリブで歌詞を変えて歌っている。
その後一旦、様子見で間が開き「R&R」で再開。
「胸いっぱい」の後半で再び天候が悪化、急いで切り上げている。
この音源にも、巧妙な編集を窺わせる部分がある。
複数のソースを組み合わせ、コンプリート化を図ったようだが
出来れば、ソース同士のキーも合わせてもらえると有り難い。

February 25
- Auckland, New Zealand
参考音源 :GOING TO
AUCKLAND
ソースの状態 :良質オーディエンス / スピード調整が必要
最初で最後のニュー・ジーランド公演。
特別列車が運行され、全国から
25,000人もの人々が集まったということである。
いかにも野外の大イベント、といった感じで
MCも含め、なかなか楽しめるライブだ。
「移民」終盤からの収録。
プラントは好調でフェイクも冴え、元気いっぱい。
ジミーのプレイは、引っ掛かり気味な部分も
多少あるが、それを除くと全員好演。
「幻惑」プレ・ボウイング・セクションにおける
ジミーのアルペジオが、なんとそのまま
未発表の新曲「永遠の詩」のフレーズに変わり
ユニゾンの決めフレーズまで登場、そこから弓に突入している。
同曲は、その後残念ながらフェイドアウト。
「胸いっぱい」Everybodyセクションは
ヘビーなリフが繰り返され、なかなかカッコイイ。
後半メドレーも、遠征ならではの
リラックスな展開で、お楽しみテイク。
終盤プラントは「New Zealand !」とアドリブで
何度も繰り返し、大盛り上がり。
アンコールは「Communication」。
後半では珍しく、激しいテンポのまま
変わったコード進行に展開し、その後パシッとエンディング。
プラントの「Farewell !」で、お祭りライブを締めくくる。

February 27
- Sydney, Australia
参考音源 :THUNDER
DOWNUNDER / VTR映像
ソースの状態 :オーディエンスなど / スピード調整が必要(走行不安定気味)
不完全音源で数曲しか収録されていないが
演奏自体は悪いものでもない。
「Black Dog」のイントロで
メンバー間に食い違いが起こっている。
プラントはハイトーンが冴えており、この日も好調。
この日の「胸いっぱい」メドレーは、何故か
進行がギクシャク気味で、繋ぎ部分で妙な空間が開いたりしており
プラントが「Oo Yeah 〜」などと誤魔化している隙に、なんとジミーが
「The Rover」を弾き始め、そのまま 2コーラスほどインストで演奏される。
前々日の「永遠の詩」に引き続き、ニューアルバム「聖なる館」の製作が
進行していることを窺わせる、実に興味深い部分だ。
その後もプラントは「Going Down Slow」への突入を躊躇ったりしている。
この日のコンサートはテレビ撮影が入っており
「R&R」と「Let's Have A Party」のモノクロ映像が広く出回っている。
2曲だけなのでなんとも言えないが、後年の彼らに比べると
まだ動きが普通で、溌剌としているところが妙に新鮮。
ソロになると Drumsの前に出てくるジミーの癖(?)も確認できる。
エンディングは「胸いっぱい」エンディング・シーンからの巧妙な編集のようだ。
カメラがプラントばかり追っているのは、ちょっと残念。

February 29
- Brisbane, Australia
参考音源 :THUNDER
DOWNUNDER
ソースの状態 :音質はまあまあ / スピード調整が若干必要(走行不安定気味)
ツアー唯一の屋内会場。
この日が当ツアーの最終公演だ。
シドニーでの大仕事も終わりホッとしたのか
落ち着いた演奏が聴ける。
「Heartbreaker」ソロは「Feelin' Groovy」入り。
ジミーが様々なフレーズを、とりとめなくテロテロ弾きまくっている。
「祭典の日」の後半ソロ部分でも
「スノウドニアの小屋」のフレーズが挿入されるなど
リラックスしたプレイ。
アコースティックセット「That's The Way」の途中で
トラブルが発生し、演奏が中断、プラントが注意をした後、
もう一度頭から演奏し直されている。
「幻惑」では「クランジ」をまったりさせたようなパターンが
リズムセクション二名によって演奏されるが、
フロントの二名は、まったくお構い無しに
フレーズの投げ合いを続けている、という場面がある。
「強き二人の愛」から別ソースに変わり若干音質が向上。
「Moby Dick」リフ部分では、一瞬
ボンゾが普通の 8ビートをプレイ、激しく笑える。
ドラムソロに、モデュレーション効果のようなものが
掛けられてるように聞こえるのは、気のせいだろうか?
「胸いっぱい」から元のソースに戻るのだが
ギターブレイク前にカット箇所があり
それ以降、テープ・スピードが変わってしまう。
メドレーでは珍しい「ワンダラー」が登場。
なかなか楽しいバージョンだ。
その後のブルーズ・セクションもたっぷり披露。
オセアニア・ツアーを締めくくる。


May 27
- Amsterdam, Holland
参考音源 :DANCING
BEAR
ソースの状態 :まあまあ良質だが所々レヴェルの変動が気になる
2月のオセアニア・ツアー終了後、
ジミーとプラントの主催による有名な「ボンベイ・セッション」が行なわれ
地元のミュージシャンを起用した実験的ニュー・アレンジで
「Four Sticks」と「Friends」の2曲がレコーディングされた。
この経験は彼らにとって大きな刺激となり、作品造りにも生かされ
また、20年も経ってから「UNLEDDED」として再び花開くなど、
与えた影響は計り知れないものがあったようだ。
その後 Zepは、数々の新局面を打ち出した、
アルバム「聖なる館」のレコーディングに入り、ほぼ終了。
そうした大きな流れの延長上で行われた第8回全米ツアーは
大まかなラインは、そう変わらないものの、直前の様々な活動が反映され
随所に新しい局面が垣間見られる、興味深いものとなっている。
さて、このライブは、その全米ツアーの為に行われた
いわゆるウォームアップ・ギグである。
「公開リハ」のようなものなので、演奏もそれなり。
「移民」ブレイク前の部分でのプラントは、さすがに苦しそうである。
同曲で一瞬、ギターの音が消える箇所がある。
「祭典の日」はサイケデリック風フレーズが、カッコ良くキマっている。
間奏部分ではプラントが勘違い、そのまま歌い続けようとしている。
「天国」ソロは、サントラ・バージョンに近い構成で繰り広げられており
非常に盛り上がるが、極めて残念なことに途中でフェイドアウトしてしまう。
「スノウドニアの小屋」はフェイド・イン。
この日の「幻惑」はへヴィーな展開が冴える、なかなかアツイバージョン。
ファンク部分も具体的になりつつあり、一瞬ボンゾが
「クランジ」のパターンをプレイしかけたりしている。
「胸いっぱい」前半「Everybody 〜」部分のコード進行が
I - V - VII♭ - IV に変わっており、後に歌付きになる予兆を感じさせる。
後半メドレーでは珍しい「Running Bear」が演奏されており
泥臭いリズムが、どことなく異質な感じで面白い。
アンコールは「R&R」と「Communication」となっている。

May 28
- Brussels, Belgium
参考音源 :Burning
Ticket
ソースの状態 :まあまあ良質 / 要スピード調整
これもウォームアップ・ギグ的なライブ。
全般的に、いささかリラックスし過ぎな様子で、
下手ではないものの、随所で大雑把なプレイが目立つ。
プラントは相変わらず苦しそうで「移民」での声は荒れ気味。
後半部分は、よく判らないフェイク・メロディとなっている。
「Heartbreaker」ソロはバッハと「Feelin' Groovy」入り。
ジミーが一瞬変わった進行をプレイしている。
その後のジミーのソロも、遊びが多くおもしろい。
「Black Dog」では、プラントがフランス語で同曲のタイトルを紹介、
会場が盛り上がるが、カウント中にフィードバックが発生、
イントロのタイミングがバラバラになってしまい、なんとも拍子抜け。
プラントは出だしの声が出ず、1度目は低いメロディに逃げてしまうものの
2度目からは復活し、なんとか気合を戻している。
次の「貴方を」前では、キーボードのセッティングに手間取ったのか
かなり間が開き、ジミーが童謡マーチ風メロディで場を繋ぎ
プラントが冗談を言ったりしている。
これでまた気が抜けたのか、同曲はかなりのリラックス・テイク。
プラント&ジミーの掛け合いなど、興味深い展開もあるものの
全体的には、まるでリハーサルのようだ。
エンディング直前ではボンゾがビートを見失い、拍がズレたりしている。
「天国」も、かなりのリハーサル・モード。
終盤部分のプラントの声も細めで、まるで翌年の UKツアーのようだ。
エンディングもバラバラ。
この日はオーディエンスにも問題があったようで
アコースティック・セット前でプラントがしきりに気にしており
「Going To California」では、演奏を開始しながらも一旦中断、
注意をし、再び始めからやり直したりしている。
「幻惑」ではプラントが絶叫し、ジミーも
おちゃらけたフレーズを、ニキニキ弾きまくり。
リラックス・ライブは続行中であるが、この辺からは
曲内で遊べる曲が続くので、前半ほど気にならなくなる。
弓コーナーでの客の手拍子が妙にマヌケで可笑しい。
中盤では、ボンゾが新曲「クランジ」のパターンを一瞬プレイ。
始めは通り過ぎられ、ジミヘン・セクションへと流れてしまうが
その後も懲りずに数小節ほど、このパターンをプレイしている。
USツアーにおけるクランジ・セクション導入の布石となるものだろう。
「胸いっぱい」メドレーには、この日も「Running Bear」挿入。
同曲終了直前までの収録。

June 7
- Montreal, Canada
参考音源 :Red Snapper
Deluxe
ソースの状態 :音質はまあまあ / 要スピード調整
いよいよ第 8回全米ツアー。
この日は北米大陸上陸の 2日目。
「移民」出だしのプラントがきつそうだが
それを除くと全員ほぼ本来の調子に戻っている。
声の出る出ないに関わらず、
溌剌としたプラントはカッコイイのだ。
彼は自分を過小評価し過ぎていたのではないだろうか。
「天国」ソロ突入部分でフィードバックが発生、
ジミーが導入フレーズを弾き直している。
この日も観客が騒いでいたようで、プラントが注意。
大陸が変わってても状況は変わらないようだ。
アコースティック・セット準備中には、ジミーが
「祭典の日」のリフを爪弾いたりしている。
「Tangerine」は Gmで演奏。このキーで統一されたようだ。
「幻惑」中盤早弾きコーナーに新曲「Walter's Walk」リフが登場。
その後「シンコペ上昇フレーズ」へと突入している。
「胸いっぱい」メドレー突入寸前までの収録。
これからの名演 Days を控えた前哨戦という感じで
期待に胸膨らむアイテム。

June 9
- Charlotte, North Carolina
参考音源 :CHARLOTTE
1972
ソースの状態 :まあまあ良質 / スピード調整が必要
このツアーの平均値は、いったいどの程度だったのか。
この日のライブを聴くと判りやすいかもしれない。
まったりとした、仕事人のような演奏が聴ける。
あまり重要音源とはされてないようだが
落ち着いて聴ける良いライブだと思う。
「祭典の日」の途中でギターの弦が切れたようで
めろめろになっているが、キレや勢いが衰えないのは流石だ。
「That's The Way」の冒頭部分や「強き二人の愛」の
エンディングの魅力的なフレーズも、今までと変わらず
共に余裕を窺わせるアレンジで、いい感じ。
「幻惑」には、この日も「Walter's Walk」が登場。
プラントまでスキャットで加わり、爆裂状態。
その後「シンコペ上昇フレーズ」がしつこく繰り返される。
ボンゾが「クランジ」に持ち込もうと、一瞬パターンをプレイするが
演奏されず素通りされている。
「胸いっぱい」はメドレー無しの珍しいテイク。
個人的には、これも吉。
アンコールの「R&R」「Communication」も素晴らしく
この頃の Zepの平均レヴェルが、どれ程高いか判る。

June 11
- Baltimore, Maryland
参考音源 :NUTTY AND
COOL
ソースの状態 :良質オーディエンス
オープニング 2曲でプラントが苦しそうな点を除くと
全体的に素晴らしい演奏が繰り広げられている。
メンバーの機嫌も良く、とても楽しそうなのが印象的。
オーディエンスも大喜びである。
プラントの声は 3曲目以降落ち付くものの、やはり
前年までとは違い荒れ気味で、既に無理をしているのが判る。
それでも、この全開パフォーマンス。
彼らのサービス精神には、本当に頭が下がるばかりだ。
「移民」後半で殺気立つようなコード進行がプレイされている。
「天国」ギターソロに、親しみやすいリフレインフレーズが登場。
このパターンは、以降のライブでも時折聞かれるもの。
ソロ終了のお決まりフレーズも、この日初登場。
今後は、これを合図にプラントの歌に入ることとなる。
前日に見たプレスリーのコンサートの話題が旬のようで
MCでは、その件で盛り上がっている。
アコースティック・セットも綺麗に響いている。
「Tangerine」のハモリも良い感じ。
状況から判断すると、ジミーの声ではないだろうか。
有名なステージ写真で、ジミーの前にボーカル・マイクが
セッティングされているのが確認できる。
ステージ上に二人しかいないのは、この曲のみだし
ジミーがプレイしているのも、例の有名なグレッチ12弦だ。
「スノウドニアの小屋」の前ではボンゾが大はしゃぎ。
ハモりに参加するなど、4人のキャラクターも均等になって来ている。
どことなく後期ツアーを彷彿とさせ、ほのぼのとさせられる場面。
「幻惑」も爆裂。
この日も中盤で「Walter's Walk」が登場するが
あまりにもテンポが速すぎて、みんな着いて行けない様子。
凄まじい勢いだ。プラントもスキャットで参加している。
ボンゾは更に「クランジ」も演りたがっている様子。
やはり同セクションの導入は、彼のアイディアだったのだろうか。
残念ながら、この日も素通りされている。
「胸いっぱい」メドレーは、プレスリー曲満載のお楽しみテイク。
「Going Down」も挿入。相変わらずカッコイイ。
アンコールは「R&R」と「Communication」で大盛り上がり。
祭りはまだ始まったばかりだ。

June 14
- Uniondale, New York
参考音源 :SOMETIME
IN NEW YORK CITY
ソースの状態 :音質は良くない
当ツアーではMSGがブッキングできなかったらしく
NY近郊のナッソー・コロシアムでライブが行われている。
この日は初日。
相変わらず「移民」でのプラントは辛そうであるが
それを除くと全員いたって好調。
「天国」にプラントの「Remember Laughter」のアドリブ登場。
当ツアーでは以前から、この辺でその時々に応じた様々なセリフを
アドリブで加えていたのだが、このパターンが気に入ったのか
以降頻繁に使用されるようになり、同曲のお決まりフレーズとなった。
ジミーのソロ終了後、歌に入るとオーディエンスから盛大な歓声が沸く。
これも「IV」発売後のツアーならでは、で思わずグッと来る部分だ。
前半に一瞬カット箇所あり。
「スノウドニアの小屋」前では、この日も
フレンドリーなメンバー同士のやり取りが行われている。
「幻惑」は「Walter's Walk」に加えて
遂に「クランジ」が Bass と Guitar付きで登場。
「胸いっぱい」ブルーズ・セクションにおけるプラントの
トーキング・スタイルのボーカルがカッコイイ。
後半ブレイクでは、ボンゾが久々にフライング。
なんとか突入は免れたが、おかげで 2度
同じフィルを繰り返す羽目に陥っており、妙に笑える。
アンコール「R&R」エンディングではプラントが
「lonely, lonely, lonely, lonely」と何度も繰り返し。
この日は大盤振る舞いで、この後「Communication」に続き
久々に「Weekend」と更に「Bring It On Home」を演奏。
同曲途中までの収録。

June 15
- Uniondale, New York
参考音源 :WELCOME
BACK
ソースの状態 :後半に編集部分あり
ナッソー・コロシアム 2日目。
オープニングに「In The Light」のイントロのような SEが登場。
雰囲気を盛り上げている。
「移民」のプラントが依然少々苦しそうだが
それ以降は全員全開。
ハコ鳴りも良く、最後までハイテンションなライブが楽しめる逸品。
「幻惑」ではボンゾが面白いパターンで演奏している。
この日も「Walter's Walk」入り。
「クランジ」は他の 2人にジミーが引っ張られる形で突入。
嫌々っぽくて笑える。
「胸いっぱい」エンディング直前までの収録
このツアーでは時折新曲が披露されたものの
基本的には「I〜IV」の既発レパートリーから選曲されている。
そういう意味では、この段階における「ベスト盤」的ツアーとも言え、
ここまでの活動の集大成となるものであろう。
各地で盛大な盛り上がりを見せているのも当然かもしれない。
当時メディアの露出が殆ど無かったせいもあって
世間の認知度は、初来日を果たした前年や
映画化された翌年の活動の方が高い傾向がある。
そんなこともあって、当ツアーは
コアなZepファンのみが知り得る「宝物」のような
捉えられ方で語り継がれてきたのだろう。

June 19
- Seattle, Washington
参考音源 :The Evergreen
ソースの状態 :音質は良いとは言えない / 要スピード補正
/ 片ch再生で多少マシに
凄まじい音質で、クリムゾンの「アースバウンド」を彷彿とさせるが、
聴く価値は十分あるアイテムである。
この日、未発売のニューアルバム「聖なる館」から新曲が多数演奏された。
詳細は次のLAでも述べるが、プラントの声のキーが
なんとオリジナルのままで歌われているのだ。
実際に聴いてみると判ると思うが、これは素晴らしいことなのである。
枯れたプラントもカッコイイと思うが、これは別物である。
一度聴いても損は無いだろう。
ライブ全体としても、素晴らしい演奏である。
シアトル72年公演は、この後伝説扱いされたと言う。当然だろう。
音質は悪いが、各楽器のバランスはよい。カット箇所が多いのがちょっと残念。
4曲目にいきなり新曲の「オーシャン」。ボンゾのカウントは未だ無い。
元気な頃のZepがスカッと切れの良い演奏をするのを聴くのは
気持ちがいいものだ。
「That's The Way」用のオープン・チューニング中には、
プラントがなんと「Black Country Woman」を歌い出し、
そのまま全員で演奏が始まり、ほぼフルコーラス披露される。
「幻惑」では「クランジ」が登場。結構長く演奏されている。
当時、客席でこれを聴いた人々は、いったいなんだと思ったであろうか。
興味深いことである。
いい感じのエンディングが付けられている「強き二人の」のあとは
再び新曲 「Dancing Days」が登場。
ジミーのバッキングはコード・リフのみだが、いい感じだ。
「胸いっぱい」メドレーでは、ブギーチランの前で
スロウファンク調の即興演奏が付け加えられている。
アンコールでは「ルイルイ」「マネー」と大盤振る舞い。
「ルイルイ」は「Thank You」の前のオルガンソロ部分に
全員が加わる形で演奏される。
オーディエンスは大喜びだ。
「マネー」のハモリがワイルドで面白い(ボンゾ?)。
途中からの収録だが、その後なんと「丘の向こうに」も披露。
スタジオバージョンに近い演奏で、これまたプラント大張り切り。
最後に「2時間前に演ったが好きな曲なので、もう一度やる」と言ってから
「Dancing Days」が再び演奏され、シアトル大パーティは終了。
もし、このライブ音源が完全収録で、音質にも問題が無かったとしたら
「Eddie」を超えるスーパーアイテムとなっただろう。

June 22
- San Berdardino, California
参考音源 :BERDU
ソースの状態 :音質はまあまあ良質
シアトル祭りの後だけに、どこか醒めた印象があるが
普通に楽しめる音源。音が近いので演奏内容が良く判る。
開始前の SEは変わらず。ガムランみたいでイイ感じ。
PAの問題も絡んでいるのかもしれないが
「移民」でプラントの声が出たり出なかったりしており
大丈夫か?という気分にさせられるが
それ以降は例によって好演が続く。
「スノウドニアの小屋」中間部ソロでは、一瞬
「Dancing Days」に似たフレーズが登場。
「幻惑」弓コーナーの前では
「幻想効果」風コード進行がプレイされており
同セクションの変化の予兆が感じられる。
「Walter's Walk」は歌なし。
「クランジ」は、ジミーがカッティングで
場を持たせている隙に、ボンゾが強引に開始。
一瞬プラントもアドリブで歌っている。
シンコペ上昇フレーズの後、再び
幻想効果コード進行が登場している。
一味違う展開で、なかなか楽しめるテイクだ。
「強き二人」の前で爆竹が炸裂、
プラントが呆れた様子で注意をしている。
「胸いっぱい」メドレーは淡白気味。
ジミーは好調で、ノリノリのブギーが続くかと思われたが
プラントが強引に「Let's Have A Party」に突入。
「ハロー・メリー・ルー」のあと、一瞬ジミーが
「Slow Down」のリフを弾いているが、これも素通り。
その後のブルーズ・セクションも適度に切り上げ
さっさと「Woman !」に入っている。気分が乗らなかったのだろうか。
アンコールでは、いきなりヘビーなリフが開始され
インプロ(Communicationのイントロのつもりだったのかもしれない)が
始まりそうな気配となるものの一瞬で終結。
その後「R&R」をサクッと演奏。
プラントの「Lonely lonely lonely lonely」攻撃で終了。
このアイテムは曲順が一部変えられているので注意。

June 25
- Inglewood, California
参考音源 :BURN LIKE
A CANDLE / BURN THAT CANDLE(擬似ステレオ版)
ソースの状態 :R-ch 再生が自然で良いかも / 要スピード調整
これは、やはり重要アイテムと言わねばなるまい。
何故「LA 1972」が重要なのかというと…
1. Zepは LAを特別な場所と考えており名演が多い。
2. ロバートプラントの声質が変化する前に「聖なる館」収録曲が演奏されている。
3. コンサート、ほぼ完全収録である。
…という理由である。
特に「2」に関しては非常に珍しい。
他に確認されてるのは2種類しかない。
「丘の向こうに」や「オーシャン」「Dancing Days」などの曲が
なんと、レコードどおりのメロディーで歌われている!
「丘の向こうに」の高いキー・バージョン完全版は、
Zep全活動を通じて 3テイクほどしかないので、
「丘の向こうに」好きで、73年以降の、キーを下げた
フェイク・メロディーしか聴いたことがない人は必聴だろう。
特別視するあまり、往々にして
気合が入り過ぎることの多いLA公演であるが、
この72年は全体的に、炸裂しつつも
どこか余裕を感じさせるパフォーマンスを展開しており
独自のカラーを感じさせるものとなっている。
「移民」の前には「In The Light」イントロのような
インド風インストが、オープニング SEとして流されている。
「丘の向こうに」のギター・ソロは、
バッキング・リフから入り展開して行くパターン。
「幻惑」は「クランジ」と「Walter's Walk」入り。
「Dancing Days」は、ジミーの裏メロは無く
コード・バッキングのみの演奏で、ちょっと寂しい感じ。
プラントの有名なジョーク、
「次のアルバムは Burn That Candle というタイトルだ」は
この曲を紹介するMCの中で言われたものだ。
「胸いっぱい」メドレーでは「ハートブレイクホテル」と
「Slow Down」が、かなり長めに演奏されている。
オルガン・ソロでは前置き無しに、いきなり「ルイルイ」を開始。
演奏はまとまっているがシアトルの時ほど盛り上がらない。
そのまま「オルガンソロ〜Thank You」へと繋がってゆく。
「オーシャン」では、ボンゾの絶好調フィル三昧ドラミングが聴ける。
ラストには「Bring It On Home」フルバージョンまで披露。
スペシャル LAナイトを締めくくる。
「Going To California」と「胸いっぱい」メドレーに
一部欠落箇所があるのが残念だが、それを除くと
ほぼ完全収録で、絶頂期の彼らの演奏をたっぷり堪能できる。
枯れたプラントも良いが、若いプラントはやはり美しい!
 
June 27
- Long Beach, California
参考音源 :WILD BEACH
PARTY / Studio Daze
ソースの状態 : オーディエンス / 音質はまあまあ
残念ながら「移民の歌」がフェイドインだったり
他にもカットが若干あったりするのだが、
72年では必須アイテムのひとつだ。
さっそく「移民」で、プラントの声がひっくり返りまくっているが
そもそも、乗っけからこのオープニングは最早キツイだろう。
他メンバーは全く問題が無い。好調なままだ。
「ハートブレイカー」はバッハのみの挿入。
「ブラックドッグ」は歌詞が異なる部分がある。一部カットあり。
そして問題の曲「丘の向こうに」。
エンディングも決まっており、ほぼレコード通り完璧に演奏される。
ジミーのバッキングは、まだコード弾きが中心。
既に、間奏終わりの上昇フレーズをミスっている。
なんと、お披露目当初からのお約束だったとは…(笑)。
「貴方を愛しつづけて」はジミーがニキニキ弾きまくり。
「天国」のギターソロは、終わりそうでなかなか終わらず面白い。
「That's The Way」のマンドリンが良い。
心が洗われるようだ。
「幻惑」は弓弾きの部分でフェイドアウト。
「強き二人の愛」がイントロでフェイドイン。
この曲と、次の「Dancing Days」は、オーディエンス・テープの他に
音質良好のサウンドボード音源が存在しており、そちらの方が有名音源だ。
ワウ・ペダルを使用した熱い粘着リフが、ぐいぐい迫ってくる。
「胸いっぱい」も途中カットあり。
オールディーズ・メドレーでは、珍しい
ハイトーン「ブルーベリー・ヒル」が久々に演奏されている。
そしてレコード通りのメロディーラインで歌われる
アンコールの「ロックンロール」。
この曲だけ音質が極端に悪いが十分フレーズは聞き分けられる。
ジミーのソロも流れるようだ。
楽しみ満載の第8回全米ツアーも、この翌日で終了。
掛け値なしの爆裂プレイが繰り広げられていた、
Zep第一のライブ全盛期も、残念ながら、これで終わりを告げる。
これからが本当の正念場であり、翌年以降の第二の全盛期に向けて
アーティストとしてのキャパシティの大きさを実証して行くことになる。


October 2
- Tokyo, Japan
参考音源 :LIVE AT
THE BIG HALL BUDOKAN
ソースの状態 :オーディエンス
コペンハーゲンならぬ、トーキョー公開リハ状態ライブ。
がらりとレパートリーも替えて、ここから 1973年4月2日Paris、
更には7月29日 NY.MSGへと続いてゆく、長大な旅の始まりだ。
前年の来日に比べ評判は芳しくなかったようだが、その理由がなんとなくわかる。
全体的に覇気がないのだ。
その原因は新曲が多く、しかもそれらがあまり親しみやすくなかったことと
後は、なんと言ってもプラントのショボさだろう。
急にハイトーンが出なくなっている。
高音域が出ないのは、この後の73年ツアーも同じなのだが
未だこの時点では、声帯温存状態で、出し惜しみしている様子が窺え
吹っ切れて全力で歌う73年に比べても、かなり印象が悪い。
これでは「2度目の来日なので日本をなめている」と言われても
しょうがないような気はする。
他の3人は、とりたてて問題もなくサクサクとこなしている。
オープニング「R&R」は新時代の幕開けのようで、期待に胸が膨らむが
早速2曲目から、新曲「丘の向こうに」でクールダウン。
騒ぎに来た連中は、肩透かしを食らった格好だ。
「Misty Mountain Hop」が本編に正式に登場。
「貴方を」とメドレー演奏されるバージョンとしても初演。
未だハモンドが併用されている。
「Dancing Days」も、このツアーからは正規に加えられている。
ジミーの裏メロ登場。やはり、これがなくては締まらない。
新曲の「永遠の詩」はライブ初演。
タイトル未定で、プラントは「zep」と紹介している。
続く「レインソング」でメロトロン登場。
PAの関係か、未だ壮大な感じはせず
ステージ上で鳴っているみたいで、なんとなく音が浮いている。
この2曲は、始めてのライブ演奏となったわけだが、
よくも、このような曲をライブレパートリーに加える気になったものだ
と、つくづく感心する。
新時代に向けての、並々ならぬ意欲の顕われであり、
決して親しみやすいとはいえない、これらの曲を
オーディエンス側の戸惑う反応にもめげず
ツアー中盤以降に向けて、見事に浸透させていったのは努力の賜物だろう。
その後もライブは、なんとなくまったりと進行する。
「スノウドニアの小屋」でプラントが犬の鳴き真似などして盛り上げようとするが、
あまり反応がないようだ。
終盤からアンコール。
やっと往年のハードな曲が登場し盛り上がる。
「胸」メドレーのブギーチランでのプラントは、既に73年NYの時の声質に近い。
その後、懐かしの「レモンソング」へと続いて行く。
「移民」のハイトーンは、さすがに苦しそうだが、
この客の盛り上がりようには、さすがにぐっとくる。
雄叫び部分で全員が唱和しているのを聴くと、
ホントにみんな好きなんだなぁと思う。
この曲が、ライブで聴けるのは、このツアーの渡欧前までだ。
プラント以外の3名は決して悪くはないのだが、どことなくBBC風で、
全体的にあっさりしており、新レパートリーの腕試しといった感じはする。

November 30
- Newcastle, England
参考音源 :NICE
STARTER !
ソースの状態 :オーディエンス / 音質は良くない /
要スピード調整
UKツアー初日。
プラントの声は、ひと月前の日本公演よりは
若干回復が見られ、オープニングの「R&R」〜「丘の向こうに」でも
出来るだけオリジナルキーで歌おうとしており、声量もあるようだ。
「幻惑」はボンゾのティンパニも加わり、よりドラマティックになっている。
弓コーナー前では「サンフランシスコ」ではないものの
そのコード進行が登場しており、幻想的な雰囲気をいっそう盛り上げている。
後半には「クランジ」も、かっちりと登場。
アンコールは「移民」だが、何故か
まったく違うキーで開始され、すぐに変更している。
ギターのチューニングが狂っていたフシもあり、途中で直しているようだ。
さすがにプラントは、最高音部分では下げて歌っている。
続いて「Heartbreaker」。
やはり聴き慣れた曲ではオーディエンスも大喜び。
この日は更に「Thank You」も披露されているが
冒頭の、本来オルガン・ソロだった部分がメロトロン・ソロになっており
そのまま曲中もメロトロンで演奏されている。
このバージョンが聴けるのは、このUKツアー(と日本の一部)のみで貴重。
初日ならではの硬さや試行錯誤が見受けられ、興味深い音源だが
かなり聴き辛いのも事実で、資料的意味合いの強いアイテムだろう。

December 4
- Glasgow, Scotland
参考音源 :STUCK ON
YOU
ソースの状態 :要スピード補正 / 音質はまあまあ /
片チャン再生で多少向上
UKツアー4日目。 盛り上がる土地柄で有名なグラスゴウ。
熱狂的な様子が伝わってくる。
オープニングの「R&R」、続く「丘の向うに」と
この時点では、未だプラントは
半分ほどオリジナル・メロディで歌おうとしているのがわかる。
新曲には慣れた様子で「Dancing Days」のジミーによる
粘着リフ炸裂具合が、聴いていて心地よい。
「幻惑」の出だしでのジョーンズ氏の Bassが変で笑える。
何かに気を取られていたのだろうか。
この日も、後半には「クランジ」が登場。
ギターも加わり、レコードに近い状態でかっちり演奏されカッコイイ。
他にも様々なリフが次々登場し、以心伝心状態が続く。
「天国」は、ソロに入る部分のティンパニや途中のクールダウン部分など
「サントラ」にかなり近い雰囲気になってきた。
この日のジミーのソロは、組み立て方が妙で面白い。
「胸いっぱい」ではプラントも元気。珍しい「Stuck on you」が歌われている。
このツアーでは「胸いっぱい」ブルーズ・メドレー部分は
基本的に「君から離れられない」が演奏される。
初期のバージョンより、へヴィーで熱いプレイが繰り広げられ、いい感じだ。
個人的には、この頃からヨーロッパツアーを経て
全米の序盤くらいまでのZepが、いちばん
「向うところ敵無し」状態にあったのではないかと思っている。
特にプレイヤー3名は無敵だろう。
それくらいテクニック、コンビネーション、グルーヴ等、共に凄い時期だ。
是非とも、この頃の UK & Euroに行って「追っかけ」をしたい気分だ。
December 22
- London, England
参考音源 :Riot Show
ソースの状態 :スピード補正が必要。片チャンネルのみ再生もまた良し
待望のロンドン公演。
あまり良い会場ではなかったようで体育館のような音だが、気合は伝わってくる。
一部のメロディーを低く替えた、プラントの歌い方はそのまま。
この頃の「R&R」はちゃんと終了するので、
ジミーがスタジオバージョンと同じフレーズを弾くのが新鮮だ。
「丘の向こうに」のアレンジも固まってきた。切れの有る演奏で気持ちいい。
「Black Dog」のエンディングに、ボンゾのティンパニが加わっている。
始めは緊張の様子も窺えるが「貴方を」の頃にはリラックスしてくる。
何故か、ジョーンズ氏のハモンドの音があまり聞こえない。
「Dancing Days」はヘヴィーでカッコイイ。
エンディングが早かったのか、ジミーだけ最後のフレーズが残っている。
「永遠の詩」中盤部分では、ボンゾが
シンコペーションのパターンで演奏するのが確認できる。
盛り上がるアレンジだと思うのだが、このパターンで演奏される時期は短かった。
貴重なバージョンだ。
続く「レインソング」も情熱的な演奏。
「幻惑」中盤あたりから、なんとなくメンバーに疲れが見える。
弓コーナー前で「サンフランシスコ」登場。まだ勿体ぶらずストレートな展開。
この日は「クランジ」なし。替わりに「シンコペ上昇フレーズ」が登場。
この展開は、たまに現れることがある。その後「ドリフの早口言葉」リフも登場。
その後の「天国」「胸いっぱい」も無難にこなしてはいるものの、
どことなく精彩を欠いた演奏が続く。
アンコールの「Thank you」。
当ツアーのみの特別企画メロトロン・ソロは、クリスマスが近いということで
クリスマス・カロル風となっており、聖なる雰囲気を更に盛り上げている。
これは感動ものだ。必聴バージョンだろう。
後半、冴えなくなってしまった感の有るライブであったが、
この「Thank you」に救われた感じで、なんとか無事終了。

to be continued
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