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1973
January 7
- Oxford, England
参考音源 :OXFORD
1973
ソースの状態 :妙なバランスなのでコンプかけまくりで迫力を出すべし
引き続きUKツアー。
年明け早々プラントは風邪を引いてしまい、声的には更に拍車がかかってしまう。
あまり嗄れてはいないが、意識して高音域を出さないように歌っており
結果的にショボさ100倍である。
それにしても面白い音源だ。
サウンドボードと言われているが、そうとも断定できない。
会場設置のオンステージマイクであることも考えられる。
ショボいにもかかわらずVocalバランスが大きく、
ドラムはダンボールを叩いてるような音だ。
こう書くと酷い代物のようだが、
始めからそういうものだと覚悟して聴けばそこそこ楽しめる。
プラント以外の3名はほぼ絶好調だし
ひとつくらいこんなのが有っても、まあ、いいだろう。
「永遠の詩」のイントロ後、ボンゾの例のシンコペーション・ドラミングが爆裂。
途中でも何度か登場し、盛り上げている。
「幻惑」もハイテンションで進む。
この頃のZepの演奏は要素としてファンク風味が加わっていることが
重要なポイントだというのが良く判る。独特のノリが聴いていても心地良い。
この日は「Walter's Walk」が登場。
「胸いっぱい」の「Everybody Needs Somebody」の途中までの収録。
March 16
- Vienna, Austria
参考音源 :サウンドボード(LED
POISONING) / オーディエンス(VIENNA 1973)
ソースの状態 :スピード等の調整が必要
この日の音源には
「オックスフォード」のような「オンステージ音源」が主なもの(編集部分がある)と
後半のみの収録だが、極めて良好な「サウンドボード音源」のものが有る。
この日の演奏も素晴らしいので、是非とも両アイテムチェックしたいところだ。
全体的に、リラックスかつ爆裂演奏となっており
「貴方を愛しつづけて」や「幻惑」での自由な演奏、
「スノウドニアの小屋」の遊び満載ジミー(途中でThat's The Way登場)、
ボンゾの「永遠の詩」シンコペーション・ドラミングなどなど、聴き所満載だ。
72年〜73年は全般的に、プラントの関係からか新曲が多いからなのか
ステージ後半に向けて、いっそう爆裂してくるという特徴があり
そういう意味では、後半のみの「サウンドボードもの」も十分素晴らしい。
特に「天国」「君から離れられない」は絶品。
「ハートブレイカー」の一風変わったイントロやジミーの切れ具合にもゾクゾクする。
「天国」のギターソロ部分では、ジョーンズ氏が
スタジオバージョンでの、スライド・ギターの裏メロパートを弾いているのが判る。
どちらのバージョンも楽しめるが、特にサウンドボードバージョンの方は
素晴らしいバランスで素晴らしい演奏が聴ける秀逸アイテムだろう。
この直後の全米ツアーのことを考えると、夢のようだ。

March 17
- Munich, West Germany
参考音源 :Sturm
und Drang
ソースの状態 :良質オーディエンス / 遅くなってくるので若干スピード調整が必要
プラントを除く3名は無敵状態。
「永遠の詩」でのシンコペーション・ボンゾも炸裂。
「胸いっぱい」の「ファンキー〜テルミン〜Everybody」の爆発ぶりも凄い。
この頃は、どんな条件でも常に最良のプレイが出来たということだろう。
仕事人のようなプレイなのに爆裂している。
ホントに、この頃の彼等は凄かったという証だ。
ただ全体的に、プラントがどうにもショボく
素晴らしいオケをバックに、ものまね小僧が歌っているようでもあり
あまり盛り上がる気分にさせられないのも確かだ。
「R&R」の一部や「幻惑」の肝心な箇所にカットがあることなども含め
それほど重要視されていないアイテムである理由がなんとなくわかる。
ジャケットも酷いし。

March 24
- Offenburg, West Germany
参考音源 :SWEET
AT NIGHT / 最近は新たなマスター落しアイテムも出ている
ソースの状態 :スピード調整が必要。人工的なディメンジョンが鬱陶しいのでモノラルにすべし
相変わらずハイテンションなライブである。
この辺になると、随分「サントラ時代」に雰囲気、演奏が近付いている。
「丘の向こうに」「Black Dog」も、この頃にはすっかり低いメロディに変わっている。
この日は、何故か「Dancing Days」が演奏されていないようだ。
これに関しては、諸説有って、
演奏されたのだが音源には収録されていなかった、
とされるものが一般的な解釈だったが、
最近、研究し直された方が居て、
前後の繋がり具合から判断して「演奏されなかった」と結論が出たようだ。
「永遠の詩」でのシンコペーション・ボンゾ炸裂。
ジミーも淀みなくフレーズを紡ぎ出す。
「幻惑」も全米ツアーにかなり近い。
エンディングでボンゾが、Drums & ティンパニ・ソロを披露する。
「天国」では、残念ながらボンゾのタイミングが大きくずれてしまう箇所があって
これがなければこの日は完璧なんだが、と何時も思ってしまう。
多少のミスくらい、Zepならば気にするほどでもないが
この日のこれは、結構大きいと思う。
「胸いっぱい」では、JB風ファンキー部分と「Everybody…」が繋がっていて
時代が変わりつつあるのを実感できる。
この辺が「サントラ時代」前夜、って感じで興味深い。
「君から離れられない〜スクィーズ・マイ・レモン」では、相変わらずジミー炸裂。
「ハートブレイカー」でも絶好調で、技披露しまくり。

April 1
- Paris, France
参考音源 :Vive
la France
ソースの状態 :各種音源切り貼り状態。スピード等の調整が必要。
このアイテムは現存しているもの全て集めて
なんとか1ステージ分を構成したという感じの音源だ。
酷い部分は結構酷いが、聴ける部分はなんとか楽しめる。
絶好調のヨーロッパツアーであったが、いよいよラスト二日。
翌月に迫った全米ツアーに向けて採用予定の
新しいプレス・エージェントが偵察に訪れることになっており
そうしたことも有って、全員ノッているようだ。
「スノウドニアの小屋」に「That's The Way」が挿入されていたり
「幻惑」ではジミーが「クロスロード」のフレーズを弾いたりしている。
この頃の「胸いっぱい」は「ファンク風〜テルミン〜Everybody」の部分が
毎回微妙に違っていて興味深い。


May 5
- Tampa, Florida
参考音源 :2種類の音源が出回っており、現在は編集完全版も存在する
ソースの状態 :オーディエンス。スピード調整が必要
いよいよ73年全米ツアー。
このツアー用に、様々な新らしい趣向が凝らされており
意気込みも、並々ならぬものであったことが覗える。
「R&R」〜「祭典の日」〜「Black Dog」の3曲のメドレー展開はこのツアーで初登場。
「R&R」のドラムソロ後から、直接「祭典」のイントロに繋がっている。
ドラムソロ後のコードは、既に「祭典」のコードなわけだ。
更に「Black Dog」のイントロは、今までの「Out On The Tiles」ではなく
「Bring It On Home」のイントロに変えられている。
それまでのツアーとは変わり、大味なノリになったのも特徴で、
全体的にゆったり目のテンポで展開している。
ジミーのタッチも粗く、これはおそらくそれまで以上に大音量になったことや
派手なステージアクションを採り入れたことなどと関係あると思われる。
ところどころ拍を勘違いしている部分(この日だけではない)も含め
後期以降の状態の予兆が見て取れる。
このタンパは空前の観客動員があったことで有名で
その数は6万人近くにのぼると言われている。
屋外ステージ独特の粗くドライな質感だが音質は悪くはない。
ただ、この音源は、ほぼ全ての曲のイントロが切れている。
録音していた人物がテープを節約した為と思われるが、これは残念である。
ツアー開始直後なので、同ツアーを収録したサントラに比べると
「祭典の日」の後半など、まだ
かっちり構成が決まっていない部分があったりして興味深い。
このツアー初登場の新曲「No Quarter」も
ジョーンズ氏のEPのエフェクトやギターの音色など、
この頃は未だ、スタジオバージョンに近い形で演奏されている。
「永遠の詩」も、この時点ではシンコペ・ボンゾが健在。
ステージ後半で炸裂する
「Moby Dick」〜「ハートブレイカー」〜「胸いっぱい」メドレーも、
この全米ツアーで初登場。
聴いていてホントにゾクゾクしてくる展開だ。
ヘヴィー&ファンキー「ハートブレイカー」もイイ感じだし
「胸いっぱい」のJB風も切れが良く、おそろしくカッコイイ。
後半R&Rメドレーが 「ブギーチラン」のみに縮小されたのも
この全米ツアーからだが、これもコンパクトで良い。
アンコールは「オーシャン」と「Communication」。
ツアー序盤なので、余裕の演奏が聴ける。
記念すべき73年全米ツアー最初期音源として概ね楽しめるライブだ。
サントラに行きつく長い旅の出発点として、十分聴くだけの価値はあるだろう。

May 13
- Mobile, Alabama
参考音源 :Night Flight
ソースの状態 :サウンドボード? / スピード調整が必要
ツアー前半ということで、まったりとした余裕の演奏が聴ける。
元となった音源はサウンドボードのようだが、独特の質感で
雑さが上手くマスキングされており、実に楽しめる逸品となっている。
完全収録ではないのが惜しまれる(Moby Dick までしかない)。
「R&R」エンディングで「祭典」に入らず
通常のコードに行ってしまうジョーンズ氏が笑える。
「No Q」は、まだソロのバリエーションは少なめだが
自由な中にも丁寧さが残る、なかなかの好演。
「天国」のギターソロ突入部分に於ける、ボンゾの爆裂プレイも素晴らしい。
本アイテムには「天国」が2テイク収録されているが
Tr.1がこの日の演奏で、もうひとつはフォートワース(後述)のもの。

May 14
- New Orleans, Louisiana
参考音源 :NEW
ORLEANS 1973
ソースの状態 :Real Stereo
Sound Board
1曲目「R&R」がフェイド・インなのが残念。
あとは、概ね完全収録。
まるでステージ上で聴いているような気にさせられる
臨場感たっぷりの一品。
前日のモービルが好調なので、さすがに疲れが見え(主にジミー)
オーディエンスと警備側とのトラブルもあって
多少、投げやりな部分も見受けられるものの、
お気に入りのニュー・オーリンズということもあり、
全体的には、リラックスしたざっくばらんな演奏が聴ける。
大雑把な部分も多いが、笑える範囲内(結構ふざけたプレイも多い)。
「No Q」は、変化の兆しが見え隠れする
なかなか興味深いバージョンとなっている。
「Rain Song」エンディング直前に一瞬カット箇所有り。
「幻惑」で、ジミーが「クロスロード」と「レイラ」のリフを弾いたりしている。
「Moby Dick」は、ちゃんとエンディングが付きメドレーから独立。
「ハートブレイカー〜胸いっぱい」メドレーは相変わらずヘヴィー&ファンキー。
このツアー独特の、この展開はなかなか良いアレンジだったと思う。
この辺から全開状態で、全員の炎のような熱い演奏が聴いていても燃えてくる。
73年はプラントがステージ前半、パワーの出し惜しみをしてるので
ステージ後半に向けて良くなってくるのが特徴だ。
JB風のアドリブも冴え渡り、ボンゾのタイム感も素晴らしい。
「ブギー・チラン」にカット箇所があるのが残念。
アンコール「Communication」73バージョンも、パシッと決まって Good !
「多分来年、また来るよ」というプラントの最後のMCは、さすがにぐっとくる。
(実際は翌年来なかったし、77年にはプラントの息子の悲報をここで聞くことになってしまう)

May 19
- Fort Worth, Texas
参考音源 :A
Worthwhile Experience(「幻惑」未収録版)
ソースの状態 :サウンドボード / 要スピード調整
ジミーは多少疲れ気味の部分もあるが
プレイ全体的には、問題なく楽しめる範囲内で
数ある73年全米ツアー物の中では好演な方だろう。
この日の音源は「天国」までしか存在しないようだ。
モービルと同じような質感のSB音源である。
例によって「R&R」のソロは変拍子風。
拍を見失いかけるほどの大音量だったということだろう。
この日の「祭典の日」エンディングソロは
少々毛色が変わったものとなっており、おもしろい。
「丘の向こうに」のギターソロからリフに戻る部分で
ボンゾが回数を勘違いしており、多少乱れが生じている。
「貴方を」エンディング近くでも、拍が一拍増えている箇所があるが
それにしては全員一致しており、不思議な感覚を受ける。
「永遠の詩〜Rain」は、なかなか良いテイクだが
「Rain Song」にカット箇所があり残念。

May 28
- San Diego, California
参考音源 :SAN
DIEGO 1973(Rain Song にプレスミスによる音飛びあり)
ソースの状態 :良質サウンドボード
まるで公開リハのような、酩酊しているかのような
実に荒っぽいライブである。
特にジミーの様子がおかしく、各曲のソロも短めである。
ギターの音色も、あまり冴えない。
他のメンバーが凹み気味なのを良いことに、ボンゾは
ここぞとばかり、手持ちのフィルを繰り出しまくって遊んでいる。
ジョーンズ氏も、かなり遊びが入っており
「貴方を」や「No Q」では、ふざけたプレイが聞ける。
「No Q」インプロ後半部で
ジョーンズ氏が、変わったコード進行を弾いている。
同曲イントロにカット箇所あり。
「永遠の詩」は、なかなか快演。
続く「Rain Song」は、メロトロンとギターのチューニングが合っていない。
また、マスタリングの不具合なのか、プレスミスによるものなのか
同曲のみ、激しくブツ切れ収録となっている。
「Heartbreaker」から「胸いっぱい」への繋ぎ部分で
ジミーが拍を見失ってしまうが、上手く切り抜けている。
テルミン・コーナーで、一瞬クランジが登場。
ブギー・メドレー前では、懐かしい「Honey Bee」が一瞬披露された後
「Going Down」が演奏されている。
これは、なかなかカッコイイが、その代わり(?)
何故か「ブギー・チラン」がプラントによって短めに切り上げられている。
この辺の自由な展開も、地方公演ならではの大雑把さ。
アンコール「オーシャン」では、ボンゾのカウントにプラントが唱和。
ワイルドで、なかなか楽しいバージョン。
PAの調子が悪いのか、所々ギターが聞こえない箇所がある。
また、全体的に Bassがあまり聞こえない。
「幻惑」は未収録。
或る意味、 73年全米ツアー的過酷さ、大味さが
判りやすい形で顕われているアイテムのひとつとも言えよう。
 
May 31
- Inglewood, California
参考音源 :BONZO'S BIRTHDAY PARTY /
ブツによって内容が異なるので注意
ソースの状態 :Monoオーディエンス
ジミーが指を捻挫してるようだが
そのことで、かえって堅実なプレイになっており好感が持てる。
いささか飛ばしすぎるきらいのある LA物の中では
いちばん落ち着いたライブだろう。
「R&R」でジミーの変拍子風ソロ(実際は変拍子ではない)が笑える。
「Dazed」以降プラントも好調になり、全員爆裂して来る。
75年以降によく登場するアレンジの、
「Dazed」弓弾き後のブレイク、「天国」ギターソロ・マンドリン奏法が聴ける。
ところどころ指の不調が窺われたり乱れたりする箇所があるものの
概ね問題なく楽しめる良品アイテムである。
それにしても、ひでえジャケットだな。
 
June 2
- San Francisco, California
参考音源
:WHO'S NEXT
ソースの状態 :要スピード調整 / 良質オーディエンス
ケザースタジアムでのライブ。
珍しく昼間のフェスティバル出演で、メンバーは2時間近く遅刻して登場した。
直前まで寝ていたらしい。
音質やバランスが良い音源だが、テープのワウが少々気になる。
演奏の方は、全体的に爆裂していると思われるが、
ジミーに、いかにも直前まで寝ていましたという感じの
大雑把なプレイが少々目立ち、チューニングも適当で、
「幻惑」などでの意思の疎通も、まったく不足している。
そういった音源の問題や、ジミーの雑な点を除くと
73年特有の、大味でダイナミックな演奏が楽しめる一品。
特にボンゾは、乗っけから全開。プラントもそこそこ快調。
「レインソング」のエンディング近くで、ハウリング大爆音が炸裂するので
鑑賞の際は注意が必要。(会場の人々は平気だったのか??)
「Moby Dick」のソロは、殆ど未収録。
後半「胸いっぱい」から
アンコールの「Communication」に来て
やっとジミーも、本領発揮。
「オーシャン」は、このツアー・ベストテイクのひとつだろう。

June 3
- Inglewood, California
参考音源 :THREE DAYS AFTER
ソースの状態 :要スピード調整 / カットやテープトラブルが多く聴きづらい(特に前半)
ジミーの指の怪我の所為で
本来5月30日に行われる筈の公演が、この日に順延された。
つまり LA初日のチケットを取っていた人々が見に来ているライブなのである。
そういうこともあり、また
この日を以って全米ツアー前期日程終了ということもあって
大変盛り上がっているコンサートである。
演奏のほうも、全体的に、
前日のケザーの演奏がまともになったような、気合の入ったものとなっている。
ただ、良く知られていることだが
この日のオーディエンス音源は、音質そのものは良いものの、
非常に問題が多く、特に前半部分にカット箇所が多数あったり
ところどころ音が途切れたりするなど、大変聴きづらい。
ほかの日の音源を、いくつか揃えた後で入手すべきアイテムかもしれない。
オープニングで、ボンゾがキックでオーディエンスを煽っている。
「R&R」では、相変わらずジミーのソロが変拍子風。
「Black Dog」の途中から「丘の向こうに」の途中までカット。
「貴方を愛しつづけて」では、
それまで調子の良かったジミーが、いきなりコケている。
何かあったのだろうか?
「No Q」も途中でカット。その後「幻惑」まで未収録。
「幻惑」にも途中カット箇所あり。
演奏そのものは、ボンゾとジミーの掛け合いが冴えた秀逸なもの。
この後「天国」の辺りから、テープの問題も落ち着き
気合の入った演奏を満喫できる。
「モビーディック」を経て「ハートブレイカー」からは、
お約束の最終日スペシャルで、プラントも全開。
ジミーも弾きまくり、まるで直前の欧州ツアーのような出来だ。
メドレーで続く「胸いっぱい」も、各種技出しまくりの爆裂バージョンで
後半ではなんと、往年のR&Rメドレーも挿入。
スローブギーからハンターへ。そして通常のブギーチランへと繋げられている。
この日の音源が、テープのトラブルにもかかわらず人気が高いのは
これら、ステージ後半部のパフォーマンスが素晴らしいからである。
この後半部分(CDでは2枚目に当たる部分)だけでも十分楽しめるのである。
スペシャルナイトはアンコールへ。
ざっくばらんな「オーシャン」、更に「Communication」も申し分ない素晴らしさ。
そして、最終日スペシャルとして「Thank You」が演奏される。
久々の演奏ということで少々雑な部分もあるが、締めくくりの役割は十分果たしただろう。
この後 Zepは約一ヶ月の休養に入り、続く全米ツアー後期日程に備える。

July 6
- Chicago, Illinois
参考音源 :RAZED AND CONFUSED / NOT QUIET ON THE MIDWESTERN
FRONT
ソースの状態 :Sound Board (不完全版)/ スピード調整が必要
後期日程初日。
「Rain Song」以降の収録。
この日はオーディエンスに問題があったようで
プラントが何度も客を叱責している。
そういったこともあって、多少投げやりな演奏になっているようだが
初日で余力があるのか、それが逆に激しい展開を生む結果となっており
どの曲も、殺気立ったような荒々しいテイクとなっている。
一体感も薄く、まるでステージ上でバトルが行われているかのようだ。
プラントの声は噂に違わず、ホントにヘロヘロ。
声帯が痛み、高音部では正しい音程が出せなくなっている。
アンコールは「Communication」のみ。
これも激しい展開で、実に奔放なバージョン。
プラントの状態は、お世辞にもマトモだとは言い難いが
それを気にしなければ、そこそこ楽しめるライブだろう。
これらの音源は、昔から有名な不完全アイテム。
「RAZED...」のクレジットに Buffalo(後述)と Chicago
両日の収録、との記述があるが、実際は全てこの日の演奏。
現在は完全版も出ている。

July 13
- Detroit, Michigan
参考音源 :
ソースの状態 :Sound Board
モビー・ディック以降、ステージ後半のみの収録。
かなりお疲れのご様子で、プラントの声もガラガラだが、元気だ。
全体的に、リラックスした演奏。
「ハートブレイカー」のソロ部分では、ジミーがスロー・ブギ風のリフを弾いている。
テルミンコーナーは、ゆったりしたテンポで展開。
「胸いっぱい」のエンディング近くで、「移民の歌」風シャウトが聴ける。
メンバー紹介の MC もヘロへロで、ちゃんと言えてなくて笑える。
アンコールは「Dancing Days」。途中までの収録。
これまた、ざっくばらんなプレイで笑える。
私は 73年USツアーのステージ後半部分は、この音源で初めて聴いたのだが、
ハート・ブレイカーのボンゾの出だしや、メドレー展開が新鮮でショックだった。
「永遠の詩サントラ」では、判らない部分だ。
「73 US」全体に言えるが、この日のステージでも判るとおり、
疲れてはいても、手抜きしている訳ではない。
なんとか気力で演奏を持たせ、空中分解に至らず切り抜ける。
そこが「75年以降」とは、最も異なる点だろう。
楽しめるツアーだ。

July 15
- Buffalo, New York
参考音源 :MISTY MOUNTAIN CROP
ソースの状態 :Sound Board (不完全版)/ スピード調整が必要
昔から有名な不完全サウンドボード音源アイテムで
ショウの前半 「Rain Song」までしか収録されていない。
何故か、この日はジョーンズ氏の様子が変で
あちこちで五里霧中状態に陥っている。
プラントは「R&R」でこそ、ヨーデル唱法全開になるものの、
その後は回復し、いつもの調子に戻っている。
他の二人は好調で、特にボンゾは激しいフィルを繰り出しまくり。
荒々しい演奏で聴き応えがある。
この日の演奏は、ショウの後半に向けて良くなってくる、と
一般的には言われており、そういった意味からも
完全版未聴段階での評価は、ちょっと難しい。

July 17
- Seattle, Washington
参考音源 :COMPLETE
SEATTLE / アナログ
ソースの状態 :良質オーディエンス
この日のライブ音源は、少なくとも3種類存在する。
昔アナログで出ていた、有名なオーディエンス・ソースのもの、
その後出回った、これも有名な、サウンドボードのもの、
そして、別音源の新たなオーディエンスものだ。
何れも音は良い。
プラントの声が荒れているが、張り切っている。
好ライブだ。
「Rain Song」では、メロトロンが不調だったのかローズが使用されている。
「幻惑」でBassのみだが、一瞬「Walters Walk」のリフが登場する。
「天国」も好演。
「ハートブレイカー〜胸」メドレーは、デトロイトと同じような展開で演奏されている。
ツアー終盤はゆったり目展開が旬だったのかな?
「Ocean」の間奏が…。ボンゾ、惜しい!
 
July 21
- Providence, Rhode Island
参考音源
:ON THE RHODE AGAIN
ソースの状態 :まあまあ良好オーディエンス / 少々カット箇所あり
オープニングの「R&R」間奏部分でジョーンズ氏が進行を見失い
全員、五里霧中状態に陥るが、すぐに復活
以降は、クールな演奏が最後まで続く。
特にジミーとプラントの復活振りは素晴らしく、
この年初頭のヨーロッパツアーを思わせるほどの好演だ。
前日のボストンにて、コンサート中に騒動が持ち上がったりしたので
少々気分を新たにした結果なのかもしれない。
この日も「丘の向こうに」終了後、プラントが
長々とオーディエンスを諌めている様子が収録されている。
「幻惑」は後半一部、端折ってる箇所があるものの
演奏自体の切れは抜群で、爽快なテイク。
「No Q」のインプロヴィゼイションも秀逸。
「天国」ソロは、サントラバージョンに近いフレージング。
「ハートブレイカー〜胸いっぱい」メドレーでも
緊張感の有るハイテンションな演奏が続く。
アンコール「オーシャン」もバシッと決まってカッコイイ。
残念ながら、この音源は
「No Q」「永遠の詩」「レインソング」「胸いっぱい」にカット箇所がある。
もし完全収録されていたなら
シアトルと並ぶアイテムになったかもしれない。
返す返すも残念だ。

July 27
- New York, New York
参考音源 :THE SAFECRACKERS SHOW
ソースの状態 :Sound Board
「幻惑」エンディング以降の、ステージ後半部分しかないので、
断定は出来ないが、映画に使用されたのは、主にこの日のものだろう。
その「幻惑」エンディングをはじめ、「天国」はギターソロ終了まで、
「胸」はフルで、映画と同一バージョンである事が確認できる。
おおむね好調ではあるが、さまざまな文献で明らかなように、
撮影に向けて、気負いが先にたち、若干空回りしている部分も見受けられる。
この日以前の好演を知っているだけに、これはちょっと残念。
ジミーに関しては、2週間ほとんど寝てなかった、という話もあるが
それにしても、5月頃とは随分違う。
特に、映画にコマ切れ収録されてしまった「ハートブレイカー」や
アンコールの「オーシャン」などに顕著で、共にボロボロ。
かなり消耗したツアーだった事は、演奏からも明らかだ。
サントラの他の収録曲に関しては、大ノリな感じが、
いかにも全米ツアー、って感じで楽しめる。
飛ばしたりしていない所が逆に、長年に渡って
多くの人々に聴き続けられて来た理由だろう。
派手な演奏は、すぐ飽きられてしまうものだ。
「天国」や「R&R〜」「NQ」、翌日の「永遠〜Rain」など、
サントラ・バージョンの方がオリジナルのような気がしてくるから凄い。
これを聴くと逆に、サントラのエディー・クレイマーのミックスが
どれほど素晴らしい仕事なのか判り、感心するが
そういったことに興味がないならば、無理に入手するほどでもないアイテムだろう。

July 28
- New York, New York
参考音源 :OUT FROM THE MOVIE
ソースの状態 :Real Stereo Sound Board
おおむね好調である。
73年はホントに、プラントの調子でライブの印象が全然違う。
撮影なので全力で歌っているのだろうが、
やはり毎回という訳には行かなかったのだろうか。
「永遠〜レイン」はフルで、「天国」はギターソロ終了後の歌からエンディングまで、
この日のものが映画に使用された。
特に「天国」の、その使われた部分など鳥肌が立つほどだ。
爆竹対策に苦慮したり、「ミスティ・マウンテン〜貴方を」で、
ベースペダルにノイズトラブルが発生したりして、
演奏が散漫になる部分があるが、気になるほどではない。
後半、ジミーに疲れが見えてくるうえ
弦が切れたりする(ハートブレイカ)など、冴えない部分も有る。
「胸」に一箇所カット有り。
「オーシャン」のBonzoのカウントが、どう入っていいのか判らなくて笑える
(何故か、この曲だけ別マスター音源。1箇所カット有り)。
サントラの別バージョンとして、十分楽しめる良品。
この日に限らず、73はホントにBonzoとJohn Paulが素晴らしく、
ノリやタイム感、キレなど抜群だ。
そういう要素と、ジミーの73年的ルーズさ、
プラントの声質や音域などがブレンドし、
他のツアーでは聴かれないような、73年独特の演奏となっているのだろう。

July 29
- New York, New York
参考音源 :THE GARDEN TAPES
ソースの状態 :Dimension Stereo
プラントのMCどおり、まさに
The Last Day Of The Last Tour に相応しい熱演。
NY-3日連続公演は、どれも甲乙つけがたいが、
どれか1日、と言えばこの日になるのではないだろうか。
それくらい、特別な雰囲気に満ちたコンサートだ。
全体に「永遠の詩サントラ」と、ほぼ同じテンションで演奏されており
前 2日間で、良い映像と演奏が録れた安心感からか、
よりリラックスした感じも加味されて、まさに逸品だ。
プラントのボーカルも好調で、中盤からハイトーンも冴え渡る。
「永遠〜レイン」は、サントラ(28日)に匹敵する名演。
かつて無いほど丁寧に歌い出された「天国」も素晴らしい。
「ハート〜胸」も豪快でカッコよく、集大成のような演奏。ジミーも大爆発。
「胸」エンディングでのボンゾのドラムソロ(この日だけ)も盛り上がる。
さらに同じく、最終日スペシャル、
ゴスペルのようなオルガンソロから「サンキュー」へと続き、クライマックス。
音質は少々悪いが、MSGのハコ鳴りや
オーディエンスもイイ感じで、じゅうぶん楽しめる。
この場所に居て、見てみたかったと思わせる素晴らしいライブだ。
ところどころ、サントラや映画でお馴染みのフレーズが
ひょっこり顔を出すところも、なんとも言えず嬉しい。
LAのような「お祭り騒ぎ」も良いが、
このような「普遍性」があったことも忘れてはならない。
ZEPの軌跡・第1楽章は、ここで終わる。


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