1977

April 3
- Oklahoma City, Oklahoma


参考音源 :FUCKING T.Y.
ソースの状態 :
オーディエンス / 要スピード調整 / R-ch 再生で音質向上

プラントの事故で 75年後半の活動は中止、以降の彼らは
レコーディングや、映画「永遠の詩」のプロモーション活動等に専念。
ライブ活動としては、このツアーが 2年ぶりとなる。

前年の「永遠の詩」封切りを受け、ツアーの選曲も
映画やサントラとは重ならないよう工夫されているようで
結果的に、他ではあまり見られない独自のソング・リストとなっている。
それまでのツアーと、最も異なると思われる点は
「名人芸披露スペクタクル・ショウ」となっていることだろう。
映画によって、それまでの活動に区切りがつき
ファン層の世代も入れ替わった。
情熱で新境地を切り開いて行く時代は終わり、
毎回同じことの繰り返しでも、やっていけるようになった。
ライブというもの自体、各自の唯一無二な名人芸を見せたり、
往年の名曲群を「ただ演奏する」ことでも、成り立つようになったのだ。
77年 USツアーは、ロック・ビジネス巨大化時代を
ある意味、最も象徴するものとも言える。

さて、この日はツアー二日目。
いつものような、ツアーに向けての
ウォーミングアップギグなどは行われていないようだが
この日などは、ある意味それに近いような雰囲気がある。
PAが落ち付かず、音が出たり出なかったりしており、
メンバーも惑わされているようである。
モニターシステムも、まともに働いていないのか
ジミーのソロにも、とんでもなくキーを外している部分があったりする。

新たなるオープニングは「永遠の詩」。
ここから「The Rover」のイントロを経て「Sick Again」へと続く。
そして新曲「俺の罪」が、ここで登場。
久々の、プラントのハーププレイに、オーディエンスが盛り上がる。
まさに後期という感じで、ゾクゾクする展開だが
残念ながら、この音源はオープニングから
この辺まで、音が遠く不安定で、けっこう聴きづらい。
録音している人物が、良い場所を探して移動してるものと思われる。
この曲以降、終了までは、何とか普通に聴ける。

「死にかけて」の中間部に珍しいブレイクが有るが
その後、お約束の五里霧中状態に、さっそく突入。
何とか強引に戻っている。
「貴方を愛しつづけて」が、正規メニューとしては
73年 USツアー以来、久々の復活。
ジミーのソロには「一人でお茶を」のフレーズがチラッと登場。
当ツアー独自の渋いアレンジだ。
「No Q」では、ジョーンズ氏のソロコーナーが拡張。
この日は 8 beat やクラシック風インプロが披露されている。
ジョーンズ氏は、グランドに替わり新たに CP70を使用。
その独特の響きは、新たな彩りを添えることとなった。

「Ten Years Gone」も、当ツアーで初登場。
ジョーンズ氏が Bassペダルと A. Guitarを併用。
ジミーは、新たなテレキャスを使用している。
ソロの構成を忘れている様で、かなりとっ散らかるが
他の部分は、初演 2度目にしては、なかなかの好演だ。

アールズコートでの好評に気を良くしたのか
アコースティック・セットが USでも久々に復活。
この日の演奏は、当時の雰囲気がまだ若干残っており
中止となった 75年後半ツアーの姿が
なんとなく想像できるようなものとなっている。
この辺は、ツアー進行と共に変化して行く部分で
なかなか興味深いところだ。
「限りなき戦い」は当ツアー初登場。
サンディ・デニーの掛け合い部分は、なんとジョーンズ氏が担当。
ヘナヘナなボーカルが笑える。
「Black Country Woman」も 72年シアトル以来の復活。
「スノウドニアの小屋」へのメドレーとなっている。
全員、実に楽しそうだ。

「White Summer」も 70年以来の復活。
「Black Mountain Side」から
「Kashmir」への直結スタイルは当ツアーで初登場。
これは、初めて聴いた人には、感動ものの展開だろう。
ボンゾのソロは「Out On The Tiles」リフから始まり
「Moby Dick」で終るもの。「Over The Top」と呼ばれている。

レパートリーから「幻惑」が落とされたので、替わりに
ジミーのソロコーナーが設けられ、ギターシンセのような効果音や
弓弾きパフォーマンスが、ここで披露されている。
実際に見ているならともかく、音だけでは正直、ちょっとキツイ部分だ。
まだ二日目なので構成が決まっておらず
ボンゾが「幻惑」のパターンをプレイし始めたりしている。
ここから新曲「アキレス最後の戦い」へと直結。
ジミーのキー外れソロは、この曲がいちばんヒドイ。
それにしても、この曲をライブ演奏するのは
かなりの覚悟が必要だったと思うが、よく実現できたと思う。
出来映えはともかく(笑)、この意欲は素直に感動できるものだ。
アンコールは「R&R」と
米国で人気の「Trampled Underfoot」 。
しばらくこのパターンが続く。

当ツアーにおけるプラントの復活ぶりは
なかなかグッと来るものがある。
以前のようなハイトーンが蘇ったわけではないが
開き直ったのか、堂々とした歌唱で安心して聴けるのだ。
稀有な体験をして、感覚も変わったのかもしれない。







April 6
- Chicago, Illinois


参考音源 :THE MISSING NIGHT IN CHICAGO
ソースの状態 :
オーディエンス / 音質はまあまあ

シカゴにおける 4日間公演の初日。
いきなり、オープニング前から爆竹が炸裂、
プラントが注意をしているのが笑える。

ツアーにも慣れてきたようで
多少とっ散らかる部分もあるものの
全体的には、そこそこアツイ演奏が聴ける。
ただ、テープ走行不良箇所が多く、
残念ながら、あまり落ちついて聴ける音源ではない。

「No Q」インプロはハードロック風の展開。
全員楽しそうである。
「Ten Years Gone」もまとまってきている。
ジミーのソロは、まだちょっと練習中といった感じだ。
アコースティック・セットでも楽しそうで
「黒い田舎の女」の前では、ジミーが喋ったりしている。

「White Summer」メドレーでは、
何故かギターのチューニングが徐々に狂い出し
途中で何度も修正するハメに陥っている。
続く「Kashmir」も少々乱れ気味。
「Over The Top」のリフもメロメロで笑える。
「アキレス」でのジミーも、まだ少々苦しいようだ。
アンコール「R&R」の間奏部分では
ボンゾが進行を勘違い、妙な場所でブレイクを入れている。
「Trampled」は激しいテイクで、なかなか燃える。

ジミー以外のメンバーは、ほぼ本調子で、
あとは彼の「復活」を待つだけ、といった様子である。
その日は果たしてやって来るのか?(笑)







April 27
- Cleveland, Ohio


参考音源 :デストロイヤー(アナログ / CD各種)
ソースの状態 :
良質サウンドボード

超有名音源である。
この音源は、高音質のサウンドボード音源で
後期の楽曲群をライブで聴いたのは、初めてだったというのも相俟って
私にとっては、長年に渡りバイブルとなった(もちろんアナログ時代)。

ツアーにも慣れて来たのか、リラックスした様子が伝わってくる。
メンバー全員、特にアコースティックセットなどで
とても愉しそうなのが印象的だ。
プラントも、腹筋が鍛えられたのかどうか知らないが
高音域不足を意識させない、堂に入った歌いっぷりで好感が持てる。
ボンゾは相変わらず切れまくりで笑えるし
「天国」のフェイント・ブレイクも面白い。

素晴らしく絶好調という程でもないし、ジミー的には
笑えるネタ満載の感もあるが、全体としては楽しめるライブであり
人々に長年聴き継がれてきたのも理解できる。
特に、プラントとボンゾの元気さは特筆すべきものである。

「永遠の詩」と「R&R」がフェイドインなのは残念だが
「BBC」「サントラ」「Tour Over Europe」などと共に
「まず、ここから始めてみよう」的入門編定番アイテムだろう。






April 28
- Cleveland, Ohio


参考音源 :デストロイヤー(アナログ / CD)
ソースの状態 :良質オーディエンス


これも有名音源の、オーディエンス版「デストロイヤー」だ。
音響音圧で言えば、これは
全ライブ音源の中でも、上位を争そう素晴らしいものだろう。
カットが多少あるのが残念。

フロントの二名は、初日より疲れ気味である。
「死にかけて」は少々とっ散らかる。
「No Quarter」はナットロッカー入り。愉しそうだ。
「Black Country Woman」の前で、プラントが
しきりに「Dancing Days」を口ずさんでいる。
演りたいのに誰も乗って来ないのか?
ホワイトサマー・メドレーには、ファームで発表された
「ミッドナイト・ムーンライト」が含まれている。
是非この4名で発表して欲しかった。
現在この曲は、世の中に存在していないも同然の扱いを受けている。
残念だ。

「Over The Top」はノーカット収録。この日もボンゾは乗リまくり。
「天国」や「R&R」でも切れまくり。
このツアーは、ボンゾで持っていたと言っても良いくらいだ。
彼のエネルギーに引っ張られて
他メンバーもなんとか頑張ったのではないだろうか。
だが、そのバランスの悪さが
ツアー中盤以降の横暴さにも繋がっているような気がする。






April 30
- Pontiac, Michigan


参考音源 :Hot Rods in Pontiac
ソースの状態 :要スピード調整 / 音が遠く聴き辛い / R-ch再生で多少向上


この日は、空前の観客動員があったことで有名で
その数は約 76,000人と言われている。
演奏のほうも、それに見合うもので
全体的に、なかなかの好演が繰り広げられている。
ただし、音のほうは、正に「ドームの音」。
楽しめないわけではないが、ちょっと慣れないと辛いかもしれない。
「Moby Dick」の後半部分が未収録だが
それを除くと、概ね完全収録。

オーディエンスの態度に問題があったようで
プラントが何度も、落ちつくよう、注意を促している。
「俺の罪」のイントロでは、オーディエンスが激しく盛り上がる。
初物が多いツアーであるが、どの日も
この部分と「限りなき戦い」イントロでの歓声が、特に凄い。
何度聴いても、グッと来る部分だ。
「死にかけて」中間部では、相変わらず
リフへの戻り部分でボンゾが間違えている。
75年からのコンサートでは、この部分のミスが最も多く、
成功してる日のほうが少ないのでは?と訝るほど、よく聴かれる。
当ツアー中盤以降、この曲は
「丘の向こうに」と差し替えられてしまうが
プラントの心情だけではなく、こうした面も一因だったのかもしれない。
エンディングに「You Shook Me」のアドリブ付き。
「No Q」ピアノソロはマイナー風の展開。
その後 R&R ジャムのようになり、通常スタイルに戻る。
「Ten Years Gone」はサクッと好演。
「Going To California」では、爆竹が何度も連続して炸裂。
アコースティック曲に対しての抗議行動ともとれるが
それにしても、これは、かなりヒドイ。よく演奏が中断しなかったものだ。
「Kashmir」はスカッと快演。
「天国」では、再び爆竹が連続して炸裂。
どことなくクールダウンした感じとなっている。

この日を以って、ツアー前期日程は終了。
2週間の休暇の後、いよいよお楽しみの中期日程に突入する。






May 18
- Birmingham, Alabama


参考音源 :Out Of The Way
ソースの状態 :
曲中での録音中断が数ヶ所あり

中期日程の初日。
この日のコンサートは、竣工した新ホールの
こけら落としとして催されたものだということである。
彼らにとっては、休み明けとなったわけだが
珍しく(?)そこそこ元気で、全体的に
引き締まり気味の快活なライブとなっている。
ジミーの調子は 77年としては普通だろう。

「死にかけて」は、ボンゾの繰り出すビートの歯切れが良く
プラントやジミーのフェイクも冴え、なかなかの好演。
「No Q」でのインプロは、ハードロック風 8 Beatで展開。
こういった、いわゆる普通の演奏というのは
後期の Zepでは、あまり聴かれないので興味深い。

「Ten Years Gone」では、有名な
ジョーンズ氏のスリーネック・ギターが初登場。
この日は初日ということで、準備に手間取っており
ジミーも、一旦イントロを弾き始めて止めたりしている。
気が散ったのか、間奏でのジミーは乱れ気味。

「White Summer 〜 Kashmir」も気合の入った演奏で
そのスペクタブルぶりを是非見てみたかった、と思わせるもの。
独演コーナでのジミーも「ディキシー」を演奏するなど
ご機嫌そうだが、「アキレス」に突入すると
疲労してしまったのか、かなり乱れ気味になってしまう。
「天国」は普通である。
アンコールは「R&R」のみの収録。

録音中断やフェード処理部分が数ヶ所あるが
演奏自体の欠落はそれほど無い、という不思議な音源だ。
マスターとコピーのテープの長さが異なっていたのかもしれない。
会場の鳴りが、割と綺麗に収められており
77年当時の Rock Show というものの雰囲気がよく判る。







May 22
- Fort Worth, Texas


参考音源 :It'll Be Zep
ソースの状態 :
若干スピード調整が必要 / ムラがあるがまあまあ良質

一部欠けてる箇所もあるものの、
ツアー前半では、楽しめるライブのひとつだ。

この日の「死にかけて」のイントロで演奏が中断し
また始めからやり直すのは有名なエピソード。
ギターのフランジャーを外し忘れたようだ。
それにしても中断することはないのに、とも思うが
その辺がまた、ジミーらしい。
エンディング付近でも、ボンゾが拍を勘違い
ジミーが戻るタイミングを計っている。
これ以降は一気に引き締まり、好演奏が続く。

「貴方を愛しつづけて」では、ゴングのような音が聞こえる。
「No Q」は「ナットロッカー」入り。
ほぼ同時期、キース・エマーソンも全米をツアー中で
CPを使用し、同曲を演奏していたのだが
両者の因果関係には、大いに興味があるところだ。

「Ten Years Gone」もなかなか情感的で良い感じだが
残念ながら、ソロ途中でカットされてしまう。
「限りなき戦い」は未収録。
「Black Coutry 〜 小屋」メドレーもスカッと快演。
「White Summer」も、丁寧な演奏で好感が持てる。
「Kashmir」でギターのチューニングが多少ずれてくるのが残念。
ジミー独演は、この日も「ディキシー」入り。
オーディエンスが沸いている。
「アキレス」イントロでも、チューニングが少々狂っているが
本編の演奏は、そこそこ気合の入ったもの。
「天国」もツアー中、ここまでのベストテイクのひとつ。
ソロで、一旦終了フレーズに行きながら、思い出したように
再びマンドリン奏法に戻る部分は、なかなか笑える。

アンコールは「胸いっぱい」が当ツアー初登場。
まだ「R&R」導入部扱いで、ほんのワンコーラスほどの演奏だが
オーディエンスが盛り上がるのは、なんとも言えず感動する。
「R&R」イントロの、ボンゾの焦らし作戦も笑える。

この日は更に、特別アンコールとして、ゲストに
ミック・ラルフスを迎え「It'll Be Me」が演奏されている。
ジョーンズ氏がピアノ、リズムのキメなどもバッチリで
練習したのか?と思わせるほどだ。
それくらい、慣れ親しんだ旧知の曲と言うことなのだろう。
聴いてて嬉しくなるテイクである。







May 26
- Landover, Maryland


参考音源 :WHOLE LOTTA LANDOVER
ソースの状態 :
要スピード調整 / あまり良い音質とは言えない

首都近郊、ランドーヴァーにおける 4日間公演の 2日目。

この音源は「永遠の詩」と「The Rover」の間で
数秒ほど、妙な欠落箇所がある。
音から推測すると、音源所有者が
誤って上書きしてしまったものだと思われるが、
笑えるような、笑えないような…なんとも言えない情けない気分である。
ちなみに、新たな上書きの音は、ボンゾを紹介するプラントの MC。

「死にかけて」ではボンゾが冴えている。
「No Q」中間ジャム部分は、ハード・ブギー風。
なかなかカッコイイ。
この日は珍しく「Black Country Woman」の前に
「Dancing Days」がワンコーラスほど付け加えられている。
演奏には全員が参加、なかなか楽しそうである。

「Kashmir」は雄大な演奏で燃えるが
この辺からボンゾがキレ始め
激しいフィルを炸裂させて進行を乱したりしている。
続く「Over The Top 〜 Moby Dick」でも
「クランジ」のリズムパターンが登場したり
更に、エンディングでは「Levee Breaks」や
「胸いっぱい」のパターンが飛び出すなど、大ノリ。
「アキレス」でもイントロで勇み足、入りの箇所を大きく誤っているが
オーディエンスは盛り上がっており、それほど気にはしていないようだ。
「天国」でも、場違いなフィルを繰り出すなど、乱しがち。
アンコールは「Communication」風リフから「胸いっぱい」へ。
復活 3日目なので、まだ新鮮のようだ。
そのままメドレーで「R&R」へ続いている。

楽しいスペクタクル・ショウ、といった感じだが
ボンゾには、ツアー後半で、より顕著となる
おむずかり現象が、既にプレイに顕われている。
アンサンブルを乱すプレイは、果たしてどうか?とも思うが
逆に言えば「孤軍奮闘」という見方も出来る。
ツアーが開始されて既に 2ヶ月。
彼一人で背負うには Zepの名は重すぎたのかもしれない。






May 30
- Landover, Maryland


参考音源 :THE DESTROYER III
ソースの状態 :
要スピード調整 / 途中からまあまあ良質オーディエンス

首都近郊ランドーヴァーにおける 4日間公演最終日。

オープニングの「永遠の詩」は少々汚い音だが
2曲目以降ソースが変わり、徐々に聴きやすいものとなってくる。
全体的に Bassが大きく、迫力のある音源である。

「俺の罪」のブレイクや「死にかけて」の例の箇所で乱れるなど
ボンゾには不調気味な様子も、若干みられるが
全体的には、なかなかの好演で、特にジミーに関しては
久々に正気に戻ったような、積極性のあるプレイが聴ける。
後半で、ボンゾが乱しているのも前回同様なのだが
この日のジミーは惑わされることなく、ちゃんと仕切って締めている。
首都ということで、大使館関連の催しがあったらしく
そういったことも緊張感のある演奏ぶりに繋がっている要素かもしれない。

「貴方を愛しつづけて」エンディングでボンゾが
フィルを引き伸ばし、Drumソロのようになっている。
「No Q」のジョーンズ氏のインプロは、なかなかの熱演。
様々な要素が持ち込まれており、集大成のようなソロが聴ける。
彼のピアノプレイは、エッジの効いたものではないが
そこがまた Zepにおいては、清涼剤的で心地よく響き
さほど邪魔にもならずサロン的で、ちょうど良い。
ジョーンズ氏のソロの後、インプロは R&R風に展開、
一旦通常に戻ったあと、シャッフルになって終る。
ワンコーラス目にカットがあるのが残念だが、好テイクだ。

「Ten Years Gone」でもボンゾは乱しているが
正気のジミーは意に介さず進む。ソロも情感的。
その後もステージは滞りなくスカッと進行する。
この辺がライブというより「ショウ」という感じで興味深い。
「Over The Top」は Timpaniソロ途中でフェイドアウト。

「アキレス」でのジミーも熱く、かなりグッと来る。
続く「天国」も展開をしっかり把握、ソロもグイグイ突き進む。
ツアー随一か、と思われるほどの熱演だ。
アンコール「胸いっぱい」も焦らさず、いきなりリフ。
「R&R」ラストでは、プラントが
「Lonely, Lonely」と何度も繰り返しユニゾン、
ボンゾのソロの隙間がなくなり、全員で狂熱のエンディング。
最後にジミーがスカッと決める。カッコイイ。

こういう日こそ「ビデオ発売」して欲しい、と思わせる逸品。






June 3
- Tampa, Florida


参考音源 :FUCKING T.Y.
ソースの状態 :
オーディエンス

大雨により 3曲目で中止されてしまったという有名な公演。
勢いのある演奏で、バランスも良く
実に期待させるライブなのだが、そういう事情なので
残念ながら、オープニングから「俺の罪」までしかないのだ。
ここまでは実に気合の入った熱演となっており
コンサート中断は、ホントに惜しい。

「俺の罪」における、メンバーやオーディエンスの
慌てっぷりが、なかなか笑える。







June 7
- New York, New York


参考音源 :BACK TO THE GARDEN
ソースの状態 :
音質はまあまあ / 片ch再生で向上 / 若干走行不良あり

いよいよ待望の NY公演初日。
特に気負いもなく、標準的な 77年のステージである。

「No Q」インプロでは「ナット・ロッカー」が登場。
この曲にカット箇所あり。
プラントが MC で注意していたにもかかわらず
アコースティックセットでは、爆竹が炸裂。
プラントが「ローハイド」のテーマを歌うと
すかさず大きいのが一発、なかなか笑える。
「Black Country Woman」にカット箇所あり。
「Kashmir」では、張り切り過ぎのボンゾに
他メンバーが幻惑、五里霧中状態に陥ってしまう。
何とか戻れるが、ちょっと気まずい場面だ。
ジミーの独演のあと「アキレス」が始まる部分で
オーディエンスが沸くのは、なんとも言えず感動する。
なかなか気合の入った演奏だが、
残念ながら、この曲に走行不良箇所がある。

アンコールからは、音が遠くなり聴きづらくなる。
「R&R」後半、プラントの勘違いで
進行が乱れ、しばらくジャム風な演奏となる。
ジミーがソロを取った後、切りの良いところでエンディング。
75年以前のライブのようで、これはなかなか楽しい。







June 8
- New York, New York


参考音源 :SECOND NIGHT IN THE GARDEN
ソースの状態 :
要スピード修正 / 少々ステージから遠い / L-ch再生で少し向上

NY公演 2日目。
ジミー&プラントには多少疲れが見えるが、概ね好調。
ボンゾは相変わらず爆裂で、かっ飛ばしている。
乗っけから「永遠の詩」での、シンコペーション・ドラミングが炸裂。
この日の「No Q」中間部は、クラシカル風から一瞬ジャズ風になり
R&Rセッションへと展開、その後シャッフルになり
それから、改めてオリジナル通りの展開となるという大盤振る舞い。
エンディングが多少ばらばらになってしまうのは残念だが、
なかなか好バージョンだろう。
「カリフォルニア」の前で、プラントが「ギャロウズ・ポウル」を口ずさんでいる。
ジミー独演は「星条旗」入り。
この音源はアキレス後半にカット箇所がある。
「天国」のソロ途中で、ギターの音が消えてしまい
しばらくジョーンズ氏のピアノソロになる部分がある。
アンコール、
ロカビリー風セッションが行われる素振りを一瞬見せた後
すぐに「胸いっぱい」〜「R&R」へ。無事終了。

いつも 77年全米ツアー音源を聴いて感じることだが
ステージ中盤以降(Kashmir終了後)の流れが少々キツイ。
全体としても、殆ど自由なアドリブなど
動ける箇所がなく、規制が多いように感じる。
この歪みがツアー後半に現れるのも必然だったかもしれない。







June 10
- New York, New York


参考音源 :Rock'n'Roll Circus
ソースの状態 :
まあまあ良質オーディエンス / 笛吹き野郎が喧しい

一日休みを挟み、NY公演の 3日目。
調子が上がって来ており、
全体的にスカッとした演奏が聴ける。

4曲目「死にかけて」の替わりに
「丘の向こうに」が、当ツアー初登場。
2年ぶりの演奏となったこの日は、多少乱れる箇所もあるものの
ジョーンズ氏もジミーも弾きまくりで、なかなかの炸裂バージョンだ。

「No Q」インプロはロックンロール調。楽しそうで笑える。
インプロ直前に一瞬カット箇所あり。
「限りなき戦い」は、相変わらずの盛大な歓声で
思わずグッと来る場面だ。
MCでは珍しく、プラントがジョーンズ氏をからかっている。
「スノウドニアの小屋」ソロで「Dancing Days」のリフが登場。
「White Summer 〜 Kashmir」は、
ツアー随一かと思うほどの大スペクタクル・バージョン。

この日は大盤振る舞いで、「Moby Dick」の後
これも 2年ぶりとなる「Heartbreaker」が当ツアー初登場。
ジミーのギターが炸裂しており、爆裂バージョンとなっている。
「アキレス」後半から「天国」にかけてのジミーは、
多少疲れを感じさせる部分もあるが、なんとかやり通している。
ギターソロは情感的で、なかなかの熱演。
アンコールは「胸いっぱい 〜 R&R」。
残念ながら、ギターソロ途中までの収録。

スタンドプレイもオフザケもない。
久々に 4人のガッチリ噛み合ったプレイが楽しめる逸品。







June 13
- New York, New York


参考音源 :OVER THE GARDEN
ソースの状態 :
多少ステージから遠い / 低音ブーストで音質向上

休日を挟んで NY 5日目。
録音された場所が悪かったのか
開始直後は音が遠く、ちょっと聴きづらいが
3曲目以降は回復し、まあまあ楽しめるようになる。

この日のメンバーは、リラックスしており
全体的に、どこか楽しそうなのが印象的である。
「丘の向こうに」でのプラントは、なんと
驚くべきことにオリジナル・メロディで歌おうとしている。
ちょっとフラット気味で、苦しそうだが
その意欲には感心させられる。
ジミーのソロも炸裂。
次の「貴方を愛しつづけて」では、声帯が疲労したのか
オープニング・ラインで声が裏返り、咳払いなどをしている。
「No Q」インプロは R&Rジャム風。
一瞬カットがあるのが残念だが、なかなかカッコイイ。
ジョーンズ氏も「煙突屋のテーマ」を弾くなど、終始ご機嫌だ。

「Ten Years Gone」では、爆竹が炸裂。
後半部に、接続不良と思われる音切れなどもある。
良い演奏なので、これはちょっと残念。
「Going To California」高音部のプラントはバッチリ。
この嬉しいハイトーン復活に、オーディエンスも沸いている。
「スノウドニア」ギターソロでは、この日も
「Dancing Days」のリフが一瞬登場。
この曲にもカット箇所あり。
「Kashmir」は、ギターのチューニングが少々ずれているものの
演奏そのものは、なかなかの熱演。
「Over The Top」にカットあり。
その後「Heartbreaker」を演奏。この日は復活 3日目である。
この曲も途中でカットがあり、音質も変化している。
「天国」は、ボンゾが進行を勘違い
中間部がワンコーラス分、そっくり抜け落ちてしまう。
その所為か、ジミーのソロが長めでアツイ。
この日に限らないが、何かトラブルがあると気が引き締まるようだ。

アンコールは「胸いっぱい」から
当ツアーでは珍しい「Black Dog」へ。
導入リフは付けられておらず
「胸」セクション終了後、そのままプラントが歌い出している。
カットがあるのが残念だが、それでも
「77年版 Black Dog」は、ある意味貴重かもしれない。







June 14
- New York, New York


参考音源 :オーディエンス録音テープ(コピー)
ソースの状態 :
まあまあ良質オーディエンス

NY最終日。
Zepにとっての MSG最終公演でもある。

最終日ということを意識したのか、
どことなく、力が入っているような印象を受ける。
特にジミーのプレイに、少々固さが見られるような気がする。
リズムセクション 2名は相変わらず仕事師のようなプレイ。

「丘の向こうに」のイントロ前には「Thank You」を思わせるような
魅力的なパッセージが付けられている。
プラントは前日に引き続き、オリジナルメロディで歌おうと試みるが
この日はまったくキーが上がらず、前半はヘロヘロ。
後半は、従来のフェイク・メロディに戻している。

「No Q」ソロでは、なんとジョーンズ氏が「さくら」を演奏。
何か、日本に因んだ催しでもあったのだろうか?
その後爆竹が炸裂し、一瞬会場が沸いたあと
インプロは R&Rジャム風に展開。ジミーも弾きまくっている。
通常インプロ後半では「DRAW THE LINE」風フレーズも登場。
気分は上々のようだが
「Ten Years Gone」ではソロが乱れてしまうなど
依然、固さが多少感じられるプレイぶり。

アコースティックセット「限りなき戦い」が始まる前に
プラントが「Gallows Pole」のフレーズを口ずさみ、受けている。
「Going To California」でのプラントは、この日もオリジナルハイトーン。
ここでもオーディエンスが沸いており、思わずグッと来る場面だ。
「スノウドニアの小屋」ソロには「Dancing Days」に加えて
往年の「That's The Way」イントロ風パッセージも一瞬登場。
ますます楽しめるものとなってきている。
「White Summer〜Kashmir」は77年の平均的演奏だ。

この音源は「Over The Top」途中までの収録。







June 19
- San Diego, California


参考音源 :California Mystery Train
ソースの状態 :
記憶なし

有名な「腹痛ボンゾ」アイテムである。
4日間の休暇の間に、いったい何があったのか?
…そう訝るほどの酩酊プレイぶりであった。
結局私も、あまりの内容に
入手後ほどなく手放してしまった。
77年のライブはどれも殆ど同じ、ということもあって
今、思い返してみても
それほど惜しいという気もしない。







June 21
- Inglewood, California


参考音源 :Listen To This Eddie各種(Definitive Version は編集完全版)
ソースの状態 :
良質オーディエンス(ステージから若干遠め)

LA 6日間公演初日。
「Sick Again」の出だしがコケる部分(シールドが抜けた?)と
「Ten Years Gone」に一部カットがある(テープの問題)以外は
ほぼ全体的に完璧に近いアイテムである。
それほど、この日のライブは唯一無二のものなのであり
特に1973年以降では、これ程のハイ・テンションのライブは
他に存在しない、と言い切っても良いほどだ。

いったい、何故そうなったのか?
理由は、前々日サンディエゴ公演でのボンゾのプレイにある。
その日ボンゾは食当たりを起こし、酩酊状態のような演奏を行った。
その反省と回復の嬉しさ(?)に LAという土地柄も重なり
この日の爆裂プレイになったと思われる。
だが、もう1つの奇跡は、そのボンゾ爆裂の日に、
他のメンバーも、彼に着いて行けるコンディションに在ったことである。
このような条件が運命的に重なり、特別なコンサートとなったのだ。
毎回、これ程の演奏が出来ていたわけではなく
後にも先にも、この異様なハイ・テンションは
この日限りのものなのである。

唯一問題点を指摘するとすれば、そこだろう。
後期特有のまったりとしたノリが全く楽しめないのは
はたして如何なものだろうか?
ず〜っとキレっぱなしなので、逆に、全体的に平坦な印象を受ける。
これはジミーの、グルーヴ・クリエイターとしての影響力が薄れ
他メンバー(例えばこの日はボンゾ)の発言力が増し
Band内の力関係が変化したことを、顕わしているとも言える。
ライブに於ける全てのグルーヴを生み出していたのはジミーであり
それをボンゾが受け取り、命を吹き込み、ドライヴさせてゆく…
それこそが「基本的 Zep スタイル」だ、と私は考えているのだが
ここでの演奏は、その力関係が全く入れ替わっている。
裏を返せば、フロントの二名がパワーダウンしていても
ボンゾのお陰で Zepは、その攻撃性を失うことなく
何とか現役時代をまっとう出来た、とも言えるのだが。
いずれにせよ、この日のライブは、あくまで
「この日限定」として捉えるべきものだろうと思われる。
切れたボンゾに全員が付いて行った「奇蹟の1日」なのだ。

ボンゾの為のボンゾによる Zep。
世界中のすべてのボンゾ・ファンに贈られたスーパーアイテム。






June 22
- Inglewood, California


参考音源 :TIME TRAVELLER
ソースの状態 :
オーディエンス(悪くもないが、あまり良いとも言えない)

連続 2日目。
オープニング「永遠の詩」で、かなりとっ散らかるが
なんとか勢いで乗り切り、以降は最後まで
そこそこ好演が続いている。
ジミーは飛ばし気味で、激しく炸裂する場面などもある。
何かとトラブルが多かったことも、無関係とは言えないだろう。
ボンゾは普通に戻っている。

「死にかけて」エンディングには「You Shook Me」に続いて
通常より長めのブルーズ・セクションが付加されている。
ジミーのスライドやプラントのアドリブがカッコ良く決まっており
往年の「胸いっぱい・メドレー」を思い起こされるものだ。
「スノウドニアの小屋」中間部では、ギターにトラブルが発生したようで
しばらくジミーを除く 3名のみの演奏となる箇所がある。
この曲における、ジョーンズ氏の Bassソロコーナーは
このトラブルにヒントを得て、挿入されるようになったのかもしれない。
しばらくしてギターが復活、ジミーはプレイを再開するが
チューニングが曲に合っておらず、ソロを弾きながら直している。

この日は珍しく「Over The Top」の後に「丘の向こうに」を演奏。
ここでのジミーは、飛ばしているというよりは
ヤケクソ気味なのが面白い。音量もデカそうである。
「アキレス」ではソロ直前に、ギターの音が一瞬消えたりしているが
演奏自体は、なかなか熱いテイク。
「天国」中盤で、今度はダブルネック 12弦部の弦切れ発生。
ジミーは 6弦の方へシフトし、そのままギターソロ突入。
通常演奏されている、持ち替え準備用の 4小節スペースが
結果的に必要なくなり(既に 6弦側にシフトしている為)、
スタジオバージョン同様、いきなりソロに入っている。
ここでのソロも炸裂気味。
アンコール「R&R〜胸」も激しい演奏で楽しい。

近くの観客が一緒に歌っていたりして、いささか興ざめの箇所もある。
騒いでるのは、個人的にはさほど気にならないのだが
大声で唱和されるのは、さすがにちょっと…(しかも間違えてるし)。

「Ten Years Gone」は前日のテイクなので注意。
もっとも、ノーカット完全版(EDDIEの補填用に使われた別音源)なので
これはこれで、貴重テイクではある。






June 23
- Inglewood, California


参考音源 :FOR BADGEHOLDERS ONLY (アナログ / CD)
ソースの状態 :
良質オーディエンス(ステージに近め) / 要スピード調整

連続 3日目。
この日の音源は、昔から有名なアナログのものと
CDに使用されているもの(幾つか有り)がある。
CD版は前半が不安定な音で、ちょっと聴きづらい。
アナログ版は、いくつかの曲が途中収録となっているものの
音質自体は、はるかに聴きやすく、また
「Ten Years Gone」のノーカット収録!という
素晴らしいポイントがあるので
ここは是非とも入手し、聴いて欲しいところだ。

この日は何故か「永遠の詩」のあと間が開き、
プラントの MC があってから、改めて「Sick Again」に入っている。
アナログ版は、このMC部分からの収録。
「貴方を愛しつづけて」から CD版はソースが変わり
落ち着いて聴きやすくなる。同曲に一瞬カット箇所あり。

「Ten Years Gone」でのジミーは、なかなか熱演。
当ツアー・ベストテイクのひとつに違いない。
残念ながら CD版は、この曲にも一瞬カットあり。

ボンゾがハシャギまくりで、終始いろんな音を出しており
プラントが「喧しい!」と注意したりしている。
「スノウドニアの小屋」にも 2〜3箇所カットあり。
このCD音源は、このような細切れカットが多少目立つが
テープ切れというよりは、走行系トラブルのような印象を受ける。
他の箇所でも、音がフラフラ揺れたりしている部分があり、
安定走行していない様子が窺える。
「Kashmir」では、ジョーンズ氏がミドルに行き損ね、それをきっかけに
全員「五里霧中状態」に陥ってしまう、という珍事が勃発。
かなり長い間、戻れず漂流しており、なかなか緊張する場面だ。
この後、久々に「Trampled Underfoot」が演奏されている。

この日の「Over The Top〜Moby Dick」に
The Who のキース・ムーンが参加するのは有名。
ボンゾのソロが始まった直後に妙なアナウンスがあり
その後ソロ途中で登場、ボンゾの演奏に加わっている。
「アキレス」は、アツイ演奏。
「Ten Years」と共に、ツアー・ベストテイクのひとつだろう。
アナログ版の同曲はエンディング間際でフェイドアウト。

「天国」ではボンゾが大はしゃぎ。
ここでも、ジミーというタガが外れて
やりたい放題のボンゾを聴くことが出来る。
笑えるプレイもあるが、やり過ぎな感も否めない。
以前は、このようなエネルギーは「幻惑」で発散できた。
カッチリ構成の決まったレパートリーばかりでは、このように
曲中で暴れる以外、バリエーションの方法がないのだ。

アンコール前で再びキース・ムーンが登場。
長々と喋りつづけ、プラントに遮られている。

LA祭り続行中という感じではあるが
祭りが永遠に続くわけではない。
ここでのボンゾの過剰なハシャギぶりは
ツアー後半のトラブルを、どこか想像させるものでもある。







June 25
- Inglewood, California


参考音源 :BURSTING NIGHT
ソースの状態 :良質オーディエンス / 要スピード調整


一日休みを挟んで LA 4日目。
休み明けで、通常の状態に戻っており
いかにも 77年の平均的ステージ、という感じである。

「Sick Again」エンディングでのジミーの拍がずれている。
この日は「死にかけて」の日。
エンディングでプラントは、RIP IT UP(リトルリチャード)の
ヴォーカルアドリブを加え、一瞬セッション風な展開になる。
だが、あえなくそのままクールダウン。
「No Quarter」のインプロ部分は盛り上がっている。
少々荒いがジミーも弾きまくっている。
一転「Ten Years Gone」は、間奏で迷いが生じ
ソロが乱れ、今にも止まりそうな演奏となっている。
その所為か、続くアコースティックセットも
どことなくクール・ダウンした感じ。
プラントはこの日も好調で、カリフォルニアの高音域も完璧だ。
後半からは徐々に調子が出てきたようで
「Kashmir」 は、そこそこ好演。
「天国」も、ボンゾが大人しいので
結果的に聴きやすいものとなっている。

アンコールでは珍しく、ファンキーなジミーのフレーズから始まるが
誰も付いて来れず、あえなくそのまま「胸いっぱい」に突入。
「Communication Breakdown」へとメドレー展開し
「ロサンゼルス」サントラ風スロウ・ファンク展開となり終了。







June 26
- Inglewood, California


参考音源 :IT'LL BE ME
ソースの状態 :音質はまあまあ / 要スピード調整


いよいよ 5日目。
全体的に好演が繰り広げられており
危なげない、仕事人のようなライブとなっている。

オープニング「永遠の詩」は少々音が悪いが
同曲の途中から、少しだけマシなソースに変わり
その後は最後まで、まあまあな音質で聴ける。
この日は「丘の向こうに」の日。
相変わらずジミーが炸裂している。
この日以降、同曲がレギュラーとなり
「死にかけて」は演奏されなくなったようだ。
「No Q」で一瞬カット箇所あり。
ジョーンズ氏のソロも、場当たり的な感じはせず
まとまっていて聴きやすい。
全員のインプロも熱く、なかなかの好演。

「Black Country Woman」の前で
プラントが「That's Alright」を歌い出し、そのまま曲に突入。
77年ツアーでは、この辺が唯一遊べるコーナーで
日によって様々なアドリブが聴けるのだが
演奏されるのが、殆ど Old Blues か Sun Record系である。
往年の R&Rメドレーがレパートリーから消えて
既に数年が過ぎているが、実際のところは大好きで
いつでも演りたいのだろうな、と思う。
だが、もしそのまま演リ続けてたとしたら、多分
Zepの「後期」というものが存在しなかったと思うのだ。
その辺の葛藤が、垣間見れるような気がするのも
当ツアー、アコースティックセットの面白いところだろう。

この日も「Kashmir」中間部で、ヒヤリとする場面があるが
プラントの機転(?)で、なんとか無事戻っている。
ボンゾのソロは殆ど未収録。
「アキレス」「天国」も揃って熱演。
粗が見えにくい音源だということもあるだろうが
極めてまっとうで、聴いていて嬉しくなるような演奏である。
アンコールは、ひと月ぶりに 「It'll Be Me」を演奏。
ゲスト無しのテイクなので、ある意味貴重かもしれない。






June 27
- Inglewood, California


参考音源 :FAREWELL TO L.A.
ソースの状態 :良質オーディエンス / 要スピード調整


LA 最終日。
77年型 Zep 最良の姿のひとつであろう。
アツイながらも緊張感のある
「落ち着いた EDDIE」のような演奏が楽しめる。
最終日という事もあって、メンバー全員
良いコンサートにしようと張り切っているようである。

「Sick Again」エンディングフレーズで
ジミーが半拍ズレてしまうのは、ちょっと惜しい。
最終日スペシャルで「丘の向こうに」の前に
「Thank You」のようなパッセージが付けられている。
ソロも長めで炸裂。
エンディングも変わったものとなっており、なかなか感動的なテイクだ。
「No Q」ピアノ・ソロはヨーロッパ風。
その後、ブギ風シャッフルでインプロが展開され
改めて通常バージョンに戻る。
様々な技が繰り出され楽しめるバージョンとなっている。
後半でプラントがマイクを床に落とすのも、よく知られたエピソード。
「Ten Years Gone」は、間奏で若干乱れがあるものの
全体的には、なかなか好テイク。
「California」でのプラントのハイ・トーンはバッチリ。
この日の「Black Country 〜スノウドニア」メドレーは大盤振る舞い。
まず始まる前に「Going Down South」が軽く演奏されメドレーに突入。
「スノウドニア」の間奏では「Dancing Days」が開始され
そのまま全員で 2コーラスほど演奏される。
お馴染みの Bassソロも挿入されるなど、お楽しみ満載の必聴テイクだ。
「White Summer」には様々なフレーズが挿入されており
「Kashmir」のリフも登場、続く「Kashmir」本体も雄大な演奏だ。
「Trampled Underfoot」も爆裂バージョン。
ジミー独演には何故か、バーンスタインの「America」のリフが登場。
しつこいほど何度も繰り返されており、妙に笑える。
「Heartbreaker」風ソロも挿入。「アキレス」後半にカット&編集部分あり。
オーディエンスやスタッフに対する謝意 MC の後
当地に於ける最後のアンコール「胸いっぱい〜R&R」へ。
終了後、再びプラントによる感動的なMCがあり
Zep LA Days を締めくくる。

名実共に、最終日に相応しいメモリアル・アイテムであるが
ボンゾに関しては、始めのうちこそ良い味を出しているものの
後半「アキレス」〜「天国」辺りから、徐々にキレ気味となり
アンサンブルを乱す横暴なプレイが若干、耳に付くようになって来るのも確か。
LA ラスト・ナイトということで燃えているのだろうが、やはり
ジミーのコントロールから離れた彼は、扱いが難しいと思われる。
中間部までは、なかなか良い演奏が続くだけに、これは残念。

この日を以って、ツアー中期日程も終了。
この後 20日間の休暇を挟み、後期日程が始まるわけだが
心情的には 77年USツアーは、この日で終了、という感じではないだろうか?
実際これ以降は、良いニュースも殆ど聞かれないし
それより何より、ツアー自体、途中で中止になってしまう(後述)。
いずれにせよ、数々の名演が繰り広げられ
伝説を生んだ LA コンサートも、これが最終公演となった。
夢は終わったのだ。







July 17
- Seattle, Washington

参考音源 :IN A DELIRIOUS DAZE
ソースの状態 :オーディエンス。後半の欠落部をサウンドボードで補った完全版。


いよいよツアーも後半戦突入。
Wingsの Rock Show でもお馴染みのキングドームだ。
音圧は良いし、演奏も、始めは威勢良く大いに期待させるが…。
この日は撮影隊も入っており、ちゃんと演奏しようとしてるようなのだが
如何せん、身体が付いて行かないという感じだ。
特にプラントは高音域が全くでない。
擦れるとかそんなレベルではなく、パワー不足で出切らないといった感じ。
これではビデオも没になるだろう。残念だ。
ペイジは、フレーズ的には良い感じだが、徐々にトーンダウンしてくる様子がある。
プラントの調子悪さが、ジミーの足を引っ張ってるような気がする。
そういうメンタルな部分は、他メンバーにも微妙に影響を与えるものだ。
ボンゾは相変わらず元気一杯だ。
全体としては、プラント以外はそこそこ及第点だろう。
スノウドニアの小屋は、途中でジミーの弦が切れ
ジョーンズ氏のベースソロで場を繋ぐ、という有名なテイク。
ジミー独演での星条旗は演奏されていない。
天国の途中からエンディングまでは、サウンドボード音源。
この部分だけ聴くとデストロイヤーよりも良いような気もする。
但しプラントは除く(笑)。







July 24
- Oakland, California


参考音源 :PUSH ! PUSH !
ソースの状態 :
オーディエンス 音質は並

全米ツアー後半戦半ばであるが
翌々日のニューオーリンズで、プラントの息子急死の報が届き
そのままツアー自体が中止。
結果的に、この日がZep最後のUSA公演となった。

プラントはかなり復活しており、このツアー前半の頃の状態に戻っている。
珍しく昼間の野外コンサートでリラックスした演奏が聴ける。
ただ、行っちゃってるのか、投げやりなのか不明だが
全員、ところどころでリズムが変である。
ジミーも調子は良いようだが音色や弾きかたが、どことなく雑な感じがする。
前日の、ビル・グレアムとの暴力事件が尾を引いているのだろうか?
憶測は避けたいが、ボンゾの様子を聴くと
やはり、少なからず「凹んでる」のかもしれないという気はする。

「No Q」でのジョーンズ氏はクラシック風。
インプロは普通に始まり、後半でシャッフル展開に変わって行く。
「Black Country Woman」の前に「ミステリートレイン」を演奏。
これはカッコイイ。
「スノウドニアの小屋」は Bassソロ入り。
「Trampled Underfoot」でボンゾが切れていて笑える。
ジミー独演には「星条旗」入り。
「アキレス」も好演奏だが、この辺からボンゾの凹み具合が顕著になっていき
続く「天国への階段」で最高潮に達する。
この曲でのボンゾは、早く帰りたがって駄々をこねている様にさえ聞こえる。

アンコールは「胸いっぱい〜R&R」メドレー。
このツアー途中から採り入れられたエンディングのアレンジ、
「Lonely, Lonely」をギターとのユニゾンで何度も繰り返す方式は
どことなくヘヴィーメタリックで、産業風な香りが漂ってるのが興味深い。
1977年。
折りしも、大ロックビジネス時代の真っ只中。
そんななか、Zepの最後の全米公演は密かに幕を閉じたのだった。












-1969
1970
1971
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1973
1975
1977
1979
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