『私』のまちの女性関係施策を考える
「女性週間」全国会議 テーマ設定型ワークショップ
「市民参画をケーススタディする」
4月24日、大阪府のドーンセンターで「女性週間」全国会議が開催されました。
その中のテーマ設定型ワークショップを開催しました。
今回は、参画を体験した市民からの具体的な報告を基に、みなさんとともに
話し合って、参加者のパワーアップをめざしました。
日時 :2000年4月24日(月)16:00〜18:30
場所 :大阪府総合女性センター ドーンセンター4階中会議室2
報告者
・行動計画改訂時の検討に参画 (枚方市)
・女性センター建設計画に参画 (東大阪市)
・啓発事業企画運営に参画 (堺市)
・情報誌作成に参画 (摂津市)
・政策決定の場に参画 (高槻市 二木洋子さん)
・女性政策課 (寝屋川市 有村泰子さん)
当日の様子
地元の女性グループのリーダーとして活動する女性たちが、情報交換、ネットワーク作り、
情報発信を目的として結成したWIN−Lは、昨年の取り組みとして大阪府の全市町村
に対する女性施策の調査を行った。その結果を冊子『比べてみれば…「私」のまちの
女性施策』にまとめ、各方面から高い関心を持っていただいた。
今回は、昨年の調査でひとつのポイントとなった、女性施策に市民の声がどの程度
反映されているか、すなわち市民参画はどのような形でどの程度進んでいるのかに
焦点を当てた。短い時間ではあったが、6人の発表者にそれぞれの市民参画を報告して
いただいた。
報告1: 行動計画改定時の検討に参画して
枚方市男女共同参画検討委員 森野和子(WIN−L)
府内で4番目の人口を抱える枚方市では、今までにフォーラムの一般市民公募、
情報誌の編集委員の一般公募を行ってきた。このたび現行の「女性施策行動計画」を
見直し、「(仮称)男女共同参画計画」を策定するにあたり、男女共同参画検討委員に
市民公募(2名)を行った。森野さんはその一人である。委員会は条例で定められた
審議会にあたり、委員の立場が特別職非常勤職員である点が、他の市町村と異なる。
提言の重みも懇話会より重くなる。
森野さんの市民の委員としての思いは、
@理念にとどまらない具体的な事項を盛り込みたい。(実効性のある施策を!)
A情報公開をし、市民参画をすすめたい。(現在市民からの意見を募集中)
B市民に馴染みのあるものに。(知らない間にできていた、ではなく作っている
段階から市民に知って欲しい)
彼女の思いが結実した行動計画の実現を期待する。
報告2: 女性センター建設計画に参画して
女性センターの早期建設推進を求める実行委員会(東大阪市) 木村ゆかり(WIN−L)
東大阪市の「女性センターの早期建設推進を求める実行委員会」は有志市民による
自主グループであるが、94年の結成以来、毎年市の女性政策課と懇談を持ち、また
講演会やニュースの発行と、定期的な活動を続けている。また要望書、提言書を年に
1回提出してきている。
特に今年の1月には宿泊合宿までして2年がかりで「こんな女性センターがほしい
〜ソフト面に関して〜」をまとめあげた。その中では、市民参画、相談事業、情報などに
ついての要望も盛り込まれている。
会の要望は市に取り上げられ、2001年秋オープン予定の女性センター建設にあたり、
市民の声を聞く会も昨年開かれた。これからも継続的な要求を続けて、ぜひとも自分たちの
女性センターを作り上げていくんだという、意気込みの感じられる報告だった。
報告3: 啓発事業企画運営に参画して
堺市女性問題市民懇話会座長 赤羽佳世子(WIN−L)
堺市は1994年全国に先駆けて「男女共同参画宣言都市」となったのを受けて、
1995年1月21日には「女と男がいきるのや SAKAI宣言」を採択した。そしてその日を
含む1週間を毎年「男女共同参画週間」と定めている。今年の1月の「男女共同参画週間」
の記念行事とワークショップの企画運営に、女性問題市民懇話会のメンバーが参画した。
市民懇話会は女性政策課が隔年で開催する「ライフクリエーター養成講座」の修了生
18名が2年任期で務める。
今年の「男女共同参画週間」の行事では、市民懇話会の提案の新しい取り組みが
実現した。また、懇話会担当者が、講師との交渉、チラシ作り、当日の進行に関わった。
財政面(予算300万円)の心配をせず、どんどんやらせてもらえたメリットは大きい。
参画するメンバーのジェンダー意識にズレが感じられたが、参画自体が女性のエンパ
ワーメントの場になったと言える。しかし、行政と本当の意味で対等なパートナーシップが
結べていたかという点では疑問も残る。今年は始めての参画ということもあり、わからない
ことが多く、行政担当者の負担が大きかったと思う。
報告4: 情報誌作成に参画して
編集工房チャウチャウ代表(摂津市) 若村美穂
摂津市は人口8.7万人の小さな市であるが、女性施策における市民参画が進んで
いる点では特筆に値する。チャウチャウは摂津市女性センターが1998年に開いた「情報
誌作成講座」の修了生3名が始めた。プロの編集者はおらず、若村さん曰く「壁新聞から
のスタート」だった。女性センターの「女性問題入門講座」の記録集の編集から始めて、
女性センターフェスティバルのチラシ、パンフレット、報告書の作成に携わった。現在は
女性センター情報ルームの情報誌「びっと」の編集を任されているほか、情報に関する
講座の企画運営、外郭団体から依頼された仕事もこなしている。
主婦からスタートして、現在では交渉のノウハウも身につけ、編集やパソコンのスキル
アップできた。メンバーは自然と行政への関心も高くなり、若村さん自身、懇話会のメンバー
をされているそうである。
報告5: 政策決定の場に参画して
高槻市市会議員 二木洋子
二木さんが議員になったのはやむにやまれぬ理由からだった。1988年公立幼稚園の
統廃合問題が起こったとき、反対運動や、署名運動を行ったが、議会では一票差でやぶれ
てしまった。このとき、議会では「親の感覚で議論がされていない」ということを実感する。
また、議会に出されてから反対しても遅いのだということも思い知らされた。そこで、1991年、
自宅のすぐ近くでの医薬研究所建設反対を掲げ、初当選を果たした。無所属、草の根
市民派議員として、現在3期目である。
議員として二木さんは市川房枝に学び、次の四つの活動の原則を掲げて、実践してきている。
@質問をする(毎議会)
A調査に基づいた発言をする
B市民への報告をする
C報酬公開をする。
その実践を通して二木さんは女性政策に関して、審議会女性委員比率のアップや
推進本部体制の確立などを要求し、実現してきた。1998年には女性議会も実現させて、
40名の定員に110名の市民の応募があった。今年からは、審議会に市民公募が取り
入れられることになった。
政策決定の場への参画とは、税金を何に優先して使うかを決める場への参画である。
3月の予算編成に合わせて、前年秋の働きかけが大切であることも学んだ。市民と連携
しながら、プロの行政職員に負けない理論を持ちつつも、アマの感覚を失わずこれからも
私たちのための政策を実現していって欲しい。
報告6: 女性政策担当者から市民に求めるもの
寝屋川市前女性政策課長 有村泰子
寝屋川市においては、「女性大学講座」を修了生が企画運営に参画したり、「女性問
題懇話会」に3人の市民委員が参画したりしている。また本年度、枚方市に続いて条例
設置による「男女共同参画審議会」を設置し、委員の公募も行われる。女性のネット
ワークづくりの支援も行われ1999年には「女性ネットワーク会議ねやがわ」が発足
している。
女性政策担当者としての悩みは、参画する市民が少ないことである。「参加はしても
参画はいや」という市民が多い。審議会にはどんどん応募して欲しいが、発言するため
には行政のしくみに強くなる勉強も必要である。女性施策は今までは担当者の熱意で
実現していた部分があった。「男女共同参画基本法」の制定により、法的根拠が生まれた。
これからは、市町村の責務として推進していかなければならない。ところが、庁内では
女性施策は後回しになる傾向があるので、市民が監視をして、チェックしているという
のがあれば担当者は助かる。行政の中でジェンダーの視点はすべての施策に入れて
いく必要があるのに、担当者だけでは目が届かない。市民に点検してもらい、担当者と
連携して進めていきたい。
盛りだくさんの報告が終わった時点で残り時間が少なくなっていたので、質疑応答の
時間を取ることができなかった。参加者に簡単に自己紹介や、各自の取り組みの紹介を
していただいた。終了後、参加者同士や発表者と名刺交換や交流が持たれ、新たな
ネットワークづくりが行われていた。