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裁判員にはなりたくない

裁判員制度の骨格がいよいよ顕在化した。
1月26日の朝日新聞によると、裁判官3名裁判員6名が基本となり、裁判員に指名された国民は原則拒否はできない。仕事や子育てで辞退する場合には個別に裁判所が判断。辞退が認められても名簿には残り、他の事件で指名される可能性は残る。
従業員が裁判員に指名された場合、雇用主は休暇を認めねばならない。
休暇を取ったことによる損失は、いまのところ一律日当支給とする。
日当は、一般的な基準(?8000円くらい)をもととして決定する、だそうだ。
裁判員を経験したものは、生涯にわたりその内容を口外してはならず、違反すれば刑罰の対象となる。
無作為に選出されるということで、この人数構成に決まると116人に1人は生涯に裁判員を経験する可能性があるという。

こわい。選ばれたらどうしよう。
今後、我々は、自分の予定や関心に関わり無く、裁判員に選ばれたらその業務をこなさなければならないという、とんでもない義務を課されてしまうのだ。
まず、守秘義務がこわい。
生涯話してはならないのだ。時効みたいなものもないのだ。
裁判員になったら、討議の最中いろんな感想を持つだろうし、立腹もありうる。困惑もあるだろうし、恐怖もあるかもしれない。ましてや対象とする事件は殺人事件で、死刑判決もありうる。被告といえども人の生死を左右するような役割は、私はやりたくない。その心理的な負担を一言も話さない、しかも一生、なんて約束は守れないかもしれない。

そもそもどうして裁判に一般市民が参加しなくてはならないのだろうか。
この制度について、私は通常に新聞を読む程度にしか情報収集をしていない。
普通に新聞を読む限りでは、制度の進捗状況などは読み取れるが、肝心の「市民が裁判に参加しなくてはいけない理由」がいまひとつ読み取れない。
裁判官とか弁護士とかの職業は、難関な職種のはずである。
とても難しい試験を突破した人だけが独占できるはずである。
ものすごいストレスと、身の危険さえもある商売だ。
だからこそ、簡単にはなれないはずであり、その分収入だって高いんである。

それを一般市民に、何の資格もなしに参加させるのは、裁判官や弁護士に対して失礼ではないか。
平穏に暮らしていた一般市民は、指名された途端に法律の勉強を嫌でもしなくてはならず、さらに被告(か被害者)に逆恨みされる身の危険までもが伴う。
テロや暴力団事件など報復の予想される事件は担当させないとしているが、裁判自体、犯罪が起こったから行われるわけだ。
安全だなんて言いきれるわけがない。

日当は8000円を基準として今後検討するらしい。
冗談じゃない。
普通に正規雇用で働いているサラリーマンの日当にさえ届かない。
まして、そのために休業を義務付けるのであれば、日当は会社に対して支払うべきかもしれない。
すると指名されたサラリーマンは会社からちくちく嫌味を言われたり、興味本位で根ほり葉ほり聞かれて喋る(=刑罰)危険をおかして、家族にも一生言えないわけだから夫婦間に秘密を作ったりしてそのせいで夫婦関係が微妙になったりしても泣き寝入りか。

裁判員制度。
導入のメリットを明確に説明してほしい。
そうでなければ、今のところデメリットばかり思いついてしまう。

by 高野善通さん