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人形振り (洋物)
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和物と同じ雪景色になってしまった。でもそういう作品なので仕方がない。
「ペトルーシュカ」の最後のシーン。記憶だけで描いてるので間違っているかも。 人形遣いを恐ろしい形相で睨み付ける版とか、夜空をむなしく仰ぐ版とかあるそうです。 初演は伝説となったニジンスキー。映像は残っていない。残念だ。 |
| さて洋物の人形振りについての雑感。これは結構多い。大道芸などでもみた事があるし、あちらのパントマイムなどの流れにあるのかもしれない。沢山ある中で印象に残ったのは、映画だと「チキ・チキ・バン・バン(1968)」でディック・ヴァン・ダイクとサリー・アン・ホウズが王様へのプレゼントの人形に化けて"Doll on a Music Box"を歌いながら踊るシーン。頬を赤く塗ったサリーさんの動きが可愛い。「シカゴ(2002)」の"We both reached for the gun"のナンバーでは記者会見の場でヒロインが腹話術の人形を演じ、その後方で報道陣が糸を付けたマリオネット人形となってチャールストンを踊る。彼等の頭上からコントローラー(糸を操るための操作器)を持った弁護士が顔を見せる、という趣向が凝っている。「いんちき商売(1931)」では密航者ハーポ・マルクスが船上の人形芝居劇団に紛れ込み「顔面人形振り」を披露する。(首から下に人形の胴体をつけて舞台に顔を出すのである。「浮かれ姫君」でもJ・マクドナルドが演じる似たような趣向があるが、これは一つの芸として確立しているのだろうか?) しかし何と言ってもバレエテクニックの人形振りは凄い。何度見ても面白いのはE・T・A・ホフマンの小説「砂男」をベースにしたオペラ「ホフマン物語」とバレエ「コッペリア」。自動人形に恋した青年の話だ。 オッフェンバック作曲の「ホフマン物語」はオペラだが、マイケル・パウエルの映画版では「赤い靴」のモイラ・シアラーが人形オランピアに扮し、見事なバレエの人形振りを見せる。彼女だけでなくパーティに招かれた客も人形というのが面白い。オランピアは自動人形(オートマタ)で時々ネジを巻かないと動きが遅くなって止まる。これに対して客人達はマリオネットで、跳ねるような動作が多い。ちゃんと2種類の人形の動きを区別して振り付けているように思える。さすがフレデリック・アシュトンとロイヤル・バレエのメンバーだ。(バレエではないがフェルゼンシュタイン演出のベルリン・コーミッシェ・オーパー「ホフマン物語」(映画版)のメリッタ・ムセイのオランピアも素晴らしい。歌い手さんだが、普通の社交ダンスや歩き方の人形っぽさ、という細やかな点ではバレリーナに勝るとも劣らない。) 「コッペリア」はドリーブ作曲のコミカルなバレエ。(オランピアでなくコッペリアという名前に替えてある)原作の「砂男」は人形と知らずに恋した青年の破滅を描くホラーだが、こちらでは青年の許嫁スワニルダがコッペリアの正体を人形と見抜いて壊し、しばらく彼女のふりをして人形師の目を誤魔化して、最後には青年と目出度く結婚式をあげる。「自動人形」と「人形の振りをする人間の娘」の二通りの人形振りが楽しめるハッピーエンドの物語だ。しかし78年にみたローラン・プティ版では、最後に人形師が壊れたコッペリアを抱くと、その腕の中で彼女がバラバラに分解し、彼が絶望しうなだれる所で幕となる。こちらのほうが普通の版よりも、壊れる美少女という猟奇的な趣向と残された者の絶望、という原作に近い雰囲気が強く出ているので好きだ。 同じくE・T・A・ホフマンの童話「クルミ割り人形とネズミの王様」を元にしたバレエ「くるみ割り人形」ではクリスマスの夜に主人公クララが貰った人形が王子になる。当然、人形振りはみられるのだが、演出によってかなり違う。しっかり人形らしさをみせる振付もあるが、私が実際に舞台で見た版では王子は登場後、すぐにネズミとの戦闘シーンになり、その後正体をみせるまで、ほとんど人形っぽい踊りはなかった。(後半、中国の踊り等にも人形振りの版がある。が、この不思議なチャイナダンスをカリカチュアされた勘違いの民族舞踊とみるか、人形振りとみるべきかは私には難しい。)マシュー・ボーンの振付ではクララが貰ったのは派手な背広のマネキンみたいな若者の人形。これがクローゼットから現れて人々を脅かす所は、サンダーバードのアランがフランケンシュタインを演じているような感じで、大袈裟な人形振りが楽しかった。
ただ日舞でみせられる人形振りに比べると、バレエのそれはそれほど「驚かせる」ものではない。多分普段の所作の延長にある日舞の動きに比べて、バレエはもともと非日常的な動きを基本としているため、人形振りとの間にそれほど落差を感じないからではないか、と思う。なにしろつま先で立って歩き回り、空中に跳ぶ踊りなのだ。自分が実際に踊ったことがない事もあって、尋常なヒトの動きというよりも別の生き物を見るような気がしてしまう。チュチュ一つとってもまるで天使か妖精のコスチューム。実は私は普通のバレエをみても「あ、お人形さんみたい」とちょっとだけ思ってしまうのですね。 |
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