アンテナ実験室(その2)


ベランダ(移動)用マルチバンド アンテナ
 
 
 
 
 
ベランダ(移動用)マルチバンド アンテナ
海外出張や家族旅行など、移動用機器なんでも満載のモービル以外で何処かへいく場合、ホテルのベランダにアンテナを張ってQSO出来ないかと考えて作ったのがこのアンテナ。アパマンの方にも参考になればと思います。 実際、1999年4月にサイパンで運用した時に使用したものです。

製作条件: 

1. 重量500g以下の ”軽量アンテナ”とし、手持ちバックで運搬が容易なこと 
2. 6mを含むマルチバンドにQRV可能なこと 
3. 設営・撤収3分程度 
4. バンドQSY時に調整はできるだけ無いこと 
5. 移動場所での再現性が良いこと
製作前の検討 
  以前、ロッドアンテナを4本組み合わせて、6mの2エレをベースに色々なパターンのアンテナに変化できる 南京玉簾アンテナ を作りましたが、今回はマルチバンド化と更なる軽量化を目指しているので材料の検討からスタートしました。 
  HFを含むマルチバンド化を考えると、ワイヤー系のアンテナが軽くて有利です。海外のペディションで重宝したつり竿を使えば、ロングワイヤー、ツェッペリン、ダイポール等のアンテナを軽量にかつ効率的に構成できます。 

ロングワイヤー系:
        ATUが有ればマルチバンドもOKですが重量オーバ。現地で得られるアースの質も心配。 
ツェッペリン系:
       アースの心配は無いが、マルチバンド化には特殊なチューナが必要。 
ダイポール系:
       マルチバンド化に難有り。トラップ物は重くなる。 
ループ系:
   回路がループの中で完結するので再現性が良く、周りの環境に影響されにくい。
   ワンタッチまたは回路的にマルチバンド化することは難しいが、多少の時間で変更するのは可能    

  という訳でループ系に着目。ループと言えば6mでは根強い人気のヘンテナが有ります。一般的な6mのヘンテナは横1mx縦3mのループを作り、下から0.1波長程度の所に給電するアンテナです。 

  6mヘンテナの周囲は8mのループですから2m程度のエレメントを追加すると10mの1波長ループアンテナができます。 更に5m程度のエレメント追加で15mのループも拡張できます。但し、少し心配だったのは上のエレメントは横1mですからえらく縦長のループになってしまうので、アンテナの効率が落ちてしまわないか...という事でした。 

  また、10mの1波長ループの1辺を切ってやると、10mの単なるワイヤーになります。これはそのまま40mバンドの1/4波長になるので、アースを工夫してベランダ突き出しバーチカルのようにならないかも検討することにしました。 
 

材料集め 
材料はDYIショップで以下のようなものを調達 
アルミパイプ(太): 径5mm x 1000mm 1本 
アルミパイプ(細): 径4mm x 1000mm 2本 
   (太いパイプにシックリ入ることを確認) 
ステンレス撚線   : 径1mm x 15m 1本 
   ( これは画材の所で額を止めるワイヤーとして売っていたもの)
フロートバラン:FT82−61に1.5D2Vを5回巻き

以下がこれらを加工して作ったマルチバンドアンテナの全部品です。
 

6m ヘンテナの作成 
基本的構造は、上下の横エレメントをアルミパイプとし、両サイドの縦のエレメントをステンレスワイアにすることにしました。横のアルミパイプは1m必要なので、400mm3分割で中央に5mm径のパイプを使用し、残りを4mm径とすれば、100mmづつの繋ぎしろができます。
  ヘンテナは結構ラフに作っても良く動作することが知られているアンテナなのでいきなり1mの横エレメントを2本作るところから始めました。パイプの繋ぎは現地で簡単に出来る様に以下の工夫を施してあります。 
1. 4mm径と5mm径パイプの繋ぎ目は4mm径の入る位置に印を付け5mm径パイプのくずパイプを圧着工具でカシメる。 
2. 繋ぎ目が外れない様に、1mm径の貫通穴をドリルで開け、事務用クリップで自作した ”R”リングを使用して止める。 
3. 接続相手と穴の位置がすぐ判るようにマジックでマークをしておく
  縦のエレメントは3mに切り、両端に圧着端子をカシメた。これを横エレメントの4mmパイプの端に3.5mmのタッピングビスで固定。ループになったとき圧着端子が正しい方向を向く様に注意して固定。最初持ち歩く時にパイプとステンレス線は解体できるように考えていましたが、組み立て・解体に工具を使いたくなかったので、4mmパイプと接続されたまま解体することで問題無しとしました。 

  給電部はサトーパーツの平行コネクタが軽量なので、これに50cmづつ2本の電線を半田付けし、両端にミノムシクリップを付けました。 

ヘンテナの調整: 
ベランダに上で作ったループと給電部、同軸とつり竿、アンテナアナライザを持っていき設営と調整をしました。釣り竿の先端にひもでヘンテナの上部エレメントを縛り、下から約60cmの所にミノムシクリップを付け、同軸ケーブル(1.5D2V)を繋ぎます。 
  つり竿をベランダの適当な所へひもで縛り、つり竿を繰り出し、ヘンテナを自由空間に泳がせます。アンテナアナライザで特性を確認し、目的周波数でSWRが最低になるように調整します。今回のヘンテナは50.200MHzでSWR1.5と少し高めですがまずまずの出来でした。(縦ワイヤーが少し長かったか?)

これはヘンテナの下のエレメントにGの追加エレメント(約2m)をついかした28MHz帯用の縦長1波長ループです。フロートバランで給電しています。縦長の効果で打上げ角も低い感じ。なかなかのパフォーマンスです。
こちらはさらにHの追加エレメント(5m程度)を加えて21MHz用にした1波長ループアンテナです。片方の縦エレメントに追加分が偏った事と、給電点が下がりすぎるので少しひっぱり上げたので”胃拡張の胃袋”みたいな形になってしまいました。Hi フローティングバランで給電これもマズマズOKでした。
こちらの写真は10m(28MHz)のループを給電部付近で切り離し、このエレメントを40mバンドの1/4波長エレメントにしてやろうと言う魂胆で製作。ベランダのアースが良ければこれだけで7MHz用L型バーチカルになります。アースが良くない時はIのラジアル(約10m)をベランダに這わせるか、外に垂らすかして何とか7MHzに乗せます。2階のベランダでの実験では建物と地面の影響が大きいようであまりパッとしませんでしたがもう少し階が上ならまともに動きそうです。でも海外のホテルに行って流石にここまでやるのは???難しいです(^^;