演題番号 837

2型糖尿病において運動の習慣化に影響を与える因子は何か?

入り口はこちら

 

 小貫 睦巳*、井部 馨、依元 ゆか

 東邦鎌谷病院 リハビリテーション科
  (*現 沼南リハビリテーション学院 理学療法学科)

 キーワード
糖尿病・運動の習慣化・ドロップアウト

 

目的
生活習慣病である2型糖尿病については、食事療法、運動療法をはじめとする自己管理が重要である。しかしながら、運動指導を行ってもコンプライアンスが悪く、運動の習慣化に至らずドロップアウトする例も珍しくはない。今回の研究の目的はこれら2型糖尿病の教育入院において、これらの運動の習慣化に影響を与える因子は何か、いかにドロップアウトする例を防げるかを探ることにある。
対象】【方法
当院の糖尿病教育入院で運動療法を行った2型糖尿病患者66名を対象とした。期間は平成12年6月〜13年8月とし、入院中に運動療法を行い、事前に1.活動度 2.生活が不規則か否か 3.睡眠時間 4.合併症の有無 を本人より聞き取り調査した。またBMI、HbA1cをカルテより確認した。その上でこれらの患者をdrop-out群(以下D群)、non-drop-out群(以下N群)に分け、比較検討した。尚、統計的手法として、1-4の項目の比較についてはχ2検定を、BMI、HbA1cについては対応のないt検定を用い、有意水準は5%未満とした。
結果
66名の対象者のうち、ドロップアウトした群は18名であった(27.3%)。習慣化に影響を与える因子としての項目の1-4のうち、1-3についてはD群・N群間に有意差は認められなかった。4についてはD群がN群に対し有意に合併症が多かった。また、BMI、HbA1cについてはいずれも2群間に差異は認められなかった。
考察
今回の結果からは2群間に明らかな差がみられたのは「合併症の有無」のみにとどまった。運動の習慣化に影響を与える要素には、職業の内容による運動強度・活動時間帯・睡眠時間・合併症の有無等、様々なものが考えられるが、現代のようにストレスフルな社会生活を余儀なくされる状況においては、これらの要素は複雑に絡み合っているのではないだろうか。このような中で個人の努力のみでは運動習慣の定着がますます困難になってきており、我々PTに求められるものは、いかにして運動を継続していけるかの動機付けをアドバイス出来ることであり、今更ながら運動の必要性の説明、個々人にあった運動方法やメニューの提示、生活の中に運動を取り入れられる具体的な工夫など、より深く患者に関わろうという姿勢が重要であるといえる。