統計について 

<卒業研究について> 

<データ解析をする上での注意点>

<統計処理の例>

A.パラメトリックな方法(計量データの場合→t検定)
片麻痺患者に、ある筋力増強訓練を行った場合、行わなかった時と比べて握力に違いは出るか。
筋力増強訓練を行わない群をA 被験者数8人 握力の平均値が21.8(SD±3.5)kg

筋力増強訓練を行った群をB 被験者8人 握力の平均値が26.4(SD±3.3)kg

1.解析の目的  平均値の差の検定

2.データの種類 2群とも計量データ
3.解析手法   平均値の差の検定(t検定)
4.帰無仮説   μ1=μ2 (AとBの握力に差がない)
 対立仮説   μ1≠μ2 (AとBの握力に差がある)
5.有意水準   5%(α=0.05)
6.棄却域    |t|>t0.05 の時 帰無仮説を棄却
7.解析   ※細かい計算は省くが t=2.53
8.自由度    n1=8、n2=8 だから (8-1)+(8-1)=14
        t分布表より自由度14のt値は2.145
9.判定     |t |>t 0.05 (14)
10.結論    9.より帰無仮説は有意水準0.05で棄却される。すなわち、危険率5%でAとBの握力には差がある。したがって、筋力増強訓練の効果はあったといえる。

 
B. ノンパラメトリックな方法(計数データの場合→χ二乗検定)
片麻痺患者にAというファシリテーションとBというファシリテーションをそれぞれ別々の患者に行ったところ、Aは「効果あり」70人「効果なし」30人、Bは「効果あり」50人「効果なし」50人だった。AとBではどちらが訓練効果が高いと言えるか。(ただし2方法の片麻痺の障害程度は同程度とする)
上記を表で表すと次のようになる。

 

効果あり

効果なし

方法A

70

30

100

方法B

50

50

100

120

80

200
1.解析の目的  2項目の関連性の有無(独立性の検定)
2.データの種類 2群とも計数データ
3.解析手法   χ二乗検定
4.帰無仮説   方法と効果に関連なし
 対立仮説   方法と効果に関連あり
5.有意水準   5%(α=0.05)
6.解析
  データの表は

70

30

50

50
  期待値の表は(詳細は省く)

60

40

60

40
   
 ということで細かい計算は省くが χ2=8.33

7.自由度    n1=2、n2=2 だから (2-1)(2-1)=1
        χ2分布表より自由度1のχ2値(0.05)=3.84
8.判定     χ2>χ2(0.05)
9.結論     有意水準5%で帰無仮説は棄却された。すなわち、方法と効果に関連性が認められた。


※これ以外にも 相関 や 分散分析 のような手法もよく使います。詳しくは以下の成著を参考にされたし。
 

<統計処理の助けになる文献>

医療のための統計学」 有田清三郎著  医歯薬出版

研究において統計をどう使うか、わかりやすく解説している。このHPにも多く参考にさせていただきました。

バイオサイエンスの統計学」 市原清志 南江堂

医療職にある者できちんと研究に統計学を応用したければ、せめてこのくらいは読むべし。ただしボリューム満点の378ページ。

PT・OTのための統計学入門」 渡邊宗孝・寺見春恵・金子翼著 三輪書店

どういう研究の時にどの統計方法を使うのか、具体例を挙げて解説している。手っ取り早く統計法を知るのに最適。 

ビギナーのための統計学」 渡邊宗孝・寺見春恵著 共立出版

これは医学書ではないが、統計の使い方、例をわかりやすく解説している名著。

やさしい医療系の統計学」 佐藤敏雄・村松 宰 著 医歯薬出版

比較的新しい医療系の統計学の解説書。二色刷で読みやすい。

はじめて学ぶ医療統計学」 監訳:折笠秀樹 総合医学社

27年の歴史のある「Statistics at Square One 10th edition」の訳本。統計学の権威書だけあって、今まで読んだ統計の入門書とは異なり実際的でツボを押さえた名著。訳本独特のわかりづらい記述も少なく、平易に読める一冊。
 

※面倒がらずに何冊かは読みましょう!  

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