雨のち晴れ

紅石智之様     



「雨……かぁ」
 久々に降る雨を何気なく窓越しに見つめながら、メイは小さく呟いた。

 どんよりとした曇り空。

「見るだけで気分が暗くなる……ね」
 キールとの勉強会の小休憩の合間、メイは雨に向かって小さく呟く。
 今、キールは席を外しており、その一人っきりの空間の中、メイはざあざあと降る雨越しに元の世界のことを思い出す。
「友達……家族、学校……」
 何気なく呟くメイの瞳は、何を映しているのだろうか。
「もう、決めたことなのにね……」
 メイはそう自嘲気味に呟きながら席を立つと、窓辺に腰掛けた。
 未だ降り止まない雨を見つめ、メイは小さく息を吐いた。

 この世界に残ることを決めたのは自分。
 そして、キールと一生を共にすると決めたのも自分。

「こんな私をキールが見たら………」


「元の世界に戻りたいのか?」


「!キール」
 片手に湯気の出ているマグカップを持ち、部屋へ戻ってきたキールは机にカップを置き、メイの側に歩み寄った。
「今なら、変えられるぞ?」
 ―――帰りたいなら。
 メイを見つめるキールの瞳が、不安と期待で揺らめく。
 でも、その瞳を一瞬にして期待へと変えたのは、メイの一言だった。
「変えないよ」
「メイ……」
 キールは、ゆっくりとメイの髪に手を伸ばし髪に口づけると、滑らせるようにメイの頬を撫でる。
「変えさせもしないがな?」
 ゆっくりと吐かれるキールの自信ありげな言葉に、メイはキールの首に両腕を回した。
「自信満々だね?」
「そりゃそうだろう?最初は不安にもなったが……お前がここにいるのは、俺の為だとそう、自負してるからな」
 瞼に頬に口づけながらキールはそっとメイの腰に腕を回す。その動作を受けながらも、メイはキールの耳がほんのりと赤くなるのを見逃さなかった。無愛想な彼が、私のためだけに微笑み、赤くなる。それはキールがどれだけメイを愛しているか、よく分かるリアクションだった。
「ん。そうだよ、私は……キールの為だけにいるんだから……ね?」
「メイ」
 自分の胸に顔を埋めてくるメイの髪をそっと撫でると、キールは優しげに微笑んで見せた。
「愛してる、メイ……」
「私も。キール……」
 ゆっくりと顔を上げたメイの唇にキールの唇が自然と重なる。
 そして、唇を離した二人は合わせたように照れた笑いを浮かべた。

 こんなに「愛してる」って心地良い言葉なんだ……。

 キールが、メイの髪を指に絡ませながら再び微笑むのを見つめ、メイは目を細めた。


 雨から晴れへ。
 メイの雨雲を飛ばしてくれる大切な人は、今、ここにいる。



−END−

【言い訳】
はい、弟子専用キリ番5000のヤツですね〜。
ごめんね、甘くないわ(爆)ロマンティックを目指して見事爆砕(笑)
わけわかめ(死語)ですな(^^;)
あれ?なーんか抜けてる?(笑)
あと1つ残っているよね、SS。っていうか、本。本(汗)

あと1つは……ふふふ、やってやるぜい☆(萌)


【御崎より】
師匠〜ありがとうございます!(*^^*)。えへへへ、キリ番踏み損なった!と
泣き喚く弟子に、専用キリ番設定してくださって(笑)。なんてお心の広い師匠
なんでしょう(*^^*)。これからもよろしく〜(をい)。
あーもう、これを甘いと言わずして何を甘いと言えるでしょう!?くはーー幸せ(*^^*)。
ということで、残りひとつも期待大ですわん(爆)。