| 御崎 濯 |
「お誕生日おめでとうですわ、メイ!」 「おめでとうございます」 ディアーナとシルフィス、親友二人の声に、メイはえへへ、と嬉しそうに首を傾げてみせた。 「ありがとー、二人とも」 王宮のディアーナの部屋は、溢れんばかりの花とレースとリボンで、華やかに飾り付けられていた。いつもの小さなお茶用のテーブルではなく、真っ白なクロスのかかった大きなテーブルが運び込まれて、部屋の真ん中に据え付けられている。 もちろんその上には、王宮のシェフが腕によりをかけたと思しき、色とりどりのお菓子が所狭しと並べられていた。 「メイのお誕生日パーティは、わたくしに任せてくださいませ!」 張り切って名乗りを上げたディアーナが、いそいそと指図をしてしつらえたセッティングだった。 「はいっ、メイ!おめでとうですわ!」 「これは、私からです」 二人からプレゼントを手渡されて、メイは顔をほころばせる。 「ありがとー!嬉しいよっ!…でも、悪いなー、もー、こんなにしてもらっちゃってさ」 騎士見習いであるシルフィスはもちろん、王女であるディアーナも、実はさほど自分の自由になるお金があるわけではないのを知っているメイは、少し気の毒そうに二人を見た。 「何を言うんですの、メイ?大事なお友達のためですもの、これくらいじゃ全然足りないくらいですわ」 「大したものじゃないんですから、ほんとに期待しないでくださいね」 口々に言う二人に、メイは少し照れたように、けれど本当に嬉しそうに微笑み返す。 太陽のような彼女のその笑顔に、二人の親友は顔を見合わせて微笑みあった。 「でもね、わたくしからは、もうひとつ、スペシャルプレゼントが用意してありますのよ」 「え、なになに?」 「内緒、ですわ。後々のお楽しみですの」 「なんです、姫?私も聞いていませんよ」 「ふふっ、シルフィスにも内緒ですもの」 嬉しそうにお澄まししてみせるディアーナに、メイとシルフィスは首を傾げる。 が、さあさあと促すディアーナに押し切られて、とりあえずティーパーティが始められたのだった。 午後も終わりに近づき、そろそろ夕刻という呼び方の方が近くなってきた頃、ディアーナはふわりと立ち上がってメイの腕を引っ張った。 「さあ、メイ、では、もう一つのスペシャルプレゼントをお渡ししますわ」 「へ?ああ、うん」 にこにこ微笑む親友の顔を見上げて、メイは首を傾げる。ディアーナは、メイの腕を掴まえたまま、扉の方へ歩き出した。 「え、ちょっと、どこ行くの?ディアーナ?」 「別のお部屋に用意してあるんですの。シルフィスは、こちらでお待ちになっててね」 怪訝そうに、はあ、と頷く金髪の友人を残して、二人はディアーナの部屋を出た。 「何よ、何なの?持って帰れないような大きいものじゃないでしょーね?」 「まあまあ、もう少ししたら分かりますわ」 くすくすと、嬉しそうに微笑みながら腕を引っ張るディアーナに連れられて、メイは王宮の廊下を進んでいく。あたりを見回して、彼女は少し首をひねった。 (…でも、こっちってかなり王宮でも奥の方じゃない?なんでこんな方まで来るかな?) とある大きな扉の前に着くと、ディアーナはためらいもせずにそれを押し開けた。 「ここですわ、メイ、どうぞ」 薄紅の髪の王女はにっこり笑って、メイをその部屋に招き入れる。 「…うわー…すごい部屋〜…」 ぐるりと中を見回して、メイはあきれたように息をついた。 ディアーナの部屋も、それは例えばメイの住んでいる研究院の部屋などと比べると、天国のように美しいのだが、この部屋はまたそれに輪を掛けて豪華な作りだった。 まず、広さが尋常ではない。元が倉庫だったせいで、だだっ広いメイの部屋と比べても、更にずっとずっと広い。絨毯はくるぶしまで埋まりそうなほどふかふかだし、窓に下がっているカーテンは、細かい刺繍で重たげに垂れ下がっている。壁一面に優雅な意匠が施され、美しい金銀の細工が至る所にはめ込まれている。家具の一つ一つも、いかにも手の込んだ典雅な作りだ。 辺りを見回していたメイの背中に、ディアーナの声が掛けられた。 「では、メイ、ごゆっくりね」 「へ?」 慌てて振り向くと、ディアーナは扉から出て行くところだった。 「え、何、ちょっと、ディアーナ?プレゼントってなによ?」 「それは後ほど運ばせますわ。今日は、ここでゆっくり過ごしてくださいな、メイ。それも、プレゼントのうちですの。そのベルを鳴らせば侍女が来ますから、何でも言いつけてね」 「何言ってんのよー、あたし門限が」 「魔法研究院には、使いの者を出しておきますわ」 有無を言わせぬロイヤルスマイルでにっこり微笑むと、ディアーナは小さく手を振った。 「待っててね、メイ。…では」 最後は、ちょっとお澄まし顔をしてみせると、ディアーナの姿はドアの向こうに消えた。 メイは呆気にとられて一瞬立ち尽くす。 「……何、考えてんのかなー、ディアーナってば」 ちょっと首を傾げてから、気を取り直したように部屋の中を見回す。 (あー、そう言えば、ディアーナはこんなきれいな部屋に住めていいなー、なんて言ったことがあるから、ご招待のつもりかな) 元の世界でなら、超一流豪華ホテルにご招待、と言うところなのかもしれない。 確かに、滅多なことでは入り込めない部屋であるのは間違いなさそうだ。それを見て取ると、メイは、泊まるかどうかは別にして、とりあえずその辺を探検することにした。 (それにしても、プレゼントって何だろ?) 一渡り見物を終えた後、豪奢な椅子に腰を下ろして、メイがもう一度首を傾げた時、扉にノックの音がした。 「はーい」 とりあえず中にいるのは自分しかいないので、返事をする。 が、扉の向こうは一瞬沈黙したままだった。扉が分厚すぎて返事が聞こえなかったかな、と、メイが立ち上がった時、重さの割には音もなく、扉が開いた。 現れた姿に、メイは目をぱちくりさせる。 「…キール?」 「メイ?なんでお前がこんな所にいるんだ?」 面食らったのはキールの方も同じようだった。 「それはこっちの台詞よ」 「声を聞いて、まさかと思ったがな」 中にいるのが見知った姿だったので、少し気が楽になったらしい。キールはちらりと辺りを見回しながら部屋の中に入ってきた。 「なんで、あんたがこんなとこにいるのよ」 メイは、さっきのキールの台詞をそのまま繰り返した。 「なんでって、呼び出されたんだよ。──姫は、ここじゃないのか」 「…へ?」 また、メイは目をぱちくりさせて絶句してしまう。 キールは、ごそごそと一枚の紙を取り出して見せた。 「なんだか知らんが、今朝届いた。公式の召喚状じゃ、無視するわけにもいかないからな」 目の前に広げられたのは、確かに王室の紋章の入った公式の文書だった。文末には、見覚えのある筆跡で、ディアーナ・エル・サークリッドとサインが入っている。 (───ちょっと、まさか、これって…) 「プレゼントは後で運ばせますわ」と言ったディアーナの笑顔が、目の前にちらついた。 (…………ちょっと待ってええぇぇぇっ!?) 「……姫…それはちょっと、乱暴すぎませんか…?」 たらりと冷や汗を流しながら、シルフィスは、にこにこと嬉しそうな笑顔を浮かべてカップを口に運んでいるディアーナに問いかけた。 「あら、だってメイが一番喜ぶ贈り物って、やっぱりキールと過ごす時間じゃありませんこと?それに、前にメイが、一度王宮みたいな贅沢な部屋に泊まってみたいって、言ってたんですもの」 「に、してもなー、姫さん、王宮は連れ込み宿じゃないんだぜ」 いつの間にかお茶会に現れていたシオンが、スミレの花の砂糖漬けをつまみながら口を挟む。 「シオンが言っても全っ然説得力ありませんわ、その台詞」 「……ううう、姫さま、いつの間にそんな下世話な話題に通じてしまわれたんです〜」 姫君の教育係に任じられているぐるぐる眼鏡の文官は、だーと目幅涙を流しながら嗚咽している。 「しっかし、よくセイルが許可したな」 「お兄様には、メイを泊めますって申し上げただけですもの」 「おいおい」 「嘘は言ってませんわ、ほんとのことじゃないですの。メイが、きれいなお部屋に泊まってみたいって言ってたから、お誕生日の贈り物に、一日だけ一番いい客間を貸して下さいってお願いしたんですわ」 ほお、と息をついて両腕を頭の後ろで組むと、シオンはひょいと唇の端をあげて意味ありげに微笑む。 「セイルが嬢ちゃんのご機嫌伺いに出向いたりしないといいけどなぁ」 「女の子同士の水入らずですから、覗きになんていらしたら絶交ですわって念を押してありますの」 「あーらら、姫さんのうそつき」 「こういうのを、嘘も方便っていうんですのね。アイシュがくれた本に書いてありましたの」 「ううう、姫さま〜、なんてことおっしゃるんですか〜」 相変わらずだくだく涙を流すアイシュを、シルフィスは、まあまあ、となだめる。 「それにしても、道理で他に誰もお祝いに来ないなと思いましたよ」 そう言うと、シルフィスは、ため息をついて辺りを見回した。 「ええ、他の殿方は締め出しですもの」 「ガゼルなんか、ずいぶん前からお祝いをするって張り切ってたんですよ」 「却下ですわ」 ディアーナはあっさりと銀髪の騎士見習いを切り捨てる。 その口調に、シルフィスは、隊長がなにやら最近、女性向けの小物の店やお菓子屋さんを覗いて回っていたらしいという話題は、口に出すのをやめることにした。 「そういや、イーリスも、王宮でパーティなら、帰りには町中を通りますねぇ、とか言ってたっけなー」 にやにやしながらそう言うシオンをちらりと見て、ディアーナはつんとかわいらしい顎をそびやかす。 「それも却下ですわ。ええと、馬に踏まれて死んじゃえ、と言うのでしたかしら?そういうのを」 「…どうしてそんなことわざばかり覚えてらっしゃるんですか〜、おまけに言い回しが違ってますぅ〜」 無邪気に瞳を見開いてことわざを使ってみせるディアーナに、アイシュは泣きながらも訂正を入れる。 「まあまあ、アイシュ様」 滂沱と涙を流し続けるアイシュを慰めながら、シルフィスはまた大きなため息をついた。 「にしても、なんでこんな所に呼び出しなんだ?ここは、国賓用の客間だろう」 確かに、この豪勢な造りからしてそうに違いない。入り口の他に、奥にも扉が見えるから、スイートルームになっていて続きの間があるようだ。…むろん、寝室だろうが。 訝しげに辺りを見回しているキールを背に、メイは壁と仲良くなっていた。 (ちょっとー、ディアーナ〜〜っっ) 確かに、女の子同士の内緒話で、互いの好きな人を打ち明けあっていたりはする。 お互い、時々ハッパをかけたりかけられたりもしている。 しかし、しかしだ。まだ告白したわけでもされたわけでもなく、ただの保護者と被保護者から一歩だって前進していないというのに、いきなりこの状況で、一体どうしろと言うのだろう。 「おい、メイ、何やってる」 豪華な壁の模様に額をごりごり押しつけているメイを不審そうに見やって、キールが声を掛ける。 「うー、ほっといてっっ壁が好きなのっ」 ヤケになって言う彼女の台詞に、キールは眉を上げる。が、毛を逆立てた仔猫を思わせる彼女の背中を見て、それ以上つっこむのは得策ではないと判断したらしい。次に口に出されたのは、違う話題だった。 「人を呼び出しておいて、一体、姫はどこなんだ。…メイ、お前、知らないか」 メイは、ぐりんっと身体を返してキールの方を振り向いた。 「……き、きっと、ディアーナ、日を間違えたんだよ!ほ、ほら、さっきまであたし、ディアーナと、パーティしてたんだからさっ!」 「……うん?」 キールは、メイの必死の表情を見てまた眉を寄せたが、とりあえず当面の問題に意識を向けて、手の中にある召喚状にもう一度目を落とした。確かに、9月21日――今日の日付になってはいるのだが。 「…そうかな?」 少し首を傾げて呟く彼に、メイはぶんぶんと大きく頷いて見せた。 「そうそう、きっとそう!だって変でしょ、お茶会、いつまでやってるかわかんないのに、同じ日に呼び出し状出すなんて」 「…そうかもな」 キールは、眉を寄せて短く頷くと、顔を上げる。 「で、お前は、なんでここにいるんだ。そのパーティとやらはどうした?」 「え、ええとっ」 メイは、慌てて頭を巡らせる。まさか正直に、ことのいきさつを話せるわけもない。 「こ、この近所の部屋でやってたの、それで、ちょっと外に出たついでに探検してたら道に迷っちゃって」 「…こんな王宮の奥で何やってるんだ」 「え、えへへ、うん、まずっちゃった」 ひたすらにこにこしているメイを見て、キールは小言を続けようとしかけたが――思い直してやめにした。かわりに、ぐるりと周囲を見回して口を開く。 「……とにかく、呼び出した本人が姿を見せないんじゃ、話にならない。俺もそうそう暇じゃないんだ」 「う、うん」 メイは、こくこくと頭を頷かせる。さっきから、何かとオーバーアクションの彼女を、キールはまた不審そうに見たが、ひとまず手にした召喚状をくるくると巻き取ると、懐にしまい込んだ。 「…帰る。姫に会ったら、そう伝えといてくれ」 「うんっ」 メイは、また大きく頷く。キールは、いったん扉の方に身体を向けたが、思い直したかのように、ふと、もう一度メイの方へ向き直った。 「…お前は」 「え」 危機は去ったか、と、胸をなで下ろしかけていたメイは、キールの声にどきりと顔を上げた。 少し怒ったようにも見える緑色の瞳が、メイの方を斜めに見ている。 「お前は、…何時頃、戻る?」 「え?」 それは、キールが照れた時の表情だと言うことを、メイは知っていた。 「まあ、今日くらいは…多少、羽目を外してもいいかもしれないけどな」 メイから視線を外すと、キールはそんな風に呟いて、短く咳払いをした。 「俺の部屋の窓は、開けといてやるから。木を登ったり、魔法で2階まで浮こうなんて気を起こすなよ」 今までの失敗を指摘されて、メイは渋い表情になる。 「…分かったわよぅ…」 それで終わりかと思ったが、キールはまだ動こうとしない。どこか困ったように、立ち尽くしている。 メイは、やっと、彼が何か伝えたがっているのだということに気づいた。 「…多少は、いいが」 キールは、そんな風に口を切った。 「あまり、…遅くなるなよ」 「う…うん…?」 メイは、曖昧に頷いて、キールを見上げる。彼は、ちらとメイを見て、また短く咳払いをした。 「いつも、お前が、ケーキケーキと騒ぐもんだからな」 いきなり出てきたそんな単語に、メイは少し面食らう。 「…まあ、誕生日くらいは、そういうのがあってもいいかと思ったから。…その、買ってある」 「…え」 メイの茶色の瞳が、大きく見開かれた。 今朝出かける前に会った時は、キールは何も言っていなかった。何よ、おめでとうの一言くらい言ったっていいじゃないのよー、とメイは胸の中でぶーたれていたりしたのだが。 (――覚えててくれたんだ) それに、買ってあるって――ケーキを? (甘いものなんか、匂いも嫌だって言うくせに) 自分で、店に入って、選んできてくれたのだろうか――キールが? 「…まあ、姫のところでさんざん食ったんだったら、別に要らないかもしれないけど…俺の所に置いとくのはごめんだから、お前の部屋に引き取ってくれ」 「…う、うんっ!」 とっさには返事が思いつかなくて、メイはただ大きく首を頷かせた。 キールの瞳が、ほんの少しだけ和らぐ。 「……じゃあ、俺は帰るから」 そう言って身を返したキールに、メイは、反射的に叫んでいた。 「あ、あたしも帰る!」 バネで弾かれたように、キールの方にぱっと駆け寄る。 「帰るって、お前、誕生パーティとやらは?姫たちが、開いてくれたんだろ」 「あ、ああ、いいのいいの、もう終わりだったから」 さっき話した内容とはいささか食い違うが、メイはそう言いきって顔の前でぴらぴらと手を振ってみせる。 それは、来た時は、こんな豪勢な部屋、一生の記念に一回ぐらい泊まってみてもいいかな、などと思わなくもなかったが、事情が分かってみては、とてもじゃないけれどそんな気にはなれない。 「帰って、キールのケーキ、食べる」 「…そうか」 短く頷いて、ぷいと顔をそらせるキールのマントの端を、メイはちょんちょんと引っ張った。 「ね、キールも一緒に食べようよ?」 「馬鹿言え、誰が食うか」 「えー、だって、せっかくあたしの誕生日に買ってくれたんでしょ?一口くらいつきあってよ」 嫌そうな顔でメイを見下ろすキールの瞳を覗きこんで、もう一押し。 「部屋に持って帰って、一人で食べてもつまんない。ね、お祝いだと思ってさ、クリームとか、ついてないとこ、一口だけでいいから」 少し傾けた頭から、さらりと真っ直ぐな栗色の髪が肩にこぼれる。大きな茶色の瞳は更に大きく見開かれ、生き生きとした輝きをたたえてキールに向けられている。 その視線から、やっとのことで目を逸らすと、キールは低く唸るように呟いた。 「………いいから、帰るぞ」 嫌だと言いきらなかったところを見ると、可能性はありそうだ。メイは、扉の方に向かうキールについて歩き出しながら、彼の横顔を見上げて小さく微笑んだ。 ドアのノブに手をかけたキールが、おや?という風に眉を寄せる。 「どうしたの、キール?」 見上げるメイに、キールは少し首を傾げながら振り返った。 「…開かないぞ?」 「………え?」 その後、「この扉、壊れてるのよっっ」と言い張ったメイがファイアーボールで鍵をぶち抜いたり、引き留めようとして寄ってきた侍女たち(複数だ――もちろん、ディアーナに言い含められていたらしい)を切り抜けるのに、覚えたてのスリープの呪文をぶちかまし、職業柄、当然抵抗に成功したキール以外は半径数十メートル内の人間を昏倒させたりといったささいな騒動があったが、まあそれはなんということもない。 せっかくのセッティングが無駄になってしまって残念がるディアーナに、シオンが例の調子で、じゃあ俺と姫さんで使うか、と言って平手打ちを食らったのも、ひとまずその騒ぎの続きのうちに入れてもいいかもしれない。 しかし、その日一番の出来事は、メイの誕生日にと買ったケーキの一切れを前に置かれて、キールが非常に苦悩した、と言うことであり―――そして、それが結局彼の口に入ったかどうかは──メイだけが知っているのだった。 |

