| |
|||
| 目次: | |||
| 児の相談年齢と通告者 | |||
| 望まない妊娠の帰結として幼児虐待は起こりうるのだろうか…! | |||
「子はかすがい」といわれるほど、夫婦の絆をよりいっそう深めることは明らかなのです。たとえ、それが「意図しない出産」であっても同じことがいえます。 そして、豊かな家族を築いていく、しかしながら、Every Child Should be A Wanted Child!とあるように、すべての子どもは望まれて生まれてくる権利を持っています。望まれた子どもであるなら、その絆はより大きく、強いものとなるでしょう。不妊症で悩むカップルは、全国で10‐15%もいるといわれています。そこにも、女性のさまざまな葛藤が展開されているのです。そのような中で、わが国は、「意図しない出産」や「人工妊娠中絶」が、諸外国に比べあまりにも多いということが指摘されております。 |
|||
![]() |
|||
![]() |
|||
The Alan Guttmacher Institute (1995年)の報告によると、日本での「望まれた出産」は36%であり、「意図しない出産」が36%、そして「中絶」は25%とあります。フランスの「望まれた出産」の66%とは大きな違いです。この「望まれた出産」は、アメリカの43%をも下回っているのです。幸せな家庭と豊かなる生活を築くうえには、望まれた妊娠で子どもを育み育てるのが理想といえます。「できちゃった。しょうがない。産んじゃえよ」ではあまりにも子どもが可哀相ではないでしょうか。 |
|||
結果 |
![]() |
||
| 児の相談年齢 と通告者 |
![]() |
||
ここに、S県の児童相談所へ幼児虐待として、受理した事例80例を対象とした藤井ら(1996年)の報告があります。不明を除いて、「望んだ妊娠」と「望まない妊娠」の比をみると、後者が80%を占めています。しかも、その年齢層は、比較的若い女性に多いのです。 その相談所への通告経路をみますと、「望まれた妊娠」の場合は、父母自らと、関係機関を通してが半々なのに対して、「望まない妊娠」の場合は、父母か減少し、関係機関が上昇し、親族や近隣が増えています。 |
|||
虐待 |
![]() |
||
![]() |
|||
その母親の年齢は望まれた妊娠の児の年齢よりも若いことが示されています。また、発生から受理までの期間が長いとあります。 そして、虐待の種類をみますと、叱って、叩いたりするなどの「身体的虐待」が主となっているものの、「望まない妊娠」の方に子どもの「保護怠慢・保護拒否」が多いのには驚かされますし、その子の将来も気になります。 |
|||
人間発達学の中において、3歳までが人間形成において最も重要な時期と言われています。しかも、胎児期で母体内にいる時期は、性の決定はもとより、女らしさや男らしさの心を決定づける脳の発達においても重要な時期なのです。そのような胎児期においても、望まない妊娠であるなら、母となる女性は、さまざまな葛藤をし、さまざまなストレスも受けるでしょう。決して、生まれる子どもにとって、よい環境とはいえません。 |
|||
21世紀における、わが国の将来を考えるなら、女性の職場環境を含めた社会的地位の向上はもとより、生命の原点ともいえる「女性が子どもを、いつ、なん人産む」かは、女性の当然の権利といえましょう。諸外国に比べ著しくその環境の遅れが問われるわが国において、今一度、考え直すときではないでしょうか。再度、リプロダクティブ・ヘルス/ライツという視点から、21世紀の展望をはからなければならないのです。 |
|||