| 「生命の神秘」 |
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男にとってのマスターベーション 女性生殖器の中での精子は… 腟・子宮頸管・子宮腔内・卵管 |
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人類が古代より脈々と営まれてきた行為、それは性の営みであり子孫の繁栄には欠かせないものであった。それは「生殖の性」を頂点とした性の営みであり、お互いの絆を強めあう「連帯の性」でもあったろう。しかし果てしなく、貪欲に続けられるなかには「快楽の性」が込められていたからに他ならない。その人類の歩んできた「快楽の性」の中で、最も不可解なものの一つに女性が感じるオーガスムがある。オーガスムを体得する女性もいれば、一度も経験したこともないという女性もいる。またその感応の仕方も一様ではなく、同じ女性でも感じるときもあれば、感じないときもある。また、一度の行為の内で幾度となく感じる場合もある。その変化は多様性を示し、個人差が遥かに大きいといわれている。また、パートナーによっても異なってくる。しかもオーガスムは性的な現象ではあるが、女性にとってかならずしも妊娠に必要なことではないと考えられている。一方、男性においては、種の存続のために自らの種(精子)をパートナーに放ち得たという目的が叶えられたときに、必ずといってよいくらいオーガスムは得られるのである。これは、自らの種を女性に残しえた自己満足の代償としてのものといえよう。しかし、この極知感は射精のときのみである。反して、女性は行為のさなかに幾度となく得ることがある。 |
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はたして、女性は種(精子)を受け入れることが出来たという喜びの代償といえるのだろうか。生殖という営みからすると、排卵という周辺の限られたときにしか種の繁栄は起こりえない。腟内に射出された精子が種の存続に相応しい優れた精子か否かの篩いをかける必要はないのだろうか。また、精子を子宮内に導き入れ、億単位の精子を競わせ優れた1つの精子を卵子に巡り合わせるという作業がある。更には、自らの胎内に宿した新たな生命といえども、その女性にとって本当に相応しい叶った子孫なのかの選択も必要であろう。種を受け入れてから世に産み出すまでには時間的余裕はあろう。それは女性の胎内において自然淘汰が計られている。この自然淘汰によって、世に生まれいずる確率は、わずか3割にも満たないのが、人類をこれほどまでに高めえた自然界の営みであった。しかし、この中で女性のオーガスムは、一体どのように関係しているのであろう。 | ||||||
女性の約80パーセントはオーガスムを得るためにマスターベーションをした経験があると、ロビン・ベーカーは「精子戦争」の中で語っている。しかし、その頻度は男性に比べはるかに低いと考えられているが、必ず行なわれているという。しかも、年齢が上昇するにつれその頻度は増すと説いている。日本人女性では、それより少なく、「時折」、「たまに」を含めて、35歳未満では30%、55歳以上では4割近くが現在も行なっていると齋藤らは(1999年)報告している。女性にとってのオーガスムを考える前に、それを支援するマスターベーションの役割とは?について解説してみよう。 |
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マスターベーション |
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男にとっての マスターベーション |
男性が最初に経験する射精は、夢精かマスターベーションのいずれかであろう。しかも、マスターベーションは100%に近い男性が日常生活の中で経験している。しかし、この行為が精子戦争の重要な役割に繋がっていることは、誰も知らない。しかも、誰しもが淫らで不潔な行為として、その正当性を認めようとしないし、誰もが、その行為を行なっていると語るものはいない。 | ||||||
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男にとってセックス、マスターベーション、夢精を含め射精の頻度は、精子の生産量と大きく関係している。思春期から30歳頃までは、毎日、億単位で精子を作り続けている。しかも、週に一二度は何らかのかたちで射精をしている。50歳を過ぎるとその産生量は急速に減ってくる。とくに、精液の量の減少は著しいものがある。丹羽らの報告(1993)によると、1ml当りの精子数は18-39歳の男性334名の平均で77±50 百万/mlであり、60-79歳の男性100名の平均では70±51 百万/mlと殆どかわりはない。しかし、精液量をみると、前者で2.8±1.2ml、後者で1.4±1.1mlとおよそ半分に減っているのだ。産生する精子の数は急激な減少は示さないのに、精液量が少なくなってくる。しかも、その回復力の衰えも激しいのだ。さらに運動している精子も半減している。これは男にとって性の致命傷ともいえよう。なぜなら、射精時にオーガスムとして感じる極致感は、精液量が少ないだけに一瞬にして消えてしまうのだ。 |
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マスターベーションにも わけがある |
50歳までの普通の男性について考えてみよう。マスターベーションは、精子戦争の恐れがある場合に、その戦いの場で大変重要な役割を担っている。それは女性の生殖器の中に入っていく精子の中のブロッカーやキラー、そして、エッグ・ゲッターの割合を調節しているとベイカーは指摘している。すなわち年老いたブロッカーの数を抑え、新鮮な若いキラーやエッグ・ゲッター精子を多くして、精子軍団の隊列を並び替えるのにマスターベーションは大変重要な役割を担っているのだ。 |
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| ブロッカーは精巣上体の中に長く留まり精管近くまで押しやられている「年老いた精子」で、その運動性も鈍くなっている。キラーやエッグ・ゲッターは精巣で造られた精子が精巣上体に運ばれたところで、アンドロゲンシャワーを浴び運動性がつけられる。新しい、若い精子なのだ。したがって、マスターベーションをすることによってブロッカーの比率を調整し、次に腟内に射出されることを無意識のうちに精子戦争に備え全体の割合を整えている。 | |||||||
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| 図1.のグラフは、ベーカーらが34組のカップルを対象に323回のセックスとセックスの間で、男性がマスターベーションをしている頻度の分布図である。10日以上のセックス間隔が空くと100%マスターベーションしていることが示されている。しかも、5日以上もたつとおよそ5割が行なっているのだ。 | |||||||
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| 次に、同じ対象者で次のセックスの前に行なったマスターベーションは何日前だったのかについて調査している。これによると2日以内が6割弱で、3日以内で8割が行なっていることが示されている(図2)。このことは、パートナーとのセックスが間近に迫ろうと感じてきたときに、無意識のうちにマスターベーションを行い精子の調整を行なっている。 | |||||||
| 精子ができるまでの プロセス |
精子のそれぞれの生殖器内における役割について、今一度、考えてみよう。親指大ほどの精巣が二つ陰嚢に包まれてぶら下がっている。その精巣の中にある精細管で精子は作られる。精粗細胞から有糸分裂を繰り返して第一次精母細胞へと成長していく。次にアンドロゲン(男性ホルモン)の手助けで減数分裂を行い22X精子(女精子)と22Y精子(男精子)に二分される。さらに精細管の中にあるセルトリ細胞の力を借りて精子細胞へと成長を遂げる。アンドロゲンとセルトリ細胞の働きにより先体が形成され、核が濃縮されて長円錐形に変化し細胞質は失われ、尾部(鞭毛)が出来上がって精子となる。この間、およそ74日を費やしている。次々と完成した精子は精細管から精巣上体へと押し出されていくのだ。 | ||||||
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| 女性も行なっている 種保存のたくらみ |
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女性生殖器内の精子![]() |
腟内に射出されたばかりの精子は受精する能力は持っていない。しかも、腟内に長く留まる精子は跡形もなく直ちに死滅してしまう。それは腟内が大きく酸性側に傾いているからである。特に、腟の入り口付近は酸性度が低くpHが3-4近くで、外敵からの侵入を防ぐための腟自浄作用を働かせている。子宮の入り口付近はpHが上がり中性の7付近までとなっている。したがって、男精子といわれるY精子はpHが低いと、もろにその影響を受けやすい性質を持っている。その点、女精子は比較的強いのである。したがって、腟内で比較的浅く射出されて妊娠した場合で妊娠するのは、女の子が多いといわれているのは、このことからである。 | ||||||
| 腟内に射出された精子は、女性の子宮の入り口である子宮頸管内に取り込まれ、子宮腔内から卵管を泳ぎ渡っていく段階で受精能力がつけられていく。これをキャパシテーションと呼んでいる。卵管の上皮細胞にある繊毛で精子の頭をなでられ、そこで分泌される粘液で一人前のエッグ・ゲッターになりえるのだ。これは体外受精の技術の進歩とともに理解されてきたのである。すなわち精子を卵管内の分泌物に近い培養液で精子を前培養し、卵子と媒精することにより、初めて受精するということの発見からである。 精子の役割からキラー精子はエネルギーいっぱいで活発に動きまわり、エッグ・ゲッターと異なり頭部の成分は殺人化学物質に変り、他の男性の精子を識別してそれに襲いかかるという性格に変身してしまうとベィカーは語っている。これは主に子宮から卵管の入り口で行なわれる。これら精子は子宮から卵管の入り口に広くたむろし、エネルギッシュに動き回って、他の精子の侵入を妨げるために戦うのだ。彼らもまた卵管狭窄部を経て奥深く膨大部に入り込むと受精能が得られエッグ・ゲッターに代わりうる。多くの年老いたブロッカー精子は、子宮頸部の頸管腺の窪みにその殆どが留まり、次に入ってこようとする精子軍団の侵入を妨害するのである。 |
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| 腟 |
ここでは、女性の生殖器の役割をしっかりと理解しておこう。腟内部は男性のペニスを受け入れるべき構造としての機能構築がなされ、最も伸展性のある器官で形状も様々に変化する。その腟管は膀胱と直腸の間に挟まれた、不規則性の筋膜性の筒状になったもので、膀胱側を前腟壁、直腸側を後腟壁と称し、腟の下端の前庭に子宮腟部が開口しており、その突出したところを腟円蓋部と呼んでいる。その後腟円蓋部は陰茎を深く受け入れるところで、オーガスム期には膨化し精液プールをつくる。腟壁は重層扁平上皮細胞で覆われ横に走る無数の襞があり、蛇腹のようにして伸展性がよいのである。腟口付近は、pHが3-4ほどで酸度が低いが奥に行くほどpHは上昇し、pH7近くになっている。これは腟内に存在するデーデルライン桿菌によってグルコースを乳酸に変えてpHを低くし、細菌などの外敵の侵入を防ぐのである。これを腟の自浄作用と呼んでいる。セックスの時に腟壁が濡れてくるというのは、子宮頸管腺やバルトリン腺からの分泌物もさることながら、腟壁から湿潤してくる滑液といわれるものである。最初は子宮腟部付近から頸管粘液と混ざって出始め腟壁全体を覆うようになる。これは腟壁全体を取り巻く静脈叢からのムコイド状の濾出液であり、発汗作用と同じような原理だ。 |
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| 子宮頸管 |
子宮頸管は精子の進入口であり、筋層(外筒)と粘膜層(内筒)の2重円筒構造からなり、外筒が求心性の収縮を示すと内筒は無数の襞壁が形成される。この皺状構造と頸管から分泌される粘液、この粘液は棒状ムチン分子が平行に集束しミセルを形成し、その間に糖やタンパク質、種々の電解質とが混じり多くの水分が充満している。この粘液を通して精子が毛細管現象のごとく子宮内へ吸い込まれるようにして送り込まれる。この粘膜部分は円柱上皮細胞で多数の陥没部(crypt)があり、導管はないものの95%ほどの分泌細胞と5%の繊毛細胞で構成されている。この陥没部より頸管粘液を滲出する。また、精子の貯蔵庫にもなっている。 |
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| 子宮腔内 | 精子の子宮腔内の移動は、精子自身の動きよりも、精液中に含まれるプロスタグランジンや性的興奮により分泌されるカテコールアミンなどのよって起きる子宮筋の収縮運動により速やかに卵管の入り口付近まで運ばれていく。数分以内に卵管内に到達されるといわれている。この子宮卵管接合部では、卵管内へ精子が進入する一つの篩がかけられる。 | ||||||
| 卵管 | 卵管は、子宮卵管接合部から7-8cmほどの長さで狭窄部、卵管膨大部、卵管采に分けられる。卵管采は排卵した卵子を容易に取り込めるような形状をしており、卵管膨大部は卵子が精子を迎え入れる受精の場である。卵管狭窄部はおよそ2-3cmの長さで、直径0.1mmから1mmほどの細い管であり、ここで精子が卵子にめがけて膨大部へ向け放なたれる一つの篩となる重要な場となっている。子宮接合部までの精子の運動性は直進性を有しているが、狭窄部に入るときめ細かな皺状の粘膜と粘調性の高い粘液と無数の繊毛によって精子頭部は捕捉され、精子の第二の貯蔵庫となる。その間、精子は繊毛に盛んに頭を撫でられると、尻尾が鞭打つような激しい動きを獲得する。精子の受精に備えた活性化でハイパーアクチベーションと呼ばれ、これで初めて受精能を持つ一人前の精子となる。この補足状態から開放され始めて受精の場である膨大部へ移動し始める。排卵時に放たれるプロスタグランジンが卵管を刺激し、収縮、弛緩をさせることにより膨大部への移行する精子を調節しているのだ。ここにも女性は子孫繁栄に向けての秘められた企みが隠されていたのである。 卵子と遭遇できなかった無数のおびただしい数の朽ち果てた精子は、子宮腔内や卵管内に存在する白血球で貪食され消滅してしまうのだ。数億分のなかの一つだけが卵子を勝ち得て、残りの精子は女性生殖器のなかの貪食細胞の餌食となってしまうという過酷なまでの精子戦争である。 |
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| 頸管粘液の秘密 | このときの頸管粘液の性状変化について知らなければならない。序章でも述べたように子宮の頸管から分泌される粘液は月経周期によって変化しているのである。月経から卵胞期初期までは殆ど分泌はされておらず、少ない状態である。卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が多くなってくると、それに同調して粘液の量は増えて満ち溢れてくる。水様透明な状態でさらっとして牽糸性が増して糸を引くようになっている。 排卵期には、注射筒でそれを吸引すると3ml以上も取れ、10cm以上に糸が引くようになる。それをスライドガラスに乾かして顕微鏡で見ると規則正しい羊歯状の結晶がきれいに見えてくるのだ。これはミセル状の構造を取り、毛細管現象のようにその網の目の中を精子が吸い込まれていくように仕組まれているのだ。さらに、排卵後は黄体に変わって黄体ホルモンが分泌され、子宮内膜をふかふかした赤ちゃんの寝床にするのだが、頸管に対しては粘液の性状を濃厚なドロットした厚いものに変えてしまう。これは、大事な赤ちゃんの寝床を外敵から侵入を妨げる意味での城壁の門を閉ざしてしまうのだ。 |
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| オーガスムはどうして… |
オーガスムとは、性行動の一連の営みで迎える性反応の最大にして得られる極致感とでもいえよう。これは、Masters
& Johnsonが(1966) "Human Sexual
Response"の中で克明な報告がある。静止期(平静状態)から性的反応の始まりである興奮期、性的刺激によりイニシエィトされる。その興奮期から一時期、プラトウな状態の平坦期(高原期)に入る。平坦期に入ると、性的緊張を一層強化させるためのそなえといえる最も重要な時期といえよう。有効な性的刺激の強さとその時間、そしてその高まりを増大させようとする個々人の意思によって異なる。 |
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| 男の性反応 | 男性の性反応は、性的に興奮すると陰茎海綿体に血液が流れ込み勃起という現象が起きる。そして、平坦期を迎え、女性側の反応を待つ。その間、陰茎の充実は増して、陰茎亀頭は変色してくる。これは静脈性の血行不全によるもので赤紫色となる。陰茎には1対の陰茎海綿体が尿道を挟んで、そのなかにおびただしい血液が流れ込んで充満する。この海綿体を取り巻く縦横に交差した繊維でできた白膜は伸展性に乏しいために海綿体から抜け出ている静脈管は圧迫されて静脈血が抜け出る場を失ってしまうのだ。海綿体中の血液の密度は高まり硬度が増してくるのである。2本の陰茎海綿体の間にあって尿道を取り囲むようにして亀頭まで至る尿道海綿体の中にも同じように血液は流入して膨張はする。しかし、静脈血の流出を妨げるような機構は存在しないため、硬度は増すことなく弾性を保っている。腟内でのスラスト運動の妨げにならないようクッション的な機能を与えている。また、他の哺乳動物にはなく、人の陰茎にのみある亀頭冠は、これも精子戦争では重要な役割を持っているのだ。これは腟内にある不要物、その中には他の男性の精液も混じっていることもあろう。陰茎を深く腟内に押し入れることにより、腟奥にある不要物を亀頭冠の後ろに押し回して、陰茎を引くときに腟外に掃きだすという機能を持っているとベーカーは語っている。 |
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| このようにして、局所からの刺激により興奮が極度に増してくると射精中枢にスパイク状の刺激を受ける。すると精巣上体尾部に蓄えられている精子は、精管の蠕動運動により精管膨大部に運ばれる。と同時に前立腺液と精嚢腺液とが混合されエミッションという現象が起きる。内尿道括約筋は閉塞し、膀胱内への逆流を防ぐとともに、外尿道括約筋の弛緩と球海綿体筋や坐骨海綿体筋および尿道括約筋の律動的収縮で精液は外尿道口より射出される。この陰茎からの精液射出は0.8秒の間隔で3-4回繰り返される。この時に得られる極致感が男性のオーガスムである。 |
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| 女の性反応 |
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| 女性のオーガスム | 腟内に射出された精液は後腟円蓋部にプールされる。これを精液プールと呼んでいる。一度、精液は凝集現象を起こす。腟内の酸性度の低い環境から守るためでもある。やがて、子宮頸管腺から分泌される頸管粘液に混ぜられ融けて、子宮内に吸い込まれて行く。また、セックスで女性が得られるオーガスムによってもその環境は変ってくる。それは子宮内に受け入れる精子を選択し調整することなのかもしれない。 |
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| その変化とは、腟内に射出される精液の最初の部分は、古くなって年老いた精子が多く、ブロッカーと呼ばれるものである。その後に、キラーやエッグゲッター精子が続く。精液プールの上層に位置し、下層はブロッカーで占めることになる。さらに運動性の良い精子は次々と表層に泳ぎあがってくる。スイムアップという現象だ。 |
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女性が体得するオーガスムはその頸管粘液が増量する分泌物に拍車を掛け、そして腟の奥深くにできた精液プールに頸管は首を突っ込むようにして掻き混ぜ新しい精子を吸い上げるためにテンティングという現象が起きる。もし、頸管腺に留まっている古い精子などがいれば、新しい精子の通り道にへばりついていて、子宮内進入の邪魔者ともなろう。ブロッカーといわれる所以ともいえよう。もし、精液プールに精子がきていなかったら、テンティングは空回り、頸管にへばりついていた古い精子は腟内に押し出されたり吸い込まれたりしてしまうことになる。女性がオーガスムに達する時には、先に射精されて精液プールができていなければ、オーガスムの働きは徒労に終わってしまうことになる。 |
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女性にとって オーガスムとは・・・ |
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| 図3を見てみよう。射精を起点として女性が得たクライマックスのオーガスムが射精前だったのか、後に得ていたのかを示している。射精直前の1分前が最も多いようだ。全体として8割近くが射精前に達していることが示されている。 |
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| このようにして、女性のおおかたは、そのセックスの最後にえるオーガスムは、射精前に得ていることが多いとベーカーらは指摘している。射精後に得ることは少ないようだ。しかし、フローバックから得られた情報からみると射精前と射精後での精子残存率は大きく異なっている。射精と同時か射精後のほうが多いのである。 ベーからは、フローバックから得られた情報を元に精子数を数えていくと、腟内に残されている精子の数は射精前では少なく、5分以上前では射精後の半分にも満たないという一定の傾向を得たのである。この違いは、なにを意味しているのだろうか?精子を受け入れる女性のしたたかなたくらみが、この中にも秘められていると言えるのであろう。 |
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そこで、女性がマスターベーションを男性同様に、セックスの営みの前に行なってオーガスムを感じ取っているとしたら、どうなるのだろうか?後腟円蓋部には精液プールを作るかのように大きく膨らみ、子宮腟部はテンティングと呼ばれるリズミカルな上下運動を行なう。そして、頸管腺からの粘液も大量に放出される。例え、精子の貯蔵庫ともいわれる頸管腺に古い精子が存在していたなら、締め出されて排出されてしまうのだ。すなわち、次のセックスに備えて、精子の貯蔵庫を空にしできる限り多くの新しい精子を呼び込むことが可能となってくる。 |
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| <続く> | |||||||
| 参考文献 | |||||||
ロビン・ベイカー著、秋川百合(あきかわ・ゆり)訳:「精子戦争 -性行動の謎を解く-」河出書房新社、1997.6.25発刊 R.Robin Baker, Mark A. Bellis: "Human sperm competition: ejaculate adjustment by males and the function of masturbation" Anim. Behav. 1993, 46, 861-885 R.Robin Baker, Mark A. Bellis: "Human sperm competition: ejaculate manipulation by females and a function for the female orgasm" Anim. Behav. 1993, 46, 887-909 丹田 均他:「高齢男子の性機能」ホルモンと臨床、1986、38、167-179 M. Saito, Y. Kimura: "Sexual attitude of middle- and high-aged women" The 6th Asian Congress of Sexology, 2000, 143 石濱 淳美:「セクシャリティの医学」メディカ出版、1998.6.30発刊 |
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