「有事」にデマを流す者

阪神淡路大震災の際、「一部労働組合員」が自衛隊による救援活動を妨害した、というデマがマスコミを通して流された。 真相は藪の中だが、このデマを流した元凶は自衛隊そのものである疑いが濃い。
大地震という自然災害に際してさえ、一刻も早い救援を望む人々の感情に付け込む形で、このような悪質な情報操作が行われた。 まして本物の「有事」ともなれば、殺気立った雰囲気と大混乱の中で何が行われるか、分かったものではない。
いわゆる「有事法制」は、自衛隊を始めとする権力機構に、好きなように「有事」を作り出し、その中で思い通りに事を運ぶためのフリーハンドを与えることになる。 それは災害などよりはるかに危険な代物である。
(2002.08.21)
投稿先: fj.soc.misc, fj.soc.media
タイトル投稿日
Re: Earthquake and army1995.06.14
Re: Earthquake and army1995.06.22

投稿先: Keystone-ML, AML
タイトル投稿日
Re: 自衛隊の暴挙について1999.05.19


Newsgroups: fj.soc.misc
Subject: Re: Earthquake and army
Date: Wed, 14 Jun 1995 09:34:33 GMT

高橋です。

In article <…> N.Y writes:
>阪神・淡路大震災時も、救援活動で来た自衛隊が上陸しようとするのを妨害したと
>んでもない連中がいたと聞きますから、「他人の命を賭けても構わない」位凄まじ
>いアレルギーを抱く人がいるのはどうやら確かな様です。ですが、これは状況をわ
>きまえないそうした連中の方がどう考えても悪い。自衛隊が動かなければならない
>様な非常事態に平時のイデオロギーをそのまま持ち込む方が愚かです。


はい、出ましたね。:-)

この、自衛隊の上陸を妨害したとんでもない連中がいたとかいう話です
が、*デマ*ですよ。

事の発端は1月19日付読売新聞朝刊の解説ページに「派遣遅れた兵庫
県南部地震 自衛隊と自治体、連携に教訓」と題して掲載された次のよ
うな記事です。

|今回も非常用食料などの荷揚げのため、神戸港に接岸しようとする輸送
|艦や護衛艦に、一部労働組合員が入港に反対、接岸場所の調整に手間取っ
|た。


これに対して、全国港湾労働組合協議会は事実無根と抗議、事実確認を
求めた結果、読売新聞社は誤りを全面的に認めて翌日「おわび」を掲載
しています。

TBSも19日朝の番組で同様な趣旨の情報を伝え、これも抗議の結果、
配信元の共同通信社が事実誤認を認め、同日昼前に記事取り消しを配信
しています。

ところがその後もこの誤報は一人歩きし、テレビ朝日21日朝の番組で
海部俊樹元首相が読売新聞の誤報記事を引用してコメント、日本テレビ
22日朝の番組でも同じ記事が引用され、デマが広まってしまいます。
(海部事務所は番組終了後に謝罪文を発表。)

なぜこんな誤報が出たのか、その真相は薮の中ですが、不確かな情報や
先入観に基づいたいいかげんな報道がしばしばなされる(しかも訂正情
報がちゃんと伝わらず、後々まで悪影響を残してしまう)のは困ったも
のです。:-<

なお、この件の経過については朝日新聞1月31日付朝刊の「震災報道」
で詳しく報じられていますので、過去の新聞記事にアクセスできる方は
確認してみて下さい。

Newsgroups: fj.soc.misc,fj.soc.media
Subject: Re: Earthquake and army
Date: Thu, 22 Jun 1995 03:19:24 GMT

高橋です。

In article <…> W.K writes:
> >なお、この件の経過については朝日新聞1月31日付朝刊の「震災報道」
> >で詳しく報じられていますので、過去の新聞記事にアクセスできる方は
> >確認してみて下さい。
>
>先月の「創」という雑誌も扱っていました。

これは知りませんでした。

>それによるとこのデマのでどころは某防衛庁幹部だったと
>あったように思います。(調べときます)


よろしくお願いします。

「震災報道」に戻ると、報道被害を受けた全国港湾労組はこのデマの出
所について、「海上自衛隊幕僚監部広報室の可能性が強い」と見ている
ようです。もちろん自衛隊側は否定していますが。

この件に関して真相が明らかになることは少なくとも当分はないかも知
れませんが、誤報を流した報道機関自身はニュースソースを知っている
わけですから、二度と*同じネタ元*からのデマ情報を流さないよう猛
省して欲しいものです。

それから、これは誤報とそれに伴う報道被害一般について言えることな
んですが、誤報の訂正というのは余りに不十分な場合が多いですね。新
聞などでも小さな「おわびと訂正」が載る程度というのが普通のようで
すが、これではよほど注意深く読む人でなければ見逃してしまいます。
少なくとも「自分の流した誤報による被害を充分打ち消せるだけの量と
内容」で訂正情報を提供するだけの責任感を持って欲しいものです。

Date: Wed, 19 May 1999 00:21:48 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org, aml@jca.apc.org
Subject: [keystone 1464] Re: 自衛隊の暴挙について

高橋亨です。

from [keystone 1434]:
>  ==================================================
>    〔3・24〕自衛隊の暴挙についての私の意見
>  ==================================================
>
>   発信者=井上澄夫(つくろう平和!練馬ネットワーク)
>   発信時=1999年5月11日
..snip..
>私が「日本海事変」と呼ぶこの事態は、まだよくわからないところがあると思います
>。政府の公表した事実のみが一人歩きしていますが、誰(誰)がどう動いてこういう
>ことを引き起こしたのか、という肝心の点は、隠されたままというべきではないでし
>ょうか。かつての「満州事変」のように、ずっとあとになって真相が明らかになると
>いう性質の事態であったと思います。いや、あの「事変」は、これから起こされる、
>もっと大きな謀略の一環かもしれず、ことを過去形で語るのは間違いかもしれません
>。計画はなお、どこかで(水面下で)続けられているかもしれず、次の「事変」はも
>う準備されているかもしれない。少なくとも、そのような警戒心を持って、内閣、防
>衛庁、海上保安庁などの動きを子細に観察すべきでしょう。
> 私は、謀略史観に傾斜することを自戒する者の一人ですが、自衛隊が軍隊である以
>上、いかなる謀略も戦術として駆使するということを強く意識しています。また、み
>んながそう思って警戒しないなら、危ないことになると思っています。


私も「ユダヤの陰謀」みたいなお笑いは信じませんが、自衛隊は旧軍の謀略体
質を色濃く受け継いでいるし、実際いろいろやっているだろう、と思います。

今回の「不審船」事件に関連して思い出されるのは、阪神淡路大震災の際に流
された次のようなデマです。

| 今回も非常用食料などの荷揚げのため、神戸港に接岸しようとする輸送
| 艦や護衛艦に、一部労働組合員が入港に反対、接岸場所の調整に手間取っ
| た。(読売新聞1995年1月19日付け朝刊)


この「誤報」は読売の他に共同通信、日本テレビ、TBS、テレビ朝日等でも
流され、「被災者救援に活躍する自衛隊とそれを妨害する頭の固い左翼」とい
う構図でさんざん利用されました。このデマの出所は海上自衛隊幕僚監部広報
室と推定されています[1]。

大震災で市民が苦しんでいるさなかに、その混乱に乗じてデマ情報を流す。人
命を手段としか考えないこの体質は関東大震災の頃から変わっていない、とさ
え言えるでしょう。それどころか、今回の騒ぎは、彼らが座して非常事態を待
つ段階から自分でそれを作り出す段階に「進化」したことを示しているのかも
しれません。厳に警戒が必要です。

あのときのデマのネタ元を知っているはずの読売や共同が、今回また何の疑い
もなく筋書き通りの大報道を繰り広げた、というのも情けない限りです。

[1] 朝日新聞1995年1月31日付け朝刊「震災報道」

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