日本人の宿痾
投稿先: noforce ML
Date: Wed, 05 May 2004 10:04:21 +0900
To: noforce@mlc.nifty.com
Subject: [noforce.7102] Re: 悪魔的な事を書きます>私はちょっと違うな
高橋亨です。
in [noforce.6998], comcomさんwrote:
>かつて、小林よしのり氏が、HIV被害の運動に心寄せていたのに
>途中から離れ、反対側に回って行きましたよね。
>そのとき、
>「被害者は被害者らしく泣いてすがっていればいいのに
> 偉そうにごせんたくをたれ始めた、
> 組織の運動も入ってきて利用された」
>というような事を書いていました。
>
>彼は、ある種の感情にとても正直(敏感?)だから、
>一般の人のそういうネガティブな意識を形にして描くことで
>支持を集め始めたのだと思います。
この小林よしのりの反応、極めて日本人的ですね。
日本人は、弱者・被害者が黙って耐えている姿に同情するのは大好きです
が、被害者たちが声を上げて主張し始めると、一転して叩きにかかります。
先日のハンセン病回復者たちの宿泊拒否事件で、最初はホテル側に非難が集
中していたのに、回復者たちがホテル側のうわべだけの「謝罪」の受け入れ
を留保し、ホテル側が一方的に「廃業」を表明すると、今度は回復者たちの
側に誹謗中傷の電話や葉書が殺到したことなどに、そうした心性が典型的に
現れています。
抑圧されている日本の大衆は、自分よりみじめな境遇にいる人々の姿を見
ることで「よりまし」な自分の位置を確認できるし、そうした人たちに同情
する自分の「優しさ」を感じていい気分でいられる。ところが、弱者たちが
声を上げて権利を主張しだすのを見ると、自分よりはるか下にいるはずの者
たちに踏み越えられ、追い越されてしまうのではないかという恐怖を感じて、
一転して憎悪が噴き出してくるわけです。
抑圧され、踏みつけられてきたことに対する怒りが、抑圧している側には
向かわず、自分には怖くてできないこと(抑圧者への反抗)を勇気をもって
実行した弱者の側に向かう。
歴史上一度も大衆が権力を打倒した経験を持たない日本人の民族的宿痾、
最大の弱点と言ってもいいと思います。
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