| 発生日・場所 | 2000年4月12日、都庁 |
| キーワード | [三国人] [在日外国人] [メディア] | 文脈 | 9日の「三国人」発言への反響・批判を受けて行われた、釈明記者会見での発言 |
| 内容 |
…この騒ぎの元凶の共同通信の○○君(記者名)、君の書いた記事が非常に不備だったんでね、こういうことになった。君は出てきて皆の意見まとめて聞いてくれ、質問をまず。
−−あなたの発言が不備だったから書いた。(記事の)どこが不備だったか言って下さい、会見場で=同記者。 じゃあ、あなた何で文章切って報道したんですか。私は朝日(新聞)に記載されている全文の中で「今日の東京をみますと、不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪を繰り返している。もはや東京の犯罪の形は過去と違ってきた。こういう状況ですごく大きな災害が起きた時には、大きな大きな騒じょう事件すらですね、想定される。そういう現況であります」。 これ、あなたの原稿に出てないじゃない。何で切ったんだよ。浜渦(武生)特別秘書が「何で切った」って言ったら「聞こえなかった」って言ったそうだね。あれだけ大きな大きなスピーカーで報道した。ほかの人は皆聞いているのに君だけ聞こえなかったのはおかしな話じゃないか。君が怠慢か無能かどっちかだよ、それは。 (中略) −−知事は差別用語ではないという認識。世の中では差別用語とされている。 それは辞書にはっきり出てますな。例えばだね、私の使っている三省堂の大辞林にまず「三国人」「第三国人」の「三国」なるものは当事国以外の国、つまり戦争とか国際交渉ね、それに関係している相手国以外の直接関係を持たぬ国、つまり外国とされてますな。それから、同じ辞書に第三国人という項目もあって、1は当事国以外の国の人、次は第二次大戦前及び大戦中、日本の統治下にあった諸国の国民のうち、日本国内に居住した人々の俗称。べっ称とは書いていない。俗称と書いている。 そして、敗戦後の一時期、主として台湾出身の中国人や朝鮮人を指していたと書いてありますがね。私はこの辞書に沿って、つまり第一義の意味で外国人と言葉で使ったんだけど、このごろの人には耳慣れない言葉だから、あえて、重ねて外国人と重ねました。そして、その前段に非常に大事なことだけども、さっき申しましたように今日における不法入国、これは不法入国だけじゃなしに、入国したあと不法に滞在しているその種の外国人も含めて言ったんで、それは重ねてここで説明しますけど、その点では言葉が足りなかったかもしれないが、例の蛇頭、スネークヘッドのようなグループにお金を払って、不法に入ってきている中国人、あるいは他の国籍を持っていて当然日本から退去しなくちゃいけないのに、不法に滞在している外国人を含めて私は言ったわけです。 ということでありますから、私たち、あなたがた年が違うんで、終戦後の混乱の時に、私たち非常に肩身を狭く暮らしていたもんだから、その外国人のことをなかなか、外国人すなわちアメリカ人と印象に受け取られたんで、その他のここに記述してある、かつて日本の統治下にいた、しかも、戦争の後ですね、国籍のまだ定まらぬ、中国も混乱していたし、韓国も分裂したままで、あの地に条約できて、国籍はっきりするようになるんだけど、それまでの日本にいるかつては日本人だったかもしれないが、今は国籍違えた人たちのことを私たちは「三国人」と呼んでました。その中にはアメリカ人も入っていた。 (中略) だからですねこの前段がきちっと報道されれば、私はその「三国人」という言葉の中で、ずっと日本にいる韓国人や朝鮮人を指したと受け取られるわけはない(*1)のに、だれかがだな、意識的にカットしたんだ。 「一犬虚をほえて万犬虚にほえる」みたいになっちゃったから。このへんで皆冷静になって、言葉の問題というなら言葉ってものを自分たちの言葉を大事にして、認識してもらいたい。ただ、私はこういう問題起こってしまったのだから、これからは心して、誤解招きやすいのだったのなら、ずっと在日の韓国人、朝鮮人の人たちの心中察するに余りありますからね。 ですから「三国人」という言葉、心して使わないようにしますけども。つまり、正当な日本語を正当に使ったのに、その説明がカットされて、非常に悪い印象与え、誤解されたってことは遺憾でありますな。極めて遺憾であります。これはやっぱり、聞こえなかったか、そこつだったか知らんけど、やはりね、新聞記者の魂にもとるよ。 (中略) −−意図的ではないという話はですね、あえて外したわけでないということはですね……。 ああそうですか、それじゃそれは譲ってだね、しかし、結果としてね、聞こえなかったで済む問題じゃないんじゃないの。もうちょっとこれが問題になると思ったんなら、十全な調査なりテープなり確かめて、完璧な報道をすべきじゃない。現に、朝日はきちんとちゃんと書いてあるじゃないか。それからもう一つ、皆さんに興味ある原稿ですけど、かつて、「三国人」という言葉を朝日新聞も使っております。これはイラク、クウェート内の外国人出国に関する安保理の決定、決議要旨でですね。1990年8月20日、朝日の朝刊に「イラクとクウェートに滞在している第三国国民の安全と安寧を憂慮する」うんぬん、「イラクに対して、クウェートとイラクにいる第三国人の即時出国を許可するとともに」うんぬんとありますね。 それから、1988年の6月10日の読売新聞には、これは、「在北京アメリカ大使館は9日、北京と天津に住むアメリカ人に緊急通知を発し、第三国人がアメリカ人にテロ攻撃を加える計画を立てているとの報道があり」うんぬんと書いてあるね。ですから、「第三国人」という言葉はね、つまり何というかな、日本の中だけでなくもっとポピュラーな言葉だし、外国も使ってるんだ。(*2) (中略) −−知事は大災害時に不法入国の外国人が騒じょうを起こす可能性があると言うが、阪神大震災ではそうした事実はなかった。 阪神大震災ってよく言いますが、ケースが違います。東京の場合にはもっと凶悪な犯罪をたくさんしている不法入国、不法駐留の外国人がたくさんいる。警視庁の指数、見てごらんなさい。今までの日本の例えば強盗なら強盗が、やりようのないような凶悪な手口(*3)でですね……。 例えば、話しましょうか。宝石店にですね、普通の日本の泥棒だったら狡智(こうち)を尽くしてかぎ開けて入るけども、彼らはね、工事用の車持ってきていきなり壁に穴開けてがさっとかっぱらってって、どこへ持っていくかといったら、日本の故買のルートなんかにかけないんだよ。香港に持っていって、香港のルートにかけるんですよ。例えば、日本堂とか和光にあった10万円の価格のついている指輪だったら、これはもう一流の店だから信用できるっていうんで、そのまま向こうのルートにかけるんですよ。こういう事実があるんですよ。 それからどうなんですかね。中国製の覚せい剤がどんどんどんどん輸入されてきて、売るのはパキスタン人が主らしいけれど。非常に多様なですね、そういう薬というものを摘発しても、なお末端価格は上がらない。上がらないってことはですね、もっともっと多量な、そういう危険な薬物が、まさに「三国人」、外国人の手によってまん延してんだ、この日本に。 皆さんの子弟がスポイルされてるんだよ。それを放置できますか。警視庁は悪戦苦闘してますよ。その手合いが、とにかく未だにばっこしてるんだ。私はね、そういう事実をメディアの人に知ってもらいたいし、そういう情報の事実を確かめたいのなら、どうぞ警視庁に行ってください。 そりゃね、神戸におけるね、不法滞在している外国人やってる犯罪と、東京の場合、ケースがぜんぜん違うし、質も量も全然違うんです。だからロサンゼルスでも、あれは何て言うのか、少数民族による略奪事件があった。しかし日本の場合はですね、もっと肩身の狭い、後ろめたい思いをしている外国人がいて、現に狡智にたけた犯罪をしていながらだね、つまり、なかなか手が及ばない。それが大きな災害の時、どんな形で爆発するかということを考えたら、私は知事として本当に寒心に耐えないね。 それでね、東京の都民が大きな迷惑を被ることが許せないから、抑止するために演習をするんだ。演習をするということを言ってきた。私の責任で。もし、それがいけないんだったら、4年か3年後の選挙で都民が私を裁いたらいい。私は潔くですね、その時また訴えますよ。知事である限り、地震が来ないに越したことはないけれど、いつ来るかわからない地震に備えた大演習をしますよ。政府の協力の下に。だれがそれを咎(とが)められますか。 −−社会的に影響力のある知事としてはですね−−。 もちろん、影響力があるから、こういうオファーしてるんだよ、おれは。 −−日本では朝鮮半島がらみの事案が起きると、朝鮮学校の生徒のスカートが切られたりする。社会的な影響力のある知事の発言がそういう事件を助長しないか。 それはね。前段の問題がね。私が今度言った「三国人」というのは、ずっと日本にいる朝鮮や韓国の人じゃないんですよ。不法に入国し、不法に駐留している、滞在している外国人のことを言った。現にその犯罪はばっこしている。私はその人間を対象としただけで、一部の人たちがですね、俗称である「三国人」を誇張してね喧伝することで、朝鮮の人、韓国の人は不安で不愉快な思いをしただろうけど、それは非常にお気の毒だし、遺憾に堪えないけど、これを謝罪するべきは、そういう間違った報道した、偏った報道した人間じゃないの。 (中略) −−治安出動の話は、関東大震災の時と重なる。歴史認識を聞きたい。 それはですね、私は都議会でも、この計画を説明する時、言ってます。詳しく言ってます。議事録を読みなさい。取材をきちっとしなさい。私はですね、過去に、関東大震災の時に流言飛語でね、在日の朝鮮人の人たちがむげに殺され、非常に痛ましい事件が起こった。しかし、もうそんな時代じゃない。 逆にだね、今度は朝鮮の人、韓国の人じゃないんですよ。違法に日本に入国し、駐留し、滞在し、そして犯罪を繰り返している、そういう人間たちが、何を起こすかわからんてことを言ってるだけでね。要するに、もし日本にいる外国人がだ、流言飛言でそういうことになったら、一種の治安出動で私たちは守りますよ。あの時は日本の当局が守り切れなかったから、朝鮮人に被害が出た。 −−関東大震災では、警察や軍当局が虐殺にかかわったという事実があるが。 ああ、そうですか。それは論外の話でね。そんなことは許されるわけはないし、世界が眺めている中で、そんなばかなことは私が許さない。絶対に。 −−それなのに「三国人」という差別語を使ったのは、誤解というより、明らかに知事の不手際では。 不手際じゃない。私は第一義で使っているんだから。ただ、やっぱりそれはね、感情的に非常に反発しやすい言葉だったら、これから使いませんよ。しかしね、あくまでも「三国人、外国人」て言い直して、重ねて言ってたけど、どの種の外国人かってことをきちんと言っるでしょう。朝日(新聞)の全文にもきちんと書いてあるけど。え、「不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪を繰り返している」っていう前段で始まっているんだ。これを切ってしまって、いきなり「三国人」てことになったら、そりゃねえ、いろんな誤解が生ずるだろうけど。報道は正確にしてもらいたいね。 −−「三国人」という言葉を使ったこと自体が誤解を招くと思わないのか。 だって、辞書にきちっと第一義の「外国人」という定義で使ったんだ。だけど、耳慣れない言葉だから外国人と言い直したわけですよ。これから使いますまい、そりゃ。それからね、皆さんね、記者、記者って言うならね、東京の実情をこれから見てね、行ってごらんよ。歌舞伎町とか池袋とか。12時過ぎたらどこの国かわからないよ。ヤクザだって怖くて歩けないよ。日本のヤクザだって。そういう現況があるんだ。 (中略) −−毎日新聞も発言の全文を掲載している。(報道に関する10日の青ヶ島での)知事のコメントもすべて載せている。それでも、なお知事発言はおかしいという意見が出ているのが現実だ。 「三国人」に関して? −−それだけではない。大災害時には、外国人だけでなく、日本人だって犯罪を起こす蓋(がい)然性はあるはず。それを知事はあえて「外国人が」と言っている。 でもね、それはね。都民の皆さん、国民の皆さんに東京の実態を知ってもらいたいんだ。日本全体にまん延している覚せい剤、いったいどこの外国人がどうやって運び込んでるのかね。その実態、警視庁に行ったら詳しく話してくれますよ。このコンピューター時代にねえ、インターネット使って狡智(こうち)な暗号でだね、覚せい剤なり麻薬を販売しているのは、不法入国し不法滞在している外国人じゃないですか。ほとんど原産地から中国経由で入ってきてるんだよ。これは国家の問題だから、政府もちゃんとしてもらいたいんだ、本当に。中国の政府なら政府に、きちっと抗議したらいいし、向こうだって法治機能はあるんでしょうからね。 それで結局だね、どれだけの金になってどれだけ還流されているか知らないよ。だけど、やっぱりそれだけ日本の子弟の若い人の身体がむしばまれて、精神がむしばまれている。それを私は看過できませんな。その多くの発信基地ってのは東京にあるんだ。行ってごらんなさいよ、歌舞伎町や池袋。女の人は夜はとっても一人で歩けないよ。ヤクザだって怖がって入らないよ。そういう無法地帯になっているんです、ある時間帯は。 だから私は、その人間たちが大きな引き金を引いて、大きな騒じょう事件を起こす可能性があると。当然、東京全体が瓦壊(がかい)したら、こそ泥を働く人はいるでしょう、日本人だって。日本人が泥棒しないとは言いませんよ。しかし、もっと大きな規模のロサンゼルスで起こったようなね、そういう略奪騒動事件が起こった時に(*4)、ロスではカリフォルニア州軍が出動したみたいに、私は軍隊持っているわけではないから、とにかく国家に頼んで治安の出動を要請する。その演出をすることで、未然に防げると思ったんで、あえてそういう発言をしてきました。そのへんでいいでしょう。はい、以上であります。 (中略) −−(2月定例)議会で発言した後、議事録を「外国人」に訂正したが、これはどういう意図か。 はあ、それは僕はよく覚えてませんね。 −−知事の名前で、代表質問の後に訂正が出されているが、これは知事が命じたものではないのか。 それは詳らかにしませんが、それでしたら私は「三国人」というのは今後使いません。懲りましたからね。迷惑もかけたし。ただ、やっぱり、その引き金を引いたのは、私はやっぱり不備な報道だと思いますよ。 (中略) −−知事の理念の上では、不法入国とそうでない外国人の区別はつくかもしれないが、まち中では外形的な区別はつかない。 まあ、そりゃあ、その人間が日ごろ何をしてるかね、日本の社会に溶け込んで、いい市民であるなら、だれもそんな人を迫害しないでしょう。私が言いたいのは、大きな大きな災害が起こった時に、人間の精神というか心理をアップセット(混乱)してね、非常に何と言うか異常な精神状態になった時にね、そりゃ、やっぱり、日本で肩身の狭い思いをしている外国人、たくさんいるでしょう。犯罪者を含めて。 特にその犯罪者がですね、それならということで一獲千金、何をやるかわからない。それは私はきちっと抑止しなくちゃならない、防止しなくちゃならないと思っていますがね。知事としての危機管理の責任だと私は思う。 −−今回の発言に関して正式に謝罪したり辞任したりということは考えていないか。 何を言ってんだ、あんた。誰に謝罪するの。なんで私が辞任しなくちゃいけないの。私は私のやり方で責任を遂行しようと思っている。ばかなことを聞くな。 |
| データソース |
Mainichi INTERACTIVE 石原知事「三国人」発言
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/ishihara/hatsugen12-1.html http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/ishihara/hatsugen12-2.html http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/ishihara/hatsugen12-3.html http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/ishihara/hatsugen12-4.html http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/ishihara/hatsugen12-5.html http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/ishihara/hatsugen12-6.html http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/ishihara/hatsugen12-7.html |
| コメント |
「腹立ち日記特別編 -- 石原慎太郎の大暴言を撃つ!」
『「三国人」発言をめぐる責任転嫁の卑劣』、
『矛盾だらけの「三国人」釈明を検証する』
参照。
(*1) 『機密報告』 (学芸書林 1973.11)へのコメント参照。 (*2) 言うまでもなく、「イラクとクウェートに滞在している第三国国民」とはイラク人でもクウェート人でもない、その他の国の人のことであり、北京と天津に住むアメリカ人にテロを加えるかもしれない第三国人とは、中国人でもアメリカ人でもないその他の国の人間のことである。 石原が言う、無限定な「外国人」一般とは意味が違う。 (*3) 宝石店の壁に穴を開けて盗みを行うのが、日本の強盗ならやりようのない「凶悪な手口」であるなら、この石原発言からほどなくして宇都宮の宝石店で発生した、従業員5人を縛り、生きたままガソリンをかけて焼き殺し、1億円以上の貴金属類を奪った事件は何と形容すればいいのだろうか。 この事件の容疑者として起訴されている人は、「不法入国」でも「外国人」でもない。 (*4) ロサンゼルス大地震の際、騒擾事件などは起きていない。 知事は災害などとは関係のなかった、1992年のロス人種暴動と混同して述べている。 実際には世界史的に見ても、地震等の大災害に伴って暴動が発生したのは、関東大震災の際に日本人が朝鮮人や中国人を大量虐殺したあの事件がほとんど唯一の例なのである。 記者たちには正確に調べて書けなどと小言を言っておいて、自分はこのていたらくである。 |