例えば、生物学的半減期を求めるとき、片対数グラフにプロットして、
回帰直線の傾きから消失速度定数及び半減期を求めろのであるが、
このときの血中濃度のバラツキがどのようになっているのか?
というのは解析していて気になる点である。
この問題について、定説にまでなっているものは未だおそらくないのであるが、
興味深い報告があるので少々古いが紹介しようと思う。
- 五十嵐俊二, トキシコキネティックス:その試験デザインとデータ解析:アニテックス, Vol. 6, No.4, p203-209
- Toshiji Igarashi, The rationale for using logarithmic transformation of concentration data: A comment on statistical evaluation of toxicokinetic data: Dru Information Journal, vol 28, p191-194, 1994
これらの文献では、トキシコキネティクス(TK)における用量間の血中濃度の比較を題材としているが、高用量群のデータのバラツキは低用量群のデータのバラツキより大きく、その差は等差的でなく等比的であると記述されている。反復投与毒性試験のTKデータを中心に、total n=48 (n=4 * 4dose * 3時点)で解析されているので、統計的に意義のある結果であろう。
AUCに関しては、モデルに当てはめて考えると、典型的な薬物動力学的1-compartment model(経口投与)は
-
Cp=[D*ka*F/{Vd*(ka-ke)}]*{exp(-ke*t)-exp(-ka*t)}・・・(1)
であるが、AUCはこれを積分したものであることを考えると、
-
AUC=F*D/(Vd*ke)=F*D/CL・・・(2)
であり、感覚的には(あくまでも感覚であるが)F、Vd、ke(またはCL)の誤差が相対誤差で
生じて、それが伝播してくるというイメージを持つことが出来るだろう(このイメージが妥当かどうかはあくまでも実証によらなければならないが・・・)。
一方、(1)式において、Cpの誤差分散がどうなっているかは数学的にはやや複雑であるが、前述の議論と同様に、「D*ka*F」および「/Vd」の部分については各パラメーターの相対誤差が寄与するので、おそらくはCpについても相対誤差モデルに従う場合が多いものと想像する、
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