平成21年1月

三重県理学療法士会会長

高山文博

「新年を迎えて」


 あなたにとって「幸せ」とは何ですか。

「幸せ」について、あらためて考えさせられる一冊に出会いました。本のタイトルは「いい加減がいい」(鎌田實、集英社)。その中から一部を紹介します。

肝臓がんはもう手術できない状態にあり、死が迫っている母親は「幸せです」と話す。

脳圧が上がっていることに気がつかず、水頭症が悪化し失明と知的障害が残ってしまった子どもを、一人で必死に育ててきた。子どもに申し訳ないという思いで、好きな音楽は先生をつけて勉強させ、いつも子どもと一緒にいた。母親が入院するとき、子どもを泣く泣く施設へ手放した。「初めて親もとを離れ、寂しくて、周囲になじめなく、泣いているんじゃないだろうか」と心配でたまらなかった。母親の思いとは逆に、息子はいきいきと生きはじめ、施設の中に友達ができ、楽しそうに生活をしている。

母親は「私が病気になったことで、あの子は親離れをし、自分の世界をもてるようになった。私がいなくなっても、息子は一人で生きていけるでしょう。ありがたいことです。幸せです」と話す。

鎌田が考える「幸せを感じる影響を与える因子」は、「個人の性格や考え方」は30%、「学校や就職や結婚や家族」は20%、「張り合いのある仕事・熱中できる趣味・誇り」は20%、「ボランティア」、「良い友達」、「自由や平和」、「お金や地位」はそれぞれ10%である。

自分の病気(不幸)と子供の将来(幸福)を考えたとき、母親の不幸は消え、子どもの幸福が自分にとっての幸福と感じるようになった。

経済が最優先で進んできた日本の社会で、「幸せ」を感じる因子に「お金」と考える人は少なくない。今年は、「患者様の幸せ」「自分の幸せ」について考える年にしてはどうだろうか。公私共に「幸せ」を感じる一年でありたい。

 最後に、平成21(2009)年の計画は立てましたか?

その中に、10月2日(金)・3日(土)の全国研修大会の参加は入っていますか。まだの方は、ぜひ計画に組み入れて下さい。

場所は、四日市市です。交通費は安く、宿泊費もかからず、全国レベルの話が聞ける絶好のチャンスです。また有名な講師を捉まえ質問する機会もあります。三重県で全国レベルの学術大会は今までなく、また近い将来もないと思われます。初めての方は、大会に参加する面白さを味わって下さい。一人より友達がいた方が楽しいので、今から仲間を誘って計画を立てて下さい。全国研修大会で逢いましょう。

 

会長からのメッセージ