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道具編 |
| 包丁の切れ味と日本刀 |
| 【 目 次 】 刃物の切れ味 焼き入れについて 刃物が切れなくなる仕組み 用途に合せて作られる刃物 正面玄関 | 別館 | 男の調理場メニュー |
December 18, 2004 佐田 守弘 |
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金属組織目名の当て字
明治時代の学者は、国語力が高く、さまざまな漢字言葉を作り上げた。以上に書いた金属組織名についても、当て字ではあるが漢字名称がある。しかもその名称がこれらの金属を顕微鏡観察した状態を言い得ている所が面白い。波来土(パーライト) 焼き鈍した鋼は、フェライト(純鉄Fe)とセメンタイト(炭化鉄Fe3C)が重なり合って層状構造をしている。この状態が浜辺の砂にできる波模様にそっくりである。大州田(オーステナイト) 多分に宛字っぽいが、金属組織面が広い田圃が区切られている様な形のイメージに近いからとも言われている。麻留田(マルテンサイト) マルテンサイト組織を顕微鏡で見ると、麻の葉が並んでいる様な模様に見える。吐粒州(トルースタイト) マルテンサイト組織からセメンタイトの微粒子が析出した状態で、「粒を吐き出した」とは案外と的を得ている当て字だ。粗粒波(ソルバイト) トールスタイトに比べて、セメンタイトの粒子が大きくなって、「粗い粒」の状態になっている。 |
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付け焼き刃
付け焼き刃という言葉は、日常で使われる俗な表現であり、熱処理の世界で使われる言葉ではない。だが、それに近い熱処理方法や表面処理方法は存在する。高級な刃物は通常、刃物鋼と呼ばれる高炭素鋼が使われている。高炭素鋼の特徴は、焼き入れによって硬度が得られる事にある。これに対して、軟鋼と呼ばれる低炭素鋼では、焼き入れによる硬化ができない。 しかし低炭素鋼でも焼き入れする方法がある。その1つが浸炭焼き入れという方法だ。これは低炭素鋼を一酸化炭素がリッチな雰囲気化で加熱する事によって、表面に炭素を滲み込ませて、その部分だけ焼き入れできる様にする熱処理方法である。 歯車やクランクシャフトといった高加重を伝える機械部品は、全体として粘り強さが必要でありながら、摺動面だけは硬度が必要になる。この様な母材は粘り強く、一部の表面のみ硬くしたい場合に使われる。もちろん安物の包丁に使うための熱処理ではない。 |
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日本刀を道具として使う職人
現在日本刀の主たる用途は美術品である。しかし現代でも道具として使う職人がいる。竹細工 筆者は植木屋さんが竹垣根を作る際に、日本刀で竹を割っているのを見た事がある。聞いてみると、小刀を用いて切先部分を削り落して竹を割る刃物として使っているとの事である。 長年使い込んで研ぎは掛けていない様子だが、竹を割るには日本刀が一番良いとの事である。 碁盤と将棋盤 碁を打ったり将棋を差さない人でも、碁盤や将棋盤は見た事があるかと思う。高級な碁盤になると、厚手の榧の板を使って盤面を作り、ここに漆で升目の線が引いてある。 あの升目を引くのに日本刀が使われる。日本刀の刃先に漆を塗り、日本刀の反りを利用して盤面に転がすと、真っ直ぐな線が引かれる理屈である。 |