ティールーム
雑学の間
スイッチの「開」と「閉」、電気が流れるのはどっち?
   【 目 次 】
  電気のスイッチの開と閉
  なぜ水道とは逆なの
  スイッチの開閉を表す言葉
  ブレーカ
正面玄関 | 別館 | ティールーム
December 18, 2004
佐田 守弘

水道の蛇口は開けば水が出るし、閉じれば止まる。ガスのコックも同じ。電気のスイッチの入切を表す正式な用語は「開閉」である。さて、電気のスイッチの「開」と「閉」で、スイッチが入って電気が流れるのはどちらであろうか。

電気のスイッチの「開」と「閉」

家庭の電灯も工場のモーターもスイッチで電気を入れたり切ったりする。電気のスイッチは、水道のバルブやガスのコックと同じ様に、流したり止めたりする機能である。
電気のスイッチは日常的には、「入れる」、「切る」と言うが、正式な用語はバルブと同じで、「開く」、「閉じる」である。電気のスイッチは、日本語で「開閉器」と呼ばれるのは、この開閉操作を行う器具だからだ。
水道のバルブもガスのコックも開けばガスや水が流れる。つまり流す状態が「開」であり、止める状態が「閉」である。
しかし電気の場合にはこれと逆で、スイッチを入れて電気を流すのが「閉」であり、止めるのが「開」である。

なぜ水道とは逆なの

初めて聞いた方は、「なぜ逆なのだ?」と言いたいところだろう。水道などのバルブもそうだが、電気のスイッチの開閉とは流れるか流れないかといった状態を表しているのでなくて、スイッチの状態を表現しているのである。


スイッチは配線記号で図の様に表す。この図で上の状態が開で、下が閉の状態である。接点が開いれば、回路が切れて電気が流れないし、接点を閉じれば回路がつながって電気が流れる。

水道のバルブの開閉も弁が開いているか閉じているかを表しているのだが、バルブの場合には弁が開けば水が流れ、閉じれば止められて流れない。
器具の状態としては開と閉は文字どおり開いているか閉じているかであるが、水道のバルブは開けば流れ、電気の接点は閉じなければ流れない。

バルブでもスイッチでも開く閉じるという状態は同じなのだが、水路の場合には開いた時に流れ、電気の回路は接点が閉じた時に流れる。その違いなのである。

スイッチの開閉を表す言葉

入り切りの状態をON、OFFとも言うが、日本語の「開閉」に相当する英語は、make(閉)、break(開)である。接点を閉じて回路を作るからメイク、接点を開いて回路を壊すからブレークだと理解すれば分りやすい。
英語のswitchは、元々「転換する」「切り替える」の意味。電気接点のmakeとbreakの状態を切り替える事からswitchと呼ばれる様になったのだろう。鉄道の転轍機もswitchと呼ばれる。良く「ポイント」と呼ぶが、ポイントは和製英語であって英語では言わない。

ブレーカ

配線器具に「ブレーカ」と呼ばれる器具がある。ショートなどで過電流が流れた時に自動的に回路を切って保護するものである。このブレーカの由来も、回路をブレークする機能に由来する。
以前、NFB(Non Fuse Breaker)と呼んだが、この名称はメーカーの商品名だったそうで、最近ではMCCB(Molded-Case Circuit Breaker)と呼ぶ様になった。
良く小型の理化学機器でスイッチ代わりにブレーカを使っているのを見掛ける。ブレーカのレバーで回路の開閉はできるが、これは正しい使い方ではない。ブレーカはあくまでもBreaker(断路器、遮断機)であって、switch(開閉器)ではないのだ。ブレーカは回路保護に使うのが本来で、回路の開閉には別にスイッチを付けるのが本来である。