バーチャルネット法律娘 真紀奈17歳
(ログまとめ)

裁判員制度についての意見

 現在、司法改革等の関係からすすめられている裁判員制度、これっていったいどういうものでどういう影響からでてきたものなんでしょうか。そしてどういう利点と問題点があるのでしょうか。
 そういうことについてまとめておこうと思います。やたらと長文になってしまいましたけど、興味のある方は読んでみてください。というか、この制度、もしできたとしたら全国民に関係してくることなんですけどね……。

目次
1.裁判員制度試案について
2.陪審制と参審制
3.諸外国の制度
4.実施例に見る問題点
5.真紀奈の意見


1.裁判員制度試案について

 まず、2003年10月31日時点での裁判員制度の試案の要点は以下の通りです。

・裁判官を3人、裁判員は4人とする。裁判員については5〜6人もあり得る。
・評決は合議体の過半数で、裁判官、裁判員の各1人以上の賛成が必要。
・対象事件は、死刑か無期の懲役・禁固に当たる罪か、法定合議事件のうち故意の犯罪行為で被害者を死亡させた罪。
・裁判員になる資格は、裁判所管轄内の衆院選の有権者で25歳以上。
・理由無しでの忌避が可能。
・裁判員が評議の経過など職務上知り得た秘密を漏らせば懲役か罰金。(裁判後も守秘義務は継続)
・職務上知り得た秘密を知る目的での裁判員だった者への接触の禁止。
・控訴審は現行法通り
・労働者は、裁判員の職務を行うため休業できる。事業主は休業の申し出を拒めず、休業による不利益な扱いを禁止する。

 前に出ていた案とは結構変わっていますね。それぞれみてみます。

 まず裁判員の合議制について。これは今のところ裁判官3名+裁判員4名の7名で構成されて、多数決によって決まることになっています。今までの案では裁判員の数を多くしようという傾向があったのですけど、かなり抑えられていますね。
 さてこれに対する反論として裁判員の人数を多くして欲しいという要望も強いものがあります。今回、5〜6名という案も同時に出てはいますけど、多くした方がいいという主張をしている人たちは10名以上というのを主張している場合が多いですので、もめそうですね……。
 ちなみに、裁判員の人数が少ない場合、裁判官と裁判員が議論するという状況になってしまいがちになるため、どうしても裁判員の方が萎縮して裁判官の意見が通りやすくなります。逆に、裁判員の人数が多くなると裁判員同士での議論が起こるため、裁判員の意見が反映されやすくなります。また、裁判員の人数が少ない場合は安定して判決を出しやすく、裁判員の人数が多い場合は議論が混乱する可能性があがるのではないかという意見もあります。

 次に、対象の事件は殺人事件と重大事件とされています。朝日新聞によると年間2800件程度になるとか。重大事件の場合は、回数も増えます(裁判は一事件あたり数回は行われる)し、裁判で拘束されてしまう期間が長くなります。裁判迅速化ということで少しは期間が短くなったとしても……負担は結構ありそうですね。裁判員の人数が増えれば増えるほど、出席できなかったという人がでてくる可能性が増えて、裁判は実は迅速化されないということもあるんじゃないかとかいう心配もあります(一応補充裁判員という制度があるので、大丈夫なはずなのですが)

 裁判員は25歳以上の有権者で、禁固刑以上の確定者は除外されます。さらに、議員や法律学者、弁護士なども除外されるでしょう。それ以外の除外条件は……今回は出ていませんね。ちょっと前に仕事が忙しいという程度でも可能という話が出ていたりもしたのですが……今のところ、司法改革推進本部の方では仕事で行けないというのは無理っぽいみたいです。
 また、当事者による忌避が可能になっています。「忌避」というのは、裁判の当事者(被告人の場合が多いかな)が、「あの裁判員はやめてくれ」ということができるという制度です。相手が裁判を公正にやってくれないだろうと思うときなどにそういうことをやるわけです。理由無しで行えるようにするみたいですので、なかなか裁判員が決まらないということもあり得ます(アメリカのO. J. Simpson事件では陪審員が決まるまで1ヶ月以上かかったりしています)。ちなみに方法は、裁判員候補に対して質問を行い、それに対する結果から判断するようですね(誰がどのような質問をするかといったことはまだ未定みたいです。あと候補になった際に送付される予定の質問票も関わるかな?)

 そして今回最も批判のやり玉に挙がっているのが、裁判員の守秘義務違反に対する罰則規定です。
 裁判員は、その裁判の評議(非公開)の内容について公開することを禁じられています。そして、それは裁判が終わって裁判員を止めた後も公開してはならないとされています。この点については1月の案でも同様なんですけど。
 なぜ守秘義務があるかというと、裁判中については、評議について外部の声を入れないようにするということがありますし、裁判後も通じてというのには、自由に意見を言えるようにということから取り入れられています。裁判が終わってから「私は無罪にするべきだと思ったのに、あいつがうるさくいうから死刑になった」とかいうような発言が出てくるようでは、裁判員が自分の思うように発言できるかどうかわからないというのがあるようです。
 ……本来は、毅然として自分の意見を言わなければならないということなんでしょうけど。
 これが盛んに批判されているのは、「言論の自由を侵害している」からだそうです。「一般市民にそんな重い義務を背負わせてはいけない」という意見もありますね。これについては、一生黙っていないといけない(話したら懲役or罰金)という負担と、自分が裁判員として評議の場で言ったことについて後にマスコミ等で叩かれる可能性と、どちらが重いかは微妙な気がします。

 守秘義務規定については、二本立てにすると言う案も出ています。

市民の裁判員が事件関係者のプライバシーなど個人の秘密を漏らせば懲役刑か罰金刑、評議の内容に関する秘密漏えいは罰金刑だけとする“2本立て”の罰則を、政府が検討している


2.陪審制と参審制

 日本で導入されようとしている裁判員制度、これって陪審制の導入のように誤解されている面がありますけど、実際にはちょっと違うものです。(真紀奈も誤解していました・苦笑)
 違いについて述べるために、法律家以外の市民が参加するという形で行われる2種類の裁判制度について説明しておきましょう。一つはよく知られている陪審制度。もう一つは参審制度と呼ばれるものです。

 まず陪審制とはどんなものでしょうか。
 これは、国民から陪審員が無作為抽出されて、彼らが有罪か無罪かについての判定をくだし、それを受けて、裁判官が量刑(死刑とか懲役何年とか罰金いくらとかいうことです)を決めるというものです。 (量刑に陪審員が関わる場合もあります)
 裁判官が行うのは訴訟の指揮と量刑の決定だけになって、有罪無罪の判断については陪審員のみが行いますから、市民の意識が反映されやすいものとなります。また、市民に判断しやすいようなかたちで当事者が説明を行うので、審理がわかりやすいものになります。
 その反面、問題とされている点もあります。1つは誤審の可能性です。これについてはいくつも研究がされていまして、例えばイギリスのマッカーブ・パーバスの研究なんかがわかりやすいでしょうか。 30の事件について訴訟と同時並行的に別の陪審員を集めてそちらでも判決を出してもらったところ、全員一致の評議になった24件のうち6つの事件で有罪無罪が逆転した判決になったということです。(全会一致で有罪無罪が逆転しているケースが25%あったということになります。ただし、裁判官が行う裁判でも誤審はありますので、どちらが誤審の可能性が高いかは何ともいえません)
 2点目としては、陪審で決定を行うと上訴ができなくなる上、判断の根拠が必ずしも明確ではないと言うことです。陪審で出てくるのは有罪か無罪かという判断だけで、陪審員個々がどの事実を真実とし、虚偽としたのかなんていうのも陪審員自身にしかわかりません。
 また、国民の判断によってなされたものを職業裁判官が覆すわけにはいかないということから、上訴も量刑や手続き上の問題についてしかできないことになります。つまりは、一審で有罪/無罪は確定するわけです。誤審で有罪になってもそれをひっくり返せず、刑罰の重さについて争うことができるのみになってしまうということですから、上で述べた誤審の可能性とあわせるとちょっと怖いですね。

 次に参審制について見てみましょう。
 参審制とは、国民から参審員を無作為抽出し、裁判官と参審員をあわせた合議体で裁判を行う制度です。参審員は有罪/無罪の判断だけではなく、量刑にも関わってくることになります。
 この制度のもとでは、参審員が裁判官に対して市民の意識を伝えられることになります。また、理由つきの判決がでることになるため判断の根拠が明確で、それをもとに上級審での裁判も行うことが可能です。参審員がいるため、審理の状況についてもわかりやすいものになります。
 問題点としては、職業裁判官と一緒に議論を行うため、裁判官の意見が参審員に対して影響しやすく、陪審制よりも市民の意識が反映されにくいのではないかと言われています。裁判官の意見がそのまま通るようになっていたら、あまり意味がないのではないかということです。(ただし、陪審制でも声の大きな陪審員がいたらその人によって流されてしまう可能性があり、どちらでもかわらないのではないかという意見もあります)

 上の説明を読んでもらったわかったかと思いますけど、現在、日本で考えられているのは陪審制ではなくて、参審制に近い制度だということですね。


3.諸外国の制度

 上で、陪審制と参審制について書きましたけれど、実際にはどのような形で用いられているのでしょうか。アメリカで陪審制が広く使われていることはドラマなんかでもおなじみではないかと思いますけど、他にも北欧諸国などでこの制度は使われています。北欧諸国の例を紹介しながら、それぞれの国で問題点としてあげられていることなどを見ておきたいと思います。
 北欧諸国のうち、今回紹介するのはデンマーク・ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの4カ国です。
 真紀奈にも読みにくい物になってしまいましたので、この回はとばしちゃってもかまいません(苦笑)4.実施例から見る問題点だけでもみてもらえれば十分です……。わかりやすく書こうとするととんでもなく長くなりそうな気がしてあきらめちゃいました。

 まず、スウェーデンとフィンランドでは参審制がとられています
 スウェーデンでは、ごく一部の事件(表現の自由に関する事件)を除いて参審制で、刑事事件の第一審が必ず参審制で行われます。裁判官1名と参審員3名で構成されていて、単純に多数決で評決が行われますので、参審員のみで評議を決することができるようになっています。(2対2の時は被告人に有利な判決になる)
 さらに、控訴がされると、高裁で行われる控訴審でも参審制が行われ(裁判官3名・参審員2名)、それでも納得がいかずに上訴を行うと最高裁での審理が行われます。
 参審員は政党の推薦を受けて市議会が任命することになっているのですけど、裁判所に行く時間の余裕がある人が少ないために高齢者(年金生活者)が多い状況だそうです。任期は4年で、1人あたり年間12件程度招集が行われます。

 フィンランドの制度は第一審については裁判員の人数等も含めてスウェーデンと同じです。ただし、控訴審以降については参審制がとられないで、職業裁判官によって裁判が行われています。
 参審員の選び方もスウェーデンと同じく政党による推薦をうけて市が任命しています。また63歳の定年制があるため、過度の高齢化を招くことはないようです。任期は4年で、1人あたり年間8〜12件招集が行われます。(年間招集日数は最大24日間)

 デンマークとノルウェーは参審制と陪審制を併用しています。ちょっと複雑な制度になっているのでわかりにくいかもしれません……。
 デンマークでは、刑事事件について、市裁判所を第一審にするものと高裁を第一審にするものがあります。市裁判所を第一審とするのは、求刑が4年以下の否認事件と、自白事件です。否認事件というのはその犯罪について「自分は犯罪なんてやってない」と否定している事件のことで、自白事件というのは「自分がやりました」と言っている事件ですね。
 市裁判所を第一審とする事件のうち、求刑4年以下の否認事件では参審制がとられます(裁判官1名、参審員2名)。それぞれが1票ずつをもつため、参審員だけで評議を決することが可能です。また、自白事件では職業裁判官のみに寄る裁判になります。(罰金刑以下の場合は否認事件でも裁判官のみ)
 判決に納得がいかない場合は、被告人、検察官双方ともに控訴が可能で、高裁でも参審制がとられます(裁判官3名、参審員3名)。(3対3になった場合は、被告人に有利な判決になる)
 次に、高裁を第一審とする事件についてみてみます。高裁を第一審にする事件は、求刑4年以上の否認事件になります。重大な事件は高裁を第一審とすることになるとみていいでしょう。ここでの裁判は、陪審裁判になります(裁判官3名、陪審員12名)。8名以上の賛成がないと被告人は有罪になりませんし、陪審で有罪となっても裁判官3名が全員一致で証拠不十分なため無罪と考えた場合は、陪審裁判がやり直しになります。
 陪審事件についても上訴は可能ですけど、有罪/無罪に関する上訴は無理で、量刑に関することと、手続き上の問題が有る場合にのみ行えます。
 参審員も陪審員も同じリストから選ばれ、このリストは政党の推薦を基礎に市の委員会が作成しています。任期は4年で1人あたり年間3,4件招集が行われています。

 ノルウェーでは、刑事裁判の第一審は全て参審制で行われます(裁判官1名、参審員2名)。控訴審では2種類の裁判に分かれ、6年以上の懲役または禁固以上の刑に当たる犯罪の否認事件の場合は陪審制(陪審員10名、裁判官3名)、それ以外の場合で6年以下の自由刑の否認事件と、6年以上の自由刑の自白事件は参審制になります(裁判官3名、参審制4名)。それにも当てはまらない場合は、裁判官のみによる裁判になります。
 陪審制では陪審員の7名以上の多数決で評決が行われる。ただし、裁判官は、2名以上の同意で被告人に有利な方向に評決を覆すことができ、また3名の全員一致の同意で被告人に不利な方向に評決を覆すことができる。評決を覆した場合は、参審制で再び審理されることになる。
 参審員も陪審員も同じリストから選ばれるなど、この辺はデンマークとほとんど同じです。ただ、男女比を1対1にしているところに特徴があるといわれています。


4.実施例から見る問題点

 陪審制や参審制の実施例を見てみると、人や費用についての問題点が気になってきます。
 まずは陪審員、参審員の選び方です。北欧諸国では、参審員等を選ぶ際に全選挙民からの無作為抽出という方法ではなくて、あらかじめ推薦等によってリストを作った上で選出をしています。これは、ある程度教養のある人に裁判を行って欲しいということからくるものと、若者を選んだところで仕事の差し障りが多すぎて出てこないということが多く、結局時間に余裕のある人に頼まざるを得ないということなどがあるようです。この方法をとると一人あたりの負担はかかるものの、裁判になれた人が多く参加することになるため、ある程度安定した判決が出るということになりそうです。ただ、一人あたりの負担が大きいことについての不満は大きいようです。また、同時に高齢者が増えてしまうことで、若者特有の事情などを理解するというのは難しくなるという問題は出るでしょう。
 これに対してアメリカでは一般国民から無作為抽出方式をとっています。これによって色々な階層・年代からの意見が聞けるようになる一方、裁判についてどうでもいいやという態度をとる人も選ばれてしまうことになります。また、裁判によって休むことになる仕事の補償などは莫大な額に上っているといわれています。ちなみに、この金額を担当しているのは企業なのだとか……。基本的に陪審員に支払われる額は雀の涙なので、その間の給与補償を企業がきちんと行うことで、制度が成り立っているとも言えます。(企業の負担額は年間10億ドルの単位に上るという話があります)

 裁判員が選出される頻度というのも問題になりそうです。日本では今のところ25歳以上の全有権者からの無作為抽出を行うようですから、1年に何度も呼び出されるということはまずないどころか、選出されること自体がかなり低い確率ですけど、裁判員制度の範囲が広がれば広がるだけ(現在は刑事訴訟の中でもかなり狭い範囲。参審制導入によって有罪確率が低い場合でも起訴が頻繁に起こるようになる可能性もあって、そのせいで刑事訴訟の数自体が増えるかも)、選ばれる可能性は高くなります。
 頻繁に呼び出されるようになっても、仕事とかは大丈夫なのかという問題は発生するでしょう。といっても、日本の刑事訴訟の数と、選挙名簿の25歳以上から選ぶということを考えると、1年に1回どころか1生に1回呼び出されるだけでも十分運がいい(悪い)と言うことになりそうですけどね。

一つの裁判で4人の裁判員が参加した場合、年間約1万1000人の裁判員が必要となり、政府の司法制度改革推進本部の概算に基づくと、150〜200人に1人が生涯に一度は裁判員を経験することになりそうだ。


 給与補償についても疑問があります。会社は、社員が裁判員に選ばれたからと言って不利に扱ってはいけないとされている以上、裁判員として裁判所に行っている間も給与は保証するようにしなければならないということになると思われます(それに企業が納得するかどうかはともかく)。しかし、自営業の場合はどうなるのでしょう。裁判所から日当としてだされる費用が売り上げに見合うだけの額になるのでしょうか。……アメリカの陪審制では日当が10〜20ドルと言われています。予算のない日本の裁判所に、多くの額を負担できるのか。かなり疑問です。
 それに、会社が給与保証をすることに耐えることができるかという問題点もありそうです。特に、重要な部署の人が抜けることになりそうだと、会社を優先するように指令が下りそうな気がします。周囲の勤め人さんに聞いてみると、会社が休ませてくれるわけ無いじゃんとか、休んだ結果契約が流れたらそれを国が補償してくれるのかとかそういう答えが返ってきました‥‥。


5.裁判員制度についての真紀奈の意見

 日本の裁判員制度は参審員制度に似た形をとっていますけど、裁判員の選び方について選挙名簿からの無作為抽出にするなど、他の国の法制とは細かな違いがあります。これは一般国民の市民としての感覚を裁判に反映させたいということと、一般国民の法意識を高めたいということの両方を狙った方法としてこうなったのでしょう。……多分(苦笑)

 色々と問題点について書いてきましたけど、真紀奈はこの制度を導入することについて反対というわけではありません。法意識を高めるっていうことに関していえば、この制度は結構使えるのではないかと思うからです。今後弁護士を増やし、法をもって問題を解決していくようにするのであれば、法意識を高める必要はありますしね。
 裁判員制度そのものを導入するかどうかについては、お金の問題等を解決する必要があると思っています。公務員ならば国が給与を立て替えればいいだけですけど、私企業の場合は企業がその分を負担するのか、という問題があります。さらに自営業の場合は、店そのものを閉めなければならなかったりと被害も大きいでしょう。国民にそういう金銭的・時間的負担が課される可能性があるということをきちんと告知しなければならないと思います
 また、仕事への配慮も必要です。重役クラスに何日も抜けられては仕事が進まなくなるなんていうこともあるでしょうし、その人がいないとできない仕事なんていうのも多いでしょう。ただ、「忙しい」の一言で抜けられるといつまでたっても選考できないし、だからといって登録制にすると国民全体の法意識をあげるということにはつながりません。真紀奈的には、最初は登録制にして、とりあえず市民の意識を裁判に反映できるようにする程度でもいいのではないかと思っていますけど。

 真紀奈としては、最初から国民全体を対象とするというのは一足飛びに行きすぎのような気もしています。裁判員制度についていくつもプレ裁判が行われてそれについての報告が出ていますけど、それって裁判員制度に興味がある人が参加しているわけで、ほとんどの人は裁判員制度ということ自体について知らないんじゃないかなと思うんですね。突然裁判所から手紙が来たらとりあえずびっくりして、次は何か悪いことやったっけって考えるのではないかと思います。仕事休んでまで行くの?と思う方が多いのではないかと推測……。
 とりあえずもうちょっと詳しく、それこそ新聞1日分くらい割いてどんな事態が起こりうるのかを説明し、その上で国民の同意を得て施行するようにして欲しいと思っています。裁判員制度の導入については憲法問題なども生じかねないので(通説では憲法改正の必要がないようですけど)、 どうせだから憲法の改正の国民投票で国民が導入を判断してはどうかと思うんですよね。国民の権利義務となるわけですし、国民が導入を望んでいるのであれば、国民投票でもきちんと可決されるでしょう。
 実際のところ、1生に1回程度だったらかまわないかな、という人も多そうですしね。ただ、それによって生じる費用負担は企業や国等に発生するので、それをカバー出来るだけの財源があるのかという問題はあると思いますけど。

 裁判員制度の仕組みについては……そうですね、当初は裁判員を少なめにして判断のぶれが少ないようにし、慣れてきてから増やせばいいのではないかと思っています。人を裁く制度を変えるのだから、慎重にやった方がいいと思いますので。裁判員の数が少なければ、その分お金の負担も減りますし。
 守秘義務は、真紀奈としては賛成です。少なくとも、マスコミ等が裁判員に評議の内容について聞くこと、報道することは、評議の最中であれ判決後であれ罰則つき禁止にしておくべきだと思っています。そうしないと、裁判員がきちんと意見ができるかどうかわからないですから……。本当はそれぞれが毅然として意見を言えるようにならなければならないのでしょうけど、最初からそれを期待していいものかと思います……。

 うーん、裁判員制度に反対ではないといいながら文句が多いですね(苦笑)
 でも真紀奈の意見としてはこれくらいにはなってしまいますね……。
 あ、書き忘れてましたけど、国民全体の法意識を高めるために、教育に法を取り入れることももちろん必要だと思います。その辺りについては前に行った真紀奈×師匠の対談を読んでください。(この頃は参審制についてあんまりしらなかったんですよね……)



参考文献:
松澤伸,「北欧四ヵ国の陪審制・参審制--デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド」,現代刑事法 3(7) (通号 27)p37〜47

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