バーチャルネット法律娘 真紀奈17歳
(過去ログ)


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5月10日 / Winny開発者逮捕 / 5月15日 / Winnyの法的な話 / 5月18日 / 刑法改正案
5月10日


Winny開発者、逮捕 (ITmedia)

 Winnyの開発者が逮捕されたそうです。容疑は著作権侵害の幇助。レポートの方でそういうこともあるかもと書いてましたけど、本当に逮捕されるとは思いませんでした……。
 ただ、実際に有罪になるのかどうかという点には疑問があります。諸外国では、Winnyのようなタイプのソフトウェア――中央サーバーをもたないP2Pファイル共有ソフト――について合法判決がでていますしね。単に交換も可能なだけの道具であって、著作権の侵害はユーザーの責任として扱っているものが多いと思います。小倉弁護士によれば、こういう場合は判断が分かれているとのことです。

 新聞社の記事で法律の先生達が発言をしていますけど、ほとんどの方が幇助容疑が成立するのは難しいんじゃないの、という意見みたいですね。(朝日新聞毎日新聞
 開発者が侵害者の手伝いをしたのかどうかという点が今後焦点になるのでしょう。

 朝日新聞によれば、開発者の方が著作権法に対して挑発的な態度を取ったのが理由とのことですけど……本当にこういう発言をしたのでしょうか。
 とりあえずある程度正確な情報が出てくるまで待った方が良さそうです。


いろいろ

 長い間お休みしていて申し訳ありませんでした。お兄ちゃんが忙しかったせいもあって、更新することができませんでした。
 今もあんまり余裕があるわけじゃないって言っているんですけど、これから少しずつ更新していこうと思っています。色々と企画も来ていますしね……。

 さて、気づいた方もいるかと思いますけど、一昨日掲示板を閉鎖しました。荒らしさん対策が面倒になったためです(レンタル掲示板にそういう機能がないというのもあります)。そのうちアクセス制限可能な掲示板でも探して設置しようかと思っています。
 あ、ログは全部保存してあるので、あとで編集して過去ログとして出します。


メモ

 Winny開発者逮捕で波紋、P2Pの将来に懸念も (by ITmedia)
 Winny開発者を逮捕へ 京都府警、30代東大助手 国内初 (by 京都新聞)
 Winny作者の47氏、逮捕 (by Slashdot)
 47氏逮捕 (by Copy 2ch wiki)
 Winnyまとめページ
 京都府警察 ハイテク犯罪対策室 (by Matimulog)
 Winny開発者逮捕 (by hirokiazuma.com)

 Giving It Away (for Fun and Profit) (by BUSINESS 2.0)
 有機的な創造の連鎖のために クリエイティブ・コモンズ (by Link club newsletter)
 クリエイティブ・コモンズ日本法準拠版ライセンスのリリースにあたって (by HOTWIRED)
 レッシグ教授とのオープンミーティング (by HOTWIRED)
 ファッションとしてのCreativeCommons (by hirokiazuma.com)

 海外盤CD輸入禁止に反対する
 洋楽CD輸入盤禁止か (by Copy 2ch wiki)
 クラブDJも困るよ!J-WAVE:JAM The Worldの放送内容 (by OTO-NETA)
 輸入盤CD規制に関するシンポジウムのメモ (by セキュリティホールmemo)
 選択肢を保護しよう!! 著作権法改正でCDの輸入が規制される? 実態を知るためのシンポジウム (by 音楽配信メモ)
 輸入盤規制(坂本龍一) (by 先見日記)

 ライブドアが音楽CDのMP3変換代行サービスを開始 (by Slashdot)


5月15日


Winny開発者逮捕の波紋

 WinnyのTipsページ(消滅)を運営している方のところが家宅捜索されたのだそうです
 まあ、今のところ家宅捜索だけで逮捕というわけではないみたいですけど、こういう傾向ってあんまりいいものではないなぁって思います。

ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」の使い方などをホームページ(HP)で紹介し、ソフトの違法コピーを手助けしたとして、京都府警が著作権法違反のほう助容疑でHPを開設、運営する男性の自宅を家宅捜索していたことが11日分かった。

 とのことですから、京都府警としては解説ページでも問題があると考えているんでしょうか。真紀奈のところやwinny.infoには何も来ていないというのは、使用を煽るようなことがなければ、幇助には当たらないという判断なのかな。(真紀奈のところにはそもそも使い方まで書いてませんけど)
 Winnyというものの存在を否定しようとしているのかもしれませんね……。

 今回の件で最も問題になるのは、「著作権侵害をする可能性があるソフトウェアの開発は幇助に当たると判断されかねない」という点でしょう。
 各所で言われているように、ソフトウェアの開発について今まで以上に危険性が増すということになりそうです。ソフトウェアの開発意欲を萎縮させないように、逮捕の理由や判断基準を明確にする必要があると思います。


Winny事件の簡単な解説みたいなもの

 Winny事件についての法的な判断について一応真紀奈の意見を書いておこうと思います。
 まず、47氏は著作権法違反の幇助犯として逮捕されています。
 「幇助」というのは普通「正犯」、つまり実行犯がいてはじめて成立するものです。誰かの犯罪を助けた人に対して使う言葉ですしね。「正犯」というのは誰なのかという話が出てきますが、今回は去年の11月に捕まった二人のようです。
 ここで、「幇助」は「正犯」と知り合いでなくても成立するのかという話が出てきます。つまり、実行犯と相談したりと言うことが無くてもいいのか、ということです。
 これについては偽造運転免許についての東京高裁の裁判例がありまして、「幇助犯が成立するためには、幇助者は、正犯の実行行為の内容を表象し自己の行為がそれを容易にするものであることを認識している必要があるが、正犯の日時等の細部についてまで表象している必要はない」という判断がされています。
 これは47氏が、誰かがWinnyを使って著作権侵害をするであろうということについて認識しながら故意にWinnyをばらまいたのであれば、47氏は幇助の要件を満たし罪になるということです。

 問題はこの「故意」が認められるかどうかでしょう。「未必の故意」として構成する場合、ちょっと問題になるかもしれません。幇助に未必の故意を認めると広い範囲で罪が認められてしまいますし。
 47氏の今までの発言や、今後の証言などで故意が立証されるかどうかが、ポイントでしょう。

 ちなみに、どうせならば「ソフトウェア製作の自由を確保する必要性」を違法性阻却自由として主張してもらえると、今後のためにもいいのではないかと思っています。
 どの程度で罪になるのかをきちんと教えて欲しいと思いますしね……。


 実際に有罪になるかどうかですけれど、厳密にやれば47氏は有罪にならないのではないかという風に思われます。著作権侵害の原因はユーザー側にあるわけですし、相当の因果関係がないのではないかという考えもありますし。
 けれど、裁判官の心証としては真っ黒でしょうし、簡単に因果関係が認められて裁判では有罪になるんじゃないかなぁと思えてならないんですよね……。


実害の発生を積極的に希望ないしは意図するものではないけれど、自分の行為により結果として実害が発生してもかまわないという心理状態にあること。
一応違法であってもそれを正当化できる理由。



メモ

 「出来損ない」の著作権保護が創造性をダメにする (by 朝日新聞)

 ネット時代の「著作権」とは? Winny事件 動向を探る (by 京都新聞)
 Winny解説ページの作者宅も著作権法違反幇助で家宅捜索 (by Slashdot)
 Winny続報あれこれ (by Slashdot)
 大阪のほう助事件参考に立件判断 Winny事件で京都府警 (by 京都新聞)
 ウィニー摘発 逮捕だけでは解決しない (by 毎日新聞)
 ウィニー事件、「開発者逮捕」米では意外感・裁判、利用者を対象に (by 日経新聞)
 WINNYを肯定的に議論する (by くまをとる
 47氏が見たラジカルな世界 (by 極東ブログ)
 Winny開発者逮捕2 (by hirokiazuma.com)

 萌えクリ プレビュー 特別編〜レコード輸入権ってなに?〜 (by FlowerLounge)
 すりかえられた著作権法改正案、輸入CDは禁止に (by Slashdot)
 あらゆる輸入音楽CDに規制を?――危険な著作権法改正が進行中 (by ITmedia)
 「副作用」は覚悟していた――文化庁に聞く著作権法改正の舞台裏 (by ITmedia)
 切り捨てられるアジア音楽ファン【音楽関係者にまで裏切られた!?】 (by 絵文録ことのは)

 DVDの私的複製を合法に――DMCAの修正求める法案 (by ITmedia)
 ICタグを巡る「知的財産権」の誤解を解く (by ITPro)
 コンピューター科学者、ピアツーピア・スプーフィング技術の特許取得 (by HOTWIRED)


5月18日


サイバー犯罪条約:情報ネットワーク法学会がシンポ開催 (by 毎日新聞)

 サイバー犯罪条約に対応して刑法等の改正案がでています。真紀奈はこの関係について書いたことがなかったですし、少し取り上げておこうと思います。
 今回の改正案の主要なポイントとしては、(1)ウイルス作成罪の新設、(2)わいせつ物概念をインターネットに対応、(3)電磁的記録の差押え方法について、(4)通信記録の保全要請の可能化などがあります。
 現在衆議院で審議中のようでして、法案内容はこのようになっています

ウイルス作成罪

 まずはウイルス作成罪から見ておこうと思います。

第百六十八条の二
 人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録
 前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。
 前項の罪の未遂は、罰する。

 ここで、ウイルスの定義は「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」とされています。ユーザーの意に反する動作をするプログラムのほとんどがウイルスとして定義されるわけですね。この法案では、ウイルスの概念を広くとって、その上で別の形で制限をしようとしています。(ちなみにこのユーザーの意に反するという言葉ですけど、業務用のPCで管理者がセキュリティソフトや監視ソフト等を入れている場合、それは問題なしとされるようです)
 制限というのは168条の2の1項にある、「人の電子計算機における実行の用に供する目的で」の部分です。この「人」は「他人」のことを指し、「本人と、本人に同意を得た他人」は含まれないそうです。つまり、研究目的で実行するとか、セキュリティチェックのために実行するというような用途の場合は罪に問われないということになります。
 また、168条の2の1項2号にある「不正な指令」というのも限定規定になっているようです。 Windows Updateのようなプログラムは不正ではないからOKなのだとか。どの程度で不正になるのかはいまいちよくわかりませんけど。

 現状では、スパイウェアやアドウェアのようなものもこの規定に引っかかることになりそうです。ただし、インストールの際にきちんと説明され同意してDLしていれば、それがウイルスであっても問題はないことになるようです。きちんと納得してDLしているわけだから、意図に沿わない動作ではないということで。それが例え破壊であっても……。(ただし、電子計算機損壊等業務妨害罪の方に当てはまる可能性は否定できません。)
 そうそう、もう一つありまして、ウイルスのソースコードを書いた紙もウイルスに含まれます。1項2号で「その他の記録」と書いてあるのは、紙のような物も含むためだったのだそうです。

 問題点として、この「人」の定義があります。例えば、同意を得た他人のPCに対してウイルスを使用したところ、その他人のPCを通じて拡散してしまったという場合とか……。そういう場合は電子計算機損壊等業務妨害罪で処理っていうことなんでしょうか……。


わいせつ

 この点については、データをわいせつ物に含むという改正です。今までは有体物でなくてはいけなかったので、猥褻画像が入ったハードディスクがわいせつ物であるというような形で運用されていましたからね。これによって、今までよりも対処しやすくなるのでしょう。

 またわいせつ物については頒布もしくは送信すること、または、公然と陳列することなどが罪に当たることになります。
 頒布もしくは送信という言葉ですけど、これは不特定または多数人に対して公布・送信をした場合に罪になります。特定人もしくは特定少数に対して送信するというのは罪にならないわけですね。
 ちなみに児童ポルノの場合は特定人であっても違法になりますし、所持するだけでも今度の改正で違法になります。(ただし、頒布等の目的のない単なる所持の場合、違法ではあっても罰則はありません)


差押え

 刑事訴訟法の改正で差押えについても規定が変わっています。この改正が実は一番影響力があるのかもと思っていたり……。

第二百十八条
検察官、検察事務官または司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付き差押え、捜索または検証をすることができる。この場合において身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。
2 差し押さえるべき物が電子計算機である時は、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であって、当該電子計算機で処理すべき電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

 この規定をはじめとして、いくつか重要な変更点があります。まず一つは「差押え執行方法の新設」です。今までは記録媒体そのものを差押えの対象としていましたが、今回の改正によってログのコピーや印刷したものを差押えの対象とすることができるようになります。今までは、サーバーそのものを差し押さえられて業務ができなくなるということがあったのですが、これからは、印刷したもの等を渡してそのまま業務を続けることが可能だと言うことですね
 ただし、この点については捜査側でどちらを差し押さえるかを決めるため、相変わらずサーバーそのものをもって行かれる可能性は残るわけですけど……。いっそのこと、コピーのみを差し押さえることができるように変えてくれると助かるのかもしれません。

 二つ目は「記録命令付き差押え」が認められるようになったことです。これは、プロバイダ等、差し押さえられる側にコピーを命じて、そのコピーを差し押さえることができるようにするというものです。今までは捜査側が全部やらなくてはいけなかったのですけど、それが少し楽になります。業者側にとっても、コピーを渡せばいいわけですから、サーバー渡すよりも手間がかからなくていいということになるでしょう。

 三つ目は「遠隔差押え」です。
 今まで、差押えというのは令状を取った場所・物に対してのみしか行えませんでした。しかし、この218条2項によって、差押え令状が無くても一部のデータについては差押えが可能になります。
 具体的には、差押えの対象となっている人が使っているASPのデータやファイルサーバのデータなどになるでしょうか。こういうデータについて、令状が無くてもコピーを差し押さえることができるようになるわけです。まあ、サーバーそのままもって行かれることがないというだけましかもしれませんけどね。
 これの問題点としては、海外にサーバーがあった場合どうするのかとかそういう問題があります……。


ログ保全

第百九十七条
捜査については、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、九十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう求めることができる。この場合において、当該電磁的記録について差押え又は記録命令付き差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。
前二項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりにこれらに関する事項を漏らさないよう求めることができる。

 捜査機関がISPなどに対してログを削除しないように求めることができるという物ですね。
 この規定については結構誤解があると思います。この規定は捜査機関が、保全要請が来た時点までの情報を、90日以内の間、消さないように要請することができるというものです。その時点までの情報であって、未来の情報は含みません
 保全要請後20日後に実際の差押えが行われたとして、保全要請後のデータについては業務の都合等でプロバイダが消していても問題ないことになりますから、捜査機関が差し押さえられるのは保全要請時以前のログと、差押え時にプロバイダに残っているログになるでしょうか。

 また、この規定は令状によらない任意捜査の規定ですので、応じるかどうかはプロバイダ(要請された側)次第ということになるようです。


 とまあ、だいたいこういうことが一連の改正法によって変更されることになります。
 ウイルス作成罪については高木浩光さんが結構詳しく書いていましたので、そちらも参照してみるといいのではないかと思います。


メモ

 パブリックP2P (by 切込隊長BLOG)
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5月20日


メモ

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5月26日


メモ
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5月30日


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