1,債務者への時効中断を主張する場合
2,消滅時効の援用による支払拒絶 で使う。
時効制度(民法第6章)とは
時効には、「取得時効」と「消滅時効」が定められています。
時効制度の趣旨は『同じ状態が長期間続いた場合には、それを前提とした権利義務が構成される事になるため、こうした新たな権利義務を維持させる事が法的安定性を確保するから』『長期間の経過により証拠関係が散逸してしまい事実関係を明らかにする事が困難になる事が多いため』この2つの事情により【権利の上に眠る者は、権利を保護しない】という考えに基づいて、設けられた制度であるといわれています。
*権利義務関係では,必ずこの「時効」が係わってきますから注意が必要です。
| 一般貸金債権 |
10年 |
民法167条1項 |
| 商事の貸金債権 |
5年 |
商法522条 例外あり |
| 消滅時効期間の民事の原則 |
10年 |
民法167条1項 |
| 消滅時効期間の商事の原則 |
5年 |
商法522条他の法令に従う場合あり |
お金の貸し借りでは、貸し手は債権者・借り手は債務者になります。債権者は返してもらう権利があります。また、債務者は返す義務が生じます。この両者の関係を時効制度から見てみます。
債権者とはいえ、「返せ」と長期間言わないで放っておくと、上記の説明でもいえるように「債権者はお金が返ってこない状態が長期間続いても、良いのですね」といった考え方になります。ですから、時効になって権利(お金を返してもらう)が行使できなくなる≪これを消滅時効といいます≫前に時効をストップ(中断)させる必要があるわけです。≪取得時効とはその反対の立場をいいます≫
では、時効をストップ=中断させるにはどうしたらよいのでしょう?
消滅時効を中断させるには(民法第147条)@相手(債務者)に債務を認めさせるかA裁判上の請求をするB訴訟を起こして差押などの判決をもらう(判決後に何もしないと消滅時効が完成します)
時効の中断とは
消滅時効の進行を止め、それまで進行してきた時効期間を振り出しに戻しておくことを時効の中断といっています。一旦中断すると、中断した後から一からカウントが新たにはじまります。
民法では、請求・差押え、仮差押、仮処分・承認を定めています。
例えば、債務者から「支払いの猶予をお願いする」といってきたら(=「承認」上記の@)その時点で時効が止まり、新たにはじめから1日目としてカウントされていきます。
「請求」とは裁判上の請求を言います。
ただ単に、請求した、とか請求書を郵送しただけでは中断しません。
「承認」させる方法=債務を認めさせる方法には・・・・
返すべき金額の一部を支払わせる
債務があることを本人(債務者)に認めさせる
=少しでも良いので支払ってもらえるように通知する。または、返済方法について考えを聞かせてもらう(支払いの方法を返答願う)などの方法で、債務のある事を承認させる。
では、債権が消滅時効の完成をしないようにするために「請求」と「承認」をしましょう。
一般的には「請求書を毎月相手に送っていたから中断しているだろう」と思う事があります。しかし、請求を繰り返すだけでは相手に無視されている限り法的には足りないのです。つまり時効はストップしません。時効期間が過ぎる前に「裁判(訴訟)に提訴」する必要があります。こうすると時効の進行はストップします。これが裁判上の請求になります。つまり、時効制度は裁判にしない限りは進行しているのです。
時効がもう間近に迫っている場合、すぐに提訴できれば良い(時効はストップします)のですが、そうは簡単にはいかない事があります。この場合(時効前)に「内容証明郵便」で相手方に「請求」するのです。すると、時効制度は一回に限り6ヶ月の猶予を与えてくれるようになっています=催告。時効が成立する前に「催告書」を送っておけば向こう6ヶ月は時効猶予されます。この間に裁判(訴訟)提訴するのです。*催告書は時効が完成する前に相手に届いていなければなりません。=相手が受け取らない場合も考えておく必要があります。
このように、時効を伸ばすための催告をしましたよ、といえる証拠を「内容証明郵便」で証拠化します。
また、相手から「承認」をえる為にも「内容証明郵便」で行います。例えば、「・・・円の貸金の請求をします。この件に関して質疑がありましたらご回答をお願いします」と実際の金額より多く?記載します。あわてた相手からは、「金額は違う・・円である」「返済方法について約束していない」などの反応が「承認」となります。
消滅時効の援用
自分が10年以上前に債務者になっていた「借金の返還請求」がきたとします。
この場合には、その債務が「時効消滅」しているのか調査した上で、債権の支払い拒否を内容証明郵便で返答します。
消滅時効などの時効の利益を受けるためには、当事者が時効の援用(民法145条)をする事が必要だからです。
上記について
ご相談問合せ・業務依頼は
こちらから