<今月の言葉:2003年3月>
「古人曰く、勝って兜(かぶと)の緒を締めよ、と」
東郷平八郎/秋山真之
<意味も無く(^^;)今月の花:金襴> |
このページは当HPの管理者が月々徒然なるままに 他愛も無いことを書き連ねるページです。とはいっても、 どーしようもないことは普段掲示板に書き散らしているので、 古(いにしえ)の識者・賢人のお言葉を借用しながら、 少しはもっともらしいことを書くことになっとります。 で、新春、CMC、町田、FIA、神奈川ショートと 1〜3月の一連の大会が終了してほっと一息の今回は この言葉が良いでしょう。 蒙古襲来以来最大の国難といえた日露戦争がようやく 講和となり、戦時編成である聯合艦隊(れんごうかんたい)が 解散することになった際に、参謀・秋山真之が起草し 司令長官・東郷平八郎が『告別の辞』として 読み上げた『聯合艦隊解散ノ辞』の有名な言葉です。 |
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1.明治の海軍と日露戦争のおはなし まず最初に、歴史や海軍なんてあんまりよく知らないって人を対象に ちょっと背景をコメントしましょうか。 明治維新で近代化の道を歩み始めた日本は、列強の植民地戦略から 自国をまもるためにフランス(後にドイツ)をお手本に陸軍、 イギリスをお手本に海軍をつくりはじめました。 当時の海軍は、平和なときには第1艦隊、第2艦隊、というような艦隊が 中央の指揮下に管理・運営され、戦時になるとこれらを統合して(つまり聯合艦隊) ひとりの指揮官(いわゆる聯合艦隊司令長官)のもとに動かしたわけです。 ちょうどうちのチームのリレーみたいなもんですな。 平時は各自てんでんばらばらに練習して、大会のリレーのときだけ即席チームを組んで 決戦に臨む。今度リレー組むときにはうちも「聯合艦隊」って呼びましょうか?。 すっげ〜弱っちい”聯合艦隊”ですけど・・・(^O^;)。 (注)「聯合艦隊」は昭和になって常設化され表記も「連合艦隊」となります。 んで、明治の聯合艦隊はこれで日清、日露という大会、ではなかった戦争を 戦ったわけですが、特にロシアとの戦争に関してはこれはたいへん、 それはもう国体レベルの選手を十数人も擁するようなチームから 喧嘩をふっかけられたようなもんで、それこそチームの存続をかけての死闘と なったわけです。 で、この大会、じゃなくて戦争の最終レースが 有名な日本海海戦(明治28年5月27日)で、 このレースで、弱小日本国の聯合艦隊が強豪ロシアのバルチック艦隊に 1泳から4泳まで全員相手を圧倒するという 完全勝利を果たしたのでありました! この結果、 ロシアも考え直して米国ポーツマスでめでたく講和が成立。 んで、この年の12月20日、聯合艦隊はめでたく解散式となり、 旗艦の艦上において上記の言葉が登場することとなったわけです。 2.聯合艦隊解散ノ辞 明治時代は世界に名だたる”武士道”がまだ最後の余光を残していた時代でした。 東郷平八郎は幕末の争乱を薩摩海軍の士官として戦い抜いた侍の生き残りであり、 そんな司令長官の武人としての心構えを文章化した秋山真之は 稀代の天才作戦家であると同時に俳人正岡子規などとも親交のあった文章家でも ありました。 そんなふたりによって生み出された「解散ノ辞」は、漢文をベースにした 格調高さをもつと同時に欧米流の論理性も兼ね備えた名文で、 英訳を読んだ米国大統領セオドア・ルーズベルトが非常に感動して コピーを米国陸海軍部内に配ってまわったとかいうエピソードを残したそうです。 原文はとっても長いものなんだそうですが、有名なのは以下の一節。 「・・・百発百中の一砲、能(よ)く百発一中の敵砲百門に対抗しうるを覚(さと)らば、 我等軍人は主として武力を形而上に求めざるべからず。・・・ ・・・惟(おも)ふに武人の一生は連綿不断の戦争にして、時の平戦に由り 其(そ)の責務に軽重あるの理なし、事有れば武力を発揮し、事無ければこれを修養し、 終始一貫その本分を尽くさんのみ。・・・」 じっくり噛み締めるように読んでいただくと分かると思いますが、 いやはや、ストイックも超ストイック、スーパーストイック と言ってよい内容です。(ストイック:今月の言葉2002年12月を参照) われわれにたとえるなら、 「マスターズスイマーの一生は不断連綿の試合であって、 大会があれば実力を発揮し、大会が無ければ練習して能力を修養し、 終始一貫その本分を尽くさんのみ!」ってな感じですね。 プールの隅っこで長々と無駄話ばかりしてちゃいけませんね。反省!。 っで、そのうえで最後に以下の一句で結んでいるわけですが、 これはもう非常に心すべき言葉かと。 #そう思うよねっ、練習嫌いなチーム代表〜〜〜!(^O^)/ 「神明はただ平素の鍛錬に力(つと)め戦はずしてすでに勝てる者に勝利の栄冠を 授くると同時に、一勝に満足して治平に安(やすん)ずる者よりただちにこれをうばふ。 古人曰く、勝って兜の緒を締めよ、と」 ということで、4月下旬までしばらく大会はお休みとなりますが、 皆さん気を抜かずに鍛錬に励みましょう(^O^)/。 今月の言葉は以上です。 (補遺) 上記の引用は司馬遼太郎著『坂の上の雲』(文春文庫)より行いました。 この作品、司馬遼太郎さんが遺した作品の最高傑作です。 全8冊という大作ながら平易で読みやすい文章で引き込まれるように 読み進むことができます。まだ読んだことの無い方は是非一読を お勧めします。この作品を読まずに暮らすのは人生の豊かさの点で かなり損をしているといっても良いかもしれません。 |
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