<今月の言葉:2004年8月>

翼の防備をどの程度に考えるかって?
それは貴様の神経の量だけだ。
1日に1マイルを進軍する予定だと?
50マイル前進せよ!
                   ジョージ・S・パットン

<意味も無く(^^;)今月の画像:バラ>


このページは当HPの管理者が月々徒然なるままに
他愛も無いことを書き連ねるページです。とはいっても、
どーしようもないことは普段掲示板に書き散らしているので、
古(いにしえ)の識者・賢人のお言葉を借用しながら、
少しはもっともらしいことを書くことになっとります。

しかし今年の夏は暑いですなぁ〜。
こう暑いと身体がだるくなって
万事やる気がおきませんねぇ。。。
#と、これを書いていた時分は暑かったんですが(^^;;)

でもだからといって
グータラしているわけにはいかないので、
こういうときはモーレツ将軍の
攻撃精神溢れるお言葉で「ガツン!」と
気合を入れなおしましょう。

というわけで、
今月は米国陸軍随一の猛将・パットン将軍を
中心に戦史に残るモーレツ将軍閣下たちのお言葉集です。


1.パットン将軍


ジョージ・S・パットン将軍。第二次大戦におけるアメリカ陸軍の名将、というより猛将です。

故・司馬遼太郎さんが幕末の天才軍略家・大村益次郎のことを
「戦乱を終息させるために天から派遣され、仕事が済んだら大急ぎで天に帰って行ったような人物」
とどこかで評していましたが、このパットンもそんな言葉がぴったりの将軍でした。

戦闘軍団の指揮だけをするために生まれてきた人物、そんな感じらしいんですよ。

口が悪くてとにかく問題発言・問題行動が多い。
それで年中、連合軍内・米国マスコミから袋叩きにされるのですが、
なにしろ戦闘指揮をさせたらピカイチなので司令部トップがかばいにかばって
最前線の指揮をさせている。でも戦争が終わったら即お払い箱。
それが彼の人生でした。

彼の数奇な半生を知る上でもっともお勧めなのが映画『パットン大戦車軍団』でしょう。

題名だけ見るとなんとなくB級戦争映画。きっと米国のシャーマン戦車がたくさん出てきて
憎っくきナチス・ドイツの戦車をバッタバッタと斬り倒していく映画なんだろうと思います。
そんで幼少時代の小生(のんぶれす)は期待いっぱいでTVの前でがんばったのですが、
30分ほどで寝てしまいました(笑)。

なんせ、映画の冒頭、巨大な星条旗をバックにした演説台の上に勲章ジャラジャラの
パットン将軍があらわれて、「お前たち新兵に人格など存在しない!」とか
「(敵は)ハラワタも胃袋もそっくり引きずり出され、その脂は戦車のキャタピラを洗うのに使われる。
 薄汚いナチスドイツの腰抜け共は一人残らず殺せ。お前らの手でだ!」なんて
言葉が満載された激越極まりない演説をするわけですから、
子供心にも「なんじゃこりゃぁ〜???」。
戦闘シーンも決して派手ではなく、会話や行軍のシーンの方がどっちかというと多い。

でもこの映画、アカデミー7部門受賞の名画なんですわ。
これは邦題が良くない。『パットン大戦車軍団』では戦車軍団が主役の映画ですが、
原題は『PATTON』。
この映画はパットン将軍という不思議な人物の数奇な半生を描いた伝記映画なのです。
実際、伝記映画として観る場合、この映画はそれなりに味のある映画です。

ちなみにアカデミー受賞したのは作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞、美術監督・装置、
音響賞、編集賞。脚本賞は有名なフランシス・F・コッポラ。
また、主演男優賞を受賞したジョージ・C・スコットは、
パットン将軍その人になりきってしまうような迫真の演技なのですが、
「自分はパットンとは違う人間である」との理由で受賞を拒否して話題となったとか。
とにかく一度観てもよい映画かと思います。

さて、第二次大戦におけるパットン将軍の足跡ですが、デビュー戦(?)は北アフリカのチュニジア。
当時、このあたりにかの有名なロンメル将軍の率いるドイツ・アフリカ軍団が頑張っていました。
これに対してエジプトの英軍が戦っていたのですがなんせ相手は愛称(?)”砂漠の狐”という名将。
日々ボコボコにされていました。
そこで、米国陸軍がノルマンディー上陸作戦の予行演習も兼ねて反対側のアルジェリアから上陸。
ロンメル軍を挟み撃ちにしようとしました。
ところが当時の米国陸軍はまだ戦闘経験の無い初心者集団。
歴戦のドイツ軍に返り討ちにされてしまいます。
そこで、巻きなおしのために投入されたのがパットン将軍でした。

着任後に彼が真っ先にしたことは・・・鬼コーチ、じゃなかった鬼将軍として部下をしめあげることでした。
映画のパットン将軍の場合、
たとえば、普段からヘルメットの着用を義務付け、かぶらないものは容赦なく罰則。
「わたしはコックですが・・・」という隊付料理人に対してまで
ギロリと睨んで「お前は兵隊だ」。
副官にむかってのセリフも強烈。「連中が恐れる相手がドイツ兵ではなく俺になるようにしてやるんだ」。
#実はこれは大事なことで、強い軍隊とは往々にして敵よりも味方の方が怖いらしい。
#戦国期の織田信長の軍隊が良い例で、敵よりも信長のほうが怖いんだけど
#敵方に寝返っても勝ち目がないから泣く泣く信長の下でがんばっている、
#そんな感じだったそうですな。
#実際のパットン将軍も自宅で鏡の前でこわい顔をしているのを娘にたずねられて
#「部下たちが自分をこわがるように練習しているんだ」と言ったそうです。

さて、こんな感じで部隊を締めなおしたパットンは進撃してきたドイツ軍を撃破、
天下のロンメル軍団を倒したと大喜びですが、でもこの時期、すでにロンメル軍団は
エジプト近郊のエルアラメインでモントゴメリー将軍率いる英軍に破れており、
ロンメル将軍自身、体調を崩してドイツ本国へ帰国していました。
というわけで、世間では「ロンメルを倒したのはモントゴメリー」という扱いとなり、
パットンはこれが不満。以後、モントゴメリーとパットンはライバルとして競争していくことになります。

ところで、パットンという人は相当なロマンチストで、ホメロスのギリシア古典などを暗唱していました。
また、部下を急にポエニ戦争(共和制ローマとカルタゴが争った紀元前の戦役)の古戦場へ連れ出し
「ここが戦場だ。・・・ここで大勢の男たちが戦い死んでいった・・・俺もここにいた。
 俺は何代にもわたってこの世に生まれ変わっては戦場で戦ってきたんだ。・・・」
そんなことを言う不思議な性癖を持っていました。

そんな彼の次の戦場は、シチリア攻略。

ペロポネソス戦争(アテネとスパルタが争ったギリシア時代の戦役)の将軍アルキビアデスの言葉
「シラクサを陥とせばシチリアは陥ちる。シチリアを陥とせばイタリアは陥ちる。」
という言葉に従いシチリア島南端のシラクサに上陸。
その後、英軍のモントゴメリーと競争するように北端の都市・メッシーナを目指します。

が、この作戦ではパットンは上からの命令で迂回コースを進むこととなり、
モンティー(モントゴメリーの愛称)との競争も気になってか
かなり強引な戦い方を押し進め部下のヒンシュクを買いまくります。

映画の中のシーン。最前線を視察してまわるパットンがある部隊の隊長と従兵に命令するんですが、
  パットン「(隊長に向かって)24時間以内にあの岬まで進出せよ」
  隊長  「それは不可能です」
  パットン「(従兵に向かって)じゃあ、今からお前がここの指揮官だ。
       24時間以内にあの岬まで進出せよ。できなかったら銃殺だ!」
  パットンが去った後、従兵が隊長に向かって
      「ドイツ兵よりあの野郎を撃ち殺してやりたいですね・・・」

結局、タッチの差でパットン軍がモンティー軍よりも先にメッシーナに到着。
でも、進撃中に野戦病院でパットンは戦場恐怖症の兵を殴ってしまい、
それがマスコミで大きく取り上げられ大問題となってしまいます。
結局、パットンは指揮する将兵の前で謝罪をさせられ、さらに更迭されてしまいます。

以後、しばらくパットンは英国にほとんど放置されたような状態で置き去りにされます。
#小生から見るとうらやましくてしょーがないんですが(笑)、戦場だけが生き甲斐の
#パットンには耐えられず、かなりへこんでしまいます。

1944年6月6日、連合軍はノルマンディーに上陸。
このときもパットンはドーバー海峡近くで特に任務も無くおきっぱなし。
ところが、敵のドイツ軍は
「兵を殴ってどーして更迭されるんだ?。名将パットンがドーバーにいるのなら
 連合軍はドーバー海峡を渡ってくるに違いない」
と主力をドーバー海峡沿いに集中配備。
結果的にパットンはうまい具合に「囮」なってしまいました。

その後もしばらくパットンは放置の身だったのですが、
上陸後なかなか前進できない膠着状態に陥った連合軍は
ついにパットンを前線指揮に復帰させます。

以後、米国陸軍の第三軍の指揮を執ることになったパットンは水を得た魚のように活躍を開始。
ものすごいスピードで快進撃を続けます。
以下、映画の中のひとコマ。ジープで進軍するパットンに向かって路傍の兵たちが声をかけます
  兵たち 「将軍、次はどこまで行くんですか〜?」
  パットン「ベルリンだぁ〜!、ヒトラーのクソったれ野郎を俺がやっつけてやるんだ!」
  兵たち 「おお−っ、!」(歓声)

そのままパットン軍は快進撃を続けて、米国陸軍の歴史に残る大会記録、
じゃなかった、進軍距離を記録するのですが、米・英・ソから成る連合軍最上層部の
政治的なモロモロで、結局ベルリンにはソ連軍が侵入。パットンはチェコでドイツ降伏を迎えます。

戦争終わって大活躍のパットンは英雄扱い・・・のはずだったんですが、
平和は彼にとっては苦手な状態。それに彼はソ連が大っ嫌い。
ソ連よりもナチス・ドイツの方が米・英には親しみやすい存在、というような
当時の状況ではかな〜りヤバい発言をしてマスコミや政界・軍上層部で大問題となります。
戦闘指揮の必要はもうありませんから誰もかばう人無し。
パットンは第三軍司令官を解任されてしまいます。
(ちなみにライバルだった英軍のモントゴメリー将軍は元帥に昇進しています)

これでパットンの人生は実質的におしまい。
映画では解任されたパットンが独りさびしく去っていくシーンで幕が降ります。
実際のパットンも戦後すぐの1945年12月21日、自動車事故で世を去ります。

戦争が終わったらすぐ天に還ってしまったわけで、
パットンは本当に神様が戦争終結のために天から派遣してきた人物だったのかも
しれないなあ・・・と思ってしまいます。
歴史の上にはたまに不思議な人物が現れるのですが、パットンなどもその一人というところです。

これが映画のパットン将軍。
映画の冒頭、まさにこんな感じで登場して
激烈きわまりない演説をしてみせるわけですな。
(20世紀フォックス ホーム エンターテイメント株式会社
 DVD『パットン大戦車軍団』の表紙より引用)

これが実物のパットン将軍。
いかにもイヤな野郎、という顔つきですが、
実はこれはパットンが意識的にやっている表情。
自ら「ウォー・フェイス(戦争用の顔)」
と名づけていたらしい。
(学研 『歴史群像 第二次大戦欧州戦史シリーズ21
 アメリカ陸軍全史』より引用)




2.モーレツ将軍語録


さて、以下は戦史に残るモーレツ将軍たちの攻撃精神溢れるお言葉集。
名将といわれる人はみなそれぞれに攻撃精神旺盛だったようで、
なかなか味のある言葉を残しています。

まずは、今月取り上げたパットンの言葉。
「翼の防備をどの程度に考えるかって? それは貴様の神経の量だけだ。
 1日に1マイルを進軍する予定だと? 50マイル前進せよ!」


翼(よく)というのは自軍の横端の部隊。右側なら右翼、左側なら左翼。
右翼や左翼を敵軍よりも伸ばして相手の背後にまわりこませて
包囲する、というのがギリシア・ローマ時代から現代に至るまで変わらぬ戦術の常道。
日本でも武田信玄なんかがよく使ったのが「鶴翼(かくよく)の陣」。
左右の軍を鶴の翼のように広げた陣形です。
でも翼を伸ばしすぎて薄くなってしまうと
敵軍にそこを突破されて逆にこちらが各個撃破されてしまうわけで、
翼をどの程度の厚さにするかは戦術上重要なんだそうです。

でもパットン将軍はそんなの無視して「前進せよ!」ってことだ。
水泳にたとえるなら、
「後半のスタミナをどの程度に考えるかだと?、それは貴様の神経の量だけだ。
 50mを40秒のペース配分だと?、27秒で突っ切るべし!」
#あんまりこういうコーチは持ちたくないですなぁ・・・(^^;;)


次にアメリカの南北戦争で南軍を指揮したリー将軍。
「防御するには、こちらがあまりにも弱すぎたので、予は攻撃した」


ペース配分を考えるにはあまりにも練習不足な人は、最初からオールアウトですかね。
どっかの代表みたいに・・・(笑)。

お次は、第一次世界大戦でフランスを窮地から救った名将フォッシュ将軍。
「わが右翼は重圧を受けている。
 中央の陣地は蚕食されている。
 機動することは不可能に近い。
 (こんな危険な戦況だけれど)素晴らしい状況だ。さぁ、攻撃するぞ!」


「わが軍は全然泳ぎこんでいない。
 昨晩はほとんど眠っていない。
 ウォーミングアップなど不可能に近い。
 (こんなどーしようもない体調だけれど)
 すばらしい状況だ。さあ、オールアウトでいくぞ!」
#これこそ、まるでどっかの代表だなあ・・・(笑)


最後は第二次世界大戦の冒頭、機甲師団を率いてアルデンヌの森を突破して
英仏連合軍を大西洋に追い落としたドイツ陸軍のグーデリアン大将。
「状況不明だと?、よし!、攻撃前進だ」


「泳いだことのない種目だと?、よし!、トップタイムでエントリーだ」
#これはサブT氏が近いかもしれない(笑)


まっ、こんなところですかな(^^)。
今回はマスターズ水泳のための「教訓」的な要素はあんまりありませんでしたが、
まあ夏休みということで景気の良い言葉で押し進めました(^^;;;)。
何事も気持ち(気合?)が大切。
暑くてシンドイときこそ「攻撃精神」を発揮してアグレッシブにがんばっていきましょう!


では、今月の言葉は以上です。


(追記)
パットンには以下のような言葉もあるそうです。
「半リットルの汗は5リットルの血を節約する」

きっと練習もきつかったんだろーな〜(笑)。




今月のページへ戻る


◆◆◆ このWebサイトに対するお問い合わせは下記のメールアドレスまで ◆◆◆
QFH02614@nifty.com