<今月の言葉:2005年8月>

大きな樫の木も小さなドングリから育つ
           ジェフリー・チョウサー

<意味も無く(^^;)今月の画像:今月もまだまだ暑いので
 涼しげな花の写真ということで、白いバラっす。>


このページは当HPの管理者が
月々徒然なるままに他愛も無いことを
書き連ねるページです。とはいっても、
どーしようもないことは普段掲示板に
書き散らしているので、
古(いにしえ)の識者・賢人の
お言葉を借用しながら、
少しはもっともらしいことを書くことに
なっとります。

さて、8月の大会といえば横浜市民大会。
この大会、うちのチームでは新人メンバーの
登竜門的大会。この大会でデビューした人も
結構いますよね(ワタシ自身そうだったりする)。

というわけで、今回はそれにちなんで
この言葉を選びました。
シェイクスピアに次ぐ英国の代表的詩人
チョウサーの言葉だそうです。



1.チョウサーの生涯



ジェフリー・チョウサー(Chaucer Geoffrey:1340-1400)。
イギリスの詩人・天文学者。
『カンタベリー物語』で有名、天文器具についても著作あり、
・・・ということらしい。

いちおー、世界史の教科書には出ていた「はず」ですね。

「はず」、というのは、実は日本史・世界史が得意科目だった小生(のんぶれす)も
「チョウサー」&「カンタベリー物語」はテストで正答できた覚えが
ほとんど無いんだな(^^;;)。
はっきり言って、ふつーの人はこんなの覚えてもどーしようもないもんネ。
#チョウサー氏には申し訳ないけど・・・化けて出ないでね(笑)

つーわけで、チョウサーはさすがにちょっと調べないと説明を書けません。
ところが、こいつ、ネット上でもほとんどなんも得られないんだな。
日本ではよっぽど、誰の関心もひいてないらしい(笑)。
#それでいながら「カンタベリー物語」は邦訳され出版されているが・・・。

しょうがないので、のんぶれすの”最後の切り札”、
電子百科事典・マイクロソフトエンカルタを投入して
ようやくチョウサーについての記述を見つけました。
#ちなみにこのソフト、こういうHPを書く身にはとっても便利なのよね。
#昔だったら図書館に行って分厚い百科事典と格闘しないといけなかったのが
#今じゃPCにCD突っ込むだけで済むんだから。


チョウサーは、ロンドンの富裕なワイン商の息子として生まれました。
セント・ポール大聖堂のラテン語グラマー・スクールや法律学校で学んで
1357年、エドワード3世の第3皇子ライオネルの妻、アルスター伯夫人エリザベスに
小姓としてつかえたと。

そんで1367年ごろには国王の従者になったが、
その前年の1366年ごろ、王妃の侍女フィリッパ・レトと結婚する。
#ちなみに日本史でいえば、室町時代、南朝と北朝が戦っていた頃かな。。。。

1374〜86年ロンドン港の税関監査官、89〜91年は王室工事監督となり、
さらに林務官として宮殿と庭園の維持と管理をまかされ、
86年ごろ、ロンドン郊外の田舎(おそらくグリニッジ)の屋敷にうつりすみ、
当地の治安判事と代議員を兼務。
さらに、外交使節としてフランスに数度、スペインには66年に1度、
イタリアには72〜73年と78年の2度でかけている。
これだけいろいろやっているということは
事務・行政処理能力の点でもそれなりに有能な人物だったにちがいない。

そんで、その生涯の最後の年に、
チョーサーはウェストミンスター寺院の敷地内にある家屋をかりて住み、
死後、平民としては異例の扱いで同寺院に埋葬され、
その埋葬場所は文人を顕彰するコーナーとなっている、ということだそうだ。
メデタシメデタシ。。。。。。。。。

うーん、なんか山も無ければ谷も無い、
はっきり言って、ボケも突っ込みも入れようの無い生涯ですなぁ。。。(^^;;;)。



2.チョウサーの作品について



せっかく取り上げたのに、これではぜんぜん親しみがもてませんね(^^;;)。
さすがにさびしいので、ちょっと長くなるけど、エンカルタの記事をもう少し拾いながら
可能な限りのツッコミ(?)を入れてみましょう。

  チョーサーは、ごくかぎられた人々のために作品を書いた。その対象は、同僚の
  廷臣のほか、ときには王室の人々もふくまれていたと思われる。

よーは、お友達の間で楽しむことを目的に作品を書いていたんだな。
そういう意味ではどっかのHPの『今月の言葉』と同じ。
ただ、21世紀のHPはネット上で公開されてるから、極端なことをいえば
世界中の人から読まれることを覚悟して書かないといけない。

でも、チョーサーの頃はまだ活版印刷も発明されていないから、
ほんとに身内オンリーが読者。まあ、極端(かなり極端)なたとえをすれば、
中学校のクラブ活動かなんかで部室にノートが置いてあって
みんな自由に書込みできる、そこでいつのまにやら好評連載となってしまった、
そんなカキコのよーなもんだな。
それでも文学的価値を評価され今日まで残っているんだからそれはそれでスゴイ話だ。
#『源氏物語』や『枕草子』なんかも似たようなもんだと考えてよいかもしれない。


  イギリス上流階級の文化は、いぜんとしてフランス風が幅をきかせていたため、
  チョーサーの初期の作品は、当時流行していたフランスの詩人ギヨーム・ド・マショーや
  フロワサール、それに、13世紀フランスの有名な夢想寓意詩「薔薇物語」の影響をうけ
  ている。これらの作品に共通するテーマは宮廷風恋愛(アムール・クルトワ)である。

  チョーサーは「薔薇物語」を英訳したといわれているが、現存しているのは断片
  だけである。彼の最初の重要な作品は「公爵夫人の書」で、1369年に死去した
  ジョン・オブ・ゴーント公夫人ブランシュのための哀歌である。夢の中で、詩人
  チョーサーがであった悲嘆にくれる黒衣の騎士(ゴーント)は、「善良な美しい白
  (ブランシュ)」への愛とその喪失感を切々とかたる。


書き手であるチョーサー自身が夢の中で悲嘆にくれる黒衣の騎士(ゴーント公)に出会い、
その騎士が「善良な美しい白」(つまり奥さんであるゴーント公夫人か)への
愛と喪失感を切々と語る、つーわけだな。

どういう事情で書いたんだか知らないけど、身内ネタとはいえ、
こんな書き物を恥ずかしげも無くよー書けるもんだなぁ、と思ったりする(笑)。
まあ、当時の宮廷の生活を理解しないとかなり違和感を感じてしまう話ですな。


  「誉(ほまれ)の宮」と「鳥の議会」にはダンテとボッカッチョの影響がみられる。
  おそらくチョーサーは、最初のイタリア旅行で2人の作品とであったのだろう。
  「誉の宮」は未完だが、巨大な黄金の鷲の鉤爪(かぎづめ)につかまれて(こ
  のアイデアはダンテ作品からえた)、誉の女神の宮殿にむかうという、詩人のも
  どかしい旅をユーモラスにえがいている。「鳥の議会」でチョーサーは、階層を
  異にする鳥どうしの恋愛をめぐる、結論のでない論争を目撃する。


「階層を異にする鳥どうしの恋愛をめぐる、結論のでない論争」だってさ。
アホウドリとスズメが恋におちてしまったが、階層が違うのでどーしよう、
つー内容かな。(笑)
これも身内ネタだろうから、きっと読み手には誰がアホウドリで誰がスズメか
多少なりともあたりがついたのかもしれないけど、
しかしこれもキワどい書き物だねぇ・・・。


  「トロイラス」は「カンタベリー物語」にならぶチョーサーの主要な作品で、ト
  ロイの王子トロイラスの悲劇的な恋を、8000行をこえる詩でえがいている。トロ
  イラスはクリセーデを、親友で彼女の叔父のパンダールスの策謀にたすけられて
  くどきおとす。しかし、クリセーデはギリシャの戦士ディオメデスにうばわれ、
  恋物語は一転して心にしみる中世風の悲劇となる。詩人は語り手として、若者た
  ちにもったいぶった忠告をして物語をしめくくる。つまり、はかなくむなしい現
  世の恋愛などすててキリストに心をむけよ、と。登場人物の心理描写はきわめて
  複雑で、そのためこの作品は近代小説の先駆ともいわれている。


せっかく口説き落とした恋人をギリシャの戦士とかに奪われ
「心しにしみる中世風の悲劇」になったっつーのは、まあ現代人にも
多少は共感できるストーリーかもしれない。

でも、そのあと
「詩人は語り手として、若者たちにもったいぶった忠告をして物語をしめくくる」
つーのは何なんだ、こりゃ。
詩人自身がそんな形でしゃしゃり出て
「はかなくむなしい現世の恋愛などすててキリストに心をむけよ、気合だー!」(笑)。
せっかくの恋愛悲劇が台無しじゃないかなぁ・・・。


  後続の夢物語詩「善女物語」(1385〜86?執筆)のプロローグで、愛の神は、クリ
  セーデの不義を書いたチョーサーを異端だと非難し、罪滅ぼしとして愛のために
  死んだ誠実な女性たちの生涯を書くよう命じる。チョーサーはクレオパトラなど
  8話を書いたが、そのあとはこの作品をなげだしたようで、1387年には、最高傑
  作とされる「カンタベリー物語」の執筆にとりくんでいた。


愛の神からチョーサー自身が叱られてしまい、罪滅ぼしのために立派な女声の愛の物語を
書きました、でも8話書いたところでアホらしくなってやめちゃいましたーって感じかな。
しかし、よーやるなぁ、という感じがするが(^^;;)。

そんで最大傑作の「カンタベリー物語」の解説となるわけだが・・・

  この物語は、ベケットの聖地カンタベリーへ巡礼にでかける人々がそれぞれ話を
  かたるという物語集である。

  (中略)

  宿の亭主が、退屈しのぎに物語比べをしたらどうかと提案し、詩人をふくむ30人
  ほどの巡礼者は、その旅行中に各自4話ずつかたることになる。

  (中略)

  それぞれの話は、中世の各ジャンルの物語の典型的な見本となっている。しか
  し、この作品の真骨頂は、それぞれの話と全体の枠組みの物語との劇的な相互作
  用にある。騎士が高貴な愛についての上品で哲学的なロマンスをかたれば、粉屋
  は農場の親方にねらいをつけた卑猥(ひわい)な話で水をさす。そこで農場の親方
  は、粉屋の女房と娘がたぶらかされた話で仕返しをする。こうして、登場人物の
  人となりが明らかになり、けんかや口論へと発展するのである。

ふむ、これはまあなんとか楽しく読めそうな内容じゃないの。
さすがに中世の英国文学の傑作といわれるだけのことはあるかな。

でも、

  これにつづく私的な告白の中で、チョーサーは、「トロイラス」をふくむ彼の世
  俗的な著作のすべてと、「カンタベリー物語」の「罪をおかしたい気にさせる」
  部分を「撤回」する。「トロイラス」の結末と同じくこの撤回は、チョーサーの
  天賦の才がつねに月並みな信仰心に抑制されていたことをしめしている。

あらららら・・・・
物語の中に登場していたチョーサー自身が
「いままでくだらないことばかり書いていました、ゴメンナサ〜イ(_o_;;)」
って謝罪しているわけかいな??
まあ、どっかの『今月の言葉』の筆者も文中で謝ってばかりいるような気もするが(笑)、
でも「前作の撤回」まではしないよ。

エンカルタの解説文の
「チョーサーの天賦の才がつねに月並みな信仰心に抑制されていたことをしめしている」
つーのも皮肉な書きかただね。
解説者は実はアンチ・チョーサーなのかな?


まあ、とにかく、エンカルタの解説は締めくくりとして以下のようにチョーサーの
現代における評価を書いています。


  チョーサーは、文学的言語としての英語の威信を大いに高め、英語による詩の表
  現法と韻律の領域をひろげた。

  (中略)

  ルネサンス期、彼はイギリスにおけるホメロスだった。
  スペンサーは彼を師とあおぎ、シェークスピアの戯曲の多くには、
  チョーサーの喜劇の精神を吸収したあとがみてとれる。
  「カンタベリー物語」のいくつかを現代語訳したドライデンは、
  チョーサーを「英詩の父」とよんだ。

  (中略)

  1868年、イギリスにチョーサー協会が設立され、彼の著作の決定版がはじめて刊
  行された。以来、その英知、ユーモア、人情ゆえに、シェークスピアについで
  人々から愛されているイギリス詩人として、チョーサーの名声は不動のものと
  なっている。


というわけで、メデタシ、メデタシ・・・。

どうですかね?
教科書の中でほんの1行だけ書いてあるだけなのに、試験にきっちり登場して
皆を泣かせたチョーサーという人物にも、ここまで深堀りしてみたら
すこしは具体的な人物イメージをもつことができましたかね?

ワタシ自身の感想を一言でいえば、

「身内の恋愛ネタを面白おかしく部室ノートに書き続けながら、
 肝心なところの記述では信仰の枠内まで撤退してしまうある意味で可愛いオジさん」

まあ、そんなところかな。
#これで間違いなくチョーサーの祟りにあうな(笑)
#その前に、真面目なチョーサー研究家にブン殴られるかな・・・(笑)



3.大きな樫の木も小さなドングリから育つ


さてと、今月の言葉そのものへ話題を移しましょうか。
この言葉、どの著作の中に登場するのか知らんけど、
意味自体はシンプル明快であえて解説は必要ないでしょうね。

小さなドングリも大事に育てていけば大きな樫の木になります、
地道に、気長に、丁寧に育てていきましょう、
まあ、そんなところかな。

これは、新人スイマーの方々にも、ある意味ではうちのチーム自身にも
言えることでしょうね。

でもね、ドングリは放っておいても樫の木になるわけではないのよね(^^;;)。
ちゃんと日々努力して育てないといつまでたってもドングリのまま
「ドングリの背比べ〜」になっちゃいます。

市民大会は終わりましたが、次は10月に市民マスターズがあります。
一日一日を大事にしながら少しは成長して次の大会を迎えましょう。


今月の言葉は以上です。


(補遺)

今回は特にチョーサーの著作まで読んだわけではないので
はっきり言ってかなり無茶苦茶なことを書いているかもしれません(^^;;)(_o_)。
真面目にチョーサーのことを知りたい方は、
邦訳されている「カンタベリー物語」を読んでみてくださいね〜。
(角川文庫や岩波文庫にあるようです)



今月のページへ戻る


◆◆◆ このWebサイトに対するお問い合わせは下記のメールアドレスまで ◆◆◆
QFH02614@nifty.com