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PHENIX DC303K + PHENIX MC 50mm F1.7
このカメラはちょっとしたきっかけで手に入れたが、ブランドがPHENIXなので例の鳳凰と同じ中国製と見た。 しかし、MADE IN CHINA銘はボディにもレンズにも、どこにも入っていない。 付属のセミハードケースのロゴは鳳凰のものと全く同じなので間違いないと思うのだが、鳳凰の文字入れも見あたらない。 生産国表示がない以上輸出はできないので、中国国内専用機なのだろうと想像する。 では、こいつは密輸品?
更に子細に見ると、これは有名なコシナOEMではなかろうか、と見られる特徴に満ちあふれている。 シャッターについては、縦走り金属膜フォーカルプレーンで最高速が1/2000秒、X同調速度が1/125秒。 ボディ6面の寸法や部品配置位置が一緒。 底板電池室の蓋の形状特徴が一緒で、巻き上げレバー、セルフタイマーレバーの形状まで酷似している。 右サイドのグリップ形状まで一緒と疑う余地はない。 極めつけは、シャッターを切ったときの特徴的な音まで一緒であった。 レンズマウントは汎用性の高いペンタックスKマウントである。
ひょっとしてコシナはこのようなOEM供給までしていたのかな。 いやいや、これはパクリじゃぞ、などといろいろ夢の膨らむカメラではある。 1980年代の生産品だと思う。

実用的な視点で見てみると、3点LED表示開放測光連動露出計のついた純メカニカルシャッター機で、動作感覚もメリハリがあって気持ちよく使える。 実用機としては十分信頼に足る性能であった。
Phenix 鳳凰 205E / PHENIX 50mm F2.8

距離計連動35mmカメラ  3点LED定点合致式連動露出計内蔵  ホットシュー・シンクロ
シャッター : B, 1 - 1/125, 1/300秒  絞り : F2.8-16  フィルム感度 : 25, 50,100,200,400  最短撮影距離 : 0.8m

カタログによれば、このカメラに付属しているアタッチメントを使えば35mmフルサイズ1コマ内に、画面を”手軽に”二分割、または四分割して撮影できるとのことであった。 これはステレオ撮影技法を応用したアタッチメントか? などと期待を持ち、購入した。
早速箱を開けると何ともけったいなアタッチメントが出てきた。 悪い予感を感じつつ取説を開くと、何と中国語! 肝心の所には英語の説明も入っているが、両方とも苦手である。 何とか漢字を意訳して、とやってみたが、簡体字はモトがどんな漢字なのかさっぱり分からない。 仕方ないので苦労して解釈してみると、悪い予感は当たった。 アタッチメントはレンズの前の1/2または1/4だけ開ける単なる『蓋』であった。 要するに、蓋をずらして二分割なら二回、四分割なら四回多重露光することで目的を達するのであった。 そういえば、昔ボール紙でレンズを半分ずつ覆って二回シャッターを切り、1画面に自分を二人入れて撮ったなぁ、などとヘンに懐かしくなってきた。
理解してみれば何のことはないが、三脚に据えないと撮れないですよねぇ。 何回もシャッターチャージしてそのたびに蓋を回して、結構手間ですよねぇ。 手軽とか簡単とか言えないと思うけど・・・・

多重露光の仕掛けはレンズ鏡筒の下面にあり、距離リングと絞りリングの間にあるレバーでシャッターチャージすればできる。 出来合いレンズシャッターの構造を巧みに利用した機構で、この工夫は誉めてあげよう。
同じ鏡筒下面の近所にはセルフタイマー・セットレバーとASA感度セットレバーがある。 鏡筒にはシャッターセットリングとシボリセットリングがあり、上面の指標で現在値が読みとれる。 1960年代の一般的な”高級”レンズシャッターカメラを彷彿とさせるレトロな全金属カメラ構造を忠実に再現しており、連動露出計を使わないつもりならば電池なしできちんと写真が撮れる。 この雰囲気も誉めてあげよう。
ちなみに、革張りの仕上げ色は黒と赤茶の二種あったが、勿論赤茶を選択した。 へんてこアダプターは蓋を外せばフードになる。 これも誉めてあげよう。

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