
築地市場の移転は見直しを
築地市場が手狭で老朽化してきたとの理由で豊洲6丁目への移転が計画されています。しかし移転予定地とされている敷地は、東京ガスが1956年から88年まで都市ガスを製造していた跡地で、有害物質のベンゼンが表層土壌で環境基準の43000倍・地下水で10000倍、シアン化合物は土壌で860倍・地下水で130倍も検出(08年5月の調査)され、高濃度に汚染されていることが明らかになりました。
東京都は、昨年8月から汚染対策を検討するため「技術会議」を開いてきました。しかしこの技術会議が2月に出した報告は、そもそも土壌深部の汚染を一割しか調査していません。実態を十分把握せずに対策を決めること自体が、拙速であり信頼性を欠くものです。そして移転を進めることを前提に、汚染された土壌の処理を安上がりに、短期間で終わらせることを最優先とする対策には、消費者の安全確保という視点は見当たりません。
いったい、誰のための築地市場移転なのでしょうか。江東区は臨海部の開発を期待して、豊洲への市場移転を歓迎しています。しかし、食の安全・安心をおろそかにして、大型開発を優先することが、区民の福祉向上につながるとは思えません。築地市場移転は見直すべきです。
◆「技術会議」報告の問題点
@工費を586億円と大幅に圧縮
A工期20ヶ月という土壌処理には異例の短さ
B処理する土の量も122万m3から100万m3へ
C旧地盤面の約9割は汚染実態を把握せず
D策定した工法の実効性を確認していない
E汚染に関する情報隠しと秘密主義
前田 かおる
