チュー兄貴、呪いをかける


他の国では原題通り『オング・バーク』というタイトルで公開されたのに、何故か日本では『マッハ!!』という、なんとなく情けない邦題で上映されてしまったタイの映画を見た方も多数いらっしゃるかと思われますが、見ていない人の為にストーリーを説明すると、

「村の守り神である仏像の首が盗まれ、それを取り返すために主人公がムエタイの技を駆使して戦う」

という大変分かりやすいもので、字幕無しでもほとんどストーリーが把握できるという、お勧めの一品です。
ただ、由緒ある美術品が海外に流出しており、それが問題になっているというのは現実としてあるようで、何故このタイミングなのかがイマイチ分からないのですが、チューウィット兄貴が大学生約二十名を引き連れ、上記の件についてアメリカ大使館に抗議文を提出しに行きました。




上の画像がその時の様子(2005年3月8日)なんですが、相変わらず様になってますね。でもせっかく国会議員になったんだから国会の席上で法案として提案すればいいのに、と思ったのですが、
「巨大企業も外国のサッカーチームを買おうなどと夢見てないで、国の財産を買い戻す基金を設立しなさい」
などとも叫んでいたらしいんですね。タクシン首相が二年前位にイギリスのサッカーチーム・フルハムを買おうとして失敗したことをあてこすっている訳です。そんな法案がタイラックタイ党単独政権の中で通る訳が無い。

つまり国会が始まる前に外で言いたいことを言っておこうと思い、こういう行動に出たのでしょう。
それじゃあ、「国の財産を返せ」「東洋の文化を返せ」などのスローガンは取ってつけたものなのかというとそうでもない。
今回の抗議の主題は、サンフランシスコにあるアジアンアートミュージアムに展示されている金の冠を返せ、というものなのですが、金の冠と言えば王様がかぶる物なので、それが海外にあるのはおかしい、ということらしいです。

元ネタでは上記の金の冠が盗まれたものとは書いてありませんが、『マッハ!!』に出てくるような美術品密輸マフィアみたいなものが実在するらしく、盗まれたも同然の美術品や仏像がアメリカやイギリスに少なからず存在するのは事実のようです。そしてそれらの物に霊力を見出す人が現代社会においても存在することも。

「全ての神聖なもの、サイアムの守護神、タイの先祖よ、タイの財産をタイの子孫の為に護持したまえ。もし何者かがそれらのものを持ち出そうとするならば、破滅、没落を与えたまえ。どんな方法でもいい、(美術品を)集める者、盗む者、そしてそれらを支持する者全てに」

ついこの前まで神も仏も無いような風情だったチュー兄貴ですが、生まれ変わりの儀式をやって以来、妙に神がかってきているようです。
あ、でも風俗業の人って案外信心深い人多いから、これでいいのかも。


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