赤い糸

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アイドル・ストリッパーのKちゃんには変な癖がある。

ときどき自分の左手を見るのである。

ステージの途中でもなにかの拍子に視線が左手にいってしまう。


「どうしてチラチラと左手を見るの?」ときいてみた。

Kちゃんはびっくりして、「わかるの?」ときき返した。

「あれだけ何度も見れば誰だって気づくよ」


Kちゃんは恥ずかしそうに笑って言った。

「小指を見てるの。赤い糸が見えないか確認しているの」


私は彼女が冗談を言っているのだと思って、

「またぁ、人をからかわないでよ」と言った。


「からかってなんかいないよぉ。 知ってる?

  赤い糸って自分と繋がる人が近くに来たときに初めて見えるものなのよ。

  それに気がつかないとすぐに切れてしまうんだって。

  赤い糸が見えたらその場でお互いを確認しないと駄目なんだって。

  だから心配でついつい見てしまうの」


Kちゃんは真剣だった。


「あなたもたまには見た方がいいよ」


私は笑いながら左手を目の高さまで持ってきて小指を確認した。

「えっ!!」


赤い糸が見えたような気がした。


慌ててKちゃんを見ると、彼女も目を丸くしていた。


[舞太郎](1997.11.20)


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