カイドウズミMalus floribunda は、英名にJapaneseCrabappleとあるように、江戸末期に、長崎のオランダ商館医シーボルト氏によって日本から欧州に、また、アメリカ人医師、ジョージ・R.ホール氏によって、日本から米国ニューイングランドにもたらされたもののようですが、はっきりしたことはわかりません。
 このクラブりんごは、蕾が深紅色で、開きかけると ピンクに、そして花が咲き進むと白く変化し、非常に見ごたえがあり、桜の花よりあでやかな感じです。そのうえ病気にも強く、北米やヨーロッパではとても人気があります。
(文献)
 特に、このリンゴの特徴の一つは、抗黒星病遺伝子V
f を持ち、有名な病気であるクロホシ(黒星)病に強い抵抗性をもつことで、この遺伝子Vf を導入し、黒星病に強い抵抗力のある食用リンゴの育種が行われています

 上に述べたように、江戸末期に、日本の「花の美しいクラブりんご」として欧米に紹介されたといわれていますが、原産地である日本に、現在は写真も実物も存在しないと言われています。日本国内にあるカイドウズミ は、すべて外国から再移入されたもののようです。
 また、ウェブサイト に、次のような記述が見られました(文献)
Malus floribunda (Japanese (flowering) crabapple) is a wild apple of Japan and East Asia. It is probably not a truly wild species but a hybrid M. sieboldii x M. baccata or M. prun.」
 私は歴史的なことはよく分かりませんが、このクラブりんごMalus floribunda は、英文の記事のように、ズミ M. sieboldii カラフトズミ M. baccata などの自然交雑によって生まれたものでしょうか。また、外国に持ち出したのは、苗の形でしょうか、種子でしょうか、それとも枝だったのでしょうか。
 やはり、日本の室蘭で採集したといわれるクラブりんごに、Malus Sargentii  がありますが、これも日本では同じものは見つかっていません。
 なお、このクラブりんごのことをハナカイドウと呼ぶ方もいますが、中国原産のハナカイドウMalus halliana という特徴のはっきりした別種がありますので、間違わないで下さい。また、このカイドウズミM. floribunda のことをズミ(ミツバカイドウ) M. sieboldii と同じではないかという方もおりますが、果実の形や大きさ、果実が大きくなると萼が落ちてしまう点などは似ていますが、花の色や形、葉の形も違いますし、ズミの新梢の葉には裂片葉が頻繁に見られるのに、カイドウズミには裂片葉は全くみられません。
 以上、素人なりにまとめてみましたが、記述内容に間違いがありましたら、ご指導下さいますようお願い致します。

 地方独立行政法人青森県産業技術センターりんご研究所(旧・青森県りんご試験場)前庭に、ズミMalus sieboldii と並んで栽植・展示されています。葉と果実は、青森県りんご研究所からもらいました。

(文献)  http://en.wikipedia.org/wiki/Malus_floribunda