黒石1号は、1994(平成6)年、青森県南津軽郡田舎館村にある黒石市バイオ技術センターで育成した品種です。センターでは、圃場で栽培している新疆野苹果Malus sieversii (Ldb.)Roem (青森県りんご試験場から分譲されたもの)の自然交雑種子を採取。それを培養室で無菌状態で発芽させ、新梢の葉の赤い 3個体 SA7、SA11、SA26を選別し、そのわき芽を採取し、特定の植物ホルモン処理による組織培養により不定芽の増加と成長を促進し、たくさんの不定芽が成長してから芽を分離。さらに別のホルモン処理をして発根を促し、発根したものを鉢上げしました(第1世代)。さらに1998(平成8)年春にジョナゴールドに高接し(第2世代)、さらに翌年、矮性台木M26に接ぎ木しました(第3世代)。
 1999(平成11)年に初結実し、調査の結果SA26を選抜しました。さらに翌年から特性調査を継続しましたが、形質が安定しているのを確認しましたので2002(平成14)年に育成を終了しました。花粉親は不明です。花は他の品種に先駆けて4月下旬には開きます。収穫時期は10月上旬。

 黒石市が2003(平成15)年春に黒石1号として品種登録出願、2006(平成18)年に登録されています。

 果実直径は5cm、重さは100g程度。赤い花をつけ、果肉が鮮紅色になるといういう特性があります。未熟果の果肉にも色が着いています。
 糖度は15%前後、酸度もまずまずですが、少し渋味がありますので生食ではなく、加工用に適したりんごです。また、花も実も赤いので鑑賞用にも注目されています。
 ジャム、ジュース、ゼリーなどを作ってみてはいますが、まだ収穫量が少ないので本格的な試験はもう少し収量が増加してからの課題であるということです。
 関係者は、将来は地場名産品にできればと努力しています。

 栽培りんごMalus x domestica と新疆野苹果Malus sieversii とは、別の「種」に分類されてはいますが、この両者は、互いに交雑しますので、極めて近縁の植物のようです。また、近年、DNA解析も行われ、この両者は非常に類似していることが明らかになっています。