みさきは、弘前大学の塩崎雄之輔氏により、981(昭和56)年に青森県南津軽郡藤崎町において、ゴールデンデリシャス弘大1号を掛け合わせてできた実生から選抜・育成されたものです。ジョナゴールド陸奥などと同じ三倍体〔注〕で、果実が大きい品種です。
 黄色い果実のため、着色管理の手間もかかりません。収穫期は弘前市で10月の中・下旬で、完熟するとゴールデンデリシャスに似た、とてもよい香りがする、甘みと酸味のバランスがとれた味のよいりんごです。

 塩崎先生によると、数年前、このリンゴの名前を考えていたとき、教え子たちが、その年に日本で一番多く付けられた女の子の名前を調べましたら、『みさき』で、それには、弘前、藤崎、塩崎の3つのサキを含むから、このリンゴの名前にふさわしいと教えてくれたそうで、この名前がとても気に入っているとのことです。
 すごくおいしい女の子ですよ、このりんご。 師弟の関係、なんとなくほのぼのとしますね。


三倍体
 
多くの動物では、生存していく上で必要な1セットの遺伝子群 ( ゲノムといいます ) を♀親の卵子を通して1セット、♂親の精子から1セットもらい、計2セットのゲノムをもっています。遺伝子群は各生物ごとに決められた数の染色体上の一定の位置に存在します。その染色体数を n で表します。人間では、母親の卵から n=23本 の染色体を、父親の精子から同じく n=23本 の染色体を貰い、受精の結果、計46本の染色体 ( 二組のゲノム ) をもった生物として生きています。したがって、染色体数は 2n=46 となり、二倍体であるといわれます。
 植物の場合は、原則的には動物と同じですが、二倍体だけではなく、ゲノムが3組 ( 染色体組数が3n ) あるもの、4組 ( 染色体数が4n ) あるもの、それ以上のものなどいろいろです。ただし、奇数倍体 ( 3n、 5n、 7n など ) では卵細胞や精細胞ができにくいので、有性生殖の能力がありません。
 リンゴの染色体数は n=17 です。つまり、ふじつがる王林などの二倍体品種の幹、葉、果実などを構成する体細胞の染色体数は 2n=34 なのです。
 しかし、みさきジョナゴールド陸奥緋の衣 などの体細胞を調べると
51本の染色体がみられ、これらは三倍体 3n=51であることがわかります。
 これら、三倍体 ( 奇数倍体 ) の生物はうまく生殖細胞を作ることができませんので、授粉樹とはなりませんが、一般に、二倍体よりも葉も花も果実も大きくなりがちです。

 リンゴは弘前大学農学生命科学部付属生物共生教育研究センターの塩崎教授からいただきました。