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この地区の人々はナシリンゴとかソバカス美人と呼んで賞味していましたが、このりんごの優秀さに目をつけた伊達農協の大森常重組合長が1952(昭和27)年に「林檎の中の王様」という意味の王林と命名し、伊達農協や関係者の努力で、その年から東京の市場に出回るようになりました。王林は ゴールデン デリシャス × 印度(花粉)の実生の中から選択したものと言われています〈文献1〉。 成熟期は11月上旬で、きおう、トキ、あおり9などの交配親です。 独特な外観と風味をもつおなじみのりんごで、果形は長円錐形、大きさは300g前後、果皮は鈍い緑黄色、果皮表面には、ひび状のさびが発生しやすく、果点(果実表面のポツポツした点)が目立ちます。 外観はややよくないのですが、保存性が高く、冷蔵庫で管理・保存したものが翌春までみられます。肉質緻密で多汁、酸は少なく、甘さが強いりんごです。消費者の評判もよく、生産者間でも着色管理不要の省力品種として人気があります。 原則として無袋栽培される品種ですが、五戸町の生産者が試しに有袋栽培をした果実を手に入れましたので、記録として上の写真に掲載しました。白い梨のような外観です。栽培なさった方は「あまり甘くありませんよ」と笑っておられました。 1961(昭和36)年には桑折の農家45名が集まって「王林会」が発足し、王林独自の無袋栽培技術もここで確立されていきました。このような活動は10年後に農協に引き継がれましたが、こうした仲間たちの努力によってこの品種は各地に広がり、栽培面積も増えていきました〈文献2〉。 大槻氏は再三申請したのですが、審査をパスできなかった…とかで、農林省への品種登録はしていません。しかし、今ではふじ、つがるに次ぐ生産量を誇る、押しも押されもしない大品種です。
![]() 2003(平成15)年で65年になる老木でしたが、近年カミキリムシの被害にあい、衰弱していました。 樹木医が八方手を尽くしましたが、回復できず、2004(平成16)年3月にとうとう伐採してしまいました。 幸い原木の根元から数本のヒコバエが伸び、そのうちの1本は果実が成るまでに成長していましたので、地元では保存会を結成し、これからはこのヒコバエを記念樹として保存するということです。 原木のすぐ側に、王林の育成者大槻只之助氏の顕彰碑が建てられています。
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