アスカ、心の不安

【PSP版エヴァ2〜造られし世界〜:アスカシナリオ「脆いところへくちづけを」心理描写&解説】

(※これからPSP版エヴァ2をプレイするという方は、シナリオをクリアした後に見ることをお勧めします)

 

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『自分を突き動かすもの』

(『心の迷宮に入る』コマンド実行、アスカ編)

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アスカ「人に認めてもらう。それが私の存在意義。それが私を突き動かすモノ。私を見て欲しかったから。私を捨てないで欲しかったから。そして、私はみんなから期待されている。必要とされている。必要とされているのよ」

 

−本当に?−

 

アスカ「そうなのよ。私が活躍し続ける限り、私は必要とされるのよ。そしてそれは簡単なこと。私だからやってのけるのよ」

 

−しかし、それはやがて裏切られる−

 

アスカ「結果が証明するわ。私は最後まで立派に戦い続ける。それが出来るのはこの私だけよ!ゴチャゴチャ言わないで、黙って見ているがいいわ!」

 

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『苦手な電話』

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トゥルルル…

 

シンジ「いけない、電話なってる。はい、もしもし?」

 

電話に出るものの、何を言ってるのか判らず困惑するシンジ。

 

シンジ「…何語?これ、アスカにかな…?アスカ、いる?ひょっとして家族なんじゃない?」

 

アスカ「居ないって言って。出たくないの」

 

シンジ「せっかくの電話なのに、どうしたんだよ、アスカ…」

 

アスカ「…後で、私からかけるからほっといて!」

 

シンジ「……」

 

何か様子がおかしいアスカに違和感を覚えるものの、その不機嫌さにシンジはそれ以上立ち入ることは出来なかった。

 

 

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『封じ込めた想い』

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アスカ「あ〜ぁ、なんか面白いの、やってないかな…」

 

ペンペン「クワ」

 

暇つぶしのためにテレビをつけ、ペンペンと一緒にバラエティ番組を見るアスカ。

 

『それじゃ次のお悩み、行きましょう。恋のお悩みのようですね。…えー、私は好きな人が2人居ます。どっちも好きで選べません』

 

アスカ「…バッカみたい。それって、どっちも好きじゃないんじゃない」

 

『どっちも選べないけど、2人には私の事を好きになって欲しいんです。どうすればいいんでしょうか?』

 

アスカ「だったら、とびっきりの美人にならない限り無理ね。そしたら嫌でも群がって来るわよ」

 

『まあ付き合ってみないと見えてこない事もあるから、2人とも友達として様子を見るとか…』

 

アスカ「それか男にとって、都合のいい女になることね。もっとも惨めな生き方よ」

 

いつもの調子で悪態を吐くアスカだが…。

 

アスカ「それにしても、どーしてこんないい加減なアドバイスするのよ」

 

ペンペン「グーワ?」

 

一転して項垂れ、元気がなくなるアスカ。

 

アスカ「パパだって、今のママのために変わってしまった。みんな、みんな変わってく」

 

アスカ「私は誰かのために生きるなんて絶対イヤ」

 

アスカ「好かれるために、自分自身を押し殺すなんて馬鹿げてる。一人で生きるほうがマシよ」

 

ペンペン「グワッ…」

 

いつになく沈んでいるアスカを見て一緒に落ち込んでしまうペンペン。

 

アスカ「アンタはさ、生きているだけで好かれてるんだから。心配しなくってもいいわよ」

 

『そういえば知ってる?独り言多い人は、寂しがりやなんだって』

 

ブツッ…

 

アスカ「ヤな気分、もう寝るわよ」

 

 

夜。

 

アスカ「ママ…。私の本当のママ…」

 

寝ながら母を思い出すアスカ。

 

 

幼いアスカ「ママ…、こっち向いて。私、選ばれたんだよ。人類を守るエリートパイロットに…。ママ!!ママ!!」

 

キョウコ(人形に向かって)「アスカちゃん。ママね、今日はあなたの大好物を作ったよ。ほら、好き嫌いしていると、あそこのお姉ちゃんに笑われますよ」

 

幼いアスカ「ママ、こっちを向いて。その人形は私じゃない。私はここよ!ママ…!!」

 

 

アスカ「ママ、何で死んじゃったの…?どうして…私を置いて…。ママ…」

 

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『空白の未来』

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教師「今日は、進路調査のプリントを渡します」

 

教師「各自、進路についてのプランを書いて提出するように」

 

アスカ「将来…、将来ねぇ…。もう大学出てるんだけどなぁ。白紙で出しちゃおうかしら」

 

ヒカリ「私は栄養士かな。アスカはどうするの?」

 

何故か俯くアスカ。

 

アスカ「そういえば私…、使徒を全部倒した後、どうすればいいんだろう」

 

ヒカリ「え…?」

 

意外な印象を受けるヒカリ。

 

アスカ「エヴァに乗らなくなった私を、誰も必要としなくなるのかな…」

 

ヒカリ「そんなことないわよ。アスカは頭もいいし、美人だし。私達より、色んな可能性を持っているじゃない」

 

裏のない笑顔で励ますヒカリだが、アスカは煮詰まった表情をする。

 

アスカ「でも、なりたいものなんて無いの。エヴァのパイロットじゃないと意味がないのよ」

 

ヒカリ「どうして…?私、アスカがパイロットでなくてもきっと友達になってるわ」

 

心からアスカを心配するヒカリだが、アスカは煮詰まったままである。

 

ヒカリ「そうそう、アスカだったら芸能界だって夢じゃないわよ。モデルとか」

 

アスカ「安っぽい大衆の為の商品なんかになりたかないわよ」

 

ヒカリ「なりたくてもなれない人だっているわよ…?」

 

アスカ「なりたくなくてもなる人だっているんじゃない?」

 

ああ言えばこう言うアスカに膨れっ面になるヒカリ。

 

ヒカリ「アスカ…。最近ちょっと偏屈じゃない?」

 

アスカ「そう…?」

 

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『居場所を求めて』

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アスカ「加持センパイ♪」

 

元気よく加持に声をかけるアスカ。

 

加持「アスカか。どうだ、調子は?」

 

アスカ「加持さんの為に絶好調よ♪」

 

加持「そうか。この調子で使徒を全滅させてもらわないとな」

 

アスカ「……」

 

アスカはそれを聞いて俯き、一転して悲しみの表情を浮かべる。

 

アスカ「加持さん…。使徒を倒してしまって、エヴァが必要じゃなくなったら、私は、どうなるの?」

 

加持「んー、そうなりゃ君は自由だ。好きなようにやればいい」

 

アスカ「加持さんは?」

 

加持「俺も判らんさ。その後もネルフがあるのか判らんし。適当に生きていくよ」

 

アスカ「もう、一緒に居られなくなるの…?」

 

真剣な表情の加持。

 

加持「多分な。君には、君の人生がある。俺には、俺の人生がある」

 

アスカ(私の居場所…、どこにもないんだ…)

 

非常に辛そうなアスカの表情。

 

加持「ま、将来何になりたいか、もう考え始めてもおかしくない歳だろ?アスカなら、何でもできるさ」

 

アスカ「…私、加持さんといたい。ずっと、一生。こんなに好きなのに」

 

困った顔をする加持。

 

加持「君が大人の目を持って俺を見たら…、印象が変わるさ。俺はそんなに立派な人間じゃない」

 

アスカ「そんな事ない、加持さん以外の男は考えられないわ!それともやっぱり…、ミサトのことが忘れられないの…?」

 

加持「そういうところが子供なんだ。表層的な事しか見えていない」

 

アスカ「私が大人になったら、考えてくれる?」

 

加持「その頃には、アスカの価値観が変わってるはずさ。きっと俺には見向きもしないだろう」

 

アスカ「……」

 

残念そうに項垂れてしまうアスカ。

 

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『自分の存在意義は?』

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夜、寝ているアスカ。

 

アスカ「ママ…。私はエヴァの為だけにいるの…?ママ…」

 

 

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『二律背反』

(アスカの心理)

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アスカ「私は独りで生きるの。独りでいいの、どうせ周りはバカばかり。付き合っていられないわ」

 

シンジ「じゃあ、何でいちいちつっかかって来るんだよ。独りじゃ生きられないからだろ?」

 

アスカ「うるさい!!この私が、本当はアンタなんかと付き合ったりはしないのよ!アンタに付き合ってやってるのよ!」

 

レイ「結局、独りにならないために、でしょ?自分をそうやって守りたいの」

 

アスカ「うるさい!!」

 

シンジ「そうしないと、自分自身が消えてしまうからだろ…」

 

アスカ「うるさい、うるさい、うるさい!!みんな嫌い、大嫌い…。でも、私…、嫌われたくない。独りに、なりたくない…」

 

 

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『せめぎ合う心』

A battle against the self contradiction

VSレリエル戦)

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『寂しいの?』

 

「誰…?」

 

『惣流・アスカ・ラングレー』

 

「それは私。私が惣流・アスカ・ラングレーよ」

 

『そうよ。あなたも、そう。惣流・アスカ・ラングレー』

 

『あなたの中のアスカ、みんなの中のアスカ、それが私』

 

『いつも心の奥底で泣いている…』

 

『いつも…、独りになる事を恐れている…』

 

 

『私は一人で生きるの』→『寂しくなんかない』→『逃げてなんかない』

 

 

「私は、独りで生きるの。ずっとそう決めてきたの。そんな弱音は吐かないわ」

 

『でも、誰かを思わずにはいられない。ママにしか呼びかけられない事を、寂しく思ってるんでしょう?』

 

「寂しくなんかない。みんなバカばかりだもの。一緒に居たくないバカばかり」

 

『他人を見下す事で、自分が優位だという救いの場が欲しいのよ。寂しいから、独りになったときの逃げ道が必要だったのよ』

 

「逃げてなんかないわよ!」

 

『その逃げた先から、いつか、自分の凄さを判ってくれると、人から求めてもらおうと。振り返りながら、誰かを待っているのよ』

 

 

『私は一人で生きるの』→『寂しくなんかない』→『私は選ばれた人間よ』

 

 

「私は、独りで生きるの。ずっとそう決めてきたの。そんな弱音は吐かないわ」

 

『でも、誰かを思わずにはいられない。ママにしか呼びかけられない事を、寂しく思ってるんでしょう?』

 

「寂しくなんかない。みんなバカばかりだもの。一緒に居たくないバカばかり!」

 

『他人を見下す事で、自分が優位だという救いの場が欲しいのよ。寂しいから、独りになったときの逃げ道が必要だったのよ』

 

「私は選ばれた人間なのよ!みんな私を大事にするわ。寂しくなんかない!」

 

『そうよ。みんなが必要としているのは、パイロットとしての私。私そのものには、誰も目を向けないわ』

 

 

『私は一人で生きるの』→『ママ以外、誰も要らない』→『私は人形じゃない』

 

 

「私は、独りで生きるの。ずっとそう決めてきたの。そんな弱音は吐かないわ」

 

『でも、誰かを思わずにはいられない。ママにしか呼びかけられない事を、寂しく思ってるんでしょう?』

 

「ママ以外、誰も要らない」

 

『ママだけを拠り所に、一生生きていくの?あなたを人形にしたママを?』

 

「私は人形じゃない!」

 

『人形としての生き方を選ばなかった代わりに、孤独を選んだのね』

 

 

『私は一人で生きるの』→『ママ以外、誰も要らない』→『ママは私を捨てたの?』

 

 

「私は、独りで生きるの。ずっとそう決めてきたの。そんな弱音は吐かないわ」

 

『でも、誰かを思わずにはいられない。ママにしか呼びかけられない事を、寂しく思ってるんでしょう?』

 

「ママ以外、誰も要らない」

 

『ママだけを拠り所に、一生生きていくの?あなたを人形にしたママを?』

 

「ママは、私を捨てたの?」

 

『ママは、自分の中の私を愛していたわ。それだけよ』

 

 

『一人が怖い』→『一人なのは自分のせい?』→『こんな事、望んでいない…』

 

 

「独りで居るのが怖いの!認められる為に、エリートになったのに!」

 

『ますます虚勢を張るだけしか出来なくなったのよね?』

 

「寂しいのは、私のせいだっていうの…?」

 

『あなたは人を遠ざけるために努力した。大学を出た、エヴァに乗った…。そう、全てあなたの努力の成果なのよ』

 

「私は認められたかっただけ…。こんなの望んでいなかった…」

 

『あなたが認めさせたかった相手は、もういないのよ』

 

 

『一人が怖い』→『一人なのは自分のせい?』→『これで構わない』

 

 

「独りで居るのが怖いの!認められる為に、エリートになったのに!」

 

『ますます虚勢を張るだけしか出来なくなったのよね?』

 

「寂しいのは、私のせいだっていうの…?」

 

『あなたは人を遠ざけるために努力した。大学を出た、エヴァに乗った…。そう、全てあなたの努力の成果なのよ』

 

「私はエリートよ。選ばれた人間は孤独な存在…。誰にも頼りたくないわ!」

 

『結局、その虚栄心が一番大事なのね…』

 

 

『一人が怖い』→『一人なのは他人のせい?』→『他人に頼らない』

 

 

「独りで居るのが怖いの!認められる為に、エリートになったのに!」

 

『ますます虚勢を張るだけしか出来なくなったのよね?』

 

「独りになるのは他人のせい?」

 

『あなたと、あなたの中の他人。他人はみんな、あなたの孤独に気がつけない』

 

「私はエリートよ。選ばれた人間は孤独な存在…。誰にも頼りたくないわ!」

 

『結局、その虚栄心が一番大事なのね…』

 

 

『一人が怖い』→『一人なのは他人のせい?』→『どうすればいいの?』

 

 

「独りで居るのが怖いの!認められる為に、エリートになったのに!」

 

『ますます虚勢を張るだけしか出来なくなったのよね?』

 

「独りになるのは他人のせい?」

 

『あなたと、あなたの中の他人。他人はみんな、あなたの孤独に気がつけない』

 

「イヤよ…、独りで苦しむのは嫌…。どうすれば他人に気が付いてもらえるの?」

 

『全てを捨ててしまえば、哀れんでもらえる…。でもあなたは何も手放したくないのでしょ?』

 

 

『誰も私を守ってくれないの』→『こんなに苦しんでいるのに』→『誰か近くに居て欲しい』

 

 

「誰も…、私を守ってくれないの?」

 

『遠ざけるから。自分も、他人も。だから、本音は誰にも届かない』

 

「こんなに苦しんでいるのに、気が付いてももらえないの?」

 

『あなたも他人の苦しみが届かない位置にいる』

 

「誰かに手を差し伸べて欲しい。誰かの手の届く位置にいたい…」

 

『エヴァを駆り、使徒を倒す…。そのために選ばれたあなたを、誰も近くになんか置かないわ』

 

 

『誰も私を守ってくれないの』→『こんなに苦しんでいるのに』→『他人は苦しんでいない』

 

 

「誰も…、私を守ってくれないの?」

 

『遠ざけるから。自分も、他人も。だから、本音は誰にも届かない』

 

「こんなに苦しんでいるのに、気が付いてももらえないの?」

 

『あなたも他人の苦しみが届かない位置にいる』

 

「私が苦しんでいるみたいに、他の人も苦しんでいるの?そんなはずないわ!」

 

『他人の苦しみを知りたくないから、距離を取ったのでしょう?知ってしまえば、優しくなってしまう、偉そうに出来なくなってしまう…』

 

 

『誰も私を守ってくれないの』→『他人って冷たい…』→『みんなも?』

 

 

「誰も…、私を守ってくれないの?」

 

『遠ざけるから。自分も、他人も。だから、本音は誰にも届かない』

 

「こんなに苦しんでいるのに…。他人って冷たいのね…」

 

『みんなその冷たさに耐えているのよ』

 

「みんなも?私だけじゃなかったの?」

 

『でもあなたは他の人と違う。選ばれた人なんでしょう?同じじゃないわね』

 

 

『誰も私を守ってくれないの』→『他人って冷たい…』→『私は他の人と違う』

 

 

「誰も…、私を守ってくれないの?」

 

『遠ざけるから。自分も、他人も。だから、本音は誰にも届かない』

 

「こんなに苦しんでいるのに…。他人って冷たいのね…」

 

『みんなその冷たさに耐えているのよ』

 

「私は違うわ…。だって私は他の人と違うんだもの…」

 

『孤独に凍えているあなたを知ったら、誰もそうは思わないでしょうね。やはり誰も近づけない方がいいわ』

 

 

 

 

「保温も酸素の循環も、もう限界なんだ…。寒いよ…」

 

 

 

 

「ママ…」

『アスカ…。アスカちゃん…』

「ママ?」

『アスカちゃん…』

「ママ…、ママぁ…。どこに行ってたの?ママ、もう行かないで、傍に居て!ママ…」

『一緒よ、ずっと…。でも、それでいいのね?』

「ママ…?」

『あなたを待っている人がいるわ』

「ママ…」

『あなたはまだ生きるのよ、アスカ。さあ、行きましょう』

 

 

オオオオオオオオォォォォォォォォ!!!

 

 

咆哮をあげ、レリエルを引き裂くエヴァ弐号機。

レリエル、殲滅。

 

 

「ママ…。ママ…?」

(ママに会ったような気がする。柔らかくて暖かいママの腕の中)

(知らないのに。抱きしめられた事なんて、一度もないのに)

(確かに残るママの腕の感触)

「エヴァの中で…、あの時、ママが助けてくれた気がする」

「ママが見ていたような気がする…」

 

 

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『お役目御免…?』

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アスカ「使徒も全部倒して、私の役目…、終わったのね。これからどうすればいいんだろう…。ママ…」

 

 

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『見方を変えれば…』

−アスカ、心の補完−

(VS量産機、勝利エンディング)

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女の子の泣き声、子供の頃のアスカだ。

 

アスカ「泣いてる…。泣いてるのは私だわ。私の願い…」

 

−何を願う?−

 

アスカ「私が願うのは…」

 

再び泣いている子供時代を振り返る。

 

アスカ「泣いては駄目。独りで生きなきゃいけないの。大人になるの」

 

大人…?今の私は大人?

 

 

 

…マンション。

 

アスカ「お帰り」

 

加持「待たずに寝てりゃよかったのに」

 

夜遅くまで帰りを待っていたと言うのにそっけない言葉。

 

アスカ「どうしてそんな事言うの…?」

 

加持「大袈裟にがっかりしたりして何だよ…。…何?何を俺にして欲しかったんだ?」

 

アスカ「…別に」

 

うざったげに応じる男にしょぼくれてしまう。

 

アスカ「…大人になっても、寂しいのは変わらないんだ。受け入れてもらえるわけじゃないんだ。やっぱり、独りなんだ」

 

ミサト「自分自身が変わろうとしないからよ」

 

シンジ「ヘンなところばかり大人になって」

 

レイ「自分に制限を与えて、外へ踏み出せないのね。外の世界の可能性に触れたがらない」

 

キョウコ「アスカちゃん、あなたの好きにしていいのよ?」

 

アスカ「ママ…?」

 

キョウコ「あなたが願うこと。どうありたいかは自分で決めるのよ」

 

レイ「そこから踏み出さなければ、何も変わらないわ」

 

真っ白な空間。

 

アスカ「……。でも、ここはどこなの?何もない、誰もいない」

 

−そこは自由−

 

アスカ「こんなものが自由なの?」

 

ミサト「全てはあなたの思うまま」

 

リツコ「それが補完計画」

 

レイ「あなたが踏み出す、あなただけの真実」

 

−何を願う?−

 

 

 

学校。

 

教師「今日は、進路調査のプリントを渡します。各自、進路についてのプランを書いて提出するように」

 

ヒカリ「私は栄養士かな。アスカはどうするの?」

 

アスカ「判らない」

 

ヒカリ「え…?」

 

俯くアスカに驚くヒカリ。

 

アスカ「どんな自分になりたいのか、判らないの」

 

ヒカリ「そんな事ないわよ。アスカは頭もいいし、美人だし。私達より、色んな可能性を持ってるじゃない」

 

アスカ「そうかなぁ…」

 

まだ心配げな表情を隠せない。

 

ヒカリ「そうそう、アスカだったら芸能界だって夢じゃないわよ。モデルとか」

 

アスカ「んー、それもいいな。そういえば、他にもやってみたいことって…、あるかな?」

 

ヒカリ「何でもいいと思うわ。好きな事なら。なりたいものがあるのなら」

 

 

再び内面へ。

 

「そっか…。私は自由なんだ。ただ、私は何も選んでこなかっただけなんだわ」

 

どうして自分を嫌うことばかり考えていたのだろう。

私が私を大事にしてあげればいい。自分をもっと好きになれば、私は変わる。

私はそれを知っている…。

 

青い空、青い海、みんなの拍手喝采

 

シンジ「おめでとう」

 

レイ「おめでとう」

 

ミサト「おめでとう」

 

ゲンドウ「おめでとう」

 

冬月「おめでとう」

 

リツコ「おめでとう」

 

マヤ「おめでとう」

 

日向「おめでとう」

 

青葉「おめでとう」

 

加持「おめでとう」

 

ヒカリ「おめでとう」

 

トウジ「おめでとう」

 

ケンスケ「おめでとう」

 

カヲル「おめでとう」

 

ペンペン「クワァ〜、クワァ〜、クァクァクァ!」

 

 

アスカ「ありがとう、みんな。ありがとう、私」

「ありがとう…。約束するわ。私、きっと幸せになる」

「あなたに、ありがとう…」

 

 

『完』

 

 

 

−解説−

(本編を交えたアスカの心理について)

 

 PSP版エヴァ2のアスカシナリオ、「脆いところへくちづけを」を元に、惣流・アスカ・ラングレーの心理描写をお送りしました。ゲームをやらない方もいらっしゃるだろうし、本編に準拠した心理描写の解釈にお役に立てればと思い、投稿させていただきました。イベント名はその内容に合うと思う題名を、私なりに考えたものです。また、会話だけでは捉えにくいキャラクターの心情を鮮明にするために、背景描写やキャラクターの表情の変化を追加し、一部言葉の使い方が「あれ?」と思うようなところがあったりしたので、これに私なりの修正を加えております。ご了承ください。

 

 

1.誰にも言えない想い

 

 

 さて、本題に入りますが、本編アニメでもキャラクターとしてのドラマ性が非常に豊富なアスカ、PSP版エヴァ2ではその心理に更に踏み込んだ形をとっています。ただ、どうにも母のことを気にしすぎてるところがあるのと、本編アニメでは克明に描かれたシンジとの関係が省かれているので、マザコン性が強調されすぎな感じがするのが不自然かもしれませんが。