「ひとたび聖杯に目を開けば、いたるところにそれが見られる。絵画。音楽。書物。漫画やテーマパーク、大衆映画にさえもね。」
ラングドンはミッキー・マウスの腕時計を見せ、ウォルト・ディズニーが聖杯の物語を未来の世代に伝えることをひそかにライフワークとしていたと語った。
生涯を通じて、ディズニーは”現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ”と賞賛されたものだ。
ふたりとも時代に先駆けた存在であり、比類ない才能を持った芸術家であり、秘密結社の一員であり、そして何より、大のいたずら好きでもあった。レオナルドに劣らず、ウォルト・ディズニーも作品に秘密のメッセージや象徴をまぎれこませるのを好んだ。経験豊かな象徴学者にとって、初期のディズニー映画を観ることは、暗示や隠喩の大群と向き合うようなものだ。」
「その企業イメージはともかく、ディズニー社の社員にはいまだに冗談好きで機知に富んだ気風があり、アニメーション画家たちは社の作品に象徴をまぎれこませて楽しんでいる。
レオナルド・ダ・ヴィンチゆかりの地を訪ねようとすれば、まずはダ・ヴィンチ村に行くべきだろうが、私は残念ながら行ったことはない。
フィレンチェ、ミラノ、パリといった大都市には行ったし、「モナ・リザ」や「最後の晩餐」も見たが、レオナルド・ダ・ヴィンチを感じるには、どうも不十分という気がした。
なぜなら、それらの有名な絵画は、レオナルドの最高の業績ではあるものの、あの多彩な天才のなかの、絵画というジャンルでの成果でしかないからだ。
しかも、「モナ・リザ」にいたっては、絵が小さい上に、ものすごい厚い強化ガラス(3重!)がかかっており、わざわざルーヴルまで見に来た意味がないと思った。
なぜ、どんな作品でもそのまま展示しているルーヴルが、モナ・リザだけは3重ガラスをかぶせるような、日本の美術関係者みたいな真似をするのかと驚いたが、どうやら日本の美術関係者が3重ガラスを送ったらしい。
日本の美術関係者が、展示物を人々に見せる気がないのはいつものことである。見に来る客を、作品を破壊する暴漢ぐらいにしか思っていないのだろう。
日本の美術館では絵にガラスがかかっていたりするし、そもそも作品に近づけない場合もある。
そんなに大事なら倉庫にでもしまっておけばいいのにと思う。いくら人類の至宝とは言え、人に見られずして文化財にも美術品にも何の意味があるのか?
おそらく、人類が死滅した後に、地球に訪れた宇宙人にでも見てもらいたいのだろう。もっとも、宇宙人にはそれが何の意味を持つのかわかるわけもないが・・
「最後の晩餐」にはとても感銘を受けたが、修復作業をずっと続けているようだった。こちらは、素材の関係もあって、作った当時から壊れ気味だったようだ。
さて、話がずれてしまったが、今回お薦めするのは、ヨーロッパではなく、日本の「ディズニーシー」である。
ここには、穴場スポット(?)「フォートレス・エクスポロレーション」がある。
ここは、ルネッサンス期のヨーロッパの秘密結社(?)をイメージした場で、当然レオナルド・ダ・ヴィンチは主役の一人である。
彼の肖像画もかかっているし、彼のイメージした人力飛行機みたいなものが動かせるようになっている。
また、星を動かす部屋や錬金術士の部屋もあり、レオナルド・ダ・ヴィンチが人知れず夢想していたであろう、錬金術に思いを馳せるのも楽しい。
さらに、ディズニーシーに遊びに来た人々に向けて、大砲を撃てるようになっている。(音だけであるが、結構楽しい)
レオナルド・ダ・ヴィンチは、一時期、自分を何よりも軍事技術者だと考えていた。
そこで、様々な大砲や、その製造法まで考えて、自分を当時の君主達に売り込
んでいる。
「さらに大変便利で携帯容易な大砲をつくる方法を知っています。これによって嵐のごとく散弾を飛ばすことができ、その煙によって敵に大きな恐怖をあたえ、大いに損害と混乱をひきおこすでしょう。」(手記より)
また、かの伝説的なチェーザレ・ボルジアにもつかえたし、マキャベリにも会ったようだ。
そして、チェーザレからは、領内の全ての軍事施設の視察を許されている。
そして、彼は、戦闘にさいしても沈まない軍船を研究したりもした。
「戦いが海の上において行われたとき、私は攻守両用に適した数多くの機械を作り、最も大きな大砲、火薬、煙の攻撃にも耐えられる船を作る計画をもっております。」(手記より)
そのへんに思いを寄せながら、ディズニーシーで大砲をうったり、軍船を操るのも楽しい。
彼にとって、軍事技術とは何であったのだろうか?
「自然は気ままで、新しい生命や形態が続けてつくられ形成されていくのに喜びを感じている。つまりこの地上の物質がそれによって増加していくことを知っているからだ。
時がそれを破壊していくよりも積極的に早く創造していくのである。
したがって自然は多くの動物が他の動物の餌食になることを定めたのだ。」
彼にとっては、戦争も、自然の喜びの摂理のひとつだったようである。
さて、それはともかく、ディズニーシーの「フォートレス・エクスポロレーション」は、レオナルド・ダ・ヴィンチを愛する者にとっては、肖像画をみたり、彼の戦争技術や思想に思いを馳せたり、天文学や錬金術を夢想したり、彼の発明品(人力飛行機)を動かしたりできる場なのである。
それにしても、不思議なのは、このアトラクション「フォートレス・エクスポロレーション」である。
ダ・ヴィンチ・コードは、たしかに、ディズニーにおける象徴への愛好を強く主張している。
しかし、それにしても、ここには、ルネッサンス期の秘密結社に対する情熱が、あまりにもあけすけに表現されている。
そのことは、ここに「フーコーの振り子」がわざわざ再現されていることからもわかる。
これは、もちろん「テンプル騎士団」の謎を追ったミステリー「フーコーの振り子」からそのままとったものである。
ダ・ヴィンチ・コードの小説の中で、「リトル・マーメイド」が解説されているのに、ディズニーシーの話題が出てこないのは、著者のダン・ブラウンが、ただ単に日本のディズニー・シーに来たことがないせいだろう。
もし、知っていれば、ディズニー・シーの話題に、間違いなく2ページ以上はさいたはずだ。
ともかく、レオナルド・ダ・ヴィンチの様々な思想を夢想するには、ディズニー・シーは最適な場所である。
後は、人体解剖の部屋と、彼の美術作品も置いてあれば最高なのだが・・
さすがにディズニーシーではそれは難しいか・・。
<今回の探索の成果:後に続く人たちの調査のために・・>
・ディズニーシーの「フォートレス・エクスポロレーション」はおすすめである。
行ったら、とりあえず地図を確保しよう。火山に行く通路などにおいてあるが、わからなければ係員の人に聞いた方が早いだろう。
ちなみに、ディズニーシーのホームページの「フォートレス・エクスポロレーション」の紹介はこちらである。