社会科学の理論構築法
社会科学では,現実の複雑な世界を相手として,発生する現象を説明する理論を構築する必要がある。このため,理論を構築する場合もしっかりした方法論で理論を評価している。物理学のような,単純な実験で正否が別れると言う世界ではない。
理論の構成要素
理論には以下の構成要素がある。
@概念名称:基本的な概念の名前(変数や非変数の名称)
A理論定義:概念に対する言葉での説明
B操作定義:概念に対応した現実のデータ収集法
C原始語と派生語との関連付け:概念間の整理(同義反復の排除)
D言語的言明:概念間の結合(記述から予測へ)
E理論連結:概念間の前提と結果の結合
F操作連結:概念を表す現実のパラメータ間の関係(増加・減少など)
G前提と方程式の秩序付け:矛盾の排除
これを図示すると以下のようになる。
理論世界(現実に接近するが,誤差があり常時改善が必要)
概念名称…
言語的言明による結合
(理論定義による説明)
(理論連結による説明)
定性的世界
↑ ↑
操作定義(パラメータの抽出) → 操作連結による現実との対応 定量的世界
現実世界(ここから常に新しい知識が入る)
図1社会科学の理論
人間は,理論世界で自分の概念装置を用いて思考している。しかしながら概念は,現実の多様な情報を完全に記述できないので,現実との矛盾が生じる。この矛盾が少なく広く適用できるものを良い理論と言う。
また、市場調査などで多くの定量的情報がある場合には、因子分析などの手法を用いることがある。これは上図では操作連結を求めることに相当する。