(ま,とりあえず読みました…というだけのやつも混じってますが…)
まずなんといっても「空飛ぶ馬」「夜の蝉」「秋の花」でしょう.
「秋の花」は長編.ほかの2冊は短篇集です.
このシリーズの主人公は都内の大学の国文科に通う,落語と本好きの
女子大生「私」というのが普通の受け取りかただと思いますが,
推理小説のファンは落語家「春桜亭円紫」である…と言うかもしれません.
実際,「私」の日常に起こるさまざまな謎を,円紫師匠が解決(or 謎解き)
していく…という体裁をとっていて,さながら名探偵の役割を果しています.しかし,何と言ってもこの作品の良さというのは「私」の人間性とか,
その成長の過程が....(以下未稿)この「私」ものには「六の宮の姫君」という作品もあります.
文学部の「私」は,卒論に芥川を選びます.
この話では,芥川の「六の宮の姫君」にまつわる謎がテーマになるわけです.
中には「これは国文学の論文だぁ!」と言う人もいるようですが
(まあ確かに頷けるのですが…^^;),きちんと小説として読めて,なおかつ
ぐいぐい引き込まれてしまうところがすごいと思います.「冬のオペラ」
「名探偵」かんなぎ弓彦(字を忘れました....^^;)を主人公とする
推理小説です.連作短篇集の形態をとります.
表題作が秀逸です.「スキップ」
前出の2シリーズとはまったく別の長編です.
昭和42年の17才の高校生の意識が,とつぜん25年後の自分の体の中に
飛ばされてしまう.25年後の自分は高校の先生.さらに,自分と同い年
(17才)の娘までいるというではないか!? さて私は.....という話.
考えようによっては,北村薫の他のどの作品よりも面白いかもしれない.もちろん,学校が舞台になるわけですが,こういう教師を主人公とした
設定というのは,どんなにいろんなエピソードを詰め込んでも無理がない
......(以下未稿)傑作だと思います.
「ターン」
「スキップ」に続く,"時と人生の謎に挑む?"3部作の2作目です.
「水に眠る」
他の作品とは趣の違う短篇集です.
他の作品をたくさん読んでから,これを読んだ人は,あまりの変貌ぶりに
驚くかもしれません.1妻2夫制の世の中の奇妙な家庭生活を描いた話から,SFチックな話まで,
作者の鬱憤が爆発したかのような感を受けます.
私は表題作を読みつつ,マンガの坂田靖子を連想してしまいました.「覆面作家は二人いる」
「覆面作家の愛の歌」
北村薫も覆面作家だったわけで,タイトルだけ見るとエッセイの類と
勘違いされやすいかもしれません.でも,"探偵さん"が登場する立派な推理小説です.
弱冠19歳の美貌の覆面推理小説作家・新妻千秋が主人公です.
北村薫の作品群を純粋に"推理小説"として眺めた時,一番出来がいい…というか
アイデアとして手が込んでいるのはこのシリーズかもしれません.
この作家はSFのページでも挙げたように,主な部分はSFの領域にいる人です.
が,実は山岳小説とカテゴライズされる領域にもいくつか作品があります.
新田次郎文学賞をもらったりしています.
「遥かなる神々の座」とか「神々の座を越えて」とか「天を越える旅人」とか
ですね.「天を越える旅人」はすごいっす.「岳人」に連載されてたそうですが
SFファンな人はSFとして読めてしまうと思います.
チベット密教の修行僧が,自分の前世を求めてある山を目指す.
しかし前世を追い求めるうち,彼の旅は宇宙の秘密を求める旅に変貌して
いくのです.背景には「仏教」(輪廻転生)と「宇宙論」が流れています.
SFの方の航空宇宙軍史だと, 「仮想巡洋艦バシリスク」「星の墓標」あたりか
なあ.集大成としては,「終りなき索敵」というのも あります.
しばらく前に「リング」と「らせん」で有名になった人です.
上の2冊はホラーと分類されていますが,道具立てがバイオなので
私はSFとして読んでしまいました.(でも恐かった…(x_x;))以下,ちょっとネタバレな話をするのでページを変えます.
てなわけで,基本的にホラーとか嫌いなんですが,これは面白かったです.
上2冊の続きの「ループ」というのも出ています.
これは「リング」と「らせん」の世界の謎が実は…って話に
なってますが,ホラー路線からSF路線に切り替わったみたいで,
ホラーファンにはちょっと不満かも…「仄暗い水の底から」
「水」をテーマにした連作短篇集.
こいつも帯に「戦慄のホラー」とか書いてあったので本屋さんで躊躇して
しまいました.実際,気色悪い話もあるのですが,でも全体には前向きな
話の流れになっていて,最後の話なんか"ちょっといい話"に仕上っています.
帯の文句を信じてはいけないっす.誰だ!? 帯にあんな軽薄な文句を書いたやつは.まったく.「楽園」
第2回ファンタジーノベル大賞で優秀作になった作品です.
古代のモンゴル高原で,他部族の襲撃によって引き裂かれた夫婦が,
時を越え,17世紀末の南太平洋での出来事を経て,20世紀のアメリカで
再開できるかな?という話.
谷甲州の「天を越える旅人」みたいにモロに輪廻転生が前面に出ている
わけではありませんが,入賞したのが頷ける仕上りです.全体は上のおおざっぱな粗筋の通り,古代のモンゴル平原と,17世紀末の
南太平洋の島と,20世紀のアメリカの3部構成になっています.
個人的には,特に最後の地底湖のクライマックスの場面が美しいと
思います.ちょっと似た感じの話として,(91年くらいに公開していた)映画の
「愛と死のはざまで」があります.
数十年前に,妻を殺した容疑で処刑された音楽家と,その妻が現代に
転生して再開するという話で,こちらはネタをばらすと, 実はけっこう
ややこしい構成のミステリ色の強い話でしたが,「楽園」は素直に楽しめる
と思います.
(^^;)
なんとなく敬遠していたのですが,96年の入院中にベッドの中で
いくつか読みました.肝心な有名どころを外して,「N・P」と 「白河夜船」くらいしか
読んでいないのですが,この2冊からは限りでは"喪失感の文学"なんだなあ
と感じました.....が,「TUGUMI」はまたちょっと違いますですね.
ちなみに私は,N・Pとか言われると,NP complete とか incomplete とか
連想してしまうのでした.(笑)
「レベル7」しか読んでないす.
高校から20才くらいの頃に,わりと好んで読んだ記憶があります.
印象に残っているのは「風の王国」あたりですね.美術と,柳田国男がよく取り上げている「山人」への愛着に共感していたように
思います.
「幻想博物誌」「異端の肖像」
ヨーロッパの歴史ものが好きなので,塩野あたりは必ず出てきますね.
このへんの有名どころはちゃんと読んでないです.
印象に残っているのは「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」
かなぁ…と誰でも読んでいるようなところに落ち着いてしまいます.でも,SF読者としては,これはけっこう楽しく読めました.
村上龍も,映画になったやつとか,有名どころをちゃんと読んでない
のですが,「5分後の世界」には驚きました.
ネタバレな話をします.
「ヒュウガ・ウィルス」
「幻想博物誌」
「ドグラ・マグラ」
これ一作しか読んでません.
が,すごいです.
「青い目の犬」
実は,「百年の孤独」よりも,こっちの方が 記憶に残っていたりします.
「エレンディラ」
プイグのついでに思い出しますね,ああ,そういえば
カルペンティエール(?)の「なんたらのかんたら」(爆)ってのも
サンリオ文庫の橙色の表紙の奴で読んだなあ.
マルケスのついでに南米シリーズというととりあえず出て来るのが,
このへん. 「蜘蛛女のキス」
やっぱり,「アルジャーノンに花束を」ですね.
氷室京介がこの本から inspire されて曲を作って話題になったのも,もう
懐かしい話になってしまったような気がします.
ちなみに,主人公はパン屋に勤める知恵遅れの青年ゴードン.
アルジャーノンというのは,ゴードンが飼っているネズミの名前です.
次に break したのは「5番目のサリー」でしょうか.
多重人格(これもなんだかブームとかになりましたね…)の主人公が回復していく話です.他にも「24人のビリー・ミリガン」とか,その続編の 「ビリー・ミリガンと23の棺」
とかありますが,こっちはあんまり読む価値ない(と僕は思う)です.
やっぱり,多重人格の主人公が,回復していく話で,一応実話に基づいた話
にはなっているのですが,こういう話なら「シビル」の方がずっと真に迫っ
ていると思うっす.
もちろん「指輪物語」.
もちろん「ゲド戦記」.
SF方面でお気に入りなのは,「闇の左手」かなあ.
「超現実数」,「Literate Programming」(爆笑)
冗談です,冗談.
KnuthはTeX を開発した,アメリカの有名な数学者/コンピュータ学者ですね.
でも,「超現実数」の方は,どこかの孤島に流れついた学生2人が,
古代碑文に記述されている数学体系を解き明かす…というSF仕立ての
話になっています.
理系の数学好きな人にオススメ.
「量子力学」(^o^;)
冗談です冗談.
あうっ.すいません,もうしません,ごめんなさい…m(_ _)m
でも,教科書で心を動かされた唯一の存在がこれですね.
(まあ,後になってランダウにも同じくらい心を動かされたけど)
やはり桂子さんものでしょうか.
「夢の通い路」,「交歓」あたり...この人の,古典の造詣の深さには関心してしまいます.
「アマノン国往還記」というのもありますが,ちょっとグロいですね.
出身高校の大先輩です.代表作としては「或る聖書」がありますが,比較的新しい「王歌」
の方が読みやすいです.ダビデの話です.この系統の聖書がらみの小説と,若い頃の高校(旧制中学)時代〜ヨーロッパ
放浪中のころの自分の話題に題材をとった私小説風の小説があります.
「彼の生き方」 ちょっと,一身上の都合で読んで,考え込まされたのでした.
やっぱり「銀の匙」ですね.
まあ,高校の国語で「山月記」を読んだのがはじまりですが,
弓の名人の話「名人伝」が好きですね.
全集が欲しいな…と思ってます.
なんで…と思われるかもしれまんが…(^^;)
「ろまん灯籠」という短篇があります.
構成が面白くて,華族(?)の師弟の5人兄弟が連作小説を書き,
なおかつこの小説内小説と,5人兄弟の話が同時進行していくのです.
以前,友人と"メタ小説とは何ぞや?"という議論をしたときに
これを引き合いに出したことがあります.