山口常光 編著:
陸軍軍楽隊史
〜吹奏楽物語り〜
(三青社, 1968)

(絶版)
陸軍戸山学校軍楽隊長、戦後は警視庁音楽隊長を歴任された山口常光氏による「陸軍軍楽隊史」です。草創期から終戦で廃隊するまでの様々なエピソードを、時には軍上層部の軍楽隊への無理解を嘆きつつ、山口氏が読みやすい文章で綴っています。かつて、日本に近衛兵軍楽隊が存在したことに驚きました。(総526頁)
楽水会 編:
海軍軍楽隊
〜日本洋楽史の原典〜
(国書刊行会, 1984)

(絶版)
豊富な写真・資料は、さながら「海軍軍楽隊記念館」のようで、ひところ飽きもせず毎日のように眺めていました。定価ではとても買えない値段だったので、神田神保町の天狼書店で古本として購入しました。なお、「楽水会」とは元海軍軍楽隊関係者で構成されている団体で、陸軍軍楽隊の場合は「戸楽会」が組織されています。(総298頁)
針尾玄三 編著:
海軍軍楽隊
〜花も嵐も・・・・・・
(近代消防社, 2000)

定価(1,800円+税)
国内外向けのラジオ放送曲目は興味深く、ワーグナーなどクラシックも演奏していますが、<スーザ作曲行進曲「理想の愛人」>って「美の極致」のこと?元軍楽兵の皆さんによる回想記は貴重。戦後、海軍軍楽隊の「遺産」は消防庁音楽隊に継承され、内藤清五隊長が同バンドを指揮した行進曲「軍艦」は名演だと思います。(総190頁)
谷村政次郎 著:
行進曲「軍艦」百年の航跡
〜日本吹奏楽史に輝く「軍艦マーチ」の真実を求めて
(大村書店, 2000)

定価(1,800円+税)
吹奏楽部にいたとき、御指導いただいた芸大出身のN先生が「軍艦マーチはもっと芸術的に再評価すべきですね」とポツリと仰ったのを聞き、学生だった私は目からウロコが落ちました。著者の谷村政次郎氏は海上自衛隊東京音楽隊長を歴任された方です。軍艦マーチに関するエピソードが豊富、韓国で反日歌として歌われているとは!(総412頁)
宮内孝子 著:
作曲家 大沼哲の生涯
〜日本のオーケストラ黎明・胎動期を偲ぶ〜
(音楽之友社, 1993)

定価(2,233円+税)入手困難
中学生のとき、松平康隆氏がパーソナリティをしていたTBSラジオ「世界のマーチ」を、毎朝ラジカセに録音していました。ある日、流れてきた芸術の香り高いマーチに感動、これが大沼哲(おおぬま・さとる)作曲の行進曲「立派な青年」でした。その才能は山田耕筰もライバル視していましたが、1944年に軍楽隊長として南太平洋上で戦死しました。著者の宮内孝子氏は、大沼哲の次女にあたる方です。(総368頁)
阿部勘一/細川周平/塚原康子/東谷護/高澤智昌 著:
ブラスバンドの社会史
〜軍楽隊から歌伴へ
(青弓社, 2001)

定価(1,600円+税)
「明治期の日本への導入以来、(中略)軍楽隊として戦意高揚に寄与したブラスバンドは、敗戦後は警視庁・自衛隊・消防庁などの音楽隊として、歌謡曲のバックバンド(歌伴)として、場所と姿を変えて現在にいたっている。戦前から現在までのバンドマンの聞き書きも交えて、音楽文化の社会史を分析する。(同書紹介文より)」(総242頁)
「マーチ図書室」は、(1)から(3)まであります。
(1) (2) (3)
「マーチ図書室」は、(1)から(3)まであります。
(1) (2) (3)
瀬戸口良弘 著:
軍艦マーチ物語
〜作曲家・瀬戸口藤吉伝
(南日本新聞開発センター, 1996)

定価(1,165円+税)入手困難
著者の瀬戸口良弘氏は、名作「軍艦マーチ」を作曲した瀬戸口藤吉氏の遠縁にあたる方です。本書は、「史実に基づく小説の形式」で、「日本のマーチ王」の知られざる生涯を、読みやすく綴っています。巻末には、「瀬戸口藤吉作曲全集」の資料も(ただし、校歌・応援歌の瀬戸口作品は省略)。序文は谷村政次郎氏が寄せています。(総196頁)
保柳 健 著:
音楽と歴史の出会い
〜吹奏楽外伝
(音楽之友社, 1980)

(絶版)
著者の保柳健氏はLP時代から国内盤のマーチ解説でおなじみの方です。本書のサブ・タイトルは「吹奏楽外伝」となっていますが、大半の内容は事実上の「行進曲外伝」です。映画音楽の大家ヘンリー・マンシーニのスーザ・マーチに対する「意外な」情熱は、本書によって初めて知りました。気軽な読み物として、お薦めできます。(総254頁)













▲陸軍戸山学校「野外演奏場跡」
(2003年7月撮影)






▲戸校野外演奏場跡の現況

(2007年3月撮影)
行進曲・吹奏楽の「ふるさと紀行」・・・

「陸軍戸山学校軍楽隊」

 山手線の新大久保駅と高田馬場駅の中間一帯は、かつて戸山ヶ原と呼ばれた所で、近衛騎兵連隊や軍医学校、陸軍の射撃場など、広大な軍用地が広がっていました。この敷地内にあった陸軍戸山学校に、日比谷の陸軍教導団軍楽隊が1891年(明治24年)に移転してきました。

 陸軍戸山学校は、軍事教育訓練の幹部教官の養成を目的とする機関で、軍楽専門の学校ではなかったのですが、やがて陸軍の軍楽教育の中心地となりました。厳しい訓練(スパルタ?)の効果もあり、初心者でも三ヶ月程度で「陸軍分列行進曲」などが吹けるようになったそうです。

 大沼哲楽長をはじめとする優れた指導者の下、芥川也寸志氏、團伊玖磨氏らの作曲家や、草創期の自衛隊音楽隊の発展に寄与した須摩洋朔氏らも戸山学校軍楽隊の出身でした。特筆すべきは、海軍軍楽隊とともに、戸山学校軍楽隊が日本の洋楽発展に、大きな足跡を残したことでしょう。

 現在、戸山学校周辺の跡地は、公園や都営団地、早大理工学部などが建ち、昔日の面影はありません。しかし、軍楽隊の野外演奏場の跡はひっそりと残っています。ここで奏でられた音楽に、静かに思いを寄せるのみです。野外演奏場跡は、山腹をえぐった窪地が当時の面影を伝えています。(2003年7月記)

(写真は「戸山学校の野外演奏場跡」。管理人撮影)

【写真中央に見える建造物が当時の遺構かは不明】


◆戸山学校「野外演奏場跡」ガイド:
山手線新大久保駅下車、都立戸山公園(箱根山地区)の「箱根山」東側の窪地にあります(指示板等はありません)。周囲には「将校集会所跡(現・戸山教会)」もあります。

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斎藤新二 著:
軍楽兵よもやま物語
〜第二十八軍軍楽隊ビルマ戦記
(光人社, 1995)

定価(1,262円+税)
「戦局は既に軍楽隊が本来の任務を遂行できる状態ではなかった。大本営は、その無責任な作戦によって、膨大な数の兵士を死に追いやったのである・・・(本文より)」。著者は1944年に陸軍戸山学校を卒業した後、第28軍軍楽隊員としてビルマ(ミャンマー)に着任。戦局の悪化により、楽器を銃に持ち替え、やがて「地獄の戦場」へ・・・。(総236頁)

齋藤 龍 著:
横浜・大正・洋楽ロマン

(丸善ライブラリー, 1991)

定価(621円+税)
「横浜村に洋楽がやってきた・・・」。齋藤龍女史による、大正時代のヨコハマを中心とした洋楽小史で、ペリー提督の艦隊付軍楽隊、フェントンと英国軍楽隊など、草創期のエピソードも豊富。妙香寺でフェントンが薩摩藩士に軍楽を伝授したことが、日本の吹奏楽発祥とされています。外人墓地に今も残るフェントン夫人墓碑の写真に感動。(総194頁)

齋藤秀隆 著:
古関裕而物語
〜昭和音楽史上に燦然と輝く作曲家
(歴史春秋社, 2000)

定価1,800円+税)
名曲「長崎の鐘」「鐘の鳴る丘」「栄冠は君に輝く」、野球応援歌「闘魂こめて(巨人)」「六甲おろし(阪神)」、そして「スポーツ・ショー行進曲」等、日本人に最も親しまれている古関裕而(1909-1989)のメロディー。本書は「一世一代のオリンピック・マーチ」等の逸話を織り込みつつ、大衆から最も愛された作曲家の生涯を振り返ります。(総270頁)

保木龍一 著:
陛下のトランペッター
〜ジャズと軍楽兵
(近代文藝社, 1996)

定価(1,262円+税)入手困難
戸山学校軍楽隊の出身で、戦後はビッグ・バンド「ミュージック・メーカーズ」のリーダー等で活躍された、ジャズ・トランペット奏者・松本文男氏の評伝で、同氏の人生を通して戦前戦後の音楽文化を振り返ります。江利チエミ、美空ひばりのバック・バンドを務めたエピソードや、旧陸軍軍楽隊の伝統を継承した警視庁音楽隊との“接点”も紹介。(総94頁)

山口常光 編著:
目で見る吹奏楽百年史

(戸楽会, 1971)

(絶版)
山口常光氏(元陸軍戸山学校軍楽隊長)の前掲書「陸軍軍楽隊史」の別巻とも言うべき、膨大な写真で構成された“図説・陸軍軍楽隊史”です。明治時代の草創期、各種式典・慰問演奏、戸山学校内の練習風景等、貴重な写真多数、日本の吹奏楽発展を先導した陸軍軍楽隊の歩みを視覚的に編纂、限定700部の稀少書。(総152頁)

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