The Complete Marches of John Philip Sousa (5枚組)
レオナード・B・スミス指揮/デトロイト・コンサート・バンド


Volume 1
雷神/古代ローマ剣闘士/ハーモニカの魔術師/パナマ開拓者/団結心/アメリカのボーイスカウト/アメリカ野砲隊/時の勝利/忠誠軍団/ボニー・アニー・ローリー/黒馬騎兵中隊/海軍紳士録/白バラ/イギリス水兵/ネブラスカ大学/十字軍戦士/力と栄光(ミトン・メンのマーチ)/トリトン・マーチ/在郷軍人会の仲間たち/白い羽毛飾り/兵士たちが船で帰還したら/アメリカ第一/オクシデンタル(西洋人)/(全23曲)
輸入CD
Walking Flog

WFR 300
(5枚組)
STEREO
Volume 2
エル・カピタン/銃弾と銃剣/合衆国と歩調を合わせて/ナショナル・ゲーム/我々の恋愛ごっこ/テキサスの娘/ハイスクール・カデッツ(士官候補生)/復活行進曲/マグナ・カルタ/アトランティック・シティ・ページェント/自由の鐘/ロイヤル・ウェールズ・フュージリア連隊/サーベルと拍車/由緒ある名誉砲兵中隊/ミネソタ行進曲/ヤンキー海軍の栄光/セヴィリアの花/ドナウ渡河/皇帝エドワード/ライト・フォワード/マザー・グース/地球と鷲/ウルヴァリーン・マーチ/(全23曲)
Volume 3
ワシントン・ポスト/ジョージ・ワシントン200年祭行進曲/グリッドアイアン・クラブ/不屈の大隊/オン・パレード/150年祭博覧会行進曲/マンハッタン・ビーチ/金星の日面通過/海軍予備役/パウホッタンの娘/無敵の荒鷲/外交官/コーコラン・カデッツ/勇者は前線へ/ピカドール/チャンティマンのマーチ/ニュー・メキシコ/ボランティアたち/ミカド・マーチ/カンザスの山猫/メインからオレゴンまで/ナショナル・フェンシブルズ/銃後の男(砲撃手)/(全23曲)
Volume 4
海を越える握手/世紀の進歩/国旗に捧げし騎兵隊/イギリス連邦/ラムズ・マーチ/イリノイ大学/キング・コットン/職を求めて/進めウィスコンシン永遠に/北部の松/周航者クラブ/錨と星/美中の美/ウルヴァリーンの誇り/サウンド・オフ/神秘な殿堂の貴族たち/自由公債/在郷軍人たち/コングレス・ホール/ゴールデン・ジュビリー(50周年祝祭)/魅惑の王子/ベン・ボルト/自由諸国の旗/(全23曲)
Volume 5
忠誠/勇敢なる第7連隊/シカゴの美女/救世軍/ライフル銃連隊/自由の精神に万歳/理事会/再開マーチ(リザンプション行進曲)/飛行士/ヨークタウン100年祝祭/フリー・ランス/ボウ・アイディアル(美の極致)/ニューヨーク・ヒポドローム/許婚/ガイド・ライト/いかさま師/マーケット大学マーチ/突進/ライト・レフト/キャンパスにて/我らは凱旋する/ご婦人方のお気に入り/マザー・ハバード/星条旗よ永遠なれ/(全24曲)
アメリカ建国200年を記念して制作された10枚組LPのCD復刻で、138曲のスーザ・マーチの内、116曲を収録。1973年から1979年に及ぶ録音期間中には、スーザ研究家のP・バイアリー(Tuba)や元スーザ・バンドの楽団員も演奏に参加している。陸自第1音楽隊の「原典大全集」が世に出る以前は、スーザの数々の秘曲を知り得る貴重な音源だった。

レオナード・B・スミスは名コルネット奏者として活躍、音楽学校で作曲理論や指揮法を学んだ経験を活かして、1946年にデトロイト・コンサート・バンド(DCB)を設立。活発なコンサートと録音を通じて、スーザ時代のバンド・サウンドの再現に努めた。なお、スミス自身もマーチを作曲、スーザ生誕100年を記念した「マーチ・キング」等の作品がある。

DCBの響きは昨今の“ウィンド・アンサンブル系”と異なり、虚飾を嫌う保守的なスタイルだが、この全集では知られざる傑作を好演している。ただ、スミス氏の指揮はスーザへの共感が溢れるものだが、テンポ設定にメリハリを欠くことや、音質もCD復刻に伴う改善が図られず、ややドンシャリしたサウンドが難点だ。
幻のスーザ・バンド 1897-1930 スーザ・マーチ作品集 (3枚組)
指揮:ジョン・フィリップ・スーザ、アーサー・プライアー、他


CD 1
スーザのスピーチ/
星条旗よ永遠なれ(1929年録音)/名誉ある死/ミカド・マーチ/マザー・ハバード/古代ローマ剣闘士/忠誠/ピカドール/雷神/ワシントン・ポスト/コーコラン・カデッツ/ハイスクール・カデッツ/美の極致/自由の鐘/マンハッタン・ビーチ/理事会/キング・コットン/エル・カピタン/許婚/いかさま師/海を越える握手/自由の精神に万歳/銃後の男/無敵の荒鷲/星条旗よ永遠なれ(1901年録音)/(全24曲)
輸入CD
Crystal

CD461-3
(3枚組)
MONO
CD 2
皇帝エドワード/イギリス水兵/外交官/フリー・ランス/パウホッタンの娘/美中の美/ヤンキー海軍の栄光/イギリス連邦/星条旗よ永遠なれ(1903年録音)/ラムズ・マーチ/ニューヨーク・ヒポドローム/パナマ開拓者/自由公債/アメリカ野砲隊/銃弾と銃剣/チャンティマンのマーチ/サーベルと拍車/勇者は前線へ/結婚行進曲/(全19曲)
CD 3
ゴールデン・スター/在郷軍人会の仲間たち/キャンパスにて/海軍紳士録/合衆国と歩調を合わせて/
不屈の大隊/勇敢なる第7連隊/神秘な殿堂の貴族たち/由緒ある名誉砲兵中隊/黒馬騎兵中隊/ナショナル・ゲーム(国技)/グリッドアイアン・クラブ/ウルヴァリーンの誇り/150年祭博覧会行進曲/国旗に捧げし騎兵隊/ゴールデン・ジュビリー/ハーモニカの魔術師/ロイヤル・ウェールズ・フュージリア連隊(No.2)/救世軍/剣と拍車/勇者は前線へ/星条旗よ永遠なれ(1926年録音)/(全22曲) *赤字表記:スーザ自身の指揮(7曲)
スーザの自作自演を含む1897年のシリンダー管から1930年のSP盤までのスーザ・マーチ復刻集大成!ところが、ここで演奏しているのは実際の「スーザ・バンド」ではなく、「スーザス・バンド」と称するスタジオ録音用の演奏団体だ。スーザは技術的な理由から録音に慎重な姿勢を示したので、代替のスーザス・バンド名義のSP盤が多数制作されたのだ。

ただ、この“スーザス・バンド”は正規のスーザ・バンドの現役楽団員やOBを中心に構成されていたので、スーザ・バンドとほぼイコールと言っても良いだろう。御大スーザを始め、スーザ・バンドのアーサー・プライアーやハーバート・クラーク、ビクター社のロザリオ・ブールドンらがタクトを振っている。

スーザと同時代の歴史的録音としての価値も高く、スーザ直伝の演奏解釈(テンポ設定・アクセントの強弱)を考察する第一級の資料だ。スーザ自身のスピーチも収録して資料性を高めている。P・バイアリー氏らの詳細な英文解説、原盤データ付き(ブレーン社の直輸入盤は高橋誠一郎氏の解説付き)。
ここで、ちょっと「ひといき」シネマ・タイム(1)

映画「星条旗よ永遠なれ

(1952年・アメリカ映画)

監督:ヘンリー・コスター
出演:クリフトン・ウェブ、デブラ・パジェット、ロバート・ワグナー
輸入VHS
FOX VIDEO

Cat.No.1751
海兵隊軍楽隊の若い楽士ウィリーは、スーザ隊長の指揮下、スーザフォンを吹いています。ウィリーは、ある踊り子と恋に落ちますが、スーザ夫妻はそんな二人を陰ながら応援します。スーザは海兵隊を辞し「スーザ・バンド」を設立、ウィリーも行動をともにします。やがて、第一次世界大戦が勃発。出征したウィリーは、傷痍軍人となって恋人と再会します。スーザは「星条旗よ永遠なれ」を演奏し、ウィリーのみならずアメリカ国民に希望と勇気を送りました、ということらしいです(輸入ビデオのため、字幕がなく何が何だかわかりません)。

アーサー・プライアー / スーザ・バンドの伝説的トロンボーン・ソロイスト
アーサー・プライアー(Tb)、スーザス・バンド、プライアーズ・バンド、他


スコットランドの青い瞳(民謡)/永遠の間奏曲(プライアー)/朝まで家には帰らない(クリフトン)/家の裏庭に(ウダル)/パリジャン・メロディ(プライアー編)/歌劇「ピルゼンの王子」より「すみれの伝言」(ルーダース)/リトル・ネル(プライアー)/「スターバト・マーテル」より(ロッシーニ)/懐かしきケンタッキーの我が家(フォスター)/愛国者のポルカ(プライアー)/「スターバト・マーテル」より(ロッシーニ)/愛の魅惑(プライアー)/聖なる町(アダムス)/甘く厳粛な思い(アンブローズ)/「ナンシー・ブラウン」より「コンゴの愛の歌」(ジョンソン)/ノン・エ・ヴェール(マッティ)/愛の思いのワルツ(プライアー)/ザ・ロウ・バックト・カー(ラヴァー)/アルスタイン・ナヴァホ(ヴァン)/「ブルー軍曹」より「愛しい人」(カンマー)/歌劇「アイーダ」より「天国のアイーダ」(ヴェルディ)/大きな無花果の木から降りておいで(モース)/おお、乾けこの涙(デル・リエゴ)/歌劇「道化師」より(レオンカヴァルロ)/私を愛して、そして世界は私のもの(ポール)/ポルカ・ファンタスティック(プライアー)/(全26曲)
輸入CD
Crystal

CD 451
MONO
スーザ・バンドの伝説的トロンボーン奏者、アーサー・プライアー(1870−1942)のソロ演奏のSP復刻盤。ロシア皇帝ニコライ2世が「トロンボーンのパガニーニ」と称えた超絶技巧の奏法はもちろん、その歌心豊かな表現に魅了される。要するに、現代のリンドベルイは「吹いている」のだが、往年のプライアーは「歌っている」のだ。

バンドマスターの父親から楽器を習い始めたプライアーは、早くも神童の呼び声高く、後に入団したスーザ・バンドの首席トロンボーン奏者として世界的な名声を博した。独特のヴィブラート奏法はラバに顔面を蹴られて、偶然発見したものとか(まさに“怪我の功名”).。1万回以上のソロ演奏をこなすとともに、スーザ・バンドの副指揮者として御大スーザを支えている。

スーザ・バンドを辞した後は、自らプライアー・バンドを結成、積極的なコンサート活動とソロ演奏を行うとともに、後進の育成にも情熱を注いだ。自身のソロ演奏のための小品を作曲したが、特にホーム・ミュージックの定番曲「口笛吹きと犬」は広く知られている。

このプライアーを始め、コルネットのハーバート・クラーク、ユーフォのシモーネ・マンティアらの名手を擁したスーザ・バンドは、まさに“伝説のスーパー・バンド”だろう(彼らは「マーチは刻みと後打ちばかりで退屈」とは考えない!)。余談ながら、プライアーに首席トロンボーン奏者の座を譲ったフランク・ホルトンは、後に管楽器メーカーのホルトン社を興した。
このページのトップへ


Under the Double Eagle〜The Marches of John Philip Sousa
スーザ指揮/スーザス・バンド、フィラデルフィア高速鉄道会社バンド、他


双頭の鷲の旗の下に(J・F・ワーグナー)/ハイスクール・カデッツ/サーベルと拍車/勇者は前線へ/サーベルと拍車/勇者は前線へ/エル・カピタン/国技/黒馬騎兵中隊/ワシントン・ポスト/海を越える握手/ロイヤル・ウェールズ・フュージリア連隊/神秘な殿堂の貴族たち/不屈の大隊/雷神/ミトン・メンのマーチ(力と栄光)/建国150周年祝祭博覧会マーチ/グリッドアイアン・クラブ/ウルヴァリーンの誇り/チャンティマンのマーチ/由緒ある名誉砲兵中隊/美中の美/国旗に捧げし騎兵隊/50周年祝祭/星条旗よ永遠なれ(以上スーザ)/(全25曲) *赤字表記:スーザ自身の指揮(6曲) 
輸入CD
Pearl

GEMM CD 9249
MONO
スーザの自作自演を含むSP復刻盤。音源は前掲のクリスタル盤と重複するが、当盤はスーザがフィラデルフィア高速鉄道会社バンドを客演指揮した「雷神」「ミトン・メンのマーチ(力と栄光)」の貴重な演奏を収録している。この2曲はアメリカ独立宣言150周年を記念して1926年に吹き込んだもので、当時フィラデルフィアで限定発売された貴重な音源だ。

勇壮なトランペット隊を擁する「雷神」につき、スーザはテンポをやや遅めに設定している。「ミトン・メン」は残響が豊かな録音で、滔々と流れる大河のようなスーザの表現力を捉えている。ところで、スーザ・マーチの復刻盤なのに、何故CDタイトルが「双頭の鷲の旗の下に」?

「凡庸な演奏家だと、作品を素通りしてしまうおそれはないですかね?」。 ジャン=ヴィクトル・オカールの名著「モーツァルト」(白水社)の一節だが、この不安感はスーザ・マーチについても同様だろう。近年、譜面を棒読みしただけの陳腐な演奏が氾濫すること!スーザ・マーチの真価を伝えるこれらの歴史的録音こそ、まさしく「温故知新」、示唆に富む演奏解釈だ。
「スーザのマーチ」は、(1)から(6)まであります。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) スーザ小伝 スーザ紀行
「スーザのマーチ」は、(1)から(6)まであります。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) スーザ小伝 スーザ紀行
美中の美〜スーザ・コンダクツ・スーザ
ジョン・フィリップ・スーザ指揮/スーザ吹奏楽団


星条旗よ永遠なれ/美中の美/ワシントン・ポスト/エル・カピタン/ナショナル・ゲーム/黒馬の騎兵隊/ウェールズ親衛隊/忠誠/士官候補生/剣と拍車/前線の勇者/ゴールデン・ジュビリー/旗手/(全14曲)
国内CD
BMG
BVCC-35035
MONO
スーザ自作自演を謳う当盤に何曲の「スーザ指揮」の真正な音源が収録されているのだろうか。解説の磯田健一郎氏は「スーザが存命時代に自作をスーザ吹奏楽団で録音した、その非常に貴重な音源」「スーザの音楽の、最も完全で最も豊かな姿の、幸せな記録」と絶賛するが、アーサー・プライアーやロザリオ・ブールドン指揮のビクターSP盤の音源が紛れ込んでいる。

そもそも、「スーザ吹奏楽団」と称する団体も、正規のスーザ・バンドではなく、スタジオ録音用の「スーザス・バンド」だろう(なお、スーザ自作自演の音源につき、米国議会図書館発行「The Sousa Band 〜A Discography」を参照されたい)。スーザと同時代の歴史的録音という点はともかく、当盤をスーザの自作自演集としてはお薦め出来ない。

スーザス・バンド名義の膨大なレコード(実際のスーザ・バンドの演奏ではない)が制作されたのは、スーザがレコーディングに慎重な態度を示したからだ(この点につき、前掲クリスタル盤の高橋誠一郎氏の解説を参照されたい)。 従って、件の磯田氏が「スーザは電気的録音の時代よりも前から、積極的なレコーディングを行って大きな成功を収めてきたアーティストのひとりだ」と指摘する点は疑問の念を禁じ得ない(特に“電気吹込み以前から”という点)。





Echoes from Asbury Parkプライアー・バンド名演集
アーサー・プライアー指揮/プライアー・バンド、S・マンティア(Eu)


第1部:プライアー・バンド“土曜日・午後のコンサート”(3:00開演):
歌劇「岩山の風車小屋」序曲(ライシガー)/歌劇「ボヘミアの乙女」抜粋曲(バルフ)/コルネット独奏付の描写曲「ディキシー」(エメット)/牧歌「日没のあと」(プライアー)/行進曲「ザ・ヴィクター」(プライアー)/ツー・ステップ「スウィートミーツ」(ウェンリッチ)/大幻想曲「世界を越えるホーム・スウィート・ホーム(埴生の宿)」(ランペ)/コルネットとトロンボーンの二重奏「運命の石」〜歌劇「アイーダ」より(ヴェルディ)/ラコッツィ行進曲(ベルリオーズ)/コミック・ワルツ「ルイーザ婦人」(プライアー)/プライアーフォーン独奏「オールド・ラング・ザイン(蛍の光)」(マンティア編)/行進曲「ボストンの茶会」(プライアー)
第2部:プライアー・バンド“土曜日・夜のコンサート”(7:45開演):
歌劇「運命の力」序曲(ヴェルディ)/行進曲「ザ・ファルコン」(チェンバース)/牧歌「ほたる」間奏曲(リンケ)/「ハワイ・ポノイ」と「アロハ・オエ」(リリウオカラニ他)/ツー・ステップ「ラザッザ・マザッザ」(プライアー)/ユモレスク「アフリカ探検のテディ(ジャングルの悪夢)」(プライアー)/歌劇「リゴレット」の四重奏(ヴェルディ)/音の詩「恋人の小道にて」(プライアー)/タランチュラ「ずる賢い人の踊り」(プライアー)/特徴的な行進曲「ヤンキー・シャッフル」(モアランド)/トロンボーン独奏「幻想的ポルカ」(プライアー)/トロンボーン独奏「おお渇け涙よ」(デル・リエゴ)/行進曲「国民の象徴」(バグレー)/(全25曲)
1903-13年の歴史的録音
輸入CD
Archeophone

ARCH 5008
MONO
アーサー・プライアー(1870−1942年)は“トロンボーンのパガニーニ”と絶賛されたスーザ・バンドの伝説的プレイヤー(我が国では「口笛吹きと犬」の作曲者として知られる)。その超絶技巧のソロ演奏はクリスタル盤の前掲CDで証明済みだが、このCDはスーザ・バンドを辞した後、1903年に自ら結成した“プライアー・バンド”の貴重な名演集である。 スーザ・バンドの背後に隠れてしまった感はあるが、もう一つの偉大なコンサート・バンドの実力を傾聴してみよう。

プライアー・バンドはジャーシー海岸のアスベリー・パーク(有名なリゾート地)で夏季演奏会を行っていた。このディスクは当時のプログラム構成・進行に基づいて、SP音源を選曲・配列したもの。あたかも20世紀初頭のアメリカにタイム・スリップして、人気を博したプライアー・バンド演奏会の熱気を疑似体験できるように工夫されている。 プライアーの超絶技巧のソロ演奏、自作自演のマーチ、クラシックの名曲等、変化に富んだ多彩なプログラムだ。

指揮者としてのプライアーはトスカニーニ級の“雷親父”であったようだ。演奏のミスには厳しく、激昂して譜面台を放り投げてしまうらしい。だが、指揮台を離れたプライアーはそれを根に持たない紳士であった。手塩にかけたプライアー・バンドの精緻な合奏の成果は素晴らしく、殊に各奏者の技量が非常に高い。 プライアーとともにスーザ・バンドから移籍したユーフォの名手
シモーネ・マンティアのソロ演奏も聴き逃せない(“プライアーフォーン”と称するダブル・ベルのユーフォを使用!)。

聴きどころは自作自演の
「ヴィクター・マーチ」であろう。ヴィクター・レコード社に捧げた作品だが、思わずタクトを振りたくなるような、完成度の高い傑作マーチである(大太鼓の音を明瞭に捉えた録音技術にも注目)。 聴衆を魅了するプライアーの粋なセンスは、スーザ・バンド時代に培った賜物だ。原盤の保存状態も最良で、モノラルながらも立体的な音質である。詳細な解説、豊富な図版を盛り込んだ24頁ブックレットも充実。単なる懐古趣味、歴史的資料ではなく、アメリカ吹奏楽史に輝く記念碑的名演の決定盤としてお薦めしたい。

TOP PAGE
スーザ・マーチ
英国のマーチ
ドイツのマーチ
米国のマーチ
世界のマーチ
マーチ新譜評
マーチ図書室
マーチ入門盤
マーチ雑記帳
マーチLink
軍楽隊の名演