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 国王はデルフィニアきっての射手だった。
 常人が触れたのではびくともしない強力な弦を、静かに引き絞る。逞しい右腕に筋肉が隆起した。
 慎重に狙いを定める。
 無心に放った矢は空を裂いて飛び、見事に王妃の立つ塔の屋根に刺さったのである。
 王妃は扉から離れ、それを振り仰いだ。
 何か小さいものが矢柄にくくりつけられている。

        (中略)

 渾身の力を込めて屋根に飛びつき、矢を取った。
 懐かしい指輪は、黒い糸のようなものでしっかり矢柄に結びつけられていた。  糸ではない。髪の毛だ。
 誰の毛髪なのか、思考能力のなくなった頭でも、はっきりわかった。
 矢に括られた状態のまま、右手の中指に通した。
 とたん、頭の中に響いた声がある。
 (飛ぶんだ、王様の所まで)

                         〜「遥かなる星の流れに」より

ぎをらむさん、すてきなイラストをどうもありがとうございました(アップが遅くなってしまってすみません)。
ウォルがすご〜く格好いいです(^^)(?と思った人は拡大版を見ましょう!)。
このあたりはデルフィニアのクライマックスですね。番外編はいつか出るのかなあ。

 めぐみ     2001.6.11.

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