【一万ヒット記念小説】 国王陛下のごく平穏な一日   連城 颯姫



「…ウォル、いい加減目を覚ませ」
 がくがくと強引に揺すぶられた。あまりにも乱暴な起こし方だった。目を開けると顔をのぞき込んでいるのは、形式上の妻たる少女である。普段なら、気配で目が覚める筈だというのに、王妃に揺すぶられるまで目が覚めないとは、余程深く寝入っていたらしい。
「大事な話があるんだ。ちょっと起きてくれないか」
 ごく普通の朝である。国王は、あくびを噛み殺した。昨夜は仕事が片づかず、結局寝入ったのは明け方近くだった。窓の外を見るとようやく日が昇ったばかりの時刻に叩き起こされたらしい。
「珍しいこともあるものだな」
 無理矢理起こされた筈の国王だが、怒りもせずに部屋着に袖を通した。国王の言うとおり、王妃が自身の用件でこんな早くに訪ねてくるなど、ついぞ無かった出来事である。
「ちょっと用があってね」
 今朝の王妃は酷く気怠げな様子だった。普段なら生命の脈動感に溢れた人なのに些かおかしい。国王が促すと、いきなり爆弾を投下した。
「どうも子供が出来たみたいだ」
 いい加減、王妃に心臓を鍛えられている国王ですら一瞬、呆然とした。
「なんだと」
「子供が出来たといったんだ」
 しばらくの間、不気味な沈黙が支配していた。
「……一体、誰と誰の子供が出来たのだ」
 国王は通常、夫が妻に聞いたら怒られそうな事を大真面目に尋ねた。
「俺に子供が出来た。普通父親はその夫の筈だがな」
 王妃も至って真面目に答えた。だが、思わず王妃の額に手を当ててしまった国王である。
「熱はないようだが」
 まだ全然信じようとしない(当然だろう)国王に王妃は呆れた視線を向けた。
「俺の言葉が信用出来ないのか」
 そういう問題ではない気がするものの、取り敢えず国王は常識的な面より攻めてみることにした。
「しかし、俺達はその、子供が出来るようなことはしてないではないか」
「まだ寝ぼけてるのか。ここ最近で俺が床を共にしたのはお前だけだぞ」
 にべもなく王妃は言い切った。確かに一緒に寝た事は国王もハッキリと覚えている。だが、それは文字通り眠っただけである。全ての神に誓ったとして、王妃とそのような事が無かったことを断言出来る国王である。何故王妃がこんなことを言い出したかは分からないが、取り敢えず兼ねてよりの王妃の主張を持ち出した。
「そ、それに以前お前は自分に子供は出来ないと言っていたではないか」
「だから、俺が一番戸惑っているんだ」
 王妃は嘆息した。流石に王妃の様子が尋常でないことを悟った国王だが、さしもの猛獣使いも判断に困る事態の発生である。しかも、このまま口論が続けばいずれは実力行使となるであろう。流石に国王も訳の分からない事態で王妃と取っ組み合いなど御免こうむる。何よりも、このようなあり得ない事態を王妃が王宮中で触れ回った時の騒ぎを想像しただけでゾッとした。まず先に王妃の侍女に事情を聞こうと思い至り、西離宮に向かうことにした。
 普段から忙しい国王である。今日の予定も詰まっていたが、悠長なことを言っている場合で無いことは明らかだった。隣室の侍従にブルクスが来たら取り敢えず午前中の予定をキャンセルするよう伝言し、様子のおかしい王妃を引っ張っていった。
 さしもの国王も気が動転していたのだろう。隣室にいた侍従と兵士らに、国王と王妃の会話が聞こえていたことに思い至らなかった。こうして事態は大混乱の渦に巻き込まれるのであった。

「ひ、妃殿下にお世継ぎができた、と」
 侍従はブルクスが来るのを待つこともなく、国王が出ていくと大急ぎでブルクスの元に報告にいった。侍従にしてみれば、待ちに待った吉報を届けた喜びに溢れていたが、報告を聞いたブルクスは勿論違う。身近にいる分、王妃の気性を理解し、あり得ない事実と認識していた。
「陛下も大変に驚かれたご様子で、午前中の予定をキャンセルしておくようにとのご伝言です」
 恐ろしく曲解した判断であるが、国王夫妻の実情を知らねば無理もなかった。最初の衝撃からようやく醒めたブルクスは、流石に国王の懐刀だった。
「取り敢えずこの件に関しては陛下のご指示があるまで内密にしておくように」
 すかさず事実の隠蔽を命じたが、侍従は戸惑ったような表情を浮かべた。
「私の他に近衛の兵士も詰めておりました。彼らから女官長、アヌア司令官に報告を行っている筈ですが」
 思わず額をおさえたブルクスである。女官長もアヌア侯爵も王妃を知らぬ訳ではない。ブルクスと同じように口止めするだろう。だが、あくまで一人の時に報告された時は、である。今は朝も早く、女官達は戦場の真っ最中の筈である。その真っ直中で報告されたとしたら。アヌア侯爵の場合はもっと悪い。司令官に情報が行く前に、近衛兵士達の間で情報が知れ渡る。ブルクスの予想通りこの朗報はたちどころに王宮中に溢れ返ることとなった。

「何を寝ぼけた事をいっている」
 王妃懐妊の報をいち早く聞いたロザモンドは早速バルロの屋敷を訪ね、夫の耳に入れたが、その件に関してバルロの反応はけんもほろろだった。
「だが、この話は既に王宮中に広がっているらしい」
 ロザモンドの話に思わず舌打ちしたバルロである。どうしてこのような事態になったか知らないが、こんなよた話を信じる方がどうかしている。もし王妃の耳に入ったら、以前の夫婦喧嘩のレベルでは済まないのではないかと従兄弟である国王の身が心配だった。
「従兄上に事の次第を聞いてくる」
 早速王宮に行く支度を整えると、ロザモンドもついてきた。
「私も行こう」
 公爵夫妻は揃って王宮へと向かった。

 王宮は上に下にの大騒ぎとなっていた。噂を聞きつけた貴族達が祝辞を述べるために大挙押し寄せたのである。ブルクスはその対応にてんてこまいだった。バルロ達はブルクスに事情を聞くのを止め、直接西離宮に向かう。
 王宮の混乱の中、国王の姿が見えないとなると、いる場所はおのずと限定される。しかも西離宮ならば、一般の貴族達が気軽に足を向けられる所ではないので避難場所にももってこいである。向かう途中で同じ事を考えたのか、イヴンとシャーミアンの夫妻に遭遇した。犬猿の仲と言われるイヴンとバルロだが、珍しく意志の疎通があったのか、互いに出たのはため息である。
「全く、何を考えてるんだあいつは」
 既に事態の詳細を聞いたのだろう、イヴンの表情は苦い。てっきり誰かが引き起こしたデマかと飛んできてみれば、噂の根元は王妃だという。バルロも同意し、嘆息した。
「今更、デマでしたではこの混乱は収まらんぞ」
 バルロについて来たロザモンドは、不思議そうな表情をイヴンに向けた。
「イヴン殿も妃殿下ご懐妊の件はデタラメだと思われるのですか」
 日頃、王妃の言動をよく知っていても、ロザモンドの口調はこの吉報を多少は期待しているのが明らかだった。
「当たり前ですよ。だいたいあの馬鹿が、ここ最近五体満足なのがその証拠じゃないですか。仮に手を出していたら、無事に済んでいる筈がない」
 キッパリ断言するイヴンである。
「だが、この馬鹿馬鹿しい噂を流したのが他ならぬ王妃ときている。一体どうなっているのか」
 国王を馬鹿呼ばわりするイヴンに普段は過敏に反応するバルロも、今日はその余裕がないようだった。
「昨日妃殿下にお会いしたのですが、普段と変わらぬご様子でしたわ」
 シャーミアンも夫のイヴンと同じく王妃の懐妊には懐疑的なようだった。本当のことならば喜ばしいことですがといい添えはしたが。

 四人が西離宮に辿り着くと、国王は文字通り頭を抱えていた。
「何でそんなに否定したがるんだ。別に子供が出来たって困ることでもないだろ」
 王妃は己の言葉を信じようとしない国王に本気で憤慨しているようだった。だ が、気の短い王妃にしては珍しく実力行使に出ていないのは、お腹の子供を気遣ってのことらしいと知るとバルロとイヴンはあまりの気味悪さに身震いした。
「妃殿下、ではご懐妊のお話は事実なのですね」
 まず王妃に懐妊の件を直接確認したのはロザモンドで、とたんに顔を輝かせた。こういった件は女性の方が反応が早い。
「てっきり悪意的なデマかと思っておりましたが、おめでとうございます」
 嘘を決して言わぬ王妃をよく知るシャーミアンも、嬉しそうに祝辞を述べた。
 女性三人ですっかり盛り上がっている横で、コソコソと男性陣四人は会話を交わす。
「従兄上、どういうことなのです」
「俺にも分からん」
 さしものウォルもどう反応して良いのやら分からないらしい。
「従弟殿達がこちらに来たということは、この一件は既に王宮中に広がっているということか」
 事態を察した国王は、がっくりと肩を落とした。王宮どころか、二の郭の貴族達にまで既に王妃懐妊の話が流れたと知ってはそれも無理はなかった。無理を通してリィを王妃に迎えたものの、このような事態はあり得ないことが前提だと今 の今まで思っていたのだ。勿論、今現在もウォルはリィの懐妊の件を信じてはいない。二人の間にそのような事はなかったし、今までの王妃は子供が産まれないことを繰り返し言っていたのである。普段、幾度も言われたことと今日に限って様子のおかしいリィに言われたことでは信用の度合いが違う。
「今のリィを人前に出すとする。当然、俺の子供が出来たと主張するだろう。一方俺の方が取り敢えず身に覚えがないから否定する。正反対の事を言っても皆が信じるのはリィの方だろう」
「そうでしょうな」
「まぁ、実情を知っている奴ら以外は何故夫のお前が必死に否定するのか首を傾げるだろうな」
 人は信じたい話を信じるものだ。待ちに待っていた吉報だけに、国中が湧くだろう。しかも王妃本人の言葉なのだ。信憑性が違う。
「しかもだ、普段のリィがこの事態を知ったら憤死しかねん」
 国王にとっては、噂もそうだが怖いのは普段の王妃の反応である。今は何らかの事情で子供を身ごもったと思い込んでいるようだが、元に戻った時にウォルが肯定などしていた場合、間違いなく首が危うい。
「うーん」
 思わずうなってしまった一同である。
「今朝いきなり俺の寝所に押し掛けてきて、俺の子供が出来たという。だが、そんなことはありえん」
 それには深く同意する三人である。
「俺は太陽が西から昇ったとしても、お前達夫婦からこの手の話を聞くとは思わなかったぜ」
「俺もだ」
 いい加減、ウォルもぼやいている。
「最初はタチの悪い冗談かとも思ったが、詳しく事情を聞いてみるとそうでもないらしい。真剣に俺の子を妊娠したと思い込んでいるのだ」
「昨夜はどんな様子だったのだ」
 バルロは王妃の侍女を問いただした。有能な侍女の筈のシェラも、寝耳に水のこの異常事態に混乱している様子だった。
「昨夜はどちらかにお出かけしていらっしゃいました。戻られたのは、夜も更けた頃で食事も召し上がらず、すぐに寝入ってしまわれましたが」
「酒の方はどうだった」
「かなり酔っていらっしゃったと思います」
 だが現在のリィは酔いも醒め、酔っぱらいの戯れ言とも考えられなかった。
「昨夜はどこにいっていたのかな」
 イヴンの言葉にウォルは考え込んだ。
「ああ、俺も気になってリィに尋ねたのだが、覚えてないと言い張るのだ」
「それって思い切り胡散臭くないか」
「俺もそう思う」
 昨夜の記憶が鍵を握るやも知れないと一縷の希望にすがる国王だった。
「王宮の様子からして、一刻も早く事態を収拾しないことには取り返しのつかないことになりかねません」
 この噂が三の郭を飛びだし外に出たらどうなるか。隣国にでも知れたら冗談では済まない。
「あの方に聞いてみてはいかがでしょうか」
 控えめに提案したのはシェラである。シェラの差す人物にウォルも即座に思い至り頷いた。
「そうだな、もしや昨夜の相手かもしれぬし、万一の場合は占って貰おう」
 王妃の相棒ことルーファス・ラヴィーは、魔法街の片隅で居候している。時々王宮に遊びに来るが、常に忙しい国王は暫く会っていなかった。
 決断すると後は早かった。だが、噂の渦中にある王妃を連れて行くことは論外だし、様子のおかしい王妃をこのまま放置しておくことは出来ない。ルウの所にはシェラと行くことにし、後のことを二人に任せることにした。
「承知いたしました」  バルロが請け負い、イヴンも頷いた。ウォルとシェラは急ぎ魔法街へと向かった。

 大急ぎでルウの元に駆け込んだ二人だが、出迎えたルウの方は呑気そうだった。慌てて事情を説明すると、ルウは目を丸くして尋ねた。
「ふうん。んで、王様は手を出した覚えがあるの」
 面白そうに聞かれ、ウォルはがくっと首を落とした。
「ある筈がないことはラヴィー殿もよ〜くご存じだったと思うが」
「ま、そうだね」
 リィと同じく肯定されたらどうしようと思っていたので、内心ホッとする。
「そこで昨夜リィが何処にいたかを尋ねたいのだが」
「エディならここに来てたよ」
 いともあっさり言われ、ウォルはつかみかからんばかりに尋ねた。
「で、リィのあの反応に心当たりがあるだろうか」
「別に変な様子じゃなかったけどなぁ。良い酒を貰ったからって持ってきたんだ」
「そのまま、飲み会に突入したわけだな。そのとき何かなかっただろうか」
「普段と変わらないと思うよ。ただ、話のついでに王様の話は出たよ。まだ後継ができないなーって」
「別に急ぐものでもないと思うがな」
 国王は苦笑した。子供が欲しくない訳ではないが、己の子に無理に国王を継がせようと考えていないせいか、他の国王より後継作りに熱心でないのは自分自身認めている。
「帰られたのはいつごろですか」
 二人の会話に躊躇いがちにシェラも参加した。
「夜もだいぶ更けた頃だよ」
 更に詳しく時間を聞くと、シェラがリィの帰宅を確認した時間と余り差はなかった。ルウの所から直接帰ったことは間違いないようだった。

「でも変だな。エディはその手の冗談だけはしないと思ってたのに」
 リィの反応がよっぽど不可解なのか、ルウはしきりに首を捻っていた。
「冗談ではないとするとどうだと思われるかな」
「うーん、穏便な所で思い込みとか…。たちの悪い暗示にでも掛かってるのかな」
「王妃の具合を看て頂けるかな」
「まぁ、お医者さんに看られるのはあの子の方が嫌がるだろうしね」
 妊娠していないことを確認して、リィを元に戻して欲しいと言うウォルの頼みを了承したルウだった。

「陛下、このたびはご懐妊おめでとうございます」
 西離宮に戻ると国王を出迎えたラティーナは開口一番にそう告げた。
 ウォルとシェラが出かけていた間にナシアスとラティーナの夫妻が見舞いの中に加わっていた。すっかり、懐妊が事実として伝わっていることに、恐ろしさを感じ、ウォルの表情は半ば引きつっていた。
「あれ、ルーファまで来たのか」
 リィは目聡く相棒を見つけて駆け寄ってきた。ルウも何食わぬ顔で尋ねた。
「うん、王様の子供が出来たって」
「どうもそうみたいなんだ」
 些か照れくさそうにいうリィに内心驚きつつ、ルウは診断することにした。そしてルウが看ている間、国王はバルロ・イヴン・ナシアスに取り囲まれた。
「従兄上、もう一度確認しておきたいのですが、本当に王妃に手は出されていないのですか」
 先程とは打って変わったバルロの反応だった。
「正直に言ってみろよ」  イヴンも詰め寄ってくる。
「お前たちまで疑うのか」
 柄にもなくウォルは喚いてしまっていた。二人とも、風向きが変わった様にウォルの行動を疑っている。
「陛下が出かけられた後、妃殿下に詳しく事情を伺ったんです」
 ナシアスが事情を説明した。バルロとイヴンはあの後、リィに詰め寄ったらしい。だが、リィは極めてあっさりと既成事実を認めたのだ。
「妃殿下曰く、結婚して三年でようやく初夜を迎えたなどとは国王も自分も今更誰にも言えなかったのだと仰られたのです」
 あんぐりと口の開いてしまったウォルである。リィの口からそのような言葉が出たこと自体も驚きだが、どうしてアレに手が出せると思えるのだと主張したいウォルである。
「俺もまさか、とは思ったさ。でも、この世でアレに手を出す気になる物好きはお前しかいない」
 イヴンの断言にバルロとナシアスは大きく頷いた。
 そ、そんな気になってないぞとつっこみを入れたいウォルだが、あまりの展開に声も無かった。
「先程、宰相と女官長が確認に来られた。その前で王妃は懐妊が事実であることを断言しました。お二人とも、喜びいさんで降りて行かれました」
 さしものウォルもこの包囲陣をどう対処していいのか、狼狽えていると、別室からようやく王妃とその相棒が出てきた。
「どうも本当に本当に子供がいるみたいだね」
 ルウと言えば苦笑はしているが、あっさり王妃の懐妊を認める発言をしたのである。
 嘘だーっと喚きたくなってしまった国王である。
「当たり前じゃないか。俺が嘘を言っているとでも思ったのか」
 至って心外そうに、王妃は言い返す。
「体の仕組みまで女性になってしまったってことか。でも僕との間に子供が出来る筈もないし、心当たりは王様しかいないわけだね」
「そういうこと」
 呑気に会話している二人である。だが、それを聞いた国王が平静でいられる筈もない。
「本当に、いるんですね」
 イヴンとバルロは思わず二重奏したものだ。信じるなーと縋る様に周囲を見回すと、銀髪の侍女と目が合った。
「陛下、おめでとうございます」
 シェラの祝いの言葉に国王は思わず天を仰いだ。それはないだろう、と思う。とうとう、王妃の侍女まで向こうの側についてしまったらしい。
『そんなこと、あり得る筈がない』
 珍しくも国王の言葉は悲鳴に近かった。

「一体、何をうなされてるんだ」
 呆れた声に国王は叩き起こされた。覗き込んだのは緑の瞳を持つ、己の形式上のみの妻である。
「ん、ここは」
 国王が辺りを見回すと、見慣れた調度があり、すぐに己の寝所であったと分かる。窓の外を見ると薄暗くまだ日も昇っていないらしい。
「前に寝た時は枕になってくれたし、静かなものだったが今回は一体何をそんなにうなされているんだ」
 普段の口調の王妃だった。
「夢、か」
 即座に懐妊の事実が無かった事であることを確認したかったが、懸命にも国王は言葉を飲み込んだ。そんな事をすれば、真夜中だというのに、夫婦喧嘩が勃発するであろう。
「随分と具体的な悪夢を見たようだ」
 国王の返答は嫌に苦しいものだった。

〜おしまい〜

※この小説は本編と相当矛盾点がありますが、承知で書いてます。気にせず流して下さいね。(by連城) 


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(c) 連城颯姫 1998 禁転載
初出:RT通信vol.5(Dec., 1998)
原作:茅田砂胡『デルフィニア戦記』(中央公論新社 /C★ノベルズ ファンタジア)
運営:デルフィニア戦記を語ろう